LiVSが2024年12月23日(月)、東京、名古屋、大阪、仙台を巡るツアー〈Face the Sounds Tour〉のファイナル公演を東京・渋谷WWWXにて開催した。
”人間最高”をコンセプトに活動を続けるアイドルグループ、LiVS。元WACK代表・渡辺淳之介から出資を受けたALL INc.主催によるアイドルオーディション「THE LAST CHANCE PROJECT」を経て、2023年8月13日にデビュー。現在は、コンニチハクリニック、ランルウ、スズカステラ、コチャキンTV、ユニセックス、ミニ・マルコの6人で活動している。
今年12月8日(日)より開催されてきた〈Face the Sounds Tour〉。今回のツアーには、「音楽に正面から向き合い、これまでのプロモーションやライブで広がった“アイドル好き”との繋がりを、より多くの“音楽好き”へと広げていく。アイドルの枠を越え、LiVSの音がまだ見ぬ“人間”の心に届くように、短い人生を、一生懸命歩んでいく」という意味が込められているという。ツアーを経てたどり着いた、グループ最大規模の渋谷WWW Xでのワンマンライブの様子をレポートする。
LiVS史上、最大キャパでのワンマン
定刻の18時30分になり暗転すると、目撃者(※LiVSファンの総称)たちから大きな拍手が沸き起こった。赤く照らされた照明の中、ステージに登場した6人。「やっときたぞ! WWWX!」とコンニチハクリニックが明るく投げかけると、「Shooting Star」でライブをスタート。目撃者たちがコールを叫びジャンプする中、疾走感あふれるロック楽曲「CONNECT」、メロディアスなギターロック曲「LiFE」と駆け抜けた。
「はじめまして、私たち、LiVSです。よろしくおねがいします!」と全員で挨拶し、1人ずつ自己紹介をすると、コチャキンTVが「やってきたぞ! 渋谷WWWX! 今日はLiVSと目撃者たちで最高の日を作ろうと意気込んできたので、ツアーファイナル楽しんでいきましょう」と伝えると、「EGO」のイントロが流れた。「ここにいる目撃者、新しく目撃者になってくれるみなさんに、新しいLiVSとLiVSの音楽を」とユニセックスが気持ちを込めて伝えると、ソウルフルな同曲を想いを込めてパフォーマンスした。
間髪おかず、エキゾチックでアッパーなデジタルダンスチューン「脱Maspuerade」でフロアの熱を上げると、キュートなトラックの「ときとき★めきめきガガーリン」では「萌え萌えキュン」という目撃者たちのコールがフロアにこだました。続くBiSHの遺伝子を受けつづようなオルタナ・ギターロック曲「JUST ONCE」では、マルコの伸びのある歌声が歓声を切り裂くように響いた。さらに「Believe」ではメンバーと目撃者で拳をあげながら一体感を作り上げた。
ランルウが「うちら今格好いいじゃん? 写真とってほしい」と、パフォーマンスを終えたまま肩を組んだポーズで写真タイムへ。6人は肩を組みながら撮影に応じた。コンクリが「今日ずっと立ちたかった場所なので本当に楽しいです」と感謝を述べ、ツアーを振り返った。ランルウは、ツアーを通して新しい人と出会えたことの喜びを語り、スズカスは音楽を通じて目撃者たちと心から繋がれたことを述べた。
先日MVが公開された楽曲「僕の声、跳ね返る」について触れると、コンクリは同曲のサウンドプロデュースをしたトップシークレットマンのしのだりょうすけの音楽に、底知れないエネルギーを感じたといい、こんなにも音楽に向かい合っている人に出会ったことが初めてだと語った。トップシークレットマンのツアーなどに「救済」という言葉がよく使われていることに触れ、いつかLiVSも誰かの救済になれればと想いを語り、「心を込めて歌います」と「僕の声、跳ね返る」を初披露。デジタルハードコア、青春パンク、ハイパーポップなどを融合した、LiVSの新たな一面を見せた楽曲で会場は爆音に包まれた。
ハードロック調の「RとC」でヘッドバンキングをすると、メロディアスな初期楽曲「Colorful」では目撃者たちが飛び跳ねて、これまで以上に一体感を見せた。一転、雰囲気のあるギターバッキングから始まる「MUSiC」では、メンバーたちがしっとりと丁寧に歌い、聞かせた。軽快ながらエモーショナルな「BACK LiGHT」を披露すると、マルコが「振り返ってしまう過去も、想像する未来も、この瞬間も、あなたがいてくれるから幸せだっていえます。短い人生の一瞬を私たちにくれてありがとう。心から」と感謝を伝え、「Letter」へ。ユニセックスが「今日はツアーファイナル、ありがとう! みんなまた会える日まで、絶対死ぬんじゃないぞ!」と目撃者に伝え、「WiTH YOU」を全身を使ってパフォーマンスした。
そして目撃者たちと記念撮影をすると、マルコがMCで感謝を伝えた。「私の好きな漫画のセリフで、「人はいつ死ぬと思う? 人に忘れられたときさ」という言葉があります。音楽も一緒で、聞いてくれて覚えてくれる人がいるから生きることができていると思います。ありがとう。来年、リキッドルーム、Zepp Tokyoでライブをしたいし、東京ドームに立つ夢を叶えたいです。今回のツアーで、たくさん音楽と向き合って、無限大の可能性があると思いました。目撃者と一緒に夢を見ることができて、心の底から音楽が好きだと思いました。今日のライブが終わっても1日1日を大切に進化して、これから先も応援したいと思ってもらえるように歌い続けていきたいと思います。応援よろしくおねがいします。たくさんの感謝を込めて」と新曲「ZOMBiES→」へ。BiSHなどの楽曲提供を行なってきた井口イチロウが作曲を務め、若手バンド大聖堂の山本やすぬぴひろが作詞をした新曲だ。目撃者に支えられてここまで駆け上がってきた感謝の気持ちを素直に表現した楽曲を前を向いて歌いきった。
目撃者たちによる大きなアンコールが起こるフロア。しばらくアンコールの声援が続くと、「Don’t Look Back」のイントロが流れ、6人が走ってステージに再登場した。エモーショナルで前向きなギターロック曲を笑顔で歌うと、〈THE LAST CHANCE PROJECT〉で脱落した候補生からの一通の手紙から出来上がったLiVSの代表曲「ONE」を、それまでにも増して感情たっぷりにパフォーマンス。
コチャが「これが本当に最後の曲です!」と叫び、疾走感あふれるギターロック「Preserved」へ。目撃者たちも全身を使い飛び跳ね声を出した。落ちサビ前には、スズカスが「今日は来てくれてありがとう! 大好き! 歌ってー!」と叫び、目撃者たちが大合唱。最高潮の熱気の中でLiVS史上最大のワンマンライブは幕を閉じた。メンバー同士、目撃者たち同士が手を繋ぎ、「人間!」というメンバーの呼びかけに、「最高!」と目撃者たちは手を挙げて大団円を迎えた。
デビューから数多くのライブを重ねてきた中で、メンバーたちは音楽に対する強い想いを持ち、それをライブを通して全身全霊で表現できるようになった。それを強く感じる堂々としたワンマンだった。
取材&文:西澤裕郎
写真:伊藤洸太
『Face the Sounds Tour』
12月23日(月)東京(ファイナル)@渋谷WWWX
セットリスト
1. Shooting Star
2. CONNECT
3. LiFE
4. EGO
5. 脱Maspuerade
6. ときとき★めきめきガガーリン
7. JUST ONCE
8. Believe
9. 僕の声、跳ね返る
10. RとC
11. Colorful
12. MUSiC
13. BACK LiGHT
14. Letter
15. WiTH YOU
16. ZOMBiES→
EN1. Don’t Look Back
EN2. ONE
EN3. Preserved