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【GANG PARADE 短期集中連載 Vol.5】ココ・パーティン・ココ編「私の職業はアイドル、って言えてるのが本当に幸せ」

StoryWriter

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動するWACK所属の13人組アイドル・グループGANG PARADE(以下、ギャンパレ)の1人1人のパーソナルに迫る短期集中連載がスタート。毎回1人ずつ、どんなファッションを好み、どんな音楽や漫画やゲームなどに影響を受けてきたのか、ギャンパレでの歌詞や振り付けについてなど、これまでの単独インタビューとは違った切り口からメンバーに迫る。

第5回は、2016年11月にGANG PARADEに加入したココ・パーティン・ココ。BiS公式ライバル・グループSiSで活動を始め、お披露目ライヴ翌日に活動休止という絶望のどん底に叩き落とされるも諦めず、ユイ・ガ・ドクソン、テラシマユウカとともにギャンパレに電撃加入。ギャンパレのムードメーカーとしてグループを盛り上げ、誰よりも人懐っこくコミュニケーション力も高い、アイドルシーンを愛する彼女のパーソナルに迫った。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


私は自分をギャルだと思ってなくて。むしろ、ギャルに憧れているやつなので

──ココさんはギャンパレのムードメーカーでもあり、おしゃべりも得意なイメージがありますが、そのコミュニケーション力とかトーク術ってどこで培われたんでしょう?

母親が自営業だったので小さい頃から周りに大人がめっちゃいたんですよ。一人っ子で人と話す機会がそこ以外になかったから、そういう大人の人たちと話していたことが影響しているのかなって。

──人見知りしない印象もあるんですけど実際どう思っていますか?

私は人に対して「人見知りするんです」って言いたくないポリシーがあって。そう言うと相手に気を使わせるじゃないですか? みんな初対面の人と話したら緊張すると思うから、私はそれを言いたくないなって。人見知りだとは思ってないんですけど、自分から一歩踏み込むことはどこか意識しているかもしれないです。

──天性の性格というより、自分でエンジンをかけているところもあるというか。

ずっと一貫校で小学校から仲良かった子と一緒だったので、新しい人と交わる機会があまりなかったのもあると思うんです。全然知らないコミュニティに放り出されるのが実は苦手で。だからWACKに入ったときも最初はしんどくて。

──活動のために名古屋から上京してきた当初は大変だったんじゃないですか。

多分ストレスもあったんだろうなと思います。東京に友達もいなかったので。今は、こっちでの友達も増えたし、就職して上京してきた子とかが増えたんですよ。最初から東京にいたら、あまり新しく人としゃべろうとか仲良くなろうという欲がなかったかもしれない。他にコミュニティがなかったからこそ、スタッフさんやいろんな人とより仲良くなっていったんじゃないかなって思います。

──StoryWriterではいつも私服で撮影させてもらっているので、普段の洋服のポイントだったりどんなものが好きかみたいなところも教えていただけますか。

え、そんなの聞いてくれるんですか(笑)? 嬉しいめっちゃ!

──洋服には小さいときから興味があったんですか?

親が若いときにモデルをやっていて、ファッションに敏感な人だったから、「あんた本当ださいね、センスないね」って言われていて。成長していくにつれて自分の好きな服とかが分かってきたのはあります。あと私、小学校から制服があったんです。私服を着る機会が人より少なかったからこそ、休日に好きな服を着てどこかに出かけたい欲があって。土日にちゃんと着たい洋服を着るみたいな気持ちが小学校高学年ぐらいから出始めて、そこからずっと服は好きです。ただ、別にファッションオタクなわけではなくて。好きな服を着てるだけなんですけど、メンバーの中では割とこだわりが強い方かなとは思いますね。自分の服を見せたいし(笑)。

──どういうものを好んで着る傾向があるんでしょう?

これまでガーリーな淡い色のものは着てこなかったんですけど、最近になって割とそういうのも着るようになり始めました。ただ、ワンピースはほぼ着ないですね。スカートは履くし、今日もそうなんですけど、ワンピースって着ちゃったら終わりじゃないですか? 私はいろいろある中で組み合わせてバチッとハマるのが好きで。1個のアイテムでも他のアイテムと組み合わせていろんなバリエーションができる服が好きです。例えば、上は派手でも下をめっちゃ変えられるとか。

──アクセサリーとか小物も好きですよね?

アクセサリーも好きかも。名古屋人だから見栄っ張りなのかな(笑)? あと親がジュエリー系の仕事していたんですよ。だから帽子とか指輪とかネックレスとかも絶対つけるのかも。サングラスもするし。

──他のメンバーのネイルは黒系が多いですけど、ココさんは派手目ですね。

季節感によるんですけど、いまは夏なのでお花柄とか派手派手にしています。なんか馬鹿みたいで、ちょっとオモロみたいなのが好きで。ネイリストさんに任せちゃうことが多いんですけど、こういう感じがいいんですよねってベースになる写真を見せて、そこから色とかパーツとかおすすめでやってもらうことが多いです。爪が長いのも好きなんですけど、ギャルっぽい服とかストリートっぽいちょっと治安悪い服が好きかもしれないですね。

──今って、見た目がギャルじゃなくても、マインドギャルみたいな人も多いですよね。ココさん自身、自分にギャル要素みたいなものがあると思いますか?

私は自分をギャルだと思ってなくて。むしろ、ギャルに憧れているやつなので、ギャルになりきれてないんですよ。憧れだけで来ちゃったから。だけどギャルはマインドなんで、やっぱりそこに近づきたいですよね。ギャルマインドに。

学びも多いし、モチベーションになっている

──いまギャンパレの活動が忙しいと思うんですけど、どれだけ忙しくてもチェックすることや欠かさずやっている趣味などあれば教えてもらえますか。

どれだけ忙しくても、推しのK-POPアイドルの映像とかは絶対見るようにしています。今ってSNSとか供給が多いじゃないですか? 昔のアイドルで得られたものよりも情報が過多なんで、それを摂取していないとダメだし追えていないのが嫌なんですよ。もともとがオタク気質だから、取りこぼしがあるのが嫌なんです。

──具体的にどのグループが好きなんですか?

SEVENTEENっていうグループと、いまはNCT DREAMってグループが好きです。この前、ライヴに行けたんです! 来日する機会が少ないので難しいと思っていたんですけど、奇跡的にスケジュールが調整できて。

──どうして、その2グループのことが好きなんでしょう?

元々アイドルオタクだったので、アイドルの文化がすごい好きっていうのはあるんですけど、WACKに入って活動を始めてから日本のアイドルにそこまで惹かれなくなって。それは同業すぎるからで、フラットに自分が一般人だったときに好きだった感覚になれなくなっちゃったんです。でも韓国ってある程度の距離感があるから、手の届かない存在を追いかけているところがあって。それが昔、自分が日本のアイドルを好きだったときの感覚に似ているからハマりやすいんだろうなと思っています。

──たしかにココさん自身が演者になったわけですからね。そうした視点から見る部分も変化があったんじゃないでしょうか。

昔はダンスとか曲のクオリティとかであまり見てこなかったんですよ。韓国のアイドルって、パフォーマンスが洗練されているじゃないですか? この仕事を始めて、大人数で揃えたりすることの難しさを自分で感じているからこそ本当に見て感動したんですよ。曲とかライヴのクオリティでもめちゃくちゃ感銘を受けてしまって。

──ココさんがオタクという立場からアイドルに一番のめり込む要因みたいなものってどこにあると思いますか。

正直、この仕事を始める前と後では本当に感覚が違っていて。今までは、かっこいい、かわいい、ライブ楽しい、オタク友達といるのが楽しいとか、自分の娯楽の一つみたいな感じだったんです。でも今は完全に仕事にも影響されているというか。学びも多いし、モチベーションになっていて、完全に今は仕事にも紐付けて追っている感覚はあります。特殊なお仕事をさせてもらっているので、他のアイドルファンの方とはちょっとまた違う目線で見ちゃっているとは思うんですけど、すごく頑張れます。

──ギャンパレの活動をする上でもココさんの心の拠り所になっているんですね。

自分もオタクをやっていたからこそ、今まで自分はファン心理をよくわかっていると思っていました。だけどこの5、6年で、昔と同じ感覚でいられてなかったなって最近気づいて。ファンの子がなんで私に会って泣くんだろうとか、お客さんの目線になって理解出来ていなかった。例えばこのライブを見るためにこの仕事頑張ろうとか、この曲聞くと心が落ち着くなとかって言うのが当事者すぎて、本当にこんな自分に会って嬉しいのかなとか思ってしまっていた時期があったんです。でも、韓国のアイドルが好きになってから、謙遜とか抜きにちゃんとそれを受け入れられるようになって。種類が違っても、自分に対しても、ギャンパレに対しても、そうやって思ってくれる人がいるってことを本当の意味で今はわかるんです。そこから仕事に対しての向き合い方とかファンの人への向き合い方みたいなのが、いい意味でいろいろ自分も考えるようになったし変わったと思います。

自分の中でアイドルからもらえる物は特別

──それまでアイドルオタクをやっていたココさんが、今では推される側になっているわけですが、それってどんな感覚なんでしょう?

めちゃめちゃライブがあるときは、自分がアーティスト側だっていう感覚がずっとあるんですけど、1年の中で一旦落ち着いたりとかする時期の波があると、自分がアーティスト側だって一瞬忘れるときがあるんですよ。例えばなんですけど、ツイッターでエゴサとかしているときに、私のグッズを持って画像投稿をしてくれている人とかを見るとびっくりするんです。そっか、私もアイドルだった!みたいな(笑)。

──これだけ長くやっていても自分がアイドルだって忘れる瞬間があるんですね(笑)。

「そっか、私アイドルなんだよな」みたいに思うこととかがあるので、たまに変な感じになりますね。でも、本当に今推しのアイドルがいなくなったら結構つらいかも。小学校高学年ぐらいからずっとアイドルが好きだったから。推しのアイドルがいなかった時期って、本当にギャンパレに入った数年間だけなんですよ。

──逆にそっちの方が珍しいと。

めちゃくちゃ珍しくて。最近オタク熱が再燃して、メンバーは私のオタクっぷりにびっくりしてると思います(笑)。でも元がこうなんですよ、私は。

──オタク活動っていうのは、主にどんなことをしているんでしょう。

グッズを買うとか、ライブに行くとかもそうなんですけど、私は情報収集が一番多いかもしれない。他に好きって言ってる子よりも執着度が強いというか。熱量の差とか人と比べるものじゃないと思うし、やり方もいろいろあるけど、私はちょっとキモいと思います(笑)。癖なんだと思います。常にチェックしたり、徹底的に調べるみたいなことが。

──アイドル以外でそれぐらいの熱量で好きなものとかはあったりしますか?

アイドルほどのものはないです。本当にアイドルって文化が好きなんだなって最近すごく強く思います。バンドシーンとかヒップホップシーンとかいろいろ聴いてきたし、アニメとか様々なエンターテインメントの世界があるけど、自分の中でアイドルからもらえる物ってめっちゃ特別なんですよね。だからK-POPが好きとか云々というより、アイドルシーンが基本的に好きなんです。

──時代ごとにアイドルのあり方とかも変わってきてると思うんですけど、アイドルの変わらない魅力ってなんだと思いますか。

それはやっぱりアイドルとファンの関係性かなと思います。例えば映画とか格闘技とかスポーツとか与える側の割合の方が大きい気がしていて。バンドとか音楽も基本はそうだと思うけど、その中でもアイドルってめちゃくちゃ結びつきが強い。アイドルの楽曲って本当に好きな人が聞くっていうか。そういう意味で言うと、それを拡大していっているBiSHは本当にすごいなって思うし、そこを超えたのが BiSHなのかなって思うんです。ギャンパレのことをアイドルの域を超えてアーティストですよねって言っていただけたりすることもあって、すごく嬉しいんですけど、私はアイドルだと思っているんです。

──そこにこだわりを持っている。

私の職業はアイドル、って言えてるのは本当に幸せだなと思っています。

横浜アリーナに絶対に立ちたい想いが強くある

──そこまで自分が好きで、影響を受けているアイドルをいまご自身でやられているわけですが、ギャンパレをどんなグループにしたいと思っていますか。

すごく基本的なんですけど、人に元気を与えるグループというところに戻ってきたというか。アイドルの言葉として人に元気を与える、笑顔を与えるアイドルになりたいですって結構言われるセリフじゃないですか?

──確かにオールドスタイルではありますよね。

自分が学生時代のときからアイドルシーンを見てきて、そうじゃない形が流行った時期もあったんです。たとえば、初期BiSとかはそうだったと思うんですけど、元気を与える・与えてもらうとはちょっと違うシーンがあった時代もあるし、それに自分が熱狂していた時期もあったんです。そういうものはそういうものですごくかっこいいし自分も好きなんですけど、自分がどうしたいかってなったときに、 ギャンパレは人に元気を与えるっていうのがぴったりなグループなんじゃないかなと改めて思って。自分も最初はBiSを志望していたけど、結果的にギャンパレのメンバーになれて良かったなって気持ちに最近特になることが多いんです。ファンの人にどうやったら喜んでもらえるかとか、どういう自分たちを見せたいかを、みんなの遊び場っていうコンセプトで考えられていることが、自分がやりたいアイドル像にすごく沿っている感じがしていて。WACKのいろんな毛色がある中の一つとして、ギャンパレがこういうスタイルでやらせてもらっていることは、すごくありがたいことだなって思いますね。

──ココさん個人としての夢だったり目標みたいなものはありますか。

最近よく言われるんですよ。先のこと考えてる?とか、どうしていきたいの?みたいに。でも私、人生で1回も先のことを考えたことがなくて。漠然と軸としてあるのは、自分が頑張ることが、誰かに恩返しにつながることをしたいということで。例えば渡辺(淳之介/WACK代表)さんとか家族とか、自分の成功を喜んでくれる人がいるんだったらそのために頑張りたい。BiSHを見ていると、関わる人がみんなBiSHと仕事して誇らしくしていて。私がBiSHから一番学んだものってそこで。頑張って大きいステージだったり大きい仕事をすることで、関わってる人がみんな幸せになってくというか。そういうふうに人を幸せにできることがガチですごいなと思っていて。この仕事をやってる上での一番の理想はそこなんです。

──ギャンパレとして頑張ることが、皆の喜びに繋がっていくのが理想だと。

そのために大きい舞台に立つことも一つだと思って。例えば「プレイハウス」をやったときも、他のグループがやっていなかったことをやることで1個何かが先に進んだり、ファンの人が感動してくれて。そのときに手段は何でもいいなと思ったし、BiSHとかBiSがやってきたこと以外でもできる事はあるんだなと思ったんです。他のメンバーの個人仕事を見ていても思うけど、私は形にはこだわってないのかもしれない。ファンの人がギャンパレを見て幸せになってほしいんです。あとは、初期BiSの横浜アリーナを見た光景が自分の中では焼き付いているので、横浜アリーナに絶対に立ちたい想いは今も強くあります。


GANG PARADE 短期集中連載 一覧

Vol.1 ヤママチミキ編「1人ぐらいは自分のことを必要としてくれる人がいるんだよ、って伝えたい」
Vol.2 ユメノユア編「自分を救ってくれた、支えてくれたのは音楽だった」
Vol.3 キャン・GP・マイカ編「常に憧れられる存在でありたい」
Vol.4 テラシマユウカ編「不安定だからこそ面白い」


■リリース情報

GANG PARADEメジャー4thシングル『Priority』
2022年11月16日(水)リリース
価格:1,100円(tax in)
品番:WPCL-13427
収録内容:
1. Priority
2. MELT

購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/4thSG

メジャー4thシングル「Priority」
9月19日(月)各配信サイトにて配信開始
https://gangparade.lnk.to/Priority

■ツアー情報

〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉

2022年10月17日(月)@大阪 BIGCAT
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:サウンドクリエーター 06-6357-4400

2022年11月2日(水)@宮城 Rensa
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:G/I/P https://www.gip-web.co.jp/t/info

2022年11月10日(木)@東京 Zepp Haneda
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:KM MUSIC 045-201-9999

■イベント詳細

〈Even without BiSH, this is WACK〉
2022年11月23日(水祝)@千葉 幕張メッセイベントホール
時間:Open/Start 13:30/14:30
出演:ASP/BiS/ExWHYZ/GANG PARADE/豆柴の大群
[問] KM MUSIC 045-201-9999

料金:【通常チケット】全席指定 7,000円(税込)(入場時にドリンク代別途必要)

WACK 公式WEBサイト:https://www.wack.jp/

オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/

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