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天津飯放浪記第27回 龍鳳閣「青森のスタイリッシュに味が纏まった天津飯」

StoryWriter

おいっす。火鍋栄光です。

今日もお届けするぜ、青森の天津飯編。

お盆ということもあって、バタバタしたり定休日が重なってしまい行けるお店の数が限られる。そんな中で選んだのは、青森市最古参の大型中華料理屋と呼ばれるお店。上京する前にはお店の名前も知らなかったのであるが、今回は父親に勧められたこともあり親子水入らずの天津飯イベントとなったゾ。

青森のビッグストリートの一つ「県庁通り」を少し海側に向かった場所にあるのが、今回の「龍鳳閣」。

な、なんじゃこのお高そうな雰囲気は……。天津飯=街中華のイメージが強い私にとっては、敷居が高すぎるお店。こんなお店に天津飯なんてあるのか……? 疑問符を拭い切れないまま父親の背中に隠れて店内へ。あゝ、幼少期からこの大きな背中で家族を守ってくれてありがとう、お父さん(涙)。

しっかりとした門構えの前に武者震い……。

こちらランチセットのメニュー。元々盛りが良いと評判のお店でありますが、おかずを二品も選ばせてくれる気前の良さ。盛りが良くて二品も選べるのに、1080円とはなんたる青森価格。ちなみに東京の飲食店に比べると、全体的に平均100~200円は安い印象であったけど、ここはそうでもないみたいですな。味に自信があるのでしょう、期待大! 天津飯720円を父親のお金で注文いたしました。ご馳走様です!

こちら店内の様子。天国で修行中の悟空の頭の輪っかのような照明が印象的。町中華にはこんな椅子はないので、どうにもソワソワする。

見えにくいのですが、中国では商売繁盛の神様として縁起の良い「関帝廟」でお馴染み、三国志の義雄・関羽の像も店内に。こんなもの中華街か中国でしか見たことないゾ……。改めて格式の高さを思い知らされ、すでにノックダウン寸前。だけど期待が高まっちゃうウウゥウ! と言っていると……。

\オマタセシマシター/

ンヒィ! 見た目はやはり街中華の天津飯と大きな変化はなし。強いて言うなら、グリンピースの盛りが良すぎることだろうか。その数13粒。食べログのメニューの「盛りが良い」とはこのことだったのだろうか……? なんにせよ、腹は減っている! いただきます!

卵の丸みが綺麗。

卵の厚さは『SLAM DUNK』の陵南高校バスケ部さながら。

なんと! 食べやすい! 味が濃くなりがちな醤油だれでも、塩味のいい塩梅でどこか丸みがある柔らかい味! 街中華ではタレや卵にクセが強いことが多いけど、それでこそ米を食えるというアイロニカルな食べ方をすることが多いのだけど、この天津飯は全てがスタイリッシュに纏まっている!

具材はにんじん、竹の子と椎茸とシンプルでヘルシーな野菜のラインナップ。その中でも椎茸の味が甘味が強く滲んできて、椎茸のうまさを感じられる一品。前回の「五番軒」でも同様に椎茸の旨味を感じられたのだけど、青森の天津飯には椎茸の魔法がかかっているのだろうか? しかし食べやすい。父親も満足のお味でした。

天津飯初心者の人には、ぜひ青森の「龍鳳閣」」でその一歩を踏み出して欲しい。バクバク進んじゃうな……。

プハーッ。ご馳走様です。前評判通りの盛りの良さで、老若男女から受け入れられやすいであろう天津飯。

今回は青森の天津飯を食したけど、地方による差はあるのだろうか? 天津飯の盛んな地域はどこなのか? 機会があったら、全国津々浦々の天津飯を是非食べに回ってみたいものですな。まだまだ青森には天津飯のお店があるようだけど、他のお店はまた帰ってきたときの楽しみにしておきましょう。乞うご期待。

今日の天津飯豆知識:
椎茸から旨味が出る天津飯はハズレがない(経験談)


⭐︎今日のお店⭐︎

「龍鳳閣」
住所:〒030-0803 青森県青森市安方2丁目6−11
営業時間:11:00〜15:00、17:00〜22:00
定休日:火曜
電話番号:017-722-7800

火鍋栄光(ひなべ・えいこう)
大学時代には中国に留学、何度も旅行で現地に赴いては中国各地の料理に舌鼓を打ってきた若武者。現在はネオン輝く大都会トーキョーで、本場の味が楽しめる中華料理屋を彷徨う神出鬼没のゾンビ。普通の中国人はチンプンカンプンの日本発祥中華料理の代表格「天津飯」に人生を狂わされかけている。記事中の写真は©︎Photo by Kopei。

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