【連載】なにが好きかわからない vol.80「Polycat」

皆さんこんにちは。

先日、お仕事の関係で沖縄でのMusic from Okinawaプロジェクトのカンファレンスに取材を兼ねて参加させていただきました。アジア圏でライヴのブッキングをされている方々の現地の音楽情報や、日本から世界を見据えて音楽イベントを発信されている方々のお話を2日間に渡って伺ってまいりました。皆さん各々扱っている事業は違っても、見据えていることや危機感を共有するということができて、とても有意義だったのではないかと思っております。

また、そのイベントの前日にはOTOTOYで開催されたシャムキャッツの菅原慎一さんのアジア音楽トークにも参加していた為、先週末からずっとアジア音楽熱が冷めません。熱意がホッカホカです。色々なアジアの素晴らしい音楽を掘り下げていて、誰がどこの国のアーティストなのかごちゃごちゃしておりますが、整理したら色々まとめてみたいなと思います、まとめて少しづつどこかで公開できたらいいなあ。

というわけで、今回は最近巷を賑わせているタイのバンドの中で、菅原さんも勧めていた「Polycat(ポリキャット)」というバンドをご紹介したいと思います。

 

この「So long」という曲を耳にした時、僕の好みにドンピシャで刺さりました。タイでも、3年ほど前からシティポップ系の音楽が流行っていたのは知っていましたが、ここまでのクオリティだとは…… と絶句。5年ほど前の楽曲ですが、YouTubeでは他の楽曲に比べても桁違いの5300万回再生。国内外からも高い評価を受けていて、曲風は角松敏生や山下達郎らのような80年代のAORの影響を充分に感じられる楽曲です。

タイ語の歌詞は僕には分かりませんが、その美しいメロディラインと綺麗なハイトーンだけで、国籍問わずリスナーを魅了できる武器であると思います。先に述べたようにAORの影響もあるので、日本人にとっても入り込みやすい曲調ではございませんでしょうか。

この曲のPVでは粗い画質の映像で、おそらくやむを得ない事情で別れゆく男女の物語がドラマ風に描かれています。こういう設定も日本の80年代らしさがあって、over40の方なんかはジンワリくるのではないでしょうか。でもこういうスタイルって若い世代にとっては懐かしさも感じつつ、やっぱり新鮮味の方が強いと思います。

タイの音楽状況といえば、もうフィジカル媒体をほとんど作っていないそうで、ほとんど配信かYouTubeだけだそうです。でも一方で、ライヴハウスはほとんどなくて、バーや空いてるスペースに機材をとりあえず持ち込んで、ろくな音響設備もなしにライヴをする状況。楽曲を広める手法は日本よりもデジタルに徹してるくらいなのに、ライヴという直接音楽に触れる機会はとても少ない。ライヴハウスが増えないのは色々事情があるそうなのですが、それにしてもこの逆方向に進んでいってるのもなんか面白いですよね。そして、普段ライヴを見れない分、日本よりも多くの音楽フェスがあってそこで皆が集まって爆発させる。めちゃくちゃ面白くないですか? 僕はめちゃ面白いと思います。

今の日本の音楽産業は、国内だけの消費だとだいぶ底が見えてきていると思うので、もっとこういう海外のシーンと繋がることで活路が見出せるんじゃないかなと思います。日本バンドの発信もアジアのバンドの誘致も、双方向に働きかけることが絶対に必要だと思いました。

最近改めて自分の書いた文章って文字数が多いなと思ったので、読み易いところまで減らしていこうと思います。今週はこの辺で、また来週。

ひとつよしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。

エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。

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