BiSHや豆柴の大群が所属する音楽プロダクションWACKの中で、最もキャリアの長かったGANG PARADE(以下、ギャンパレ)が2つに分裂して生まれたアイドルグループ「GO TO THE BEDS」と「PARADISES」。メンバー衣装には「老」と「若」という文字が入るなどキャリア順に2つに分けられ、コンセプトもまったく違ったグループとしてスタートを切った。
PARADISESは、ギャンパレでキャリアの短い3名――テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールドで構成されたフレッシュなグループ。2020年5月23日には、WACKの研修生グループWAggから昇格したキラ・メイが加入し4人体制となる。そんなPARADISESの連載個別インタビューがスタート。
第2回目は、“山田なる”として恋愛リアリティショー『今日、好きになりました。〜青い春編〜』に出演中のナルハワールド。2019年3月のWACK合宿オーディションでWAggからギャンパレへの昇格を勝ち取り、1番の後輩として活動してきたナルハは、PARADISESで新しいことに挑戦したいと強く語る。その言葉通り、アイドルながらに恋愛バラエティに出演し、見事、彼氏のできたナルハに話を訊いた。
取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太
積極的になってよかった
──このインタビューは、『今日、好きになりました。〜青い春編〜』最終回直後にアップとなります。単刀直入に訊きますけど、恋愛は上手くいったんですよね?
ナルハワールド(以下、ナルハ) : そうですね。成立はできました。
──おめでとうございます! 両想いという結果に対してどういう気持ちですか?
ナルハ : 参加する前は、2泊3日で成立なんてできるのかなと思っていたんですけど、行ってみたらいろいろあって。成立できたのは正直嬉しかったし、なんて言うんですかね…… (恥ずかしそうな顔をしながら)えー! この番組は成立できるのが1番の目玉かなと思うし、自分がそうなれてよかったなって。
──不思議な感覚じゃないですか? 恋愛の過程を全部観られているわけで。
ナルハ : そうなんですよね。
──夢見心地みたいなところもある?
ナルハ : ありますね。成立して番組が終わっても続いていくことなので。この2泊3日は、いつもと違うことをやっていたので、ちょっぴり現実と離れているみたいなところはあったので、本当なのかな? ってふわふわした感じです。
──恋愛という目的を達成するにあたって、どういうところを頑張ろうと思って過ごしていたんでしょう。
ナルハ : これはもう個人戦というか。1人でやらなきゃいけないというのもあったし、恋愛は自分から積極的にいくのが大事だなと2泊3日でも分かりました。私は恋愛をあまりしたことがなかったので、人によっていろいろアプローチの方法も違うんだなというか、新しい発見がありました。
──番組を観ていて、ナルハさんは一途に、好きになった人に正面から当たっていくんだなって思ったんですけど、自分の姿を観てみて、どう感じましたか。
ナルハ : 私は性格もそんな感じなのかなと思っていて。1個のことに集中しちゃうところがある。この人! と決めたら、他のところにフラフラ行きたくないなと思っていて。その人に自分のことを見てほしいのに、他の人のところに行く必要ないかなと思って、一途でいました。結果振り向いてくれたので、よかったです。
──「愛されるより愛したい」みたいな、そういう感じ?
ナルハ : たしかに、そうかもしれないですね。好き好きとか言われるよりは、自分からいった方が合っているなとは思います。今回、自分から行動して、積極的になってよかったと思いました。
──恋愛って、成就する人もいれば、成就しない人も出てくるわけで、そういう部分に関しては、『今日好き』を通してどう感じているのかなと。
ナルハ : 今回、1人の子と好きな人が被っちゃったんですけど、その子とはめっちゃ仲良くて。撮影していない時も一緒に話したりしていたし、別にバチバチすることもなくて。ライバルだけど仲が悪くなりたくないってことは、お互いずっと言っていて。なので、どちらかがうまくいっても「なんなの?」とかそういうことはなしにしようってことを言って、仲良くしていました。
──正々堂々と恋愛に臨んでいたんですね。一緒に過ごしたメンバーたちは、友だちという感じでもないかもしれないけど、特別感はあるんじゃないですか?
ナルハ : そうですね。ガッツリ仕事仲間って感じでもないし、友だちと言ってもそこまで深いわけではないんですけど、私は人とコミュニケーションを取るのに時間がかかる方なので、こんな短い期間でたくさん話せるようになったのは珍しいというか。私もすごく嬉しかったし、すごくいい経験でした。これからも普通に会いたいなと思いますね。
新しく成長して良くなるために別れる
──収録後に学校も休みになったり、人と会う機会もめっきり減ってしまいました。
ナルハ : すごく残念というか、めっちゃ悲しいです。
──それだけ人との関わり合いを学んだ後だから、余計にそう思いますよね。最近はどのように過ごしているんですか?
ナルハ : 最近は家族と過ごす時間が増えたので、それはそれで良い時間なのかなと思っていて。
──ギャルのお姉ちゃんとの関係性はどうですか(笑)?
ナルハ : 家にいることが多くなって、結構おしゃべりとかしたりしています。一緒にお菓子も作ったんですよ。仲良しになりました(笑)。活動が忙しかったので、家族とのコミュニケーションがあまり取れていなかったというか、私も帰ってすぐ寝ちゃう日々だったので、こういう時間も大切にしたいなと思いました。
──メンバーとは、どんな連絡を取りあっているんですか?
ナルハ : メイちゃんが入ることが決まっているので、メンバー間のコミュニケーションが大事になってくると思うので、メイちゃん含め、活動の話をしたりしています。
──前回のインタビューで言っていた、メンバー間の敬語は抜けました?
ナルハ : いやー、抜けないですね。最近、意識するようになったんですけど、たまにLINEで敬語で打っちゃって。「あ、タメ語で話さなきゃ」と書き直そうと思うんですけど、このタイミングで打ったら変かなとか思って、結局敬語で打っちゃうっていう。ギャンパレ時代は、まだ敬語で話していたいって気持ちがあったんですけど、PARADISESになってからは、さすがにタメ語で話した方がいいなと自分も思うようになってきていて。普通に話しやすいのは絶対タメ語だと思うし、そこは頑張りたいです。
──そっちの方が距離は近づきますからね。『今日好き』の中でも、ナルハさんのことを「呼び捨てで呼んでいい?」って言われるシーンがありましたもんね。
ナルハ : あーありましたね(照)。
──GANG PARADEが2つに分裂することが発表されたわけですけど、それに関してはどういう気持ちでいたんでしょう?
ナルハ : 発表される前は、お客さんを不安に思わせてしまうのかなと思っていて。不安に感じさせないようにするのは私たちだから、別れてからの活動でしっかりしていかなきゃなとずっと考えていました。PARADISESの方が人数も少なかったり、歴も浅い人が多いので、私も不安はあったんですけど、やるしかないというか。PARADISESだからこそできることがいろいろあると思うので、それを探しながらやれたらいいなという考えでいました。
──GANG PARADEが2つに別れることによって、新しく始まるというポジティブな見方と、上手くいっていなかったのかなと思われるネガティブな側面、両方あると思うんですけど、ナルハさんとしてはどうして2つに別れたと思います?
ナルハ : 月ノさんがインタビューでも言っていましたけど、去年1年があまりいい雰囲気じゃなかったというのと、思ったよりもグループ自体が進んでいけなかった。それを踏まえて見れば、2つに別れて0からスタートするのは正しいというか、それしかなかったのかなという気はしています。でも、悪いから別れるというより、また新しく成長して良くなるために別れるというか、進化するためにという方でありたいですね。私自身、マイナスなイメージは持っていたくなくて。2つに別れるから、どっちも強くなっていけるグループにしたいと思っています。
──1からまた新しく始まったみたいな感じはある?
ナルハ : そうですね。ワクワク感をお客さんも思ってほしいし、私たちも持ちたい。自分たちでグループを作っていくというのと、メイちゃんが新しく入ってくれるというのもあって、いいことしか考えていないです。
メイちゃんが入ってくれたのは本当に大きい
──前回の月ノさんのインタビューで、あえてナルハさんにダンスの振り付けを任せたと訊きました。そのあたりの意図を聞いて、どう思いましたか。
ナルハ : たしかにギャンパレの中では最後に入ったので、積極的に前に出られなかった部分はあったと思います。振り付けは最初、本当にどうやってやったらいいのか悩んだんですけど、自分が書いた歌詞だし、任せてもらったならやらせてもらおうと思って付けました。
──ちなみに振り付けはどんな感じの振りなんでしょう。
ナルハ : 今PARADISESは3曲あるんですけど、私が振り付けした「優しい風に吹かれて」は、他の2曲「GOOD NIGHT」「キモチイイコトシタイ!」とは曲調が違っていて。2曲は結構わいわい盛り上がれるような曲で、振り付けもお客さんも一緒にできるような曲なんです。私の曲は歌詞的にもあまりわーみたいな感じではないので、観ていて綺麗というか。でもサビは一緒にできるように振り付けをしています。
──早く見たいですね。
ナルハ : 本当に見てほしいんですよ。今までずっとライヴをやってきたから、ライヴがないことが違和感というか、心に穴が空いた感じです。ツアーの何公演かの延期を聞いた時に、分かっているけど本当に悲しいし、悔しいし気持ちになりました。
──やりきれなさや不安な気持ちを、どうやって解消していますか?
ナルハ : ライヴをやっていなくても、SNSでお客さんと関われる場があるというのは助かっていて。『今日好き』に出るにあたって、TikTokとInstagramをやらせてもらっているんですけど、SNSをできる環境が増えたということで、関われる場所がたくさん増えたので、そういうところでおもしろいことをできたらいいなと思っています。上手く使えたらなと。
──WACKの中でいえば、TikTokも初ですよね。それも挑戦というか。
ナルハ : TikTokは誰もやってないですからね。ありがたいことです。
──最近では、ハナエさんが豆柴の大群に入ったり、ウルウ・ルさんがCARRY LOOSEで活動したり、WAggから羽ばたいていっている子が増えてきました。それに関してはどのような気持ちでいますか。
ナルハ : 正直に嬉しいです。私が最初に昇格させてもらったんですけど、みんなといるWAgg時代は楽しかった思い出もたくさんあるし、ハナちゃんとかウルウ・ルともいっぱい話していたので。WAggって、グループだけどそこから上に上がることもできる、ちょっと複雑な関係ではあったんですけど、そんな中でも、お互い支え合いながら戦ってきた関係のメンバーたちが昇格するのはすごく嬉しいです。
──ライバルみたいな気持ちはある?
ナルハ : ライバルっていうのは正直なくて。今年の合宿を見ていたら、WAggがすごくいいなと思って。去年と比べてグループ感があったというか。そういうところはすごく成長していると思います。中でもサアヤイトは今年本当にすごかったですね。全員、去年と比べものにならないぐらいで本当に感動しました。こっちもすごく学ばせてもらったというか、やっぱりWAggでライヴもたくさんやってきているので、そうやって候補生の子に教えている姿とかを見ると、本当にすごい頑張っているなって部分が伝わってきました。
──合宿中は、誰かがPARADISESに入るかもしれないという視点で観ていた?
ナルハ : G(GO TO THE BEDSの略称、頭文字のG)とP(PARADISESの略称、頭文字のP)、どっちにも入る可能性はあると思っていたんですけど、Pの方が3人と少ないので可能性は高いかなと思っていて。去年、私はミキさんとたくさんグループを組んでGANG PARADEに昇格させてもらったので、月ノさんと組む人がもしかしたら上がるかもしれないのかなと思って、そこは観ていました。
──実際キラ・メイさんは月ノさんとのペアは多かったんですっけ?
ナルハ : 1回もなかったと言っていましたね。だから、ちょっとびっくりしました。でも、合宿を観ていて、メイちゃんはすごいなと思って。自分の見せ方が上手というか、分かっている。ここでアピールしていいよってなった時に、パッと行ける勇気って必要だと思うんですよ。そういう時にパッとできるかって言われたら、一瞬迷うと思うんです。なんですけど、メイちゃんはパッと、はい私やります! って感じでできていて。WAggに入って2ヶ月ぐらいしか経っていないのに、めっちゃしっかりしているなと思って。だからメイちゃんが入ってくれたのは本当に大きい。すごく嬉しいし、一緒にできるのが楽しみです。
──いい意味で、あまり物怖じしない感じがあるよね。
ナルハ : タメ語の件もそうですけど、もう取れそうなので私が負けちゃいそうです(笑)。
──あははは。PARADISESの3人は、ちょっと奥ゆかしさがある感じがしますもんね。
ナルハ : やっぱりそうなのかな? 月ノさんがインタビューで、ビビリみたいな話をしていたのを読んで、あー分かるーと思って(笑)。マラソンの時に1番前にいるのが怖いって話があったんですけど、去年私も最初1位だったんですけど、めっちゃ怖いんですよ。前に誰もいないっていうのも怖いし、後ろに誰かいたりしても怖い。そういうところはメイちゃんはきっとないなと思って。新しい考えを持った子が入ってくれるというので、それこそ変われそうだなと期待しています。
前代未聞ですね(笑)
──現状の予定だと、5月末に中野サンプラザでの2daysがあります。サキさんの卒業ライヴであり、GANG PARADEとして集大成を見せる場になります。コロナの影響でまだ完全にできるかわからないのはもどかしいですよね。
ナルハ : ホールツアーの何公演かが延期になってしまったことで、ギャンパレとしてステージに立つことも減ってしまうのかと思うと、すごくさみしくて。ギャンパレをもっと観たかったお客さんも多かっただろうと思うし、このホールツアーを心待ちにしてくれていたと思うと、申し訳ないという気持ちでいっぱいになっちゃいます。私たちも、サキさんの最後のツアーを全員でやりきりたいみたいなのはあったし、気持ちよく送り出せるように頑張りたいと思っていたので、絶対にやりたいですよね。最後はギャンパレとしては絶対に立ちたい。めちゃくちゃ大切だし、大事だし、絶対思い入れのあるような残るライヴにはなると思っています。
──前話してもらったツアーへの意気込みとはだいぶ違うと思うんですけど、どんなツアーにしたいと思っていますか?
ナルハ : 去年のツアーは私が入って最初のツアーだったので、悩みながらの部分もあったんですけど、今回のツアーで1番大きいのは、サキさんの脱退が最後にあるということ。去年学んだことは絶対頭に入れて、自分たちもお客さんにも絶対満足してもらいたい。後悔は絶対もしたくない。サキさんにも後悔してもらいたくないし、気合いはもちろんすごく入るんですけど、大事にしたいですね。
──お客さんも、しばらくライヴを観ていない状態で来るから、いつもよりもそこに対しての気持ちは強くなりそうですね。
ナルハ : 気持ちがいろいろぶつかり合うと思います。去年は本当にお客さんに助けられてしまったので、今年は私たちからお客さんにお待たせって感じでいきたい。同じぐらいの熱量というか、それで感情がいろいろぶつかり合えたらいいなと思います。
──PARADISESに関しては、衣装に「若」って書いてあります。GO TO THE BEDSが「老」と書かれているのに対して、若さというのは意識しますか?
ナルハ : 若いと言えば、明るくポップでフレッシュなみたいなイメージがあって。曲的にも衣装的にもメンバー的にも、きっと合っていると思うし、意識できたらおもしろい。今までのWACKの事務所にいたグループとは全然違ったものができるんじゃないかなと思っています。まだライヴも何もやってない状態なので、分からないことだらけではあるんですけど、これから活動していく中でも、いろいろ新しいものも加えていけたらなと思います。
──恋愛の方も、引き続き何か発信していく可能性もありますか?
ナルハ : 何かあれば、発信できたらと思っています(笑)。
──番組が終わっちゃったら終わっちゃったで恋の行方が気になりますからね。
ナルハ : そうですよね。こういう結果になったからには、そういうところも発信していった方がいいかなと思っています。自分の恋愛を他人に見られるって、なかなかないことじゃないですか? そのないことをできるのはおもしろいです。
──ポジティブですね、そこはね。
ナルハ : やっぱりこのPARADISES、新しいものをどんどん入れていくスタイルでいきたいので。
──彼氏がいながらグループが始まるってことはないですしね(笑)。
ナルハ : はい、前代未聞ですね(笑)。公認ですから。
PARADISES PROFILE
テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールドの3人からなるアイドルグループ。読み方は“パラダイセズ”。
2020年3月、所属する音楽事務所WACKが主催するオーディション合宿「WACK合同オーディション2020」最終日に事務所代表の渡辺淳之介より「GANG PARADE」を2つに分ける形で結成がアナウンスされた。
2020年4月1日に同日結成した「GO TO THE BEDS」とのスプリットアルバム『G/P』をリリース。
■ツアー情報
〈MY FIRST HALL TOUR〉
2020年5月16日(土)宮城 仙台銀行ホール イズミティ21
時間:Open 17:00 / Start 18:00 [問]G/I/P 022-222-9999
2020年5月22日(金)東京 中野サンプラザ
時間:Open 18:00 / Start 19:00 [問]SOGO TOKYO 03-3405-9999
2020年5月23日(土)東京 中野サンプラザ
時間:Open 16:00 / Start 17:00 [問]SOGO TOKYO 03-3405-9999
チケット料金(税込)
NORMAL TICKET 5,800円(税込)
CHEAP TICKET 3,800円(税込)
年齢制限 / 未就学児童入場不可
◆チケット一般発売日
2020年1月18日(土)AM10:00〜