【連載】テラシマユウカの「それでも映画は、素晴らしい。」Vol.7『はじまりへの旅』

明けましておめでとうございます!
お正月、いかがお過ごしでしょうか。

2019年1月1日が火曜日という事で、新年早々コラムを更新し幸先良いスタートを切らせて頂けました。

先週はクリスマスばかり気にして年の瀬のご挨拶を完全に忘れてしまいました……。

去年から始まったこの連載によって今まで以上に映画を観る機会が増えたので、今年は90本くらい観れたらな、なんてうっすら思っています。

このコラムは単に私が好きというだけの映画でなく、色々な人にオススメの映画を聞き回り、私がその感想をつらつらと書くというコンセプトのもとやらせて頂いています。

そのおかげであまり交友関係の広くない私ですが、人との関わりを以前より少しは持つ事ができたのではないかと思います。

毎週沢山の方に助けられて本当に最高の映画ばかりお届けできています。私の言葉が拙いばかりに、100%伝えきれられないのがもどかしいです。

きっと私が好きな作品だけを紹介していたら偏ったものばかりの数十回で終わってしまうので、こういう形で色々なジャンルに触れることが出来て嬉しいです。以前は邦画ばかり好んで観ていましたが、洋画も進んで観るようになりました。

個人的にオススメしたくてしょうがない作品があれば小話やTwitterなどで書いていくので、そちらも合わせて観てください!

今年は、私のことを知らない映画が好きな方の目にとまったり、この映画観ようかな〜と迷っていたりする方の後押しになったりするようなコラムをもっともっと広い世界にお届けしたいという気持ちで、精進して参ります。

そして、この映画コラムによって人との関わりを広げていきたいです。

いつも読んでくださっている方は本当に有難うございます。

今年も何卒、宜しくお願い致します!

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さて それでは、めでたい年明け1本目にはこちらの作品を。

花柄ランタンの村上真平さんオススメです!

Vol.7『はじまりへの旅』

 

ベン・キャッシュとその妻レスリーは、6人の子どもたちとワシントン州の森奥深くに住んでいる。資本主義とアメリカ人の生き方に幻滅したベンとレスリーは、子どもたちにサバイバルの技術と哲学を教え込む。社会から離れ、ベンとレスリーは子どもたちを育てることに身を捧げる。批判的思考ができるよう教育し、肉体的に健康かつ活発であるように訓練をさせる。そして、森での生活を通じ、テクノロジーに頼らず自然と共生することの素晴らしさを身をもって体験させる。

しかしながら、レスリーは双極性障害によって入院し、最終的には自らの命を絶ってしまう。ベンは妹のハーパーからこの事実を知らされる。葬儀の手配についての話し合いがもたれるが、義父のジャックとベンは言い争いを始めてしまう。レスリーの遺志に従いベンは火葬を執り行いたいが、ジャックは土葬にしたいと言う。結局土葬が行われることになり、ベンは葬儀への参列をしないことにし、子どもたちにそう伝えた。しかし、ベンは葬儀を台無しにしてやろうと決意し、子どもたちを連れ車での旅に出る。

そして、子どもたちは初めて森の外の生活を体験する。

“普通ってなんですか?”

堅苦しさなくユーモアを混ぜながらポップに面白い。

“普通ってなんですか?”をキャッチコピーとし、とても幸せな映画でした。

原題は『Captain Fantastic』

日本版をどうして『はじまりへの旅』としたのかは分かりませんが、個人的に原題の方がしっくりときます。

森に住み食事は全て自給自足、毎日昼は厳しいトレーニング、そして夜には政治や思想家などの本を読み厳しくテストする。

そんなベンの教育方針は偏りすぎているものの、なんでも揃っている不自由の無い便利な社会で忘れかけていたことを思い出させてくれます。

そしてベンは子ども達に「自分の言葉で説明しなさい」と、”興味深い”などという抽象的な言葉を禁止用語にしています。

そういった抽象的な言葉は無難で、自分も都合よく使ってしまっていると反省しました……。説明している様で曖昧。本を読んだ時に、何をどう感じたか、そしてどう考察するか。自分で答えを探し言葉にする、考える大切さをベンは子ども達に教えています。

私は読書感想文や小論文を書く時、とりあえず文字数を埋めていたタイプだったのでベンの言葉がめちゃくちゃに刺さりました。。

母・レスリーの葬儀へ参列するため森を出てバスを走らせるキャッシュ一家。母を亡くした悲しみに家族一丸となって立ち向かう姿はとても固く結ばれた絆や愛を感じます。

個人的に、家族で自然に囲まれた中で楽器を演奏し、歌い踊るシーンは凄く羨ましかったです。

実際、家族でカラオケは行っても映画の様なシチュエーションなんてありません。

昔、シアトルに2週間程キャンプやホームステイをした事があるのですが、その記憶が蘇ってきました。キャンプ場で出会った言葉も通じない子ども達と一緒にゲームやキャンプファイヤーをし、知らない歌をノリだけで歌い踊った経験は今でも大切な思い出だと、なんだかノスタルジックな気分です。一生大切にしたい記憶です。

こんなにもヘンテコだけど真っ直ぐな温かい家族を見せ付けられて、”普通”や”正しい生き方”なんてものは自分が信じて決めた道にあると感じました。

自分の信じた道を歩きながらも、互いの”普通”を押し付けあわずに柔軟性を持ち、吸収しながら生きていく大切さが描かれています。

森で育った子ども達は社会を知りませんでしたが、ベンはその育て方の過ちを受け入れます。

そして母を亡くした悲しみを乗り越え、最後には森の中と外の良さそれぞれを取り入れた程よい社会性のあるバランスの取れた素晴らしい生活を手に入れました。

普通である事が普通に求められる複雑な社会。自分の中に染み付いた”普通”に固執し過ぎない様に生きたいです。

そして、いつだって今日が人生最後の日でも後悔しないように思いっきり楽しんで生きたいと思いました。

村上さんには今回ご紹介した作品の他にも、有難いことに一言コメントつきでいっぱいオススメ映画を紹介して頂いたのでまたご紹介できればと思います!

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来週はいつもGANG PARADEの楽曲を制作して頂いている、SCRAMBLES代表の松隈ケンタさんオススメ映画をご紹介します。

それでは、2019年も宜しくお願い致します。

また来週〜。

※「それでも映画は、素晴らしい。」は毎週火曜日更新予定です。

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
【連載】Vol.6『ヘアスプレー』(推薦者:花柄ランタン ぷき)

テラシマユウカ


2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

テラシマユウカ Twitter

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