映画監督・東陽一のキャリアの中でもっとも充実した70~80年代の名作を厳選した特集上映が、東京・ポレポレ東中野にて2月15日(土)~2月21日(金)に開催される。
本特集は、半世紀にわたり作品を撮り続けてきた映画監督東陽一が初めて映画の制作過程や自身についてをカメラの前で語るドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』が2月22日(土)からポレポレ東中野で公開されることを記念して開催されるもの。
期間中は、『やさしいにっぽん人』『日本妖怪伝・サトリ』『マノン』『ザ・レイプ』が上映となる。さまざまな社会的矛盾をかかえながら高度成長に突き進んでいった時代に製作された東監督の初劇映画作品『やさしいにっぽん人』(1971)。人の思うことを次々に言い当て、思うことがなくなると、とって喰うという民話の妖怪“サトリ”を登場させ、「現代人への鎮魂歌」として描いた劇映画第2作、日本映画監督協会新人賞に輝いた『日本妖怪伝・サトリ』(1973)。自由奔放に生きる劇団研究生のヒロイン、烏丸せつこと彼女に翻弄される男、津川雅彦たちとを描く。“女性の自立”をテーマに数々の作品を作り続けた東陽一の最高傑作と言われる『マノン』(1981)。レイプされた女性が周囲の反対を押し切って加害者を告訴するが、プライバシーが白日の下にさらされる。主役に田中裕子が扮し、傷つきながらも人間として成長し、強靭な意志で生きていく姿を好演する『ザ・レイプ』(1982)。どれも今、劇場で観ることができない貴重な作品だ。加えて『マノン』はデジタルリマスター版での上映。『ザ・レイプ』は35ミリフィルムでの上映となる。
初日となる2月15日(土)は『ザ・レイプ』の上映後に東陽一監督によるトークショーも開催される。
また、2月22日(土)より公開の映画『現在地はいづくなりや』の予告編も公開されている。(横澤魁人)
■イベント情報
〈東陽一 特集上映〉
2020年2月15日(土)~2020年21日(金)@東京・ポレポレ東中野
スケジュール:連日10:00 より日替わりで上映
2020年2月15日(土)『ザ・レイプ』※映画終了後東陽一監督舞台挨拶あり。
2020年2月16日(日)『マノン』
2020年2月17日(月)『日本妖怪伝サトリ』
2020年2月18日(火)『やさしいにっぽん人』
2020年2月19日(水)『ザ・レイプ』
2020年2月20日(木)『マノン』
2020年2月21日(金)『やさしいにっぽん人』
■映画情報
『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』
2020年2月22日(土)よりロードショー
出演:東陽一、常盤貴子、緑魔子、烏丸せつこ、安藤紘平、大谷恵理架
監督・編集:小玉憲一 企画・製作:小松原時夫 住田望 撮影:住田望 照明:小峯睦男 録音:湯脇房雄 編集:黒岩清乃 VE:小久保尚志 EED/Color grading:久保田尚 制作:田北祐哉 田中麻衣 制作デスク:須田恵子 タイトルデザイン:小玉早知子 宣伝:岩井秀世
2020年/日本/94分/カラー/DCP
©2020 MONTAGE inc.