クリトリック・リスが2023年12月21日(木)、ワンマンライヴ〈クリトリック・リス ワンマン2023東京〉を東京・新代田FEVERにて開催した。
毎年クリスマス時期に東名阪で単独ワンマンライヴを開催しているクリトリック・リス。2021年までは東名阪限定のツアーだったが、2022年からは仙台と博多も追加され全国5ヶ所でワンマンを開催。2023年も全国5ヶ所でワンマンを実施することを発表した。
毎年CD交換会も行われており、参加したい人は中身が見えないような包装をしたCDを持参、帰りに別の包装がされたCDを持って帰るシステムがとられている。今年は、来場者特典として2019年に日比谷野外音楽堂で行われたクリトリック・リス単独公演をノーカットで収録したDVDとキレイなスギムのステッカーが配布された。
12月21日に行われた東京でのワンマンライヴをレポートする。
クリトリック・リス ワンマン2023東京
「2023年はとにかくライブしました。その集大成として今年も12月にワンマンツアーを行います。活動歴の中で、今が一番いいライブができてると自信を持ってます」
スギムは、強い自信をのぞかせていた。それもそのはず。2023年のクリトリック・リスはとにかく数多くライブを行った。もともと全国各地を飛び回り、大小問わずライブに明け暮れていたが、2020年の新型コロナウィルス流行により、ライヴができない時期を過ごすこととなる。スギム自身、それまで生き甲斐にしていたライブがなくなったことにより、気持ちが塞ぐこともあったが、徐々にライブができるようになり、コロナ以前に近い本数のライブを行えるようになった。
思えば2年前の2021年のクリスマスワンマン。初めて足を運んだお客さんが多かったにもかかわらず、アンコールで毒づき、エクストリームなカラオケ大会が延々と続き、曲をやるたびにお客さんが帰っていくという地獄絵図が繰り広げられた。そして迎えた2022年のクリスマスワンマン。スギムは事前にTwitterで「リベンジさせてください。今日泥酔したら引退する」とまで発信し、気合を入れてライヴに臨みリベンジを果たした。
そんな経緯を経て迎えた2023年のクリスマスワンマン。
赤い帽子を被ったパートナーのあいどんが登場し、注意事項と2部構成でライヴを行うことを述べると、スギムが登場。しばらく足を運んでいなかったお客さんの顔が数多く見えることを嬉しそうに話すと、「DVD欲しさで、久しぶりに来てくれたお客さんのためにいいライブをします!」とライブをスタートさせた。
酒相撲のテーマに乗せてシャンパンを一気に飲み干すも、「2年前の屈辱を果たす!」と気合いを入れ、クリオタから差し入れられたお酒を我慢。「我は、もっともっと大きい場所でやるアーティストや!」と大きな野望を語りつつ、「3年後はラグーナかな」と、キャパ60人のハコを述べて笑いを誘った。
お馴染みの楽曲「柳瀬次長」「BUS-BUS」から、外来種について歌った近年の新曲「チャッピーの大冒険」、裏ビデオ屋のマスターとの実話をもとにした「マスター」などを、汗まみれになりながらパフォーマンス。ハードロックさながらのヘッドバンキングをするスギムの身体は、無駄な贅肉が落とされ仕上がっている。とんでもない下ネタ曲「毒きのこレンちゃん」では、サイケデリックなトラックパートが追加されており、サウンドやトラックもアップデートされているのが昔からのファンからしたら嬉しい。クリオタから差し入れられたウーロンハイを一気に飲み、「思い出のカラオケBOX」、「RAVE」、「MIDNIGHT SCUMMER」とクリトリック・リスお馴染みの楽曲で盛り上がりを見せて第一部は終了した。
10分休憩を挟んだ第二部では、「全集中、ワンマンの呼吸!」と語り、酔いにまかせないライブをすることを再宣言。「いまの時代、誰もハプニングを求めてない。集大成を出すべき。なぜなら今日、何人振りかに来てくれる人、今日は久しぶりに来てくれた人にライブハウスって楽しいところと思ってもらいたい!」と熱い想いを伝えると、「早くライブやれー!」と愛情こもったヤジが飛び交った。
再び、酒相撲でウーロンハイを一気飲みし、代表曲「バンドマンの女」を熱唱。「54歳になっちゃいましたね。あと何回ワンマンができるかな」と疾走感あるロック曲「1989」へ。物悲しいピアノの中、カップルのパートナーだけがゾンビになってしまう「ゾンビラバー」で幅広い世界観を見せると、サラリーマンの窮屈な「中間管理ショック」でクリオタたちとともに手をあげて一体感を生み出した。
来年2月20日に眉村ちあきとの2マンを行うことを発表した後、「STAY MUSIC」のアコースティックトラックver.では客席に降りたスギムがクリオタたちとコミュニーケーションをとりながらパフォーマンス。観客にマイクを向け歌わせると、群馬から来た芸人志望の客や、今回のために仙台から来たという客まで、熱い歌声と想いをマイクに乗せた。続く「スカムロッカー」でステージに戻り、クリオタとシンガロングすると、お祭り曲「エレーナ」、おっさんたちへの応援ソング「おっさんライオット」、そして、スギムからのライブハウスへのラブソング「WEEKDAYS LIVE LIFE」を歌い、「俺はいつだってライブハウスにいる!」と大団円の中、ライブは幕を閉じた。
このまま終わらないのがクリトリック・リスのクリスマス。「ショーは終わっているので、ここから先は面倒なお客さんを相手にしましょう!」と酒相撲をし、アンコールで持ち曲を歌い、最後はオアシスの「Don’t Look Back in Anger」で大団円。例年は、酒を煽り、カラオケ大会が始まりめちゃくちゃになるが、パートナーのあいどんとともに、しっかりとライブの終わりのケジメをつけてステージを後にした。
クリトリック・リスのライブはめちゃめちゃになってこそナンボ。たしかにそう思う。しかし、素晴らしいパフォーマンスを見せ、それを破壊せずに終わらせたことは、これからの活動を考えてのことだったのだと思う。「あと何回ワンマンができるかな」という言葉、クリトリック・リス史上最大規模の野音ワンマンのDVDを配布したこと。ここからまた一花咲かせようという、スギムの意思表明だと筆者は受け取った。クリトリック・リスとともに大きな世界を見たい。そんなことを思わせてもらった2023年のクリスマスワンマンだった。
取材&文:西澤裕郎
写真:ryutaro saito
■イベント詳細
「クリトリック・リス ワンマン2023博多」
2023年12月14日(木)@福岡・博多ライブハウス秘密
時間:開場 19:00 開演 19:40
料金:前売 3,000円 当日 3,500円(共にD代別)
DVD、ステッカー付き CD交換会有り(自由参加)
チケット:TIGET https://tiget.net/events/282400
「クリトリック・リス ワンマン2023仙台」
2023年12月18日(月)@宮城・仙台フライングサン
時間:開場 19:00 開演 19:40
料金:前売 3,000円 当日 3,500円(共にD代別)
DVD、ステッカー付き CD交換会有り(自由参加)
チケット:e+ https://eplus.jp/sf/detail/3996590001-P0030001P021001?P1=1221
「クリトリック・リス ワンマン2023東京」
2023年12月21日(木)@東京・新代田FEVER
時間:開場 19:00 開演 19:40
料金:前売 3,000円 当日 3,500円(共にD代別)
DVD、ステッカー付き CD交換会有り(自由参加)
チケット:e+ https://eplus.jp/sf/detail/3996780001-P0030001P021001?P1=1221
「クリトリック・リス ワンマン2023名古屋」
2023年12月23日(土)@名古屋・今池ハックフィン
時間:開場 18:00 開演 18:40
料金:前売 3,000円 当日 3,500円(共にD代別)
DVD、ステッカー付き CD交換会有り(自由参加)
チケット:e+ https://eplus.jp/sf/detail/3996280001-P0030001P021001?P1=1221
「クリトリック・リス ワンマン2023大阪」
2023年12月25日(月)@堺・ファンダンゴ
時間:開場 19:00 開演 19:40
料金:前売 3,000円 当日 3,500円(共にD代別)
DVD、ステッカー付き CD交換会有り(自由参加)
チケット:e+ https://eplus.jp/sf/detail/3996540001-P0030001P021001?P1=1221
フォーム予約URL:https://ws.formzu.net/sfgen/S117923