おいっす。
最近は鬱々とした日常を焦がすように天気も快晴で、気温も高いっすな。昨日、夕焼けを見ながら家のベランダでスイカバー食べてたら、夏が始まったような気がしました。こんないい天気なのにずっと家にいるのは勿体ない!
思い立って向かったのは、家から一番近い大きな駅、調布駅。
駅の東口を出て徒歩一本ほどにある飲食街”調布百店街”。最近はいわゆる町中華というお店も営業自粛でシャッターが降りていて心配になる中で見つけた営業中のお店はがこちら、「長崎チャンポン 桃園」。
桃園。日本から台湾へ一番乗り込む空港のある桃園市。三国志で言うなら、劉備と関羽と張飛が盃を交わして義兄弟の契りを結んだ桃園の誓い。「桃園」という言葉には、どうやら中国や台湾の文化と相通ずるものがいくつも想像されがち。イヨッシャ‼︎ 今日はここに何かいい出会いがある気がする‼︎
時刻は12時半手前頃。お店に入ると、建設工事の現場の兄ちゃん達やら近所のおばあちゃん、大学生など恐らくこのお店に馴染みが深いであろう人でほぼほぼ満席。こんな時期のせいか、人がちょっとでも多くて活気がある場所を見ると安心する感じがありますなあ。夫婦らしき親父さんお袋さんで切り盛りしている感じも見ているだけで元気が出てGood👍
さて、メニューをば……。
画角が悪くてすんません。ただ伝えたいことは
「中華丼800円←分かる」
「かつ丼850円←まあ分かる」
「天津丼920円←⁉︎」
という事実。
普通のお店では天津飯(丼)の立ち位置なんて三軍、モスバーガーで言うところのチリドッグなのに、こちらの桃園ではこの価格順列……。相当な手練れと見た、受けて立とうじゃないの! 今日は天津丼と半ギョーザを注文致しましょう。
写真を撮り忘れたのだけど、このお店ではなんと既に冷やし中華が始まっておりました。やっぱり夏を感じているのはオイラだけじゃないんだなー。値段は失念してしまったけど天津丼の方がやっぱり高い。益々興味がそそられますなあ! なんてソワソワしていると……。
\オマタセシマシター!/
うむ! 天津飯界隈では定番と言われてきたけど、これまでの天津飯放浪記では登場したことがなかったグリーンピースちゃんもいらっしゃる。しば漬けも付け合わせであって、まさに日本の定食屋の中華っていう感じですな。なんだかこういうシンプルのラインナップが嬉しい! これまで紹介してきた天津飯には薄味のかき玉スープしか付いてこなかったから、一層目新しく感じますゾ。
見た感じは醤油ベースのあん。卵もふんわりというより、端っこがカリッと焦げているくらい。母ちゃんが作ってくれるニラ玉みたいな感じですな。期待大。
ンヒィー!
ちょっと掬い方がお上品な量になってしまったけど実食!
一口目の感想は「あぁ。醤油ベースの甘塩っぱいあんだねえ」だったんだけど、二口目で大きくいくと、明確に気付いてしまった。これまでの醤油あんとは一風異なる味付け。”マヨネーズ”が入っている! 聞いたことがあるぞ…… 卵を加熱する料理にマヨネーズを加えるとフワッとすると……。うちのお母ちゃんもそうやっていたけど、ここまでマヨネーズの風味を残したのは初めてや……。
そして、これが上手いこと味をそそるんですわ! 思えばニラ玉、ニラ玉にマヨネーズを付けると爆発的な美味しさになる事はご存知でしょう。あれを彷彿とさせる美味さ! マヨネーズで米を食うわけではないけど、甘塩っぱいタレに海老、木耳、グリーンピース、蟹カマというオーソドックスなラインナップの中にいるマヨネーズの全体に及ぼす影響力は計り知れない。番組まわしの名MC、遊戯王でいうところのフィールド・パワー・ソースなのだ。
そして、先ほど挙げたちょっとカリッとした卵の端切れ。狙ってか狙わずか読めないけど、確実に食感への変革をもたらしている。飽きない+美味い=米が進む。こりゃ止まらん……!
もう一つ米の進み具合にターボを掛けるお友達。
餃子。これの何がいいって、味はもちろんのこと、オイラの座るカウンター席の目の前でお袋さんが包んでいて、それをそのまま焼いている。なんか包んでいる様子まで見えちゃうと、不思議とほっこりしてしまうね。具材はニラの割合がちょっと多目、お袋さんの真心も多目に詰まった良い一品!
ぷはぁ。ちょうどいい量という事もあって、食べ終わっても変なお腹の重さがない。丁度ええ〜。1962年開店のお店という事もあってか、昭和の雰囲気がある。でも味もお店の方も優しい良いお店でした。こりゃ再来確定。せっかく長崎ちゃんぽんのお店に来たのに、天津飯を頼む人は少ないのかお袋さんが天津飯のお値段を忘れていたのもほっこり。また来まっせ!
今日の天津飯豆知識:
卵にマヨネーズを加えて加熱すると、この油と酢の働きによってたんぱく質の結合が緩やかになるので、ふっくらとした食感に仕上がる。
「長崎チャンポン 桃園」
住所:〒182-0024東京都調布市布田1丁目49−26
営業時間:11:00~21:00(月~土)、11:00~20:30(日・祝日)
定休日:水曜日
電話番号:042-486-0123
大学時代には中国に留学、何度も旅行で現地に赴いては中国各地の料理に舌鼓を打ってきた若武者。現在はネオン輝く大都会トーキョーで、本場の味が楽しめる中華料理屋を彷徨う神出鬼没のゾンビ。普通の中国人はチンプンカンプンの日本発祥中華料理の代表格「天津飯」に人生を狂わされかけている。記事中の写真は©︎Photo by Kopei。