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【LIVE REPORT】BiS、2000人の研究員を魅了した初の中野サンプラザワンマン

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BiSが2021年10月23日(土)、ワンマンライヴ〈BiS STiLL STONE AGE〉を東京・中野サンプラザホールにて開催した。

18時過ぎ、石をモチーフにしたセットが組まれたステージにBiSマネージャーの渡辺淳之介が登場。注意事項をアナウンスした後、10月23日が自身の誕生日であることを告げると大きな拍手が会場にわき起こった。「今年で37歳になるので歳をとるだけの日ではあるんですけど、今日だけはすごく特別な記念な日になるんだなと思っています。初めての中野サンプラザ、フルキャパ、BiS最大規模2000人の研究員(※BiSファンの呼称)。BiSが武道館に一歩近く記念すべき日になりました。今日、絶対に忘れられない日になることを約束します。今日ここに来てくれて本当にありがとう。とにかく楽しんで!」と宣言すると会場が拍手で包まれた。

18時10分。会場が暗転すると、ステージ上のセットにAD2021年からDC30000までカウントダウンの文字が表示されていく。DC30000になり、火山を背景に「BiS STiLL STONE AGE」のタイトルが表示されると、マンモスを追いかけるネアンデルタール人や、焚き火を中心に祝祭をしているようなイラストの映像が流れ、ステージ上部に掲げられた「BiTCH」「FUCK」「SEX」「PRETTY」の文字が炎色に燃え上がった。すると、メンバー4人――トギー、ネオ・トゥリーズ、イトー・ムセンシティ部、チャントモンキーが舞台の岩を突き破って登場。研究員たちの大きな拍手の中、「LET’S GO どうも」でライヴがスタートした。続けてBiS始まりの楽曲「STUPiD」、ハードでメロディアスな「FOR ME」と、研究員たちも一緒に振りを真似しながら3曲を一気に駆け抜けた。

「はじめまして、私たち新生アイドル研究会、BiSです!」と挨拶し、1人1人自己紹介すると、「よろしくおねがいします!」と4人は深くお辞儀をした。ギターバッキングの上で走るピアノがエモーショナルな「HiDE iN SEW」、ネオ・トゥリーズの声の伸びが映える「I ain’t weak maybe..」、ファンキーなギターとうねるベースが特徴的な「DESTROY」を披露すると、一転して静と動の緩急で爆発を見せる「COLD CAKE」で研究員を魅了。メロディックパンク曲「BASKET BOX」で研究員たちも両手を交互に振り上げ一体感を生み出した。

チャントモンキーがMCで、「今日は研究員のみなさんに旧石器時代のネアンデルタール人になってもらいます!」と言うと、「1階席のネアンデルタール人〜! 2階席のネアンデルタール人〜! ここにいるネアンデルタール人〜!」と呼びかけて手を振り拍手で盛り上がった。そして、チャントモンキー発案により、石器時代にかかせない3つのものを模倣したリズムゲームを実施。「マンモス」、「火起こし」、「槍」という言葉に合わせて。ネアンデルタール人に扮した研究員たちは振りを行ってリズムゲームを楽しんだ。

「火もついて燃え上がったところで、次の曲いきましょうか! みんなで猫ちゃんになっちゃいましょう」というトギーの宣言とともに「LOVELY LOVELY」へ。続けて「absolutely meeeeee!!」をパフォーマンスすると、4人はステージ2階に上り「teacher teacher teacher」を歌って踊った。「thousand crickets」のイントロが流れると、「ラジオ体操令和第3」という文字がプロジェクションマッピングで表示され、体操の説明の下でラジオ体操を行なっていく。1サビになったところで、「第二回BiSガチンコスクワット対決」の文字が現れ、LINE CUBE SHIBUYAのワンマンで行われたスクワット対決の2回目であることが明らかになった。筋肉番付を彷彿とさせる映像の元、2メロ頭から全力でスクワットをする4人。研究員たちもスクワットを行い、それぞれの推しの色のサイリウムが客席で上下に舞った。そんな約2分20秒の対決は、前回の122回を更新し131回のスクワットをしたトギーが今回も優勝。

その余韻に浸る間もなくトギーの叫び声とともに「テレフォン」を歌い、ネオの咆哮で始まる「FUCKiNG OUT」、「つよがりさん」とパフォーマンスした。

「いま歌った「つよがりさん」という曲は、どうしようもない自分の弱さを素直に歌った曲です。4人で2年間活動してきて、分かり合えなくてぶつかることもあります。今日ここに来てくれたみなさんも、自分のことをわかってほしいとか、人の気持ちをわかりたいと思うことがあると思います。気持ちとか性格とか目に見えないものをわかるのはすごく難しいですよね。自分ももがきながら、みつけてほしいと思いながら、メンバーとぶつかりあったりしながら走ってきました。研究員のみなさん、BiSをみつけてくれてありがとうございます。そして、BiSが好きって気持ちは研究員と一緒です。それだけは分かり合えます。次の曲、心を込めて歌います」

トギーが気持ちを込めたMCを行うと、「I WANT TO DiE!!!!!」を4人で歌って踊った。「TOUCH ME」ではイトーの感情こもった歌声とともに4人それぞれの声の伸びと表現力が光り、そのまま初期楽曲「this is not a love song」、「BiS-どうやらゾンビのお出まし-」を全身全霊を使ってパフォーマンスして本編は幕を閉じた。

研究員たちのアンコールに応えて再びステージに登場した4人。それぞれがMCで感謝を述べた。

チャントモンキー「今日ここに来るまでに、みなさんはどんな日々を過ごしていましたでしょうか? いろんな心の声が聞こえてきます。私はというと23日が早く来い、早く会いたいという気持ちと、もっと練習したいからという矛盾した毎日を送っていました。研究員に楽しんでほしくて。準備っていくらでもできるから、いくらやってもたりないから、でも早く会いたいという気持ちでした。そして今日、信じられないくらいあっという間でした。今日のためにやってきたんだってすごく思ったし、これから先ももっともっとやりたいって思いました。BiSはこれからも止まらずライヴし続けます。今日は本当にありがとうございました。また会いましょう」

イトー・ムセンシティ部「私は、好きなものを好きでい続けるのはすごく難しいことだと考えていました。学生時代にプレッシャーに押しつぶされたり、向いていないと思って好きなことをやめてしまうことがありました。夢を追い続けるうちに、あの人より劣っているからと諦めそうになったり、才能がないからと考えてしまうことが何度もありました。でも、そんな考えをなくすくらいBiSって変な存在だなと思っていて。いろんな個性のメンバーがいて、変なスタッフさんがいて、何が劣っているとか才能がないとか、そんな考えをなくすような魔法がBiSにはあるなと思いました。そして、その魔法は研究員にもありますよね? だからBiSを続けていられるんだと思います。これからもBiSで諦めず歌わせてください。今日はありがとうございました」

ネオ・トゥリーズ「今日本当に時間がすぎるのがはやくてあっという間でした。ライヴをしているとき魔法みたいな時間だと思っていました。ここにいる一人一人が全く違う人生を送っているけど、こうやって同じ時間を過ごしていると、音楽を通して心と心がつながっているんだなと思います。今日ライヴ中、みんなと目と目が会うたびに、この尊い時間を大切にしていきたいと何回も思いました。今日来てくれたあなたに感謝の気持ちを伝えようといろんな言葉を考えてきたんですけど、ありきたりな言葉しかでてこない自分にむしゃくしゃしました。でも伝えさせてください。ありがとうございます。これからも全身全霊BiSは音楽を伝えていきたい、ライヴをしていきたいと思いました。今日こうやって新たな一歩を踏み出せたこと嬉しく思います。これからもよろしくおねがいします」

トギー「1年前の今ぐらいの時期は、やっと有観客でライヴができるようになった時期だったけど、今日は満員ですごく嬉しいです。ありがとうございます。最近すごく未来のことって本当に何もわからないなと思うんですけど、わからないからって不安になるのは違うなって思いました。BiSの未来はBiSにしか作れないから、なんでもできるって今日の言葉が本当になるように死ぬ気でやります。BiSはもっと大きな場所で歌いたいです。BiSは絶対武道館に立ちます。武道館に研究員を連れていきます。今日は本当にありがとうございました。研究員〜! これからもよろしくおねがいします!」

そして4人で声を合わせてタイトルコールをすると「LOVE」「CURTAiN CALL」と続けて披露し、研究員たちとともに両手をあげて最後まで駆け抜けた。すると、トギーがお知らせがあると語り、12月に11組のバンドをカヴァーしたカヴァーアルバムをリリースすること、来年1月に新春ツアーを開催することを発表。「2022年もBiS、ブイブイ言わせていくので、これからもよろしくおねがいします! 今日は本当にありがとうございました!」と大きくお辞儀をした。

さらにトギーが、「やっぱりまだ足りないのでもう一曲だけ歌ってもいいですか?」と研究員に投げかけると、ステージ上のセットを縦横無尽に走り回りながら、この日2回目となる「CURTAiN CALL」をパフォーマンスし、初めての中野サンプラザワンマンは大団円を迎えた。

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

〈BiS STiLL STONE AGE〉
2021年10月23日@東京・中野サンプラザホール
セットリスト
1. LET’S GO どうも
2. STUPiD
3. FOR ME
4. HiDE iN SEW
5. I ain’t weak maybe..
6. DESTROY
7. COLD CAKE
8. BASKET BOX
9. LOVELY LOVELY
10. absolutely meeeeee!!
11. teacher teacher teacher
12. thousand crickets
13.テレフォン
14. FUCKiNG OUT
15.つよがりさん
16. I WANT TO DiE!!!!!
17. TOUCH ME
18. this is not a love song
19. BiS-どうやらゾンビのお出まし-

EN1.LOVE
EN2. CURTAiN CALL
EN3. CURTAiN CALL

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