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StoryWriter

旅はニューヨークからボストンへ。

「アムトラック」という電車に揺られ、移動することに。

発車する5分前にならないと電車がどのホームに来るのか分からない、という日本ではなかなかないスリル感を待合室で味わっていると

「移動のお供に」と、羽佐間さんの奥さまが、おにぎりを渡してくれた。

(ズキュン)

お湯を注ぐだけでできるという優れもの。

しかも、日本から持ってきていたという、梅干しつき。

(ズキュンズキュン)

その心遣いに感動していると、電車到着。いざ、乗車。

車窓から見える景色は、飛行機から見る景色よりもっとグッとリアル。

ニューヨークの都会的な景色から一瞬にして自然豊かな場所に変わる瞬間や、水面がキラキラと光る様子を楽しんでいたら、ボストン到着。体感30分(本当は約4時間)。

素敵な街並みを横目に、ここで私は産まれたのかぁ。と密かに感動しながら、懐かしいような、そうでもないような(おい!)、不思議な気持ちになりながら、無事チェックイン。

ホテルの近くにあった、チャイナタウンに行くことに。

スマホで調べるより、密かに通った英会話のフレーズを使うチャーンス! ホテルのコンシェルジュにオススメを聞いてみることに。そして、教えてもらったお店が大当たり。

何を食べてもおいしい。しかし、何を頼んでも量が多い。

例えば、一番初めに頼んだハマグリの春雨のせ。

どれくらいの量かと確認すると

「1人1個は絶対食べられる! 美味しいよ!」

とのことで、4つ注文したが、確実に4人で1つで十分な量がどんどんどんどーんと、テーブルに並べられた(そうだここは海外)。

メニューにサイズ表記はないが、そのあと追加注文するときは

「スモールサイズ! スモールサイズ! プリーズ!」

と、出来るだけ小さめのサイズをお願いしたつもりだが、とびきりの笑顔で「スモールライス」が出てきた時には思わず笑ってしまった。

お腹いっぱいに食べたあとは、少しほろ酔いで、ボストンコモンというアメリカ最古の公園へ。

かわいいワンちゃんや、絵本に出てきそうなリスがたくさん。気持ちいい風が吹く中、楽器の演奏をしてる人たち。それを見ながらエアドラムを叩いてる小さな少年。

とにかくみんな自由。そして笑顔。現地の人の日常の一瞬かもしれないこの景色が凄く印象的だった。

公園の近くには港があり、上を見上げると、カモメが飛んでいて、その近くには赤いレンガが美しいビーコンヒル。一本道を渡るとブランド街。

ホテルまでの帰り道は、行きとは一本違う道を歩いて帰ろうと信号を渡り、思うがままにお散歩してると、何やら素敵なお店を発見。

「……一杯だけ飲みます?」

と、みんなが同じ気持ちになったので、お店に入ってみることに。

そこはまるでパリのような雰囲気のお店(行ったことないけど)。

たまたまテラス席の一番端が空いていたので、白ワインとチーズの盛り合わせをひとつ頼み、一杯のかけそばを食べるように、ちょこちょことつまみながら、何時間もお話をした。

空の色がどんどん変わっていく綺麗な瞬間瞬間が積み重なって時間となり、日本に帰ってからも何度も思い出してしまう、ボストン初日を過ごした。

次の日の朝は早く起きて、再びお気に入りの公園へ。

芝生の上でフルーツをいただく。

このフルーツ、実は昨日コンシェルジュさんにチャイナタウンのおすすめを聞くとき、会話の流れで日本から来たことと、ボストン出身ということをとポロっと言ったら、

「そうなの? 私も日本大好き! 去年ライブに行ったわ。ボストン出身なんて素敵! ご家族で? おかえりなさい! あなたは何が好き? 甘いもの? チョコレート? フルーツ?」と会話のテンポと突然の質問に戸惑いながらとっさに

「フ、フルーツ大好きです!」

と答えると、なんとあとでお部屋に届けられていた。初めてのサービスにびっくりしながら、感謝の気持ちで胸がいっぱいに。

そしてボストンに行く前、

「何かオススメはある?」

と母に聞くと

「ロブスターとクラムチャウダーは必ず食べて」

「あとは行けば分かる」

という雑な説明を受け、最終日だけ海沿いのお店を予約していたので、今回の旅の思い出を振り返りながら、本場のロブスターの迫力と、クラムチャウダーの美味しさを味わうことができた。

もし私が誰かにボストンとおすすめを聞かれたら母と同じくこう答えるだろう。

「行けば、わかる」(ウザい)

旅は、現地の人に教えてもらえたお店も、道を歩いていて偶然見つけた素敵なお店も、日本から調べて楽しみに予約してたお店も、どれも違ってどれもいい。

岡田ロビン翔子(おかだ・ろびん・しょうこ)

1993年生まれ。2006年から2018年8月2日の解散まで、チャオ ベッラ チンクエッティ(THEポッシボーから改名)のリーダーとして活動。 頭の回転の良さからくるトーク力には定評があった。解散後はラジオDJを中心に、MC、モデル、自身のアコースティックライブ「ロン喫茶」など、マルチに活動中。 様々なジャンルに興味を持ち、多方面にアンテナを張りめぐらせ、スキルアップのために努力を欠かさない向上心の持ち主。

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