watch more

【連載】Times O’ Youth Vol.4 Sugar House──ダークさと疾走感を共存させるインディーロック・バンド

StoryWriter

音楽、アート、ファッションなど、様々なカルチャーの中で活躍する若きアーティスト・クリエイターを取り上げて紹介していく連載『Times O’ Youth〜次世代カルチャーの担い手〜』。第4回は、東京を拠点に活動する新世代インディーロック・バンド、Sugar Houseを取り上げる。


Vol.4 Sugar House

2019年に結成し、東京のライヴハウスを中心とするインディーロックシーンで注目を集める4人組バンド、Sugar House。Captured Tracks周辺の2010年代USインディー、UKポストパンク、90sオルタナなどに影響を受けたソリッドなサウンドで、圧倒的な存在感と個性を放つ注目のインディーロック・バンドだ。

2021年11月にSugar House 初のEP作品である『Surface』をリリース。さらに2022年6月29日に、パンクロックのエッセンスを前面に押し出した新曲「If you can’t get enough」がデジタルリリースとなり、バンドへの注目度が一段と高まっている。

Sugar Houseが奏でる海外インディーと共鳴するネイティブな質感のサウンドは、オルタナティブな疾走感がありつつ、おどろおどろしいダークな雰囲気を纏っている。また、Ren Kobayashi(Vo)の淡々と呟くように歌う感じが妙に色気があって、クールな演奏と混ざり合い聴き心地良いアンサンブルを生み出している。独自の世界観を築き上げるSugar Houseの音楽からは、初めてMy Bloody Valentineを聴いた時のようなある種の初期衝動的な感動さえ覚える。

2022年5月にデジタルリリースされたシングル「Move」は、本能のままにラウドなサウンドを鳴らしている無骨さがありながら、要所要所にエッジの効いた音が配置されている。曲のどこを切り取っても洗練された緻密なサウンドプロダクションを感じることができる。

 

 

メンバーそれぞれが密室の中で演奏するというシンプルな構図の映像からはセンスが溢れている。細かいカット割で映像の中に差し込まれていくノイズがかったモノクロ静止画は、観る者の焦燥感を煽るような不気味な印象だ。Sugar Houseが構築するダークさと疾走感が共存する世界をまさに表現している。


■リリース情報

Sugar House 『If you can’t get enough』

発売日 : 2022年6月29日(水)
形態 : デジタル
収録曲 :
1. If you can’t get enough

https://ultravybe.lnk.to/shd-003

北村蒼生(きたむらあおい)
2000年生まれ、東京出身。大学ではロシア語を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら、就職活動をしている。好きなものは音楽、ファッションなどカルチャー全般。

PICK UP