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【連載】ヨコザワカイト「digる男。」Vol.30「新しい人に僕はなりたい」

StoryWriter

お世話になっております。株式会社SWインターンのヨコザワカイトです。

先日、高円寺にある「新しい人」というお店に行ってきました。オーナーの小池んさんが世界各地で集めてきた古着や雑貨、そしてお客さんがお店に持ち込んだものがその区別なく売られているこのお店。まさに国の枠を超えたグッズに溢れる店内でやりとりされるのは、独自の通貨「こい券」です。日々レートが変わる通貨で、そこにしかないものを買う。新しい価値観を提示するお店です。

いいお店はやっぱりオーナーが面白い。この日は、世界中を自由に歩き回ってきた小池んさんと話が盛り上がり、美味しいコーヒーまでご馳走になってしまいました。コーヒーに合うBGMをかけよう、という話から『Lixtick=DINER=』という「GOOD COFFEE & GOOD MUSIC」をテーマに制作されたDJのミックスCDをかけてくれる小池んさん。Chillという言葉では少し物足りないような濃厚な、でもゆったりとした時間の中で、お店のコンセプトから東京という街についてまで色々なことをお話ししました。

LIXTICK DINER MIXTAPE – Episode4 / mixed by DJ SLOWCURV(公式HPより)

「新しい人」で扱っているものの中には、変面用の中国面や年季の入ったトランプなど、他のお店ではもしかしたら100円コーナーにぶち込まれているかもしれないグッズも。しかし、「新しい人」に置いてあるとなんだかそれも欲しくなるんです、これが不思議なことに。それは、1つ1つに小池さんの愛のある眼差しが向けられているからなのでしょう。

愛着が出てしまった商品を売ることについて、「やっぱり、少し寂しいんです」と小池んさん。「でも、『新しい人』は皆さんの“断捨離の友”を担っているというイメージですね。ここに来なければ捨てられてしまっていたかもしれないようなものも、ここに並べられて新しい人に出会えるかもしれない。ずっと買われずにいるのもあるから愛着も生まれてくるけど、それが他の所で意味あるものになるなら、そんな素晴らしいことはないですよ」。

小池んさんの哲学は、まだ僕のずっと上を散歩しているようだ。

この日は、古着とタイで買いつけたというチベット仏教のCD『The Mantra of Green Tara』を購入。マントラと言っても、ヨガ用ヒーリングミュージックの類ではなく、現地の人が聴いているようなもの。なので、聴きやすい歌謡曲や中国音楽に近いテイストです。同じフレーズ〈オンタレ グータレ クレショーハ〉を何度も繰り返すこと30分。2曲目では〈オンタレ グータレ クレママハユジャナ コエコジェコーユーソーハ〉を30分間繰り返します。その間、色々なことを考えることができる不思議な時間を取ることができるのです。

小池んさんの気まぐれによって、色々なイベントも開催しているこのお店。僕が行った時は、お金の概念を考え直すこんなイベントが開催されていました。

注:イベント終了済

お店の思想を受け取るのなら、単にお金で商品を買ったというより、小池んさんが大切にしていたものを引き継いだという感覚。情報社会では忘れがちなモノに宿るストーリーを再認識した経験となりました。

「新しい人」は、SNSをやっておらず週5日15時頃から小池んさんがいれば営業しています。高円寺に足を運ぶ機会があれば、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


■店舗情報

「新しい人」

住所:東京都杉並区高円寺南 3-56-5 105
営業時間:およそ15:00〜(金曜を除く)


※「【連載】digる男。」は毎週月曜日更新予定です。

ヨコザワカイト(よこざわ・かいと)
1997年生まれ、千葉県出身。大学では社会学を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら就職活動中、そして迷走中。ガガガSPが大好き。

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