日本の音楽プロダクションWACKが、イギリス現地時間2025年3月26日(水)、5度目となる海外公演〈WACK in the UK vol.5〉を、英国ロンドンのライブハウスThe Underworldにて開催した。
これまでWACKは、2023年11月16日、2024年3月27日、8月28日、11月26日に「WACK in the UK」をThe Underworldで開催。Vol.1は、同プロダクション所属のExWHYZ、ASP、アイナ・ジ・エンドとダンサー兼モデルのアオイヤマダによるスペシャルユニット「AiNATOAOI(アイナトアオイ)」が出演。Vol.2は、GANG PARADE、ASP、KiSS KiSSが、Vol.3はASP、BiS、豆柴の大群 都内某所 a.k.a MONSTERIDOL、Vol.4はASP、ExWHYZ、豆柴の大群 都内某所 a.k.a MONSTERIDOLが熱演を繰り広げた。
5度目となるWACKによるロンドン公演をレポートする。
〈WACK in the UK vol.5〉現地レポート
WACKが主催するイギリスでのライブ公演「WACK in the UK」は、今回で5回目の開催となる。
同公演は、JPU RecordsのTom Smith氏の協力のもと、WACK自らが会場のブッキングをはじめ、現地でのセッティングも行うという、まさにDIYな興行。初開催時から300人以上の観客がライブに訪れ、日本人観光客以上に、現地イギリスや他の国から訪れる観客が多い。
また、WACKの代表であった渡辺淳之介は、イギリスの大学院進学のため代表を退任し、現在はイギリス在住で大学院に通っている。2025年1月6日には、渡辺が名誉編集長を務める英語メディア「DiG YOUR OWN IDOLS」をオープン。WACKのアイドルだけでなく、日本のアイドルグループやアイドルカルチャーを英語で立体的に発信している。

渡辺淳之介
5回目となる「WACK in the UK」の出演者は、全公演に出演しているASPに加え、2度目の出演となるGANG PARADE、同じく2度目となるKiSS KiSSの合計3組が出演を果たした。
ライブ当日。お昼過ぎには、メンバーたちはVIPチケット購入者と軽食をつまみながら話をしたり、チェキを撮るなど、特典会を実施。その後リハーサルを行い、ライブ本番を迎えた。
開場を待つ間、ライブハウス前には多くのファンが集まり、楽しげに交流している姿が見られた。地元ロンドンのみならず、ヨーロッパやアメリカなどからもファンが訪れ、久しぶりの再会を喜ぶ声が飛び交う。そんな中、渡辺が現れ、ファンたちと英語でコミュニケーションをとりながら、一緒に写真を撮るなど、和やかな雰囲気が流れていた。
開場し、開演時間が近づくと、ステージに渡辺淳之介が登場。「Welcome to WACK in the UK vol.5!」と語り、ロンドンでパフォーマンスできる喜びと、この日のアクトを英語で紹介。「Let’s enjoy!」と伝えてステージを去ると、フロアからは大きな歓声が沸き起こった。
KiSS KiSS

KiSS KiSS
トップバッターは、KiSS KiSS。GANG PARADEのメンバーでもあるキラ・メイ、キャ・ノン、チャンベイビー、ナルハワールド、アイナスターによる、「KiSSをあなたにお届けChu!♡」をコンセプトに活動する、王道系5人組女性アイドルグループだ。
オープニングSEが流れ5人が登場すると、「楽園きゅ~とぴあ♡」でライブがスタート。KiSSERS(※KiSS KiSSファンの総称)たちは「もえもえきゅん」というミックスを叫び、大盛り上がり。ナルハが「今日はたくさんChuしましょう!」と呼びかけ、「KiSSES」へ。AメロではKiSSERSたちがメンバーの名前をコール。「かわいいなんて言わないで」でも、日本の会場に劣らない大きな声援がフロアを包んだ。

キラ・メイ

チャンベイビー

アイナスター

キャ・ノン

ナルハワールド
「KiSSをあなたにお届けChu!♡、私たちKiSS KiSSです」と挨拶をし、一人ずつ自己紹介。「Hello everyone. We are happy to see you! 今日はかわいいを届けます! Let’s kiss」とナルハが語り「KiSS KiSS KiSS」へ。メンバーとKiSSERSは、テクノ調のドープなトラック上で「KiSS!」と三三七拍子のリズムに乗せてKiSSを叫んだ。
「KiSS KiSS SUNSET」、ロック調の「雨天決行」と続け、「Are you enjoy? Let’s dance together!」とナルハが投げかけて「Twilight」へ。ユーロビート調の「ほっちゅ!」「ファンファーレ」「いないいないばー」と笑顔でパフォーマンスをし、「以上、KiSSをあなたにお届けChu!♡、私たちKiSS KiSSでした。ありがとうございました!」と挨拶をしてステージを後にした。
ASP

ASP
10分の転換を挟み、2番手で登場したのはASP。ユメカ・ナウカナ?、ナ前ナ以、モグ・ライアン、マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ、チッチチチーチーチー、リオンタウンの7人組グループだ(※現在、ナ前ナ以が活動休止中のため6人での公演となった)。
〈WACK in the UK〉には全回出演していることもあり、地元ファンたちの熱量も高い。これまでの5回のライブの中でも、もっとも会場の熱気が高く、湯気が立ち上がるほどだった。
そんな中、ASPは「Black Nails」でライブをスタート。ロンドンを拠点に活動する2人組ロックユニット・WARGASMがプロデュースした「MAKE A MOVE」に続け、「BOLLOCKS」と、冒頭3曲で一気に会場を沸かせた。

ユメカ・ナウカナ?

モグ・ライアン

マチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ
「Hello everyone! We are ASP from Japan! Nice to meet you」と挨拶し、一人ずつ自己紹介。現在活動休止中のナ前ナ以は不在だが「ベストを尽くす」と語り、「1,2,3,ピース!」とピースサインを作る練習をならず者(※ASPファンの総称)とともに行い、「レリゴ」へ。サビでは無数のピースサインが会場を包んだ。
「NO COLOR S」「NO reason」「Tokyo Sky Blues」「please!!!」と4曲を立て続けに披露。5度目の英国ライブに加え、昨年の47都道府県ツアーや日本武道館公演の経験もあり、メンバーたちは歌やダンスはもちろん、表情でも観客を魅了する。

リオンタウン

チッチチチーチーチー
「Did you enjoy our show?」と投げかけると、ならず者たちは大きな歓声で応えた。そして「ステージから皆さんの笑顔を見ると幸せになる。また一緒に歌えるのを楽しみにしています」と英語で語り、ギターのバッキングから始まるロック曲「Too young to get it fast to live」、The Prodigyのマキシムが原曲を提供したデジタルチューン「TOXiC iNVASION」、そしてデビュー曲「拝啓ロックスター様」を最後まで全力でパフォーマンスし、ステージを後にした。
ステージには、メンバーと観客の熱気から発生した水滴がしたたっていた。
GANG PARADE

GANG PARADE
〈WACK in the UK vol.5〉のトリを務めたのは、GANG PARADE。「みんなの遊び場」をテーマに掲げる、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスターの11人組グループだ。
ステージ脇から気合の入ったメンバーたちの掛け声が聞こえると、遊び人(※GANG PARADEファンの総称)たちは大きな歓声で応えた。ポップなオープニングSEとともに登場し、「FOUL」でライブをスタート。「BODY & 11 SOUL!」というコールが会場を包んだ。
「はじめまして! 私たち、エンジョイプレイ、みんなの遊び場GANG PARADEです! よろしくお願いします!」と元気よく日本語で挨拶し、1人ずつ自己紹介。「Next song is… 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11… wow, so many members!」と笑いを交えて、スリーピースロックバンド・超能力戦士ドリアンが作詞作曲編曲から演奏、コーラスまでフルプロデュースを行った自己紹介ソング「So many members」へ。

ヤママチミキ

ユメノユア

キャン・GP・マイカ
ヘビーなサウンドから可愛らしいメロディに展開する「Peace⭐︎超パニック」、オルタナティブロックの「パショギラ」と続き、日本語でのミックスで遊び人たちも熱く応えた。

ココ・パーティン・ココ

ユイ・ガ・ドクソン

月ノウサギ

チャンベイビー
ユアが「KiSSERS、ならず者、遊び人、全員で遊びましょう!」と英語で語り、疾走感あふれる初期楽曲「Happy Lucky Kirakira Lucky」へ。さらに初期WACKらしいロック楽曲「don’t forget me not」に加え、デジタルサウンドに和を取り入れた「躍動」、「グッドラック・マイフューチャー」と新旧楽曲を織り交ぜてたたみかけた。

キャ・ノン

キラ・メイ

アイナスター

ナルハワールド
ココが英語で「次が今日最後の曲です。さみしい」と語ると、「But don’t worry!」と笑顔で返し、映画『ターミネーター』の名言「I’ll be back」と力強く宣言。「Let’s dance together!」と呼びかけ、ギャンパレのアンセム「ROCKを止めるな!!」を大合唱。鳴り止まぬ歓声の中、「以上、エンジョイプレイ、みんなの遊び場GANG PARADEでした。ありがとうございました!」と日本語で挨拶し、ステージを後にした。
ライブ終了後、渡辺が再びステージに登場。「Did you enjoy?」と問いかけると、大歓声が起こった。ファンから「Sing!」という声が上がると、渡辺は「となりのトトロ」をワンコーラス歌うという和やかな一幕も。
その後メンバーを呼び込み、各グループに一言ずつ感想を求めたのち、「エキサイティングなアナウンスがある」として、〈WACK in the UK vol.6〉の開催を発表。
〈vol.6〉は2DAYS開催となり、DAY 1にはASP、ExWHYZ、豆柴の大群が出演することが明らかにされた。さらに渡辺が「Do you know プー・ルイ?」「Do you know コショージメグミ?」「Do you know Seiko Omori?」と英語で投げかけ、PIGGS、MAPA、ZOCX(※戦慄かなのは不参加、藍染カレンを迎えての特別編成)の出演も発表されると、観客から割れんばかりの歓声が沸き起こった。その歓声に、日本のアイドルグループたちを直接見ることができることへの期待の大きさを感じないわけにいかなかった。
そして最後は、出演メンバー全員が手を繋ぎ、WACK恒例の「We are WACK!」の掛け声で締めくくり、観客とともに集合写真を撮影し、〈WACK in the UK vol.5〉は大団円を迎えた。
今回で5回目となった〈WACK in the UK〉。出演グループも観客も「ここがイギリスである」ということを意識することなく、純粋にライブを楽しみ盛り上げようとする姿勢があふれていた。言葉や国境を超えて、グルーヴが生まれていることを実感する公演だった。また、この日の熱気は特に凄まじく、ステージ上でメンバーが滑りそうになるほどのリアルな熱狂に満ちていた。
次回〈vol.6〉ではWACK所属外の3組も出演、しかも2DAYS開催となる。WACKが描く“UKから世界へ”の渦は、ますます広がりを見せていくに違いない。日本のアイドルカルチャーが国境を超える光景に胸が熱くなった一夜だった。
取材&文:西澤裕郎
■ライブ情報
WACK in the U.K. Vol. 6 DAY1&DAY2
DATE: DAY1-Thursday June 5 / DAY2- Friday June 6 2025
OPEN: 7PM (DAY1&DAY2)
VENUE: The Underworld (London)
APPEARANCE :
DAY1 – Thursday June 5 : MAMESHIBA NO TAIGUN, ASP, ExWHYZ
DAY2 – Friday June 6 : MAPA, PIGGS, ZOCX
*Kanano Senritsu will not perform at this show; ZOCX + Karen Aizome will perform in a special formation.
General Tickets: £30 (Entry from 7pm)
VIP Upgrade Ticket: £120 – strictly limited. It includes:
· Light lunch with the members
· Cheki photo with group of choice
· Cheki photo with member of choice (plus autograph)
· Exclusive T-shirt (Japanese XL size)
· Early entry to the show.
· VIP ticket holders do not need to purchase a general entry ticket.
To upgrade via DICE please purchase a general ticket, then log into your DICE account and choose the upgrade option.
Day one: https://link.dice.fm/4OqyaX4f4Rb?sharer_id=6560e9e76f7c080001787c1e
Day two: https://link.dice.fm/sfNHad8f4Rb?sharer_id=6560e9e76f7c080001787c1e
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Timetable:
DAY1 – Thursday June 5
12:30 – VIP light lunch and cheki event
14:00 – Cheki ticket sale begins for general ticket holders.
14:30 – General cheki event
18:30 – VIP early entry
19:00 – General entry
19:30 – MAMESHIBA NO TAIGUN
20:20 – ASP
21:10 – ExWHYZ
22:00 – End
DAY2 – Friday June 6
12:30 – VIP light lunch and cheki event
14:00 – Cheki ticket sale begins for general ticket holders.
14:30 – General cheki event
18:30 – VIP early entry
19:00 – General entry
19:30 – MAPA
20:20 – PIGGS
21:10 – ZOCX
22:00 – End