おいっす。
先日、直近で女の子とムフフ♪ な予定があった僕は、27歳にして年甲斐もなく某シティボーイ向け雑誌のガールフレンド特集号を購入。田園調布のおしゃれデートスポットをこれでもかと頭に叩き込んだ。
ふむ、田園調布にはパテが有名なお店というのがあるらしく、そこの自家製パテを一口食べれば牡蠣、きのこ、ほうれん草といった素材の数々が舌の上で小躍りしだすらしい……。
パテってなんだろう? 僕がいた10年近く前の青森には、恐らくパテという文化は伝わっていなかった。嗚呼、僕はパテというものを知らない。ペーストみたいな? テリーヌとは違う?
ムカっ腹が立った。僕は横文字が嫌いだ。数年前の就活時のグループワーク、当時まだ新しい言葉だった「バズる」を多用する学生にイライラして以来、よく分からない横文字をドヤ顔で使うやつには反吐が出る! この誌面も、田舎者を完全に置き去りにして、知らない横文字で埋め尽くされたページは「パテって知らないワケないよね? ワラ」面でこっちを見ていやがる。かぁ〜っ!
当日僕は田園調布駅を仏頂面で通り過ぎながら、大井町線上の世田谷区・尾山台駅に参った。田園調布と二子玉川の中間ほどに位置するここは、東京の西側に住む僕には生活圏もレジデンスレベルも届かない街。だけど、駅周りは商店街もあって、ちょっと綺麗で住みよさそうな場所ではありませんか。かといって、特別何があるわけでもない。3分も歩けばこの駅が一瞬で好きになった。僕にはなんでもそこそこのものが似合う。
ふと眼前に現れたのは「Chinese Restraunt あらき」。
昼飯はここにするかな〜と思っていると、ここ掘れワンワンと目の前の犬が僕に吠える。
ん〜、たまらん。ラーメンは450円、炒飯は550円。
「俺はシティボーイじゃない、これくらいがちょうど良いよね」
そう犬に微笑みかけながら、僕は地下にある店内に下ったワン。
1枚目メニューのサービスランチ500円ゾーンには頭が上がらない。メンチカツ定食500円はたまらんだろ〜。ワンコソバ350円も気になる……。悩む悩む。早く決めなくては。デートの待ち合わせまで残り30分。何も決めてないけど、とりあえず「すいません、天津丼一つ」とお声がけ。町中華では色々なものに挑戦したいと思いながら、いつも結局「天津丼一つ」が口から出てしまうネ。
店舗は地下にあるけど、それなりに日が入って明るい雰囲気ではある。
いわゆる、年季のある町中華とは雰囲気が違って比較的新しいお店。だけど、決して敷居の高い綺麗さがあるわけでもない。だけど、本棚にある数ヶ月前のボロボロ週間少年ジャンプ、もしくは『おいしんぼ』を読ませる趣がある。うちの父親は、こういう店では『魁‼️クロマティ高校』をよく読んでいた……。町中華の基本伝統は遵守しているけど、小綺麗。こういうスタイルをオルタナティブ町中華と今名付けました。
店内には土曜日の午後から飲むじいちゃんたちが1組。この呑気さがたまらない。そりゃあ、メンチカツ定食を500円で出せる店は地域に愛されるよな。店員のおじさんは腰が低くも、愛想のあるニコニコ笑顔。僕も70歳になったら、近所の町中華で平日の昼間から瓶ビールを開けたいもんであるよ……。いつだって呑気に天津飯を食ベていたい。
\オマタセシマシター/
王道のグリーンピース! うーん、あんの橙色と艶やかな色合いが綺麗。
甘酢あんもこれまた王道。いざ実食。
美味そうカット。
んー! あん越しでもわかるトロトロ半熟卵くん! そしてこの卵がすごくイイ! ほんのり甘く味付けされているのが、寿司の卵のような甘み。そして、それが甘酢に負けずに口の中でほわ〜んと香ってくれる。具材はしいたけ、たけのこ、ねぎ、グリンピース、そしてカニはカマじゃない肉さんがセンターに少々であるが、全体の具の量は多めで嬉しい! あんは匂いで伝わる酸味の刺激もあるけど、白米と甘い卵の中ではうまく調和されて食欲を刺激する! 全体のボリュームは重めだけど、全く気にならへん! 美味い!
完食。やっぱり俺にはパテより天津飯である。
いつもより急いで食べたのでお腹はパンパンだけど、時間がないのでせっせと駅に向かわねば……。ああ、その前に目的地の下見もしないとアワワワワワ……。
ところでパテってなんだろ?
今日の天津飯あるある:
2015年3月25日放送のキューピー3分クッキングは天津飯の回。
⭐︎今日のお店⭐︎
「あらき」
住所:〒158-0082 東京都世田谷区等々力4丁目11−2 イル・ド・クール等々力
営業時間:11時00分~22時30分
定休日:木曜日
電話番号:03-3704-9941