【LIVE REPORT】ASPが初ライヴでアルバム全曲披露、アンコールで再びノンストップで13曲

WACKの新アイドルグループ・ASPが2021年5月30日（日）、初のワンマンライヴ〈これはASPのワンマンです。〉を東京・中野heavy sick ZEROで開催した。

このライヴは、5月26日にリリースした1stアルバム『ANAL SEX PENiS』の発売を記念したもの。チケットは一般発売されず、5月29日に行われた福引抽選会で4等を引き当てライヴ鑑賞券を手に入れた約15名が目撃できる特別なライヴに。また、同福引で5等を引き当てた約230名が神奈川・109シネマズ川崎にてライヴビューイング鑑賞をできる形になっていた。まさに運を持った観客たちとともに、ASPの初ワンマンが開催された。

本ページでは、ライヴビューイング会場から観たライヴの様子をレポートする。

遂にベールを脱いだ、ASPの初ワンマン

突然のゲリラ豪雨。気まぐれな天気の中、ASPの初ライヴにして初ワンマンが行われた。

ライヴビューイング会場では開演前に、WACK代表でASPマネージャーの渡辺淳之介が登場。観客たちが驚いた様子の中、渡辺は「ASPの3カ条をお伝えしたいと思います」という言葉とともに、「ASPのファンの総称は……「ならず者」と言います」「みなさん社会からはみ出ていると思うんですけど、ASPからは外れないようにしてください」と説明していった。

「その2、写真撮影はOKです。動画の録画録音は禁止となっているので注意してください。その3、すべて自由です…… としたかったところなんですけど、コロナ禍ということで、社会の情勢に従っていただきつつ、コロナ禍が終わったら好き勝手暴れたいなと思っておりますので、みなさん、よろしくおねがいします」

3カ条を述べ終えると、「本日初のASPのワンマンライヴとなりますが、いままでやってきたように、ニコ生で無料で配信したりしなかったのは、みなさんと秘密の時間を共有したいと思ったからです。みなさんがここで観たことを自慢できるようなライヴに、ASPしてくれると思います。一緒に楽しんでいってもらえたら嬉しいです。本日はよろしくおねがいします！」と宣言。会場は大きな拍手で包まれた。

しばらくすると映画館の照明が暗くなり、スクリーンに中野heavy sick ZEROの様子が映し出された。映画館らしい質感の映像の中に、ユメカ・ナウカナ？（ex. CARRY LOOSE）、ナ前ナ以、モグ・ライアン、ナアユ（ex. WAgg）の姿が現れると、「はじめまして。私たちASPです。よろしくおねがいします！」という挨拶とともに、アルバムの1曲目「拝啓ロックスター様」からライヴがスタート。真っ黒でタイトな衣装に身を包んだ4人はヘッドバンキングや足を蹴り上げるなど、アイドルというよりもパンキッシュな振付で「A SONG OF PUNK」、「BE MY FRiEND」と駆け抜けた。

「改めまして。私たちASPです」と再び挨拶をし、1人ずつ簡潔に名前を言い自己紹介をすると、「被害者ぶるな」、「WAiT and WASTE」、「NOW or NEVER」、「DiVE」、「GO STRIGHT」と間髪いれずにアルバムの曲順通りにパフォーマンス。ナ前ナ以のネジが飛んだような表情をはじめ、メンバーたちの表情が、現場の複数のカメラで捉えられスイッチングされて映し出されていった。ライヴビューイング会場での拍手も、ライヴが進むにつれて大きくなっていった。

MCでは、4人それぞれが自分の言葉で想いを伝えた。

ユメカ「私の夢は宇宙一のアイドルになることです。ずっとずっと言ってきました。でも、それが何なのか、具体的によくわからないまま言っていました。だけど、私の中で宇宙一のアイドルは、間違いなくいつでもワクワクする気持ちを届けてくれるものだと思っています。私もそういうワクワクさせてくれる気持ちを届けてくれるWACKを好きになって、WACKに入りました。だから、みんなにワクワクドキドキさせる気持ち、楽しい気持ちを届けたい。そう私は思うし、私も全力で楽しませたいって思っています。今日も目一杯楽しませてもらいます。そしてASPの始まり、最後の最後まで楽しんでいってください」

ナアユ「私はずっと自分を信じることができませんでした。自分の全部を信じることができなくて、何もかも自信を持てなくて、そんな自分が大嫌いでした。でも、ASPが始まるとき、私は弱い自分のことも受け入れて、信じて、もう自分に嘘をつかないって決めました。いま、こうやってステージに立って、ライヴをして、歌う自分とASPがより好きになりました。こうやってみなさんと直接目を合わせてライヴをできることがすごく力になります。私がみなさんから力をたくさんもらったように、今度は私もみなさん1人1人の世界をASPの存在で、今より生きたいと思う世界に、私が変えます。ASP、これからどうぞよろしくおねがいします」

ナ前ナ以「はじめまして。ナ前ナ以です。私はすごく運がいいんです。運が良くて、努力しなくても、頑張らなくても、欲しいものを手に入れてきました。現に今、ASPに加入しています。けれどASPに加入してから、もっともっと欲しいものができました。それは、努力しないと、頑張らないと、手に入れられないことに気が付きました。だから、私はASPで人生をやり直して、新しい人生を始めます。いま、ここにいてくださっている皆さんと、観てくださっているみなさんとも、新しい人生を始めたいです。本日は本当にお越しくださって、見てくださって、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします」

モグ・ライアン「はじめまして。モグ・ライアンです。私は、檻をぶっ壊して、自由をもとめてここにやってきました。いま、ASPっていう自分の生きる場所を手に入れることができて、初めて仲間ができて、毎日はじめて知ることとか、感じることとかたくさんあって、生きてるって日々実感できて。苦しいけど、すっごい楽しいです。だから、もう過去の自分は捨て去ります。どんなことがあっても、何があっても、このメンバー──ユメカ、ナアユ、ナ前ナ以、そしてみなさんと一緒にASPを続けていきたいです。今日はライヴに来てくださって、本当にありがとうございます」

そしてアルバム後半曲「THE EMPEROR’S NEW CLOSERS」、「WARRIES」、「TRUST」、「SAKEBE」を間髪おかずに一気に披露した。

「本当にありがとうの気持ちでいっぱいです。これからASPが始まります。どんなことがあっても、何でもできるの精神でやっていこうと思っています。どんなに苦しいことがあっても、きっとそれはずっと続くことではないと思うし、もし間違えてしまってももう1回やり直せば、何だって大丈夫だと思っています。これからいろんなことが待ち受けていると思います。だけど、ならず者のみんなと一緒に手を取り合って進んでいけたら嬉しいです。次で最後の曲です。ラスト！無茶苦茶になりましょう～！」とユメカがタイトルコールをし、アルバム最終曲の「レリゴ」を全力でパフォーマンスし4人はステージを去った。

当然のように起こるアンコールの拍手。しばらくすると再びステージに登場した4人。「アンコールありがとうございます！いまから、アルバム曲全13曲、もう1回やりま～す！なのでみなさん振付完コピして帰ってください。最後まで楽しんでいきましょ～う！」とユメカが元気いっぱいに叫び、再びアルバム1曲目から最終曲まで、MCなしでノンストップで駆け抜けて、ASPの記念すべき初ワンマンは終演を迎えた。

最後にユメカが「ASPは初のツアーを開催します！東名阪ツアーでございます。ツアーの名前は『ASP’s on FiRE TOUR』です。ということで、皆さん熱くなっていきましょうね」と初ツアーの開催を発表すると大きな拍手が起こった。

そして「以上、私たちASPでした」と挨拶した後、マイクを通さず4人で「ありがとうございました！」と全力で叫び、初めてのワンマンは幕を閉じた。

映画館のスクリーンを飛び出して伝わってくる熱気と、リアルタイムで中継されているとは思えないくらいの映像のクオリティで、現場で観るライヴとはまた違った没入感に浸ることができる不思議な体験だった。ついに動き出したASPのストーリー。次はどのような形でならず物たちを驚かせてくれるのか。期待が高まる初ワンマンだった。

取材＆文：西澤裕郎
写真： Yuki Ohashi

ASP「これはASPのワンマンです。」
2021年5月30日（日）東京都中野heavy sick ZERO

セットリスト
1. 拝啓ロックスター様
2. A SONG OF PUNK
3. BE MY FRiEND
4. 被害者ぶるな
5. WAiT and WASTE
6. NOW or NEVER
7. DiVE
8. GO STRIGHT
9. THE EMPEROR’S NEW CLOSERS
10. WARRIES
11. TRUST
12. SAKEBE
13. レリゴ
En1. 拝啓ロックスター様
En2. A SONG OF PUNK
En3. BE MY FRiEND
En4. 被害者ぶるな
En5. WAiT and WASTE
En6. NOW or NEVER
En7. DiVE
En8. GO STRIGHT
En9. THE EMPEROR’S NEW CLOSERS
En10. WARRIES
En11. TRUST
En12. SAKEBE
En13. レリゴ