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【連載】Times O’ Youth Vol.10 pavilion──懐かしさの中に見られる新世代の感覚

StoryWriter

音楽、アート、ファッションなど、様々なカルチャーの中で活躍する若きアーティスト・クリエイターを取り上げて紹介していく連載『Times O’ Youth〜次世代カルチャーの担い手〜』。第10回は、東京を中心に活動するロックバンド、pavilionを取り上げる。

Vol.10 pavilion

下北沢・渋谷を中心に活動する4人組バンド、pavilion。2019年に大学の音楽サークルで出会ったメンバーとともに結成。都内のライヴハウスを中心にこれまでに多くのイベントに出演するなど精力的に活動している。

彼らの音楽性は、90sのブリットポップや00sのポップ・パンク、ポップ・ロックを彷彿とさせる懐かしいロックサウンドを基盤としていて、初期衝動を感じるような爽快感が溢れている。ただ同時に、ハイセンスな音作りからは現況の海外ロックとも共鳴する新しさも見られる。日本のバンドでいくと、本人達も好きだと語るASIAN KUNG-FU GENERATIONや、the pillows、ストレイテナーなどの系譜を辿っているようだ。

2021年6月に1stシングル『Yumeji Over Drive / conifer』、10月には2nd EP『run-up!!』とハイペースに楽曲をリリースし、東京のインディーズロックシーンにおいて独自の存在感を放ってきた。2022年5月18日にリリースした2ndシングル『Hit-or-Miss』では、彼らの持ち味である琴線に触れるメロディと切れ味のよいサウンドが全面に体現されている。一方で、今までにない斬新なアレンジが散りばめられていて、pavilionの新境地を感じさせる楽曲に仕上がっている。

 

疾走するビート感とパワフルで遊び心溢れるギターに乗っかった正面突破のグッドメロディからは、青春の甘酸っぱさすら感じる。メンバーと親交の深いアラユ(Apes、hyuen)が手掛けたこの曲のミュージックビデオの中では、堂々と演奏をするメンバーが2000年代初期の雰囲気漂うザラっとした質感で映し出されていて、もはや新人とは思えない貫禄さえうかがえる。

彼らを見ていると、かつて日本人がブリットポップ・バンドや邦楽オルタナのパイオニア的存在のバンドに求めていた “おしゃれ感を捨てた本物のかっこよさ” のようなものを感じる。「内に秘めた熱いパッションは、俺達なりの飾らないロックで表現する」。そんな姿勢を見せてくれるところが、pavilionが持つ最大の魅力の1つなのかもしれない。


■リリース情報

pavilion『Hit-or-Miss』
発売日:2022年5月18日
形態:デジタル
配信リンク:https://lnk.to/Hit-or-Miss

pavilion 公式Twitter:https://twitter.com/pavilion_jpn?s=21
pavilion 公式Instagram:https://www.instagram.com/pavilion_jpn/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
pavilion 公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC3DCCF_mMY_jB58SZaAmVaw

北村蒼生(きたむらあおい)
2000年生まれ、東京出身。大学ではロシア語を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら、就職活動をしている。好きなものは音楽、ファッションなどカルチャー全般。

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