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GANG PARADEが語る、渾身のメジャー3rdアルバム『GANG RISE』──ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、チャンベイビー編

StoryWriter

WACK所属の11人組アイドルグループ・GANG PARADEが6月18日に、メジャー3枚目となるフルアルバム『GANG RISE』をリリースした。

本作には、WANIMAのKENTAが書き下ろし、WANIMAの全メンバーが演奏に参加した表題曲「GANG RISE」をはじめ、作詞をWACKの元代表でもある渡辺淳之介が行い、作曲を大森靖子が担当した「無理無理きもい」、さらには、THEイナズマ戦隊、the telephones、RED in BLUEなど、日本のロックシーンの最前線で活躍するバンドたちによる提供曲が数多く収録されている。

「RISE」という言葉が指し示すように、ここから「上がっていく」ことを名実ともに示したGANG PARADE渾身のアルバムについて、3組にわけてロングインタビューを敢行。メンバーそれぞれの言葉からは、これまで以上の強い自信がみなぎっていた。彼女たちにとって大きなターニングポイントになるであろう本作についてじっくり語ってもらった。

取材&文:西澤裕郎
写真:大橋祐希


「GANG RISE」は“GANG PARADEはもう上がります!”っていう決意の言葉

──「GANG RISE」というアルバムタイトルは、2025年の年明けに発表されていましたよね。それぞれどんなイメージを持ちながら制作に取り組んでいったんでしょう?

ミキ:最初に聞いたときは、11人体制になって、ここから本当に上がっていかないとまずいよねっていう気持ちが込められている言葉なんじゃないかと思いました。メンバー自身もそう感じていたし、きっとスタッフさんたちも同じ気持ちだったからこそ、「GANG RISE」というタイトルをつけてくれたのかなって。自分たちを奮い立たせるための言葉でもあったのかなって思っています。

チャンベイビー:現場でも“上がっていこう”っていう気持ちはみんな持っていたと思うんですけど、正直、自分の中で「GANG RISEってなんなんだろう?」っていうのが、ずっと固まりきっていなかったんです。でも、自分の頭の中には「こうなりたい」っていう世界のイメージがあって。それは一枚の写真、あるいは映像みたいなもので。そこにたどり着けたときが、私にとっての“ライズ”なんだって最近思えるようになってきました。

──そのイメージとは、言葉にすると、どんな景色なんでしょう?

チャンベイビー:太陽が昇っていて、私たち11人と、その周りにはたくさんの人がいて。屋外で、広くて、すごく気持ちのいい景色です。

左から、ユメノユア、チャンベイビー、ヤママチミキ、キャン・GP・マイカ

──ユアさんは「GANG RISE」という言葉を、どのように受け止めていましたか?

ユア:ポジティブな言葉でアルバムを届けられることがシンプルに嬉しいなと思っていました。私としては“みんなで一緒に行こうぜ”っていう気持ちが強い。やっぱり、自分たちだけでは成り立たない世界だから、チームとして、そして遊び人(※GANG PARADEファンの総称)のみなさんと一緒に新しい場所へ連れていってくれるような、スローガンみたいな言葉だなと思っています。

──ポジティブなエネルギーが込められていると。

ユア:そうですね。同時に、そこには覚悟もある感じです。ただ明るくてイエーイ!みたいなノリだけじゃなくて、上がっていくためには、この曲たちと一緒に自分たちも努力しなきゃいけない。そのために今、自分たちにできることを一つずつやって、もっともっと上を目指していきたいなっていう。覚悟と目標がセットになったような感覚です。

──マイカさんはいかがでしょう?

マイカ:「RISE」っていうのはもちろん“上がっていきたい”っていう意味なんですけど、私は今回、それ以上に“GANG PARADEはもう上がります!”っていう決意の言葉として受け止めていて。「上がりたいな」じゃなくて、「上がりますから」っていう自分たちへの宣言。自分に負荷とプレッシャーをかける意味もある。そう言い聞かせながら、制作に取り組んでいました。

「調子がいいのが当たり前」というマインドにアップデートされた「Gangsta Vibes」

──本作には新曲も多く収録されていますが、以前からライブでも披露している「Gangsta Vibes」の雰囲気がかなり変わっていてびっくりしました。

 

ミキ:だいぶ変わりましたね。歌割りもそうですし、それぞれがもう一度歌詞を考えて提出したんです。自分が担当するパートの歌詞を自分で書いて、それに自分でメロディをつけて提出して、その中からいい部分を選んでもらって、最終的に組み合わせて完成させてもらいました。

──この曲は、ライブでもずっと歌ってきたナンバーじゃないですか。そこから新しく書き直すにあたり、どんなところを意識してアップデートしたんでしょう?

マイカ:私は、元の歌割りの“アップデートバージョン”という感じで提出しました。前は「調子いい?」って問いかける感じだったんですけど、今回は「調子がいいに決まってるでしょ!」っていうふうに、もはや聞いてない、みたいな(笑)。「調子がいいのが当たり前」っていうマインドに変えました。

キャン・GP・マイカ

ミキ:それこそ「GANG RISE」って、自分に言い聞かせるような言葉だし。マイカのマインドと今回の曲のテーマがすごく一致してる気がする。

マイカ:あと、私が作詞した「Anything Goes!!!!」って曲があるんですけど、そこから一部のフレーズを少し引用して入れたんです。毎日悩んでる人が多すぎるから、もう“調子がいい”って言い聞かせることで、みんながちょっとでもハッピーになれるかもっていう願いを込めました。

──ユアさんは、どのように作詞に取り組まれましたか?

ユア:私は、最初のバージョンで頭の歌い出しを担当してたんですけど、けっこう社会風刺的なニュアンスを込めた歌詞だったんですよ。でも今回、再録するって聞いたときに、「きっとこのパートは私じゃなくなるな」ってなんとなく思って。だから、頭のパートとは全然違うテイストの歌詞を書いて提出しました。歌い出しってやっぱり一番印象に残る部分だからこそ、そこじゃなくても使ってもらえるような内容を目指して、思い切って雰囲気をガラッと変えました。

ユメノユア

──実際、歌うパートも変わったんですか?

ユア:変わりましたね。今回は2番の後半のほうを担当することになったので、全体的にだいぶ違う印象になったと思います。

チャンベイビー:私も、どちらかというとマイカと同じで、もともとあった歌詞の“見せつけたい”っていう感じのニュアンスを、今の自分に合わせて「もう、いいから見せつけてやるよ!」っていうふうに変えました。ちょっとした変更なんですけど、気持ちの部分では大きかったです。

──ミキさんは、今回どんなアプローチで臨みましたか?

ミキ:私も前のバージョンから内容を結構変えたと思います。前回は、ユアの歌い出しがベースにあって、そこにあわせて自分のパートを書いていたんですけど、今回はもっと“Vibes”っぽい方向に寄せました。今のグループの雰囲気にも合ってるし、今求められているギャンパレ像って、きっとそっちなんじゃないかなと思って。テンション高めで、前向きな感じを意識しました。

WANIMAのKENTAによる提供曲「GANG RISE」

──1曲目の「GANG RISE」は、WANIMAのKENTAさんが提供した楽曲になっています。最初にデモを受け取ったとき、どんな印象を受けましたか?

 

ミキ:初めてデモを聴いたとき、泣きそうになっちゃって。KENTAさんが自分で仮歌まで録って送ってくださったんですけど、これでひとつの作品でいいんじゃないかっていうくらいの完成度で。歌声とかメロディから伝わってくる感情がものすごかった。明るくて、楽しくなるような気持ちにさせてくれるのに、ちゃんとグッとくる部分もあって。この曲を私たちが歌うなら、デモを聴いたときに私が感じた衝撃を、お客さんにもちゃんと届けなきゃいけないなと思ったんです。そうじゃなきゃ、この曲をいただいた意味がないなって。実際に11人でレコーディングして、出来上がった音源を聴いたときは、「これはギャンパレだな」と思えた。もちろん、WANIMAさんらしい熱さや明るさはあるんだけど、11人の歌声が重なると、自然とGANG PARADEの色になるんだなって思いました。

ヤママチミキ

チャンベイビー:ミキも言ってたけど、涙が出るくらいいい曲で。KENTAさんのデモがとにかく素晴らしくて、今でも聴き返すくらい好きです。他の曲だと、これライブでどうなるかな?って後から想像することが多いんですけど、この曲は最初に聴いた時点で、もうライブの情景が思い浮かんじゃって。早くやりたい、早くみんなに聴いてほしい。そんな気持ちになれる曲でした。

チャンベイビー

──ユアさんは、最初に聴いたとき、どんなことを感じましたか?

ユア:WANIMAさんは、私にとってずっと聴いてきたアーティストだったので、まず、こうやってギャンパレのために楽曲を提供してもらえるってこと自体が本当に嬉しかったです。初めてデモを聴いたときは、もちろんメロディーにも感動したんですけど、それ以上に、歌詞の中にギャンパレのことをしっかり考えて書いてくれてるのが伝わってきて。私たちのこと、ちゃんと調べてくれて、向き合ってくれたんだなって。この曲は宝物だなって思いました。私たちメンバーだけの歌じゃないんですよね。遊び人のこともちゃんと歌ってくれてる。だからこそ、この曲と一緒に、これから先の未来を進んでいけることが嬉しいです。

──マイカさんは振り付けも担当されていますよね。初めてこの曲を聴いたとき、どんなことを思い描きましたか?

マイカ:レコーディングのときにKENTAさんが、「振りはどんな感じになりそう?」って聞いてくださって。その時に。実はこの曲を作る前に、ギャンパレのライブも観に行ったことを教えてくれたんです。「ギャンパレは頑張ってるし、そのままでいい。信じて進めば大丈夫だから」って言ってくださって。

──それは、ものすごく嬉しい言葉ですね。

マイカ:はい。正直言うと、WANIMAのKENTAさんが作ってくれた曲に振りをつけるって、めちゃくちゃプレッシャーだったんですよ。でも、その時に言ってもらった言葉を思い出して、私たちらしさをそのまま出そうって思えて。私たち、ライブでふざけながらも全力で、バカを真面目にやってるじゃないですか(笑)。その感じがすごく良いって言ってくれた。だから今回は、いつものギャンパレそのままをぶつけて、振りも作っていきたいなと思えたんです。

──「GANG RISE」の最後の4行<あの日もここから全てが始まって 時の流れは無常にも過ぎ去って 守り続けたこの名を刻み掲げて 涙の理由なら後からわかるから>を、初期メンバーでもあるミキさんとユアさんが歌っているというのは、他のメンバーがグッとくるポイントだと話していました。

ミキ:たぶん歌詞的にも、この2人が歌うのが一番しっくりくると思ってもらえたのかなって。私自身、もしここを歌えるなら気持ちをすごく込めやすいし、ギャンパレとして見ても、このパートの歌詞に合うのは自分だと思ってたので、任せてもらえたことが本当にありがたかったです。

ユア:そこを任せてもらえたことに対する責任感と、ちょっとしたプレッシャーもありましたけど、この10年をちゃんと積み重ねてきたんだなって、少しだけ自分を認められた気がして。この2人に歌わせたら説得力が出るんじゃないかって思っていただけたからこそ、あの歌割になったと思うので。だからこそ大事に歌いたいし、そう思ってもらえるような10年を歩んでこれたんだなって思えるのが、すごく嬉しくて……(涙がこぼれる)あ、やばい、今日ちょっともう無理かも(笑)。さっきも爆泣きしてたんです。

大森靖子の曲であり、“渡辺イズム”を感じる「無理無理きもい」

──1曲目「GANG RISE」に続いて、2曲目は「無理無理きもい」です。作詞が渡辺淳之介さん、作曲が大森靖子さんというタッグですが、強烈な楽曲ですね。

マイカ:ちょっと何の歌詞なのか、いまだに正直あまりよくわからなくて(笑)。一度、練習スタジオで掃除したけれど「きたない!」って渡辺さんからめっちゃ怒られたことがあって。曲の歌詞に「掃除したくない」って入ってたから、「あっ、それか……」って(笑)。

ミキ:この曲が来た瞬間、「あー、そういうことか」って、ちょっと腑に落ちたというか(笑)。

ユア:あっ、渡辺さんだなって感じました(笑)。

──付き合いが長いユア・ミキ・マイカさんは、よりわかる視点かもしれませんね。

ミキ:はい。大森さんの曲なんだけど、すごく“渡辺イズム”を感じました(笑)。

マイカ:大切なタイミングのアルバムで、渡辺さんが歌詞を書いてくれたのがすごくありがたくて。しかも作曲が大森さんで。ギャンパレとは真逆の世界観だと思っていたので、正直「ちゃんと歌いこなせるかな……?」って最初は不安でした。でも、仕上がった音源を聴いたら想像を超えていて。ちゃんと大森さんのワールドにちょっとだけお邪魔できたかもって思えたし、「ギャンパレ、まだ新しい一面を出せるんだ」って感じられて、すごく嬉しかったです。

──たしかに、ある意味“劇薬”みたいな楽曲ですよね。ものすごく強烈な個性がある。

ユア:一度聴いたら絶対に忘れられない曲だなって思いました。特にサビの歌詞とメロディーのインパクトがすごくて。大森さんの曲は今までも聴いてきたんですけど、また新たに尊敬する部分を身近に感じられて、改めてこの人たち、すごいなって思わされました。レコーディングでは、私が1番最初に歌わせてもらったんですけど、まだ歌割りがちゃんと決まっていない段階だったんです。そんな中で最初にベースとなる歌を任されてすごく悩んで。「この歌い方とこっち、どっちがいいですか?」って相談しながら試行錯誤させてもらって、そういうやり取りも含めて、今までにない経験ができて、レコーディングもすごく楽しかったです。

チャンベイビー:私も、この曲はレコーディングが一番難しかったなって感じていて。どう準備していくか、すごく悩みました。最初、大森さんの声でデモをいただいたんですけど、「これ、ギャンパレが歌ったらどうなるんだろう?」って全然想像がつかなくて。でも、完成した音源を聴いたらすごく良くて、今のところ、一番よく聴いてる曲かもしれない。頭から離れなくなるんですよ、サビとか。ふとした時に思い出して、また聴きたくなっちゃって。メンバーの声もそれぞれすごくいいし、本当に良い曲だなって思ってます。

ユア:いつもとはちょっと違う雰囲気の曲だしね。

マイカ:レコーディングの前に、みんなで練習する時間があって。そのときに、歌い方をお互いにアドバイスし合ったりもしました。全員が「どう歌おう?」って悩んでたし、高いキーを可愛く出すにはどうするかとか、スタジオで「ああでもない、こうでもない」っていろいろ試していました。

ミキ:みんなで、相談しながらね。

マイカ:うん。みんな、たぶん一番ドキドキしてた曲かもしれない。

ミキ:自分の個性をどう活かすか、すごく考えました。私の声色と大森さんの楽曲って、正直あまり結びつくイメージがなかったんですよ。この10年の中でもまた一つ新しい挑戦ができたなって、すごくありがたかったです。ギャンパレと大森さんって、一見交わらなそうに見えるんですけど、だからこそこのタイミングでこうして交わったこと自体が、すごく大きい出来事だなって思ってます。このアルバムの中に、こういうちょっと異質で中毒性のある曲が一曲あることで、作品全体が面白くなるし、トピックとしても強い。なので、曲をもらったときから「これは絶対に面白くなるな」って感じてました。

歌詞をよく読むと、その子の心情がより伝わってくる

──アルバムの中で、特に思い入れのある楽曲についても聞かせてもらえますか?

チャンベイビー:私は、作詞を担当した「おぎゃです」が思い入れが強くて。最初に「頭空っぽでぶち上がれる曲」ってテーマをもらって、そのイメージに合わせて、特にサビは頭空っぽでも盛り上がれる感じにしたくて作りました。Aメロの部分では、“頭空っぽなりに人間が考えてること”みたいな気持ちを入れた歌詞にしています。

チャンベイビー

──タイトルの「おぎゃです」は、どのように決めたんですか?

チャンベイビー:最後の最後に決めたんです。めちゃくちゃ悩んだんですけど、何にも思いつかなくて。だけど、<おぎゃおぎゃです>っていうフレーズがすごく耳に残るから、これでいっか!って(笑)。MEG(MEGMETAL)さんも「“おぎゃです”っぽいよね」って言ってくれて。それで「これで行こう!」って決まりました。あと、アルバムの曲の並びを見ていて、ひらがなだけのタイトルって、かえって目立つかもと思ったんですよ。カタカナの曲は多いけど、ひらがなオンリーは意外とないから、あえてひらがなで出そうって。

ミキ:目立ってるよ、めっちゃ(笑)。

チャンベイビー:あと、ギャンパレには「赤ちゃん」っていうタイトルの曲もあるんですけど、並べたら“おぎゃおぎゃ”感がすごくて(笑)。「赤ちゃん」でおぎゃおぎゃ騒いでるときに「おぎゃです!」ってタイトルも続いたら面白いなって思って決めました。

──あははは。ユアさんはどうですか?

ユア:うーん……今、2曲で迷ってるんですよね。「Gang Gang Disco」と「イマヲカケル」。

──せっかくなので、どちらについても聞かせてもらえますか?

ユア:「Gang Gang Disco」は、the telephonesの石毛さんが作ってくださっていて。もともとライブを観に行っていた側だったから、今こうして一緒に作品を作れるのがすごく嬉しくて。レコーディングの時に石毛さんが、「ラスサビ前の<枯れる気がしない>っていうパートは、絶対ユアがいいと思う」って言ってくださって。歌割りがまだ決まっていない段階だったのに、はっきり言ってくださったんです。他のthe telephonesのメンバーさんも現場に来てくれて、ガヤのコーラス部分を一緒に録ったりして。<UKFC>のイベントに通っていた頃の自分からすると、本当に面白い人生だなあって感じています。

ユメノユア

 

もう1曲の「イマヲカケル」は、KEYTALKの巨匠(寺中友将)さんが書いてくださったんですけど、この曲もめちゃくちゃ好きで。録り終わった瞬間「この曲、めっちゃ好き!」って、思わずマネージャーさんに言っちゃったくらい(笑)。ギャンパレは、元気でアッパーな曲もたくさんあるんですけど、こういうしっとりしてるけど明るいみたいな楽曲が、自分にはすごく染みて。感情を込めやすいし、すごく大事な1曲になっています。

 

──マイカさんはどうですか?

マイカ:私は「アンビバレント」ですね。久しぶりにゴリゴリな感じで振付を作ったんです。そしたら遊び人がすごい喜んでくれて。「マジでかっこいい!」って言ってもらえたのが本当に嬉しかったです。

キャン・GP・マイカ

 

──ゴリゴリというのは、具体的にどういう感じですか?

マイカ:最近はパレード感というか、明るくてハッピーな曲調が多かったんですよ。ちょっとパーティー寄りというか。でも「アンビバレント」は久々にダーク寄りというか、音もロックでローがガッツリ効いてて。だから、振りコピしやすいとかを気にせず、自分の好きな感じで作ったんです。メンバーも息つく暇もないくらい、1曲通して本気でぶつかる感じ。だからこそ、GANG PARADEのギャングな部分を一気に見せられる楽曲でもあって、ライブでも締まる1曲になってます。

ユア:マイカが振り付けで、最初の頃みたいに(カミヤ)サキちゃんと2人で分け合っていた頃の空気を感じたりして、すごく良いなって。

マイカ:うん、初期のギャンパレの雰囲気を少し感じられるんですよね。GO TO THE BEDS時代の強さも思い出すし。どっちも好きなんですけど、そういうのをアップデートして、今のギャンパレとして出せたのが嬉しくて。あと、振付の中のこのパートではこのメンバーのこういう表情を見せたいなとか、細かい見せ場をいっぱい散りばめたんですよ。だから、ぜひ皆さんの推しの見どころを探しながら観てもらえると嬉しいです。

──ミキさんはいかがですか?

ミキ:私は、「Doubters」ですね。草野華余子さんに書いていただいた2曲目なんですけど、まずメンバー全員で一度歌詞を書いてみて、それを草野さんがうまく組み合わせてまとめてくださったんです。最初にいただいていたテーマが、「信じるな、疑え」というもので。それぞれがそのテーマを意識しながら歌詞を書いたんですけど、結果的に、みんなが書いた内容がすごく似ていたって草野さんがおっしゃっていて。それを聞いたときに、「ああ、今のギャンパレにはちゃんと一つの意思があるんだな」って実感しました。

ヤママチミキ

 

それと、この曲のレコーディングの直前に、草野さんのボイストレーニングを受ける機会があったんです。そこでは技術的なことだけじゃなくて、パフォーマンスに対して草野さんが大切にしていることや、心の持ち方も教えてもらって。その上でレコーディングに臨めたのは、本当に大きかったです。草野さんも私たちのことを深く理解してくれた上で、楽曲を仕上げてくださったので、歌の中にその気持ちが込められている感じがして。改めて、とても素敵な作品をいただけたなと感じています。あと、レコーディングの直前にあったライブにも草野さんが観に来てくださって、感想やアドバイスも直接いただいて。ここまで深く関わってくださるんだ、と感動しました。愛がすごく深い方だなって。

マイカ:ミキが書いた歌詞、すぐわかった。「部屋」が出てきたから、「あ、ミキっぽい!」って思った(笑)。

ミキ:ああ~、確かに(笑)。この曲、それぞれのメンバーが書いた部分を、自分自身が歌っていることが多いんじゃないかなと思っていて。だからこそ、歌詞をよく読むと、その子の心情がより伝わってくるような気がします。

今回の曲たちがこれだけ良いんだから、上がらないわけがない!

──11人で制作を進めてツアーも回って、11人によるGANG PARADEというグループ像が形作られてきたような実感はありますか?

ユア:それぞれが以前よりもギャンパレに向き合っている感じとか、熱量を持って取り組んでる感じは、ツアー中にすごく実感してます。

──それは、具体的にどういう瞬間にそう感じるんですか?

マイカ:ステージ上の空気感ですね。すごく高まってるのを感じます。

ユア:うん。集中してるっていうか、全員がその場にちゃんといるって感じ。

マイカ:一つひとつのパフォーマンスに、ちゃんと気持ちをかけてるっていうのが伝わってくるよね。

ミキ:それに加えて、自信を持ってパフォーマンスしてるのも感じます。自分自身も今はすごく自信を持ってライブに臨めているけど、それは他のメンバーも同じなんだなと思える場面が多くて。そういう一人ひとりの自信がちゃんと結びついて、お客さんにもしっかり届いている感覚がある。ここまで一体感を感じることって少なかったかもしれない。

──チャンベイビーさんは、どうですか?

チャンベイビー:LINE CUBE SHIBUYAのライブで、一度“幕を閉じた”感覚があったんです。そこからまた新たに気持ちが一つになっている感じがすごくあって。ツアーを回りながら、アルバム制作も同時に進めていたけど、それでもこんなに素敵な作品ができたんだって自信を持って言えるし、私が描いている「GANG RISE」のイメージ図が実際に浮かび上がってきたのもステージの上だったんです。「もっとみんなで遊びに行きたい。一緒に、もっと大きな場所に行ける」っていう確信みたいなものが芽生えてきて。そういう意味で、今はみんなで一つのものを作って、一つの気持ちになっている、そんな感覚がすごく強いです。

──ギャンパレは、これまでも全力で走り続けてきたグループです。今はそれが自信へとしっかりつながっているんですね。

ユア:私は、周りの人たちからのギャンパレへの愛を、すごく強く感じるようになったのが大きいなと思っていて。それが自分の支えになっている。楽曲提供をしてくださる方の歌詞の中に感じる想いや、草野華余子さんとのエピソードもそうだけど、いろんな方がGANG PARADEのためにって、本気で動いてくれているのが伝わってきて。だからこそ、「その気持ちに応えなきゃいけない」って思う瞬間が、前よりもずっと増えてきたんですよね。それだけ愛や熱量を向けてもらっているんだから、私もちゃんと自信を持って、この活動に向き合わなきゃって。そういう個人的な想いはすごくあります。

マイカ:それは私も感じてますね。同時に、今私たちが作っているもの自体にも、すごく自信があるんです。今回のツアーにしても、セットリストやその流れ、全体の構成とか、これで大丈夫かな?っていう不安が全くないんですよ。だからこそ、ライブに全力集中できている。空気感もすごくいいし、チームとしての流れもすごくスムーズで、何より今までやってきたことが間違いじゃなかったっていう確信がある。だから今は、そのすべてを使って、遊び人に全力で遊び場を提供するっていう気持ちで活動できているんだと思います。

──7月4日にはSpotify O-WESTで『GANG RISE』の完全再現ライブが開催されますよね。ある意味、ここでこのアルバムがより完成するというか。20曲ありますからね。

マイカ:20曲となると、メンバーはもうパッキパキですよ(笑)。ステージ上にいても心ここにあらずみたいな感じになるくらいの緊張感だと思います。

ミキ:でも楽しみでもあります。

ユア:好きな曲が多すぎて。これまでの楽曲もすごく大事にしたいし。でも、どうしても20曲すべてはセットリストに入りきらない。そのことが本当にもったいないと思うくらい、今回のアルバムはいい作品になったなって思います。

マイカ:GANG PARADEって、もともと曲数が多くて、再始動前の曲がライブのアンセムになっていたものも多かったんです。でも、今は違っていて。今の11人で作ってきた曲たちだけでも、1本のライブを成立させて、ちゃんと盛り上がれるようになった。その曲たちがこのアルバムには詰まってる。それがようやくできるようになった、っていう実感があります。

──以前は初期曲も求められている雰囲気も強かったですもんね。

ミキ:うん。どうしても「Plastic 2 Mercy」に頼る場面も多くて。

ユア:1曲だけ新曲を入れて、あとは昔の曲で構成する、みたいなライブが多かった。でも今回のツアーは、ほぼ新曲中心だったんですよ。ライブ全体の構成の関係で昔の曲も入れつつだけど、ほとんどが新曲で構成されている。それができている今の状況が、すごくいいなって思います。

──この作品と一緒に、GANG PARADEが上がっていくという期待が高まりますね。

ユア:今回の曲たちがこれだけ良いんだから、上がらないわけがない!

ミキ:もし、これで上がらなかったら……もう私たちが悪い(笑)。全力で上がっていきます!


■リリース情報

GANG PARADE『GANG RISE』完全盤
=収録曲=
DISC 1
1. GANG RISE[作詞・作曲:ケンタ(WANIMA) / 演奏:WANIMA]
2. 無理無理きもい[作詞:JxSxK / 作曲:大森靖子]
3. Sparkling Moon[作詞・作曲:不眠症]
4. Gang Gang Disco[作詞・作曲:石毛輝(the telephones) / 演奏:the telephones]
5. パショギラ(11SOUL ver.)[作詞・作曲:首藤義勝 / 演奏:KEYTALK]
6. アンビバレント[作詞・作曲:田口悟(RED in BLUE) / 演奏:RED in BLUE]
7. 一夏(11SOUL ver.)[作詞:牛肉 / 作曲:雄之助]
8. 涙は風に、思いは歌に(11SOUL ver.)[作詞・作曲:Misumi]
9. イマヲカケル[作詞・作曲:寺中友将(KEYTALK)]
10. グッドラック・マイフューチャー[作詞・作曲:草野華余子]
DISC 2
1. ヘイ!ホー!最高じゃん![作詞:上中丈弥 / 作曲:山田武郎 / 演奏:THE イナズマ戦隊]
2. So many members[作詞:やっさん(超能力戦士ドリアン) / 作曲:けつぷり(超能力戦士ドリアン) / 演奏:超能力戦士ドリアン]
3. Symphony[作詞:ナルハワールド × キャン・GP・マイカ × ココ・パーティン・ココ × ユイ・ガ・ドクソン × 鈴木裕哉 / 作曲:鈴木裕哉]
4. Peace☆超パニック(11SOUL ver.)[作詞:Hayato Yamamoto, Tayuto Nakasu / 作曲:MEG(MEGMETAL), Hayato Yamamoto]
5. Gangsta Vibes(11SOUL ver.)[作詞:GANG PARADE / 作曲:KOTONOHOUSE × GANG PARADE]
6. おぎゃです[作詞:チャンベイビー / 作曲:MEG(MEGMETAL)]
7. 躍動(11SOUL ver.)[作詞:KOTONOHOUSE × GANG PARADE / 作曲:KOTONOHOUSE]
8. Doubters[作詞:草野華余子 × GANG PARADE / 作曲:草野華余子]
9. Träumerei(11SOUL ver.)[作詞:キャ・ノン / 作曲:KOTONOHOUSE]
10. ROCKを止めるな!!(11SOUL ver.)[作詞:上中丈弥 / 作曲:久保裕行 / 演奏:THE イナズマ戦隊]

■ライブ情報

『GANG RISE』完全再現ライブ「THE GANG PARADE RISES」

2025年7月4日(金)@Spotify O-WEST
OPEN 18:00 / START 19:00

GANG PARADE with GANG BOYZ presents『THE GANG PARADE RISES Z』


2025年8月21日(木)@Spotify O-EAST
OPEN 18:00 / START 19:00
[問] KM MUSIC 045-201-9999

狂遊


2025年8月31日(日)@横浜赤レンガ倉庫 イベント広場
OPEN 17:00 / START 18:00(予定)
[問]ぴあ株式会社 live_info@pia.co.jp

GANG PARADE オフィシャルサイト:https://gangparade.jp/

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