【BiS2nd】YUiNA EMPiRE、初インタヴュー「移籍したからには絶対1stに上がらないとダメなんですよ」

BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiREのマネジメントを行うWACKが、2018年3月12～18日にかけて開催した合宿型合同オーディション「WACK合同オーディション2018」。毎日脱落者が出る過酷な環境、早朝マラソンや学力テスト、ダンス審査などを経て、合宿最終日の3月18日、大阪城音楽堂でフリー・イベント「WACK EXHiBiTiON」が開催され、合格者発表が行われた。

BiSには総勢５名の合格者（※１名辞退）が加入。さらに、EMPiREからYUiNA EMPiREの完全移籍することも発表され、BiS1stとBiS2ndに分裂することが明らかとなった。2018年7月4日リリースされるシングル『Don’t miss it!!』のタイミングで、メンバー総勢10名を対象にファン投票がおこなわれ、得票数の1位～5位が次作のBiS1st、6位～10位がBiS2ndとして再編成される。

2017年のWACKオーデで涙を飲むも、あきらめずに受けたEMPiREのオーディションに合格し、WACKへの加入を勝ち取ったYUiNA EMPiRE。マイナビBLITZ赤坂で開催予定の初ワンマンに向かう中で突然告げられたBiSへの完全移籍。EMPiREメンバーとしてワンマンの準備をしながら、BiS2ndでの活動にむけて練習をすることになったYUiNAは、どのような気持ちで何を考えて過ごしていたのか。そしてBiSに加入した現在の心境とは。じっくりと話を訊いた。

インタヴュー＆文：西澤裕郎
写真：外林健太

ワンマンが終わるまでは移籍するってことがなかなか実感できませんでした

──大阪城音楽堂で行われた〈WACK EXHiBiTiON〉で、YUiNAさんのEMPiREからBiSへの完全移籍が発表されました。正直、どんな気持ちだったんでしょう？

YUiNA EMPiRE（以下、YUiNA）：発表を聞いたときは、びっくりというか意味がわからなくて。頭が真っ白になって全然整理がつきませんでした。発表の次の日に衣装の採寸をしたんですけど、その日に振りのビデオが30曲ぐらい送られてきたので、ちょっとだけ練習をして。そこで初めてBiSのメンバーとちゃんと話しました。EMPiREとBiSって後輩と先輩の関係だったから、あまり話せる機会がなかったんです。

──発表後、EMPiREのメンバーとはどんなことを話したんですか？

YUiNA：BiSへの移籍のことは、ほとんどしゃべらなかったです。「１番つらいのはYUiNAだから」って気を遣ってくれて、あまり言ってこなかったんだろうなと思います。BiSの練習がはじまってから、YU-Ki（ EMPiRE）ちゃんが「どんな振りなの？ YU-Kiも一緒に覚える」って一緒に練習してくれたこともあって。EMPiREでの最初で最後のワンマン・ライヴも詰め詰めでやっていたので、ワンマンが終わるまでは移籍するってことがなかなか実感できませんでした。

──GANG PARADEのカミヤサキとBiSのアヤ・エイトプリンスがトレードした時、２人とも誰にも共有できなくて気持ちの浮き沈みがあったと言っていたんですけど、YUiNAさんは自分の気持ちをどうやって整理したんでしょう。

YUiNA：私もすごく複雑だったんですよ。EMPiREでスタジオに入って新しい６人体制で練習をするとき「YUiNAちゃん、ごめんね」ってMiDORiKO（ EMPiRE）とかが言ってくれるんですよ。私は全然いいんですけど気を遣わせてしまったり、「YUiNAちゃんも練習があるからやっていていいよ」って言われたけど、そこでBiSの振り付けを練習するのも違うなって感じで。私もEMPiREのワンマンを成功させなきゃ次に進めないと思っていたから、それもすごく複雑でした。６人で練習しているのを見て、うるってなっちゃったり。私がいないとこんな感じかあ…… って思ったり。

──BiSに行くんだとわかっていても、割り切れない部分もあったんですね。

YUiNA：６人の練習を見ているのはつらかったです。EMPiREの練習と同時に、BiSの練習もやらなくちゃいけなくて。EMPiREの練習の合間にBiSのヴォイトレがあったんです。１回しか参加できなかったんですけど、BiSになってから初めてのヴォイトレのとき、先生から「最初にヴォイトレに来た時は、この子大丈夫かなと思っていたけど、今は顔が全然違う。BiSでやる気になったんだね」って言われて。だからその時までは、気持ちが入れられていなかったのかなって思います。

──YUiNAさんは、なんでBiSへ移籍することになったと考えていますか？

YUiNA：いろいろ逃げていたことが１番の原因かなと思っていて……。 でも普通はBiSに移籍できないと思うし、渡辺（淳之介）さんがもう１回くれたチャンスだと思って頑張ろうと思いました。振り返ってみると、いろいろ自分が弱くて逃げていたところがあったから、移籍になったのかなって自分では考えています。

BiSで帝国を作っていこうと思っています

──マイナビBLITZ赤坂で行われたEMPiREワンマンは、どういう気持ちで臨みましたか？

YUiNA：ライヴ直前にサキさんがLINEをくれたんです。「私はBiSにレンタル移籍したとき、悔いのないようにやったから今のギャンパレでの自分がある」って。だから私も絶対にEMPiREで全部出しきって次に進もうと思いました。絶対後悔しないように、メンバーの顔を見ながらライヴをしました。あと、楽しもうって思いました。そしたら11曲があっという間で、これで終わっちゃうんだと思って、最後「ありがとうございました」って言ってから、ばーって涙が出てきて。みんなは泣いている暇もなくて、次の衣装に着替えてライヴで切替が早かったんですけど（笑）、すごい楽しいライヴだった。

──２階席から観ていても、すごい気合い入っているように見えました。

YUiNA：最初で最後のワンマン・ライヴだったから気合いが入りすぎていて、歌とかもめっちゃ力んじゃって。

──EMPiREはブリッツのワンマンを目指してやってきましたからね。思い入れというか特別な場所になっていますよね。

YUiNA：本当にそう思います。最後にBLITZでワンマンができたことがすごく嬉しかったし、終わってから６人のライヴも観ていたんですけど、正直６人のEMPiREめっちゃいいなと私も思って。身長とか見た目がすごいスタイリッシュになったし、みんな同じ感じの身長だと揃って見える。それもまた悲しくなりました。あと、悔しい気持ちもありました。

──何が悔しかった？

YUiNA：私がいなくなって、６人のEMPiREがもっと良くなったように見えたから、お客さんにもそう思われたら悔しいなって。５人のEMPiREを観てくれた人たちにも、５人のEMPiREもめっちゃ良かったと思ってもらえるようにやったから、後悔はなかったんですけど。

──当日、BiSのメンバーとも会いましたか？

YUiNA：会いました。まだ全然先輩って感じ接していました。でも、EMPiREの私はこうなんだっていうのを観てもらいたかったんです。キャラとか私はこんな感じってことを観てもらえたのはよかった。ライヴ後に（ムロ・）パナコちゃんが、「格好よかったです。BiSで最高を作っていきましょう」ってLINEをくれて。めっちゃ優しいなって思いました。

──BiSに移籍しても名前はそのままYUiNA EMPiREです。EMPiREを背負いながらやっていくのはどんな気持ちですか？

YUiNA：私は単純にすごく嬉しかったです。EMPiREって名乗っていいんだって。オタクの人からは「その名前を言うたびにさみしくなっちゃうんじゃないか」って言われたんですけど、私はBiSでもYUiNA EMPiREだから、BiSで帝国を作っていこうと思っています。

アヤさんのおかげでBiSで前向きな気持ちになれたというか、前に進めるようになった

──6月2日のBiSお披露目ライヴまで、なかなか全員で集まって一緒に練習する機会がなかったんですよね。YUiNAさん自身はどんなことをして過ごしていたんでしょう。

YUiNA：赤坂のワンマンが終わってから本格的に練習に取り組み始めたんですけど、最初の１週間ぐらいは練習しているのに歌もダンスも全然覚えられなくて。それをMAYU（EMPiRE）ちゃんにLINEで相談していたんです。そしたら「それはまだEMPiREの方が好きっていうか、まだBiSに気持ちがついていけてないんじゃない？」って言ってくれて。あと、初めてのBiSのヴォイトレの後、アヤさんも私がまだ気持ちの整理がついてないってことに気づいてくれたのか、「今どう思っている？」みたいにすごい話を聞いてくれて。そこでアヤさんのことが大好きになったし、BiSはこういうグループでってことも説明してくれて。「EMPiREのライヴを観てすごく仲良しだなって感じたけど、BiSも本当にいいグループだから、YUiNAもBiSを好きになってくれるように頑張る」って。自分でもびっくりしたんですけど、そこから少しずつ振りも覚えられるようになって。アヤさんのおかげでBiSで前向きな気持ちになれたというか、前に進めるようになったなと思います。

──YUiNAさんが参加した合宿オーデの同期に、パン・ルナリーフィとももらんどがいました。ももらんどが脱退してしまったことに関してはどう思いました？

YUiNA：びっくりしました。でもすごいつらかったんだろうなって思います。私も本当に心が折れそうで、１回どうやって頑張ればいいかわからなくなった時があって。でも自分がやりたくてWACKに入ったし、レッスンとか練習とかヴォイトレとかも、WACKのアイドルの自分として向き合える時間があることはすごく贅沢だなと思って。あと、EMPiREが６人になってすごいよくなって悔しかったから、負けたくないし、私もBiSで見せつけてやるって気持ちになりました。

──BiSでのお披露目ライヴは、どうでしたか。

YUiNA：BiSの先輩たちは、大切な５人体制最後のライヴ前日も私たちと一緒に練習してくれたんです。でも、2nd全員で合わせられたのは３、４回くらいで。私はEMPiREでも11曲しかライヴで歌ったことがなくて、23曲もやるのは初めてだから不安もありました。そういう不安がお披露目ライヴで出ちゃったり、フォーメーションもぐちゃってなってしまったり、それが悔しかったんですけど、ライヴ自体はすごい楽しくて。あと、私はこんなに体力がないんだって思いました。

──最後に「パプリカ」でスクワットをしましたしね。

YUiNA：20曲以上やった後の「パプリカ」はぎゃーって叫びたくなるくらい足がめっちゃ痛くて（笑）。でもライヴのアドレナリンみたいなのがあってできるんですよ。それでも、めっちゃつらかったです。

──お客さんの雰囲気も、EMPiREのときと全然違いますもんね。

YUiNA：違いますね。みんながうおーってなっている。その中でも、EMPiREのファンだった人がBiSのライヴを観に来てくれて「BiSは激しくていっぱい汗かいた。でもすごい楽しかった」って言ってくれて嬉しかったですね。

──車の中や、楽屋の中ではメンバーとはどんなことを話しているんですか？

YUiNA：1stはこういう工夫をしていたねとか、先輩たちから「BiSは歌詞がいいからちゃんと歌詞読んできて」って言われて、まずは感情を込めながら歌えるようにしようって話をしました。誰かを思い浮かべながらとか、自分は今こういう気持ちを届けたいとか、そういう気持ちを持ってちゃんと歌おうって。私はEMPiREの時から表情が固いって言われていたので、そこは自分の課題だなと思っています。

──最初に会った時より、血の通った感じがしますけどね。

YUiNA：自分的には表情とかも、もっと大げさにやらないと伝わらないんだなと思っているんです。ライヴ後に、「昨日よりかっこよかった」って周りの人みんなに言ってもらえて。今日より更新していくってことがお披露目の金沢と翌日の福井の２日間でもできたから、来週はもっとかっこよくならなきゃと思っています。

私はBiSで変わるから、そこを注目してもらいたい

──現在、BiSは二部性になって、投票システムの中で活動をしています。どんな気持ちで過ごしているんでしょう。

YUiNA：周りの人から観たら、たぶんおもしろいだろうなと思うんですけど、私たち本人自身が、まだ実感がないっていうか。投票の近くになって空気がどうなるかなって。みんなの前で人気が発表されて、数字で表されたりするのは怖いですから。

──言ってみれば、ずっと合宿が続いていく感じですもんね。

YUiNA：たしかにそうですよね。ペリさんが「2nd全員が1stを超えないと誰も1stに行けないよ」って言っていて、本当にそうだなと思ったので、まずはグループとして1stよりもいいなって思ってもらえるように頑張ろうと思っています。

──YUiNA EMPiREとしては、BiSでどんな自分になっていきたい？

YUiNA：EMPiREとBiSは曲調も雰囲気も全然違うから、EMPiREでやっていた見せ方と同じ見せ方をBiSでしたらダメなんだなと思っていて。０からBiSをスタートしないといけないと思っているので、かっこよくなっていきたいし強くなっていきたい。１年後には今の先輩みたいにBiSを引っ張っていけるような存在になりたいし、私がいなきゃいけない存在になりたい。私はBiSで頑張るって決めたからかっこよくなっていきたいです。

──ちなみに、YUiNAのバク担当っていうのはどうやって決めたんですか。

YUiNA：最初、渡辺さんに「波乱万丈担当と、眠い担当はどうですか？」ってメールをしたんです。そしたら「バク担当はどう？」って言われて。それを聞いて、はっ！ てなりました。EMPiREの「アカルイミライ」の、夢を食べる振り付けから来てるんだなと思って。めっちゃ素敵だなって思いました。渡辺さんは、見ていてくれているんだなって。

──随所にYUiNAのルーツであるEMPiREの要素が入っていますもんね。

YUiNA：そうなんですよ。本当に大事な振り付けだったんです。「アカルイミライ」で私は１箇所しか歌割りがなかったんですけど、アイナ（・ジ・エンド）さんが「間奏のダンスでYUiNAちゃんを目立たせてあげる」って言ってくれて。アイナさんの愛ある振り付けなんですよ。BiSの自己紹介でそれを取り入れてバク担当になれたのはすごく嬉しい。エモいですよね、めっちゃ。

──今でもEMPiREメンバーと連絡はとっているんですか？

YUiNA：お披露目ライヴが終わった後にEMPiREのみんなからLINEが来て。しかも１人ずつ個人で。やっぱり仲間だなって思いました。

──どんな連絡が来たんですか？

YUiNA：「お披露目、お疲れさま」って。「ミュージック・ビデオも観たし、ライヴの写真も観て、いい意味でYUiNAが変わったなと思った」ってYUKA（EMPiRE）ちゃんからLINEが来て。普段、YUKAちゃんとLINEをしないんですよ。でも、「これは本音でLINEしてるよ」って来て、そうやって言ってくれるのがすごく嬉しかった。「これからも応援しているからお互い頑張ろう」ってみんな言ってくれてめっちゃ嬉しかったです。

──みんな気にかけてくれているんですね。

YUiNA：あと、エイベックスのEMPiRE担当の篠崎さんからお披露目ライヴ前日に、「明日かましてこいよ」ってメールが来て、めっちゃ優しいなって思いました。ライヴの直前にも「遠慮しないで行ってこい」って連絡をもらって。私のパートの時にばーって前に行くことができたのはそのおかげというか。こいつ新メンバーのくせにってなっちゃうかなと思って遠慮していたけど、自分のパートで前に出て歌えたからよかったです。

──EMPiRE魂みたいなのを背中に背負いながらBiSで活動しているわけですね。

YUiNA：そうですね、本当にそう思います。

──これからまたEMPiREとの対バンもあるかもしれないですしね。

YUiNA：その時にはかっこいい私を観てもらいたいから、もっと練習しなきゃなって。絶対ミスとかもしたくないし。楽しみです。

──新メンバーたちとは仲良くできていますか？

YUiNA：みんな合宿を経てきた仲間たちだから仲が良いじゃないですか？　最初、そこに入るのも殻が破れなくて。ヴォイトレの先生からも「YUiNAだけまだ殻を感じる。まだ新メンバーの方が無邪気にのびのびとやってるよ」って言われて。そこは殻を破って、自分を出さないとと思います。みんな本当に個性が強くて魅力的だけど、私は個性がないから。BiSになってから「声がいいね」って言われることが多くなったので、BiSは歌全部魅力的なので歌をもっと頑張りたいです。

──YUiNAさんが一番ストーリーを背負っているメンバーでもありますしね。

YUiNA：移籍したからには絶対1stに上がらないとダメなんですよ。じゃないと意味がない。私は自信がいけど、自分のことを１番になりたいって思わないと、上に上がれないと思うし、ペリさんもそうやって思ってくれてないと困るって言ってくれていました。だから、気持ちを入れて頑張りたいです。私はBiSで変わるから、そこを注目してもらいたいですね。

BiS2nd PROFILE
ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、キカ・フロント・フロンタール、YUiNA EMPiRE、ムロパナコ、ミュークラブからなる６人組グループ。

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