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【連載】WAgg Vol.26 YUiNA EMPiRE「もう後悔しないように、自分が変わる活動をしたい」

StoryWriter

BiSHやBiS、豆柴の大群が所属する音楽プロダクション・WACKの次世代アイドル育成グループ、WAgg。2020年10月から約3ヶ月にわたり、先輩グループであるPARADISESへの昇格をかけたオーディション企画〈PARADISESの素晴らしき未来〉を行い、ウタウウタがPARADISESへの昇格を勝ち取った。

同時に、元CARRY LOOSEのメンバーであるYUiNA EMPiREがWAggに新加入、PARADISESメンバーの月ノウサギが半年間WAggへレンタル移籍することを発表した。2021年1月3日には、6人体制となったWAggで、TSUTAYA O-WESTにてワンマンライヴ〈WAggs〉を開催。新たなスタートを切った。

これまで、EMPiRE、2期BiS、CARRY LOOSEと3つのグループを渡り歩いてきたYUiNA EMPiREは、どうして研修生グループWAggでの活動を決心したのか。現在の心境、CARRY LOOSEでの活動、WAggでの決意を訊いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


WACKで変わりたいというのが決断の大きな理由

──単刀直入に、WAggに加入する決断した理由を教えてください。

YUiNA:CARRY LOOSE解散後に、渡辺(淳之介/WACK代表)さんからWAggでの活動の提案をいただいたんです。考える時間を約2ヶ月間くださったので、(カミヤ)サキさん(※同事務所所属アーティストGANG PARADEの元メンバーであり創設者。2020年5月22日に脱退)に相談させていただいたり、自分自身が何をしたいか考えて、最終的にWAggを選びました。私はWACKに入ってから3年間、EMPiRE、BiS、CARRY LOOSEと活動してきたんですけど、何も変われていないと思ったんです。まだWACKでチャンスをいただけるのであれば自分を変えたかった。WACKにいる人間や音楽が好きだし、アイドルとしても、人としても、WACKで変わりたいというのが決断の大きな理由です。

──WAggは研修生グループなので、周りから見たら降格したと捉えられてしまうかもしれない。そういう悩みだったり葛藤はなかったですか?

YUiNA:それはありました。それ以上に、EMPiRE、BiS、CARRY LOOSEで歌ってきた歌を、自分が研修生として歌えるのかという不安があったんです。WAggで活動することを決めて改めて振り返ったとき、自分がそれぞれのグループの楽曲をちゃんと理解できていなかったことを痛感したんです。今まで人任せにしてしまっていたことを実感しました。メンバーに頼りながらやってきてしまったからこそ、WAggでは自分がグループを引っ張っていく存在にならないといけない。変われるチャンスだと思ってWAggで頑張ろうという気持ちです。

──これまでの活動でやりきれていなかったことをWAggで取り返す。そんな場所でもあると。

YUiNA:最近、BiSの「primal.」を練習しているんですけど、自分がBiSのライヴで歌っていたときの情景が蘇ってきたりして心臓がキュってなるんです。同時に、また歌えることが素直にうれしい気持ちもある。ちょっと話がズレるかもしれないんですけど、CARRY LOOSEが解散してからWAggに入るまでの時期に、「感情があまりないよね」って言われることが2回もあったんです。しかも違う人から。

──それは、どんな意味合いで言われたんですか。

YUiNA:分からないんですけど、唐突に「YUiNAちゃんって、もしかして感情がない人?」って言われて。良くないですよね、感情がないって。

──EMPiRE時代から何度も取材させてもらってきましたが、感情がないなんて思ったことないですよ。

YUiNA:でも、伝わりにくいのかなって。そう言われて、もしかしたらそうなのかもしれないと思ったから、歌うことに関しても最初は心配があったんです。

──CARRY LOOSE解散からWAgg加入を決断する2ヶ月間は、精神的にも大変だっただろうから、そういうふうに見えたのかもしれないですね。

YUiNA:1人でいると心がネガティブに沈んでいっちゃったので、とにかく人と会って、いろいろな考えを訊きたいなと思っていたんです。それでサキさんに相談させていただいて、アパレルの仕事をしている知り合いの人だったり、違うお仕事をしている人が、どういう気持ちで自分の好きな仕事をやっているのか話を訊いたんです。最初はWAggでやる、っていう決断ができてなかったんですけど、いろいろな人の話を聴く中で覚悟ができました。そこからはWAggのライヴ映像を観返したり、WACKの他グループのライヴを観たり、体力も落ちているからジムに通ったり、そういう準備は自然としていました。

──WACK以外の選択肢を考えた結果の選択だったんですね。

YUiNA:視野を広げた上で、自分がやりたいものがWAggだと再確認できました。

──どうして、そこまでWACKがいいと思ったんでしょう。

YUiNA:やっぱりWACKの人間と音楽が好きなんです。自分はWACK以外でアイドルをやりたいと一切考えていなくて。だからWACKを辞めたら、違うお仕事に就くという選択肢しかなかった。CARRY LOOSEが解散した時点で、普通はクビになってもおかしくないけど、WAggというチャンスをいただけたからには、自分が大好きなWACKで成長したいし、貢献できるチャンスなので、全力で頑張りたいなと思っています。

CARRY LOOSEを守れなかったという後悔しかない

──CARRY LOOSEの解散についてはどう思っていますか。

YUiNA:今更言うのもすごくズルいんですけど、CARRY LOOSEが解散してしまったことを、すごく後悔しています。最終的に解散が決まった話し合いの時には取り返しがつかない状況までいっちゃって。自分は解散したくないとずっと思っていたけど、それを言うことすら無責任というか。こうなる前にどうにかできなかった自分が悪いんですけど、もしそれを伝えていたらどうなっていたんだろうとか考えちゃって。

──今振り返ると、YUiNAさんにとってCARRY LOOSEで活動してきた時期はどんな日々だったんでしょう。

YUiNA:共同生活を始めてから、確実にメンバー同士で自分の思いを正直に伝えられるような関係になれたと感じていて。四六時中、CARRY LOOSEのことばかり考えていた。CARRY LOOSEを良くするために共同生活はチャンスだったんですよ。CARRY LOOSEでの活動を振り返ってみると、色々な人に見てもらえる一番の機会だったと思うし、それを活かせなかったことが悔しくて。

 

──コロナ禍でのスタートで、ライヴもなかなかできなかったですしね。

YUiNA:共同生活を始めてから、CARRY LOOSEのことを知って興味を持って好きになってくれる人が増えていることも実感できていたんです。ラジオを聴いてくれて、すごくたくさんのメールをいただいたりもして。「〈CARRY OF MAJOR〉でCARRY LOOSEを知って好きになりました」っていう人がすごくたくさんいた。そうした状況なのに、これで終わってしまったことが自分的には申し訳なさすぎて。感謝を直接伝えていきたいという想いもあって、WACKを続ける決意をしたという理由もあります。

──1月3日にWAggのお披露目ライヴを行いました。CARRY LOOSEの「にんげん」もセットリストにありましたが、歌っている時はどんな気持ちでしたか?

YUiNA:1番感情が入りました。曲がかかった瞬間に違ったスイッチが入ったというか。その瞬間、ちょっと泣きそうになりました。お客さんも泣いてくれていて、自分もCARRY LOOSE時代のことが蘇ってきた。〈CARRY OF MAJOR〉を観てくれていた人たちも観に来てくれていて、あったかいなっていうのをすごく感じました。

 

──CARRY LOOSEで活動を共にしたパン・ルナリーフィさん、ウルウ・ルさんはWACK退所を発表しました。2期BiSで一緒に活動してきたメンバーも退所してしまいましたが、今まで一緒にやってきた仲間のことを考えたりすることはありますか?

YUiNA:めちゃめちゃ考えますね。最近はウルちゃんのことを考えていて。ウルちゃんがWACKを退所するのもTwitterで知ったんですよ。CARRY LOOSEの曲を聴いていても、ウルちゃんのことを思い出すことが多いです。

──ユメカ・ナウカナ? さんとは会ったりしますか。

YUiNA:ボイトレとかで偶然ユメカちゃんに会ったりします。相変わらず元気だなと思ったんですけど、ユメカちゃんも毎日自分が腐らないように過ごしているんだなっていうのが伝わるし、モチベーションを保つためにポジティブに考えるしかないんだなと思って頑張っています。

まずは自分が変わらなきゃいけない

──WAggは研修生グループで、1人1人が昇格を目指しています。グループを良くしていくことが第一目的ではないとも言える特殊なグループですが、特性が違う中でやり始めてみて、上手く適応できていますか?

YUiNA:難しいなと思う部分もあります。ライヴとか練習中に月ちゃんとは目が合うんですよ。他のメンバーとはあまり目が合うことがないのが気になっていて。ライヴ自体は全員で作っていくものだから、そこはみんなで1つになる気持ちを持っていなきゃと思っています。WAggは今まで先輩という立場がいなくて、自分たちで模索しながらやってきたこともあるので、月ちゃんが同じタイミングでWAggに加入したこともすごく心強いです。月ちゃんは3カ月WAggの子たちと関わっていた分、良いところも悪いところも、みんなのことをより知っている。月ちゃんの言葉選びとか、すごく勉強になりますね。先輩としての振る舞いが自分は苦手だったので、そこを学びつつも、自分の伝え方で教えてあげられることは教えてあげたいと思います。自分も発見することはいっぱいあるので。

──月ノさんはインタビューで、自分の行動を観た他の子たちがもっと上を目指さなきゃと思ってもらえるようにしたいと話していました。

YUiNA:自分で気づいて、やらなきゃと行動できるのが1番成長できると思うんです。私も説得力がある行動や言動をしていきたい。そういう責任感も生まれました。悪いところを真似されないようにしなきゃと思います(笑)。

──YUiNAさんは「変わりたい」と言っていましたが、自分のどんなところを変えたいと思いますか?

YUiNA:今まで人任せにしちゃっていたところもそうだし、自分の思ったことを言えない部分を変えたいです。そこを変えないと自分に自信が持てないと思うんです。WAggで1から見直して当たり前のことができるようになりたいです。

──WAggの子たちは昇格を目指すという目標がありますが、YUiNAさんがWAggで目標にしていることはどんなことなんでしょう。

YUiNA:正直、今は絶対ここに昇格したいからWAggにいるというわけではなくて。どこのグループに入りたいの? と訊かれたりするんですけど、正直分からないんです。もちろんいつまでもWAggにはいられないと思っているけど、まずは自分が変わらなきゃいけない。責任感とか自分に嘘をつかないとか、行動ができて変われたら、その先に昇格があるのかなと思っています。

──YUiNAさんが次に進むために、活動してきた3つのグループを消化する必要がある場所でもあるんだなと感じました。過去の自分に向かい合って全部解消した上に昇格があって、先が見えてくるのかもしれないですね。

YUiNA:EMPiREでもBiSでもCARRY LOOSEでも、もっとここで頑張れたらという後悔があった。今までそこから逃げてきちゃったという想いがあるんです。もう後悔しないように、ここでもっと頑張っていればよかったと思わないように、今WAggで全力で練習しています。たくさんの発見もあるんです。今まで、月ちゃんともあまり喋る機会がなかったけど、ここまで深く関われて月ちゃんからも学べることがあるし、WAggの子たちからも学ぶことが多い。WAggのメンバーってすごく素直だなってこともすごく感じています。

──キャリアでいうと、YUiNAさんが1番先輩ですが、WAggメンバーに溶け込めている感覚はありますか。

YUiNA:私と月ちゃんから言われたことに対しても、違うなと思ったら「自分はこう思っている」っていうことも言ってくれるので、そこがいいなと思いました。そうやって言ってくれることで、私たちも納得ができるように伝えなきゃなって思えるから。そうやって接してもらってよかったです。うれしいなって。

WACKに残った意味をちゃんと出せるように頑張りたい

──いくつかライヴが決まっていますが、どんなライヴにしたいですか。

YUiNA:2月11日は横浜の関内、21日は仙台でやらせていただくんですけど、お披露目の時は、メンバーが決まってから1週間で限界まで練習を詰めこんで出し切ったんです。今回は準備期間が長いから、お披露目とは全然違う、成長しているところを見せたいなと思っています。

──お披露目のセットリストは、YUiNAさんの歴史を詰め込んだような感慨深いものでしたよね。

YUiNA:EMPiRE、BiS、CARRY LOOSEをなぞった感じのセトリで、月ちゃんもGANG PARADE、PARADISESをなぞったような楽曲が入っていました。今回も「primal.」とか「LAST」とかを練習しているんですけど、それを歌うことへの責任感があるんです。ギャンパレさんの曲も、自分の尊敬していた先輩方が歌い継いできた曲ですし、何も考えないで歌うことはできないと思っていて。曲の重みを理解した上で、自分も伝えていかなきゃいけない。自分たちが本家を超えるぞという気持ちでやらないとダメだなという気持ちで臨もうと思います。

──2021年1月4日には、YUiNAさんが初期メンバーでもあったEMPiREが、国際フォーラム ホールAの舞台(※EMPiRE BREAKS THROUGH the LiMiT LiVE)に立ちました。今もYUiNAさんは名前にEMPiREを背負っていますが、彼女たちの活躍も励みになったりするんじゃないですか?

YUiNA:気になるし、素直にすごいなと思います。全曲やることも、すごくかっこいい。同時に悔しいって気持ちもあります。私も頑張らなきゃと思える存在です。

──WACKの3つのグループで活動してきたYUiNAさんだからこそ、それぞれの楽曲を歌うことに大きな意味があると思います。グループがなくなっても、楽曲は生き続けていくし、それを歌えるというのは大切なことですよね。

YUiNA:また歌えることがうれしいです。WACKに残った意味をちゃんと出せるように、自分が後悔しないように、WAggで頑張りたいなと思っています。


■ライヴ情報

〈WAggs〉
2021年2月21日(日)@宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
※SOLD OUT!!
2021年3月7日(日)@東京都 duo MUSIC EXCHANGE
2021年3月20日(土)@大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
2021年3月21日(日)@愛知県 新栄 DAYTRIVE
[1部]OPEN 12:30 / START 13:00
[2部]OPEN 15:00 / START 15:30
[3部]OPEN 17:30 / START 18:00
※1〜3部 OPEN / START 共通

Official HP:https://www.wagg.tokyo/

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