「アセロラ4000」というTwitterアカウントをご存知だろうか?
おそらく誰も知らないだろう。フォロアーはわずか13名。
ある日突然フォローされたので気になってタイムラインを見たところ、自身がキャバクラで出会った「嬢」との日々の交流、彼女との関わり合いの中で感じたことが独特の文学的表現で綴られていた。
プロフィールにはこう書かれている。
お気に入りの嬢との徒然なる日々。21世紀の智恵子抄。私はキャバクラという名の文壇で高村光太郎になりたい。
おそらくアセロラ4000は、皆が羨むようなお金持ちではないことだろう。キャバクラに1回行くのにも悩み続ける。それでも身銭を切ってキャバクラへ行く。ある日、悩んだ末、嬢との縁を断ち切ろうとLINEをブロックし、嬢との卒業宣言をする。
ある日の嬢との同伴について、収支を出してみた。高級居酒屋代 20000円。電車交通費600円。同伴代3000円。指名料2000円。入店費60分7000円 延長30分5000円。柿ピー代1000円。
………うわぁーーー!!— アセロラ4000 (@ace_ace_4000) March 31, 2018
春、桜の季節。出会いと別れの交差するとき。いま、私はここに宣言する。嬢からの卒業を。たったいま、卒業式を終えた。LINEブロックという卒業式を。卒業生たち(私)は泣いた。校長先生(私)はこう言った。「あなたたちには、未来がある」。そう、私には未来があるのだ。さらば、嬢。ありがとう、嬢。
— アセロラ4000 (@ace_ace_4000) March 31, 2018
しかし、そのわずか2日後。LINEのブロックは解除。再び物語がはじまった。
「卒業式で泣かないと冷たい人と言われそう」。そう歌ったのは斉藤由貴。そう、「でももっと悲しい瞬間に涙はとっておきたいの」。その気持ちが今、痛いほどよくわかる。泣くのは、いまじゃないのだ。嬢からの卒業。そして今、再入学。もう一度、嬢との物語が動き出す。アセロラ4000、始めます。
— アセロラ4000 (@ace_ace_4000) April 2, 2018
私は再び立ち上がる。卒業、再入学、自主退学と、めまぐるしいこの数日間で気がついたこと。私は嬢の為に働き、嬢の為に生きているのだと。嬢による、嬢の、嬢のための私。私よ、大志を抱け。そして嬢、嬢よ。明日の嬢。(第1部・完)
— アセロラ4000 (@ace_ace_4000) April 3, 2018
フォロアーは13人だし、誰に向けて書かれているのかはわからないけれど気になって読んでいたら、毎日タイムラインをチェックするようになってしまった。なんとなく嬢の性格も掴めてきた。男心をくすぶる小悪魔的な女性なのである。そんなアセロラ4000のTwitter文学。よくわからないけれど突然第一部が完結し、第二部がはじまっていた。
彼は超大作を描こうとしているのか?
誰のために、なんの目的で書かれているのか、そもそも事実なのかどうかもわからない。例えられている固有名詞から察するに40代以上の男性が書いているのではないかと推測される。
なぜアセロラ4000はこのつぶやきをし続けているのか? そしてなぜ私をフォローしてきたのか。謎は深まるばかり。
ああーーーーー、はやくつぶやかないか気になって仕方ない自分がいる。