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現役風俗嬢リカのオトナ的コラム トーキョー・フリーティング Vol.12 デビュー 

StoryWriter

こんばんは、リカです。

前回、この業界に入ったときのことについてお話ししました。
初めて面接に行ったお店は、オナクラ希望で行ったのにヘルスを勧められ、不信感を持ち一旦保留。
もう一店だけ面接行ってみようかなと足を運んだお店で、長く働くことになりました。
今回はそのときのお話。

初面接から数日後。
また同じような条件で探しつつ、今回は前回の反省を踏まえ、そのエリアのなかのお店でいろいろ調べてみることにしました。
系列店がたくさんありそうな大きな規模で、ホームページも凝っていて自分がお客さんだったら選びそうな雰囲気のお店……。
そうやって選んだ、とあるお店。

面接は、電話が鳴りまくっていて忙しそうな事務所の片隅で行われました。
とても感じの良いスタッフさんが対応してくれたのですが……このときの面接で私はいろいろと悟りました。

まず、やはりここでもヘルスを勧められました。
そして前店同様、ここでも「ヘルスのほうがお客さんが多いから稼ぐことができる」という説明があり、女の子のパネル写真を取り出し、オナクラの子たちとヘルスの子たちを比較し、

「わかります? オナクラは18〜19歳がメインの、こういうキャピっとした感じというか……。それでこっちがヘルスの子たちなんだけど、こう、ぐっと、レベルが落ちますよね?」

……やんわりと、「君くらいのルックスのレベル、年齢では、オナクラでは難しい」ということを言われたのです。

そのお店は人妻系のヘルスも運営していて、「雰囲気的に、そっちでもいいよね?」なんて、他のスタッフと相談されてしまう始末。

ああ、私じゃ、オナクラは無理なのね。
オナクラってそういう感じなのね。
23歳って、人妻でもいけるのね。
私のルックスレベルは、“ぐっと下がる”のね……。

察しが良くて諦めも早い私はこのようなことを一瞬で悟り、これはもう、ほかのどのオナクラの面接行っても同じだな、と思いました。
それならもう、腹くくってヘルスやるか!

不思議とそのときは、嫌な気持ちよりも、むしろちょっとワクワクしました。

結局、人妻系ではなく学園系のヘルスに在籍することに決定。
そのまますぐにサービスの講習を受けて、その間にプロフィールを作成してくれて、さらにその日のうちに1本お仕事もしました。

もう、この日はあっという間でした。

完全業界未経験ということで講習があったのですが、担当が面接してくれたスタッフさんだったので、きっと私のことをブスでオバサンのくせにオナクラの面接来ちゃったやつ(笑)……とか思っただろうに、とても丁寧にしっかりと講習してくれました(当たり前か)。

接客マナーからお風呂の入り方、ヘルスの技術、言葉遣いやいろいろなちょっとしたコツなどなど……。真面目な私は必死で覚えました。

余談ですが、ここで教わった接客マナーみたいなものは、ずっと活かせています。振り返ってみると、このお店は講習を丁寧にやるところだったようで、他店に行ったときに、接客中に「すごく丁寧だね」「こんなことやってくれる子いないよ」みたいに言われることが多かったです。それで指名も取れることもありました。感謝。

さらに余談ですが、講習中、教えてくれるスタッフが男性の場合、勃起してもいいけど、射精してはいけないらしいです(笑)。射精しちゃうと「趣味講習」とか言われちゃうらしくて、スタッフの私利私欲で講習していると思われて問題になるそうです。この辺の話もいつかしたいですね。

初めてのお客さんは、いまでもお顔を覚えています。
とっても優しい、本当に普通のお兄さん、でした。
気持ち悪いとか思う暇もなくとにかく必死にやって、ちゃんと射精させることが出来てホッとしたのも覚えています。

お客さんが清潔感のある良い人だったのも大きいと思いますが、やってみたら、意外と、気持ち悪いとかつらいとか思わなかったです。よく漫画とかだと、“自分が汚れた気がした”とか“終わってからも気持ち悪くて吐いた”とか描いてあったりするけど、全然そんなことは思わなかった。

そんなことよりやっぱりおカネが欲しくて必死だった、そんなこと言ってる場合じゃない、という感じでした。でも多分、普通の女の子より、知らないオジサンのちんこをしゃぶることへの嫌悪感は、少ない方だと思いますね。仕事と思えば割り切れる方なのかも。

その日のお給料もいただけて、おカネが得られることへの安心感も大きくて。とりあえず、続けられそう、続けてみよう!と思い、やっぱりちょっとワクワクしました。

そんな感じで、意外とあっさりスタートした私の風俗嬢人生。

よくわからないなりに、一生懸命やっていました。
でも、最初のころは、ぜんぜん売れませんでした。
よくわからなすぎて、こんなもんなのかな?とも思っていました。
でも、そんなもんじゃないんですよ。

次回は、私がどうやって、売れるようになったのか……というのは烏滸がましいかな? どんなふうにシゴトをして、どの店でもナンバーワンになれるまでになったのか。そんなお話をしていこうと思います。

リカ
東京都出身。都内の風俗店で働く現役風俗嬢。小説はミステリーと恋愛ものが好き。ロキノン厨。

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