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【GO TO THE BEDS 連載】Vol.7 ユイ・ガ・ドクソン編「SLEEPERたちと楽しい瞬間を作って生きていきたい」

StoryWriter

BiSHや豆柴の大群らが所属するWACKの中で、キャリアが最も長かったGANG PARADE(以下、ギャンパレ)が2つに分裂して生まれたアイドルグループ「GO TO THE BEDS」。ギャンパレでキャリアの長い5名――ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソンによって構成された異例の新人グループだ。

2020年7月22日にはグループ初となるフルアルバム『GO TO THE BEDS』をリリース。9月6日には横浜・関内ホールにて結成後初のホールワンマンライヴ〈ARE YOU SLEEPER?〉を有観客で開催。9月21日からは1週間にわたり無人島でのサバイバル生活を行う企画を完遂し、9月27日に中野heavysick ZEROにて2回目のワンマンを開催。その後もホールワンマンで全国を巡り、リリースイベントなども積極的に開催し続けている。

そんな彼女たちに迫る個別インタビュー連載も2周目に突入。第2回目となる今回は、ユイ・ガ・ドクソン。現在のGO TO THE BEDSについて、彼女はどのように想い活動をしているのか、ざっくばらんに話を訊いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


知っているようで知ってないことがまだまだあります

──前回の個別インタビュー直後、コロナ禍が本格化し、活動がほとんどできなくなってしまいました。「現状間違いなくGO TO TH BEDS」のMV撮影で同楽曲を103回連続でパフォーマンスしたり、無人島生活をしたり、過酷な挑戦も行ってきましたが、現状のグループの状態をどのように捉えていますか?

ユイ・ガ・ドクソン(以下、ドクソン):どん底から、んんん──! と上に踏み出そうというところだと私は感じています。1mmでも上るぞって。

──外部から見ている限り、GO TO THE BEDSのどこがそこまでどん底なのかわからないんですけど、どういう部分でそう感じているんでしょう。

ドクソン:状況的には横ばいで、ずっと変わってないんです。上手くいっているのであれば、やっぱりバーンって売れていると思うので。もっと身を引き締めていかなきゃいけないと思うんです。

──「間違いなくGO TO THE BEDS」はそうしたグループの状況を歌った楽曲でした。その後、メンバー5人で1週間に渡り無人島生活をしたわけですが、振り返ってみていかがでしたか。

ドクソン:無人島生活では、自分が1人では本当に何もできないということを実感しました。その分、メンバー5人いるから、できない部分を助けてもらったり上手くカバーし合ってたりして、無人島を生き抜くことができたと思います。

 

──ギャンパレ時代から、メンバー同士で200km駅伝をしたりしているので、もうお互いのことを分かり合っているんじゃないかなと思うんですけど、まだまだ知らないことが多いと感じますか。

ドクソン:知っているようで知ってないことがやっぱりまだまだあります。無人島ではスタッフさんに助けてもらうこともできなかったから、メンバー同士がガチで向き合う時間がたくさんあって。お互いの深いところまで知れるきっかけをもらえているから、初めて知ることとかってまだまだあるんですよね。

──具体的にどういうことを新しく知りましたか?

ドクソン:例えば、(ヤママチ)ミキちゃんって器用で1人ドンっと構えてそうなイメージだったんですけど、めっちゃ不器用なんです。内面がちょっと不器用なのは感じていたけど、手先も不器用で。今まではそこまで気にしてなかったけど、それを知ったから寄り添えたりするところがありました。相手を知ることによって行動が変わることの大事さを実感しましたね。

──他のメンバーで意外な部分はありましたか?

ドクソン:(キャン・GP・)マイカがすごいガッツを見せてくれて。イカダで脱出している時、ずっと「いけるよー!」みたいに声を出してくれていて。全然流されていて進んでないんですけど「進んでるよー!」って(笑)。マイカがそこまでする姿は初めて見ました。それが自分には新鮮に映ったし、私も強くなりたいと思わせされて。無人島生活が終わったあと、力をもらったということ伝えたら、マイカはMV撮影で103回連続をした時にヘロヘロになった自分が1番ダメだと思ったみたいで、それが悔しかったみたいだったんです。それで、もっと強くなりたいと思ったからと言っていて。イカダとか無人島ですごく強くなっていたんです。私もマイカを見て、そんなふうに強くなりたいと思いました。

負けることにも価値があるんじゃないかと思った

──ドクソンさんは2016年のBiS合宿オーディションを受けたのがきっかけで、WACKでの活動をはじめました。最初の合宿のときは、もっとむき出しな感じがあったと思うんですけど、そういう部分を見せなくなったのかなと感じていて。

ドクソン:本当ですか?!

──「現状間違いなくGO TO TH BEDS」で103連発やった後も、疲れてはいたと思うんですけど、ユイ・ガ・ドクソンという仮面を脱いで疲れている感じはしなかったというか。去年のギャンパレのインタビューの時に、メンバー全員が泣いている中、ドクソンさんだけ気持ちを張って泣きませんって話してくれていたのとつながると思うんですけど、ユイ・ガ・ドクソンという役割をあえて意識しているのかなと思ったんです。

ドクソン:えー! それは初めて考えます。でも、BiSオーデの時の自分のむき出しは、めちゃくちゃ自分勝手だったと思うんです。自分自身でも、もっとどうにかやれたのをわかって泣いていて。今考えると、全然頑張っていないのに頑張ったつもりになって泣いているんですよね。なんでああしなかったのかー! みたいな悔しさの涙もあるんですけど。全部が全部自分勝手な姿だった。

──そういう意味でいくと、BiSオーデに落ちた時のどん底と、今のどん底はまったく意味合いが違う。

ドクソン:そうですね。あのときこそ絶望って感じでした。

──だからこそ、いまのどん底から這い上がろうという希望を強く感じているわけですね。

ドクソン:映画『らいか ろりん すとん-IDOL AUDiTiON-』を観て、負けることの意味をすごく考えたんです。負けたあと、もっといける! と思えるのか、もうダメだ…… となってしまうのか。勝つ方が結果としてはいいけど、負けることにも価値があるんじゃないかと思ったんです。

 

──ドクソンさんは、負けても諦めずにギャンパレに加入して、いまも活動を続けているわけですからね。

ドクソン:SiSが解散したときは、本当に絶望だと思いました。その日の夜、渡辺さんとスタッフさんから打ち上げに呼んでもらって、「絶望って思っているけど、絶望じゃねえよ」って言われて。その言葉がずっと心にあるんです。もちろんめっちゃ落ち込んだりもするんですよ。どっちかと言うと落ち込んでいる時間の方が長いかもしれない。でも、どうしたらそれを変えられるのか考えるのが好きだから。私はスタートラインに立つことが1番難しいと思っていて。その後は、いくらつらくても乗り越えられると思うんです。だから、いまの私は我慢とか全然していないし、這い上がることに前向きなんです。

──「現状間違いなくGO TO THE BEDS」をリリースした後に、シングル『赤ちゃん』を発表しました。輪廻転生のように、赤ちゃんとして生まれ変わるという意味があるのかなと思うんですけど、どんな楽曲と捉えていますか。

ドクソン:私も同じで、赤ちゃんのようにオギャーオギャーって産声をあげて産まれろ! って言われているように受け取りました。同時に、スタッフさんとか渡辺さんから、いつまでくすぶっていんだ、早く産まれろよって言っていただいているのかなって。さらに言うと、産まれたとしても、もっともっとスピード感を上げて成長していきたいなって気持ちもあります。

──そこに焦りみたいなものはある?

ドクソン:あります。めちゃくちゃ時間かけて活動させていただいているから。そろそろ売れますとずっと言ったまま来ちゃっているので、いい加減早く自分の足りないものを集めて売れなきゃと思います。

──年明けに予定されているアルバムはどんな作品になりそうですか?

ドクソン:GO TO THE BEDSの色が増える作品になると思います。今ある曲のイメージは、ダークだったりお墓だったりするんですけど、そこに色が加わって世界が広がる感覚になるようなアルバムです。早く聴いてほしいです!

お客さんと混じり合うライヴの空気が1番好き

──少しずつではありますが、お客さんの前でライヴをやれるようになってきました。有観客でのライヴをやってみてどんなことを感じましたか。

ドクソン:無観客ライヴもライヴなんですけど、お客さんが目の前にいて一緒にできることが。自分にとってのライヴなんだと初めて感じることができました。これこそライヴだと思ったし、ライヴが好きなんだなって思いました。

 

──GO TO THE BEDSは、ステージを広く使ったダンスをしたり、メンバーが途中でステージから捌けたり、従来の振り付けの枠に囚われないパフォーマンスも見どころです。どうしてそういう表現を取り入れたんでしょう。

ドクソン:無観客ライヴをすることが増えたこともあって、観て楽しんでもらえるか考える分量が前より増えたというのはあります。はけたり、出たりするのはお客さんをびっくりさせたいという想いもある。いい意味で予想を裏切るものを取り入れたくて、マイカが振り付けを全部作ってくれています。やっぱり私はお客さんと混じり合うライヴの空気が1番好きなんですよね。いろいろな人がいて、いろいろな楽しみ方をしてもらいたい。だから、いろいろ取り入れてみようという気持ちが強いんです。

──GO TO THE BEDSはリリイベも数多くやりはじめましたね。

ドクソン:お客さんは声が出せないということもあって、前にも増して踊ってくれる人がめちゃめちゃ増えて。体で伝えようとしてくれているのがめちゃくちゃ伝わってきて嬉しいですね。今はまだこういう時代だから、イベントに来るのも大変だと思うんです。その中でも来てくれた人の思いが、すごくありがたくて嬉しくて。そういう気持ちも1個1個が尊くなりました。

──この先、GO TO THE BEDSをどんなグループにしていきたいと思いますか?

ドクソン:私は、GO TO THE BEDSの音楽ももっといっぱいの人に聴いてもらえるようになりたい。そして、力になりたい。コロナになってから大変なことがあったり、つらいと感じている人は多いと思うんです。そういう人が明日も頑張ろうと思える希望になりたい。人にそういう気持ちを芽生えさせるってすごく大変なことだと思うんです。だけど、生活していて、もうダメだー、どうしたらいいんだーってなったり、つらくてしょうがない時に音楽を聴くと、どれだけつらくても、じゃあどうしようか、もっと考えるぞって自分を強くいさせてくれる。時には息も抜かせてくれる。私自身、心の近くに音楽を感じる瞬間が多くて、コロナ禍で助けられることがめちゃくちゃありました。それをすごく実感したから、私たちも誰かにとってそういう存在になりたいですね。

──本当に音楽は、たくさんの人の支えになっていると思います。

ドクソン:それこそ電車の中で音楽を聴いたりしているだけでも、めちゃくちゃ前を向かせてもらえるんです。悩みごととかもうどうでもよくなるというか。あと、これはすごく伝えたいんですけど、久しぶりにライヴやリリースイベントで、SLEEPER(GO TO THE BEDSのファンの総称)と顔を合わせることができた時、私たちはみなさんがいてくれてこそのGO TO THE BEDSだと思ったんです。それを直接伝える機会も今は少ないので、今一度ありがとうございますというのを伝えたいです。これから世界はどうなっちゃうかなんて誰にも分からないけど、もっともっとSLEEPERと楽しい瞬間を作って生きていきたいです。


■リリース情報
GO TO THE BEDS『REINCARNATION』
2021年1月13日(水)リリース
WPCL-13264
税抜 2,200円
収録内容:
1. マジ神
2. 赤ちゃん
3. If I die
4. 現状間違いなくGO TO THE BEDS
5. SECRET MESSAGE
6. Rebirth

■ライヴ情報

GO TO THE BEDS〈ARE YOU SLEEPER?〉
2020年12月27日(日)@サンリオピューロランド 1Fエンターテイメントホール
時間:Open 12:00 / Start 12:30
特典:GO TO THE BEDSメンバーとサンリオキャラクターとの囲みサイン入りワイドチェキ付き

GO TO THE BEDS〈RUN TO THE 2021〉
2020年12月27日(日)@サンリオピューロランド 1Fエンターテイメントホール
時間:Open 16:30 / Start 17:00
特典:GO TO THE BEDSメンバーとの囲みサイン入りワイドチェキ付き

[問] サンリオピューロランドゲストセンター 042-339-1111
[受付時間] 9:30〜17:00(休館日を除く)

配信視聴チケット 3,500円(税込)
・チケット販売URL
http://w.pia.jp/t/gttb

GO TO THE BEDS PROFILE

ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソンの5人からなるアイドルグループ。読み方は“ゴートゥーザベッツ”。

2020年3月、所属する音楽事務所WACKが主催するオーディション合宿「WACK合同オーディション2020」最終日に事務所代表の渡辺淳之介より「ギャンパレ」を2つに分ける形で結成がアナウンスされた。

2020年4月1日に同日結成した「PARADISES」とのスプリットアルバム『G/P』をリリース。

同年7月22日に初のフルアルバム『GO TO THE BEDS』をリリース!!

https://gotothebeds.com/

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