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【LIVE REPORT】BiS、全公演SOLD OUTの全国ツアー初日仙台公演で魅せた予定調和とは真逆のライヴ

StoryWriter

BiSが、8都市9公演をまわる全国ツアー〈”LIVE DAM Ai” presents STAND BY BiS〉の初日公演を2020年1月4日(土)、仙台enn 2ndにて開催した。

前日BiSは、WACK所属グループ総出演のイベント〈WACKなりの甲子園〉に出演。BiSH、GANG PARADE、EMPiRE、CARRY LOOSE、WAgg、豆柴の大群が出演する中、4番手でステージに登場し、7曲を披露した。WACK所属グループが全組揃っていたこともあり、グループごとに特色を出した気合いに満ちたライヴを見せたが、その中でもBiSのパフォーマンスは、まるでワンマンライヴを観たかのような満足感と、もっと観たいという欲望を呼び起こすものだった。ツアー初日は、2020年のBiSにとって大切な1日になるだろうと思い、急遽仙台を訪れることにした。

会場のenn 2ndは、仙台市の中心地の雑居ビルの地下にあり、開場前からグッズを求めた研究員(BiSファンの総称)が列を作っていた。その脇を通って会場に入ると、リハーサルが始まるところだった。メンバー4人は、確認したい楽曲を絞ってワンコーラスごと確認していく。WACK代表の渡辺淳之介は、リハーサルの様子をじっと見つめている。唯一、1曲通してリハーサルした曲があった。昨晩MVが公開された2020年2月5日にリリースするメジャー2ndアルバム『LOOKiE』のリード曲「BASKET BOX」だ。この日がライヴ初披露ということで、入念にチェックをしているようだった。

 

思えば、BiSは昨年12月28日の朝6時から29日朝6時まで、代官山UNITにて24時間イベント〈Let’s have a 24 hour BiS’s party〉を行い、その中で『LOOKiE』のほとんどの楽曲を初披露した。肉体も精神も極限の中で、身に染み付いた楽曲たちが、この日どのように聴こえるのか非常に楽しみにしながら、超満員で熱気に溢れる会場の中で開演を待つことにした。

と、ここまで書いてきたが、今回のチケットは全公演SOLD OUT。ツアーはまだはじまったばかりなため、詳しいセットリストは書かず、この日のワンマンの雰囲気をお伝えしたいと思う。メンバーは、本ツアーの衣装に身を包み登場。1stアルバム『Brand-new idol Society』のラストナンバー「LET’S GO どうも」からという意外なスタートを切った。途中、新曲「TRAP」ではサークルピットができ、スカダンスとモッシュが起こったり、「thousand crickets」ではトギーをはじめメンバー全員が必死にヘッドバンキングをし、1stアルバム収録の「teacher teacher teacher」ではメンバーが熱気の中で必死な顔と笑顔を見せながらラインダンスをするなど、予定調和とは真逆の「ライヴ」を見せてくれた。

MCも独特の世界観に満ちていた。仙台の好きなところを聞かれたネオ・トゥリーズは、「仙台駅前の植木のところにあるベンチ」と回答。チャントモンキーは「BiSで半年間活動してきて、不器用すぎて伝わらないこととか、思い通りにいかないことが多くて、真面目にやればやるほど、その分ショックが大きくて、先のこととか考えると怖いんですけど、怖いって言ってしまうと、周りを悪くして、自分を守る言い訳だなと思っているので、これから先、悪魔みたいな世の中から逃げずに、染まらずに、そして、真面目に、本気でBiSとして駆け抜けていきます」と熱気でふらふらになりながらも、ひとつひとつ言葉を紡いでいった。

アンコールでは、イトー・ムセンシティ部が涙を堪えながらMCを行った。

イトー・ムセンシティ部「今、生きていていよかったなと心から思っていて。BiSになる前は「死ぬと思っていた」とか「今お前が生きていることにすごく安心する」って周りに言われるくらい、死のうとしていて。でも…… そのときは、人のせいにして生きていたんです。自分に余裕がなさすぎて、他人に厳しくなったり、当たってしまったりしていて。BiSで活動していると、何百倍も辛いこととか苦しいこととか、これ以上やったら死ぬんじゃないかっていうことがたくさんあるのに、全然その苦しさが苦じゃないんです。今後自分の発言とか行動で、BiSの何かを左右してしまうことがあると思うんですけど、それくらい好きなことで活動できていることが本当に嬉しいので、これからも精一杯がんばります。いつも本当にありがとうございます。これからもよろしくおねがいします」

イトーのMCを経て、リハーサルで入念な確認をしていたメロコア調のリード曲「BASKET BOX」を初披露した。初めて観る振り付けにもかかわらず、研究員たちは、ともに振りコピをしたり、その場で飛び跳ねたり音に乗ったりして、さらなる熱気を生み出した。最後にネオが「また絶対仙台に来たいです。これからもよろしくお願いします」と告げ、「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」を全力でパフォーマンスし、ツアー初日は幕を閉じた。あまりの熱気に、アンコールで「酸素くれ」という声が聞こえるほど熱くなった仙台の夜だった。

BiSは、この宮城 enn 2nd公演を皮切りに8都市9公演をまわり、2月3日に東京 LIQUIDROOMにてツアー・ファイナルを行う。BiSという名前では3度目のスタートを切ったBiSがこの先、どのような物語を生み出していくのか。ますます見逃せないと感じさせてくれたツアー初日だった。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

◼︎BiS『LOOKiE』全曲先行配信スタート!!
音楽配信・サブスクリプションURL
https://BiS.lnk.to/LOOKiE

■商品情報

BiS MAJOR 2nd ALBUM「LOOKiE」読み:ルッキー
2020年2月5日(水)リリース
CRCP-40599
3,000+tax

収録曲:
1. STUPiD(NEW TYPE Ver.)
2. BiS-どうやらゾンビのお出まし-(NEW TYPE Ver.)
3. SURRENDER(NEW TYPE Ver.)
4. TRAP
5. KiSS MY ASS
6. LOVELY LOVELY
7. BASKET BOX
8. LAUGH AT ME
9. FUCKiNG OUT
10. テレフォン
11. FOR ME
12. SPiLLED MiLK
13. FOOL PROOF

BiS Official Twitter: @BiSidol 

■全国ツアー詳細
〈”LIVE DAM Ai”presents STAND BY BiS〉※全公演SOLDOUT
2020年1月4日@(土)宮城・enn 2nd 17:30/18:30
2020年1月5日@(日)愛知・APOLLO BASE 17:00/18:00
2020年1月11日@(土)沖縄・G-shelter 15:00/16:00
2020年1月13日@(月祝)大阪・SUNHALL 17:00/18:00
2020年1月18日@(土)広島・HIROSHIMA BACK BEAT 13:00/14:00
2020年1月19日@(日)福岡・DRUM SON 15:30/16:30
2020年1月25日@(土)KLUB COUNTER ACTION 15:00/16:00
2020年1月26日@(日)北海道・KLUB COUNTER ACTION 13:00/14:00
2020年2月3日@(月)東京・LIQUIDROOM 18:00/19:00 ※FiNAL

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