今日は2月18日で、1930年に冥王星が発見された日。
正午過ぎに取材で代々木まで来たものの、腹が減った。いつもの癖で飲食店が並ぶストリートに来ると、ふと中華料理屋を探してしまう。いや、きっとふとではない。あゝ、こんなにも中国で食べた本場の味が忘れられない。
とはいえ、僕は最近胃腸の調子が芳しくないし、中華料理なんてアホかってくらい使うものh…… ってうわあああああああ‼︎‼︎ 何かに引きずり込まれるうぅううう‼︎
ランチタイムにこんにちは。オラ火鍋栄光。
こりゃたまげたなあ、駅から徒歩0秒っちゅうすげえ場所にドシンと構えた中華”風”レストラン「山水楼」。なんてったって中華”風”レストランなんて名乗るくらいだから、中にゃあきっといるんだろうな、”アイツ”がよォ‼︎‼︎
・丁寧な説明によりアイツが登場
中に入ると店員さんは中国人女性で、裏では中国語でおしゃべりをしている声が聞こえてくる。おやおや姉さん方…… あなた方は中華民族なのに、店は中華”風”でええんかい? 首を傾げつつメニューを見てみると、メニューの中国語名の横にご丁寧に日本語訳までついてくれてやがる、ふむふむ。麻婆豆腐は……。
”豆腐と肉の辛煮”
なんか学校の給食の献立表みたいな品名だな! 解説してくれてありがとうな!
えー…… するってえと… アレかい? オイラの探している”アイツ“は「火を通した卵に餡をかけた丼」とでも言うのかい……?
というわけで、「火を通した卵に餡をかけた丼」を探していると…… いたのさ。アイツがよ。
“たまこあま煮ライス”
ふむ……。まあ天津飯って中国発祥じゃないからね。これを見ている方は、今後天津飯を説明するときに“たまこあま煮ライス”と説明すること、火鍋おじさんとの約束だぞ。というか、白飯にまで”ライス”って説明つけてくれてありがとうな。それイングリッシュやけどな。
・フカヒレのような天津飯
とは言え見つけてしまったものは仕方ない。もう火鍋おじさんは“たまこあま煮ライス”しか目につかないんだもん。甘い天津飯なの? 面白そうじゃん? 早速注文して待つこと約数分。
美味そう! なんかフカヒレみたい! もはやこの店での天津飯ってフカヒレを指しているのか、たまこあま煮ライスのことを言っているのかよく分からなくなってきたぞ! 美味そう! 早速スプーンでご開帳させていただこう。
オォ! 卵が厚くてボリューミーなのにフワッフワ! スプーンはサクッと入る! てか厚い! 中でおねんねしてる幾千もの白米さんたちが見えないくらいよ! うまっそう‼︎‼︎ 見たところ餡の味は結構濃そうですな‼︎ 以前は関西風の餡が好きって言ったけど、これはこれでOK! 早速いただくゾ!
……!?!? 薄味の関西風でもないし、ケチャップ風の酸味でもない‼︎ おそらく醤油? がメインだと思うけど、確かにほんのり甘味がある‼︎ 敵か味方か、謎の第3勢力の登場だ! 醤油って確かに日本発祥っぽい! これはこれでかなり美味しいゾ‼︎ 味は濃い目だけどその分、卵の厚さがいい感じなのでそんなに気にならないし、ご飯が進む! 次のごはんがススムくんはこの少しあまじょっぱいタレがいいぞ! 味の素さん頼む! 卵の中にネギも刻んで入ってあるんだな、卵の中にネギは初めて見たけど、これもいい食感で美味しいね! ムムッ、何やらネギ以外の少し食感がある甘めの食材が入っていやしないかい……?
うぉおオォおおこの食感! まさかの竹の子さんだ! こんなところで君に会えるなんて!
天津飯って確かに美味いけど、食感はワンパターンになりがちで飽きやすいっていう弱点を克服してきやがった! こりゃ一本取られたよ、参った! あんたは美味いよ! なんか日本語の説明のとこでいじっちゃってごめんな!
・これが中国の方が作る天津飯か!
ちなみに僕は、味変としてよく天津飯に酢とラー油を2回りくらいかけて食べるんスけど、この天津飯でもその相性はバッチリだったっス! 甘辛かったり、甘酸っぱくなったりするんスけど、どちらにも合うバランスの良いほんのりとした甘さが美味かったっス! ハイ!
うおおおおお、こりゃ止まらんわ……。
こちら完食。ぷっはー。いやはや、恐れ入りましたわ。これが中国の方が作る天津飯ね。
天津飯を知らない中国人に”天津飯”っていう名前だけ教えて、どんな料理出してくるか試す企画とかやってみたら面白いかもナー。正解がないから面白いのかもしれない、天津飯。
なーんて考え事をしていたら、もう取材の時間だ、急がなきゃ。
バッタバタとお店を後にするぜ。あばよ、さすらいの火鍋栄光はまた来るぜ!
今日の天津飯豆知識:
関西では天津”丼”、関東では天津”飯”と呼び方が分かれている。
⭐︎今日のお店⭐︎
「山水楼」
住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木1丁目33−4
営業時間:11:00〜15:00、18:00〜0:00
定休日;日曜日
電話:03-3379-3282
大学時代には中国に留学、何度も旅行で現地に赴いては中国各地の料理に舌鼓を打ってきた若武者。現在はネオン輝く大都会トーキョーで、本場の味が楽しめる中華料理屋を彷徨う神出鬼没のゾンビ。普通の中国人はチンプンカンプンの日本発祥中華料理の代表格「天津飯」に人生を狂わされかけている。記事中の写真は©︎Photo by Kopei。