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【連載】WAgg Vol.29 アイナスター「絶対に昇格してデビューしたい」

StoryWriter

BiSHやBiS、豆柴の大群が所属する音楽プロダクション・WACKの次世代アイドル育成グループ、WAgg。現在は、ア・アンズピア(持病の腰痛の悪化のためライヴ活動休止中)、愛、サアヤイト、アイナスター、YUiNA EMPiRE、ベル・ナルドが、WACKのグループへの昇格を目指し、ライヴを中心に活動を行なっている。

2022年3月20日(日)から1週間に渡り開催される事務所主催の〈WACK合宿オーディション2022〉の1日目から、WAggからア・アンズピアを除く5人のメンバーが参加することを表明。これまで数々の合格者やWAggからの昇格者も出している合宿を目前に、5人はどんな気持ちで合宿に臨むのか? 昨年の合宿オーディションでは最終審査まで残るも、昇格を勝ち取ることができず悔し涙を飲んだアイナスターに今の気持ちを聞いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


最終日まで残ったのに昇格できなかった悔しさが大きかった

──今年の合宿オーデションに参加するかどうか、迷いはなかったですか?

なかったです。絶対に参加しようと思っていました。

──他のメンバーに訊いたら、アイナスターさんの気合いがメンバーの中でも1番入っているように見えると話していました。人一倍合宿にかける気持ちが強いと思いますか?

去年の合宿前の記事を見返したんですけど、何か掴まないとアイドル人生が死ぬぐらいの気持ちで合宿を迎えたことを思い出して。もともと去年の合宿は、もしかしたら行けないかもという状況だったんですけど、渡辺さんに前日の夜に泣きながら電話して「ここで行かなかったら、私アイドル人生死ぬんです」って伝えて参加したんです。昇格することはできなかったんですけど、自覚していないぐらい自信がないことに気づいて、もっと自分の感覚だったり正直な気持ちを信じてもいいのかなと思えるようになって。合宿からWAggに持ち帰って活かせたことはたくさんあったんですけど、去年の悔しさもあって、そういう気持ちがより強いんだと思います。

──昨年の合宿で、最終日まで残ったことは自信にはなっている?

もちろんなったんですけど、2年前の2020年の合宿3日目にWAggは3人同時で落ちて。他の2人は最下位のグループとしてまとめての脱落だったんですけど、私が個人的に脱落者で名前を呼ばれて。合宿中に何も変わってないって渡辺さんにおっしゃっていただいて東京に帰ったんです。そのときの自分に比べたらいろいろ変わったものはあったと思うんですけど、1年あれば当たり前というか、成長していないとおかしいじゃないですか? だから昨年も最終日まで残ったからよかったみたいな気持ちにはなれなくて。むしろ、最終日まで残ったのに昇格できなかった悔しさの方が大きかったです。

──自信ないことに気づいたのはどういう部分だったんでしょう?

PARADISESさんのオーデションのとき、私的には素直にしゃべっているつもりだったんですけど、どこかちょっと独りよがりになっちゃっていたというか。それは自信がない裏返しというか、ちょっと強気になってしまっていたのかなと気づいたんです。合宿が終わった後に、渡辺さんが私のことをエヴァンゲリオンのアスカに似てるみたいに言っていた動画を見て、自信がないからこそ強気に行っちゃうところがあるみたいにおっしゃっていて、ちょっと納得したというか。

──弱いところを見せたくないから、強い部分が出てきてしまうと。

それはあるかもしれないです。合宿のときは泣いたりしていたんですけど、WAggでも普段は泣いたりしないので、そういうところは人に見せたくないのかもしれない。

活動休止期間は、自分自身と向き合えた半年間だった

──アイナスターさんは合宿後、学業に専念するために6月から12月までの約半年間、活動休止をしていました。どんな心境で過ごしていたんでしょう?

最初に活動休止するか考えていた時期が、PARADISESさんのオーデションが始まってすぐぐらいのときで。渡辺さんからも活動休止するのもありだよっておっしゃっていただいていたんですけど、今活動休止をしたら正直待っていてくれる人がいないんじゃないかと思ってしまって。やっと始まったオーデションの途中で休止することにも、自分的に納得がいかなくて。一旦活動休止のことは考えず、がむしゃらに進み続けた結果、月ちゃんとYUiNAちゃんが入って新体制になって。そのあとで合宿が終わって、やっぱり一旦止まらないと無理って気持ちになってきたんです。目の前のことを一旦片付けてからじゃないと、本当に自分のやりたいことに取り組めない。本当にやりたいことを少しでも長く続けるために、まずは自分のやるべきことを片付ける期間だと思って過ごしていました。

──その間、どのような日々を送っていたんですか?

WAggメンバーの練習量の倍ぐらいは勉強しなきゃいけないと思って。みんなが歌って踊って4時間だとしたら、私は体に負荷がかからない分、倍ぐらいできるんじゃないかと思って、毎日勉強を10時間はやるようにして。いつみんなに見られても大丈夫と思ってもらえるように意識してやっていました。休止期間中、自分の詰めの甘さみたいなところにもすごく気づいて。勉強って自分で計画を立ててやっていかないといけないじゃないですか? WAggも練習メニューを自分たちで決めて進めていくんですけど、もっと見直せるところがあるなって気づいたし、自分自身と向き合えた半年間だったなと思います。

──歌うことやダンスをすることも一度置いておいて、勉強にひたすら集中していた?

そうですね。歌って踊ることはしていなかったです。1回勉強している最中に衝動的に今どうしても踊らないと気がすまないと思ったときがあって、走って帰って裸足で「オーケストラ」を踊ったんです。振りを覚えているかなと思ったんですけど、体に染みついていたし、すごくゾクゾクする感覚があって。私はやっぱり歌って踊ってライヴをしたい。そのためにWAggに戻って頑張りたいなと再確認したんです。そのためには勉強も頑張らなきゃという気持ちにもなりました。活動休止期間中もWACKの音楽は聴き続けていたので、自然とずっと支えになっていたというか。私はWACKの音楽にずっと支え続けられていたんだなということも再確認しました。

──WAggのメンバーのことだったり、グループの動向は気にならなかった?

ライヴ映像とかも送られてくるのは見てたんですけど、できる限り勉強に集中していました。

──2年で昇格しないと脱退と言われている中で、約半年間、別のことをやることに不安はなかったですか?

普通に考えたら、半年って、2年のうちの4分の1じゃないですか。違う世界線にいる自分だったら、その決断をすることは無理だったと思うんですよ。けど、そのときのWAggのメンバーが背中を押してくれたというか。渡辺さんが勉強に専念するんだったら今からした方がいいとおっしゃってくださったとき、私は月ちゃんのレンタル移籍が終わるまでは一緒にいたいと思って、ちょっと迷ってしまって。次の日の朝に、月ちゃんに「ごめん、今ちょっと電話してもいい?」って伝えたんです。授業を抜け出して学校のトイレから電話をかけました。月ちゃんもレコーディングの合間とかに、「渡辺さんが今って言うなら、今なんじゃないかな?」って電話で話してくれて。私もそれですごく納得したというか、自分のやるべきことと向き合うってなったら生半可な気持ちじゃダメだと思ったんです。なので、活動休止を決めて、学校の帰り道で走りながら渡辺さんに電話して、その後お母さんにLINEだけ送ったんです。帰ったらめっちゃびっくりしてて。どういうこと!? みたいな、突然すぎるって。私が突然決めちゃったことなのでメンバーも困惑したと思います。

──そこから約半年間の活動休止を経て臨んだ復活ライヴは、どんな感情になりましたか?

こんなに楽しかったっけ!? ってぐらい楽しくて、楽屋に戻っても興奮状態が醒めませんでした。私はここに立つために頑張ってきたし、やっぱりここが生き甲斐なんだと再認識したライヴになりました。そのときはニコ生さんも入っていただいて、たくさんの方に見ていただけるチャンスだったので、メンバーの気合いも違ったのかなと思います。

──ステージ上では燃えたぎるような気持ちになったというか興奮した?

冬眠から覚めた感覚でした。久しぶりに外の空気を吸ったような気持ちになって、こんなに心が興奮することってあるんだってぐらい楽しいライヴでした。楽しいって気持ちはずっと変わらないし、そこは絶対忘れたらダメというか。心が動かなくなっちゃったら終わりかなと最近思っていて。みなさんの心を動かしたいと思っているので、自分の心が動き続けていないと、それを伝えることは難しい。先輩のライヴをWACKツアーで見させていただいたときに、本当に心がザワザワするというか、目が奪われて興奮が止まらなくてドキドキして仕方なくて。その感覚を絶対に忘れちゃいけないなって最近すごく思います。

普段からどれだけやっているか本質が見抜かれる合宿だと思っている

──去年は「合宿で何か掴まないとアイドル人生が死ぬぐらいの気持ち」と言っていましたが、今年は合宿に向けて、どのような気持ちでいますか?

絶対に昇格したいって気持ちは変わらずあるんですけど、合宿だけがチャンスじゃないというか。一つ一つのライヴも、全部の活動がチャンスだと思うんです。どこで見ていただいているか分からないし、合宿だけを頑張れば昇格できるわけじゃないと思うんですよ。合宿で候補生の子たちは、たった1週間なのに本当に表情とか顔つきが変わるし、こんなに人って変わるんだって毎年見ているんですけど、私たちは候補生とはまたちょっと立場が違うので、今まで培ってきたものを全部出さなきゃいけない。逆に言えば、普段やってきたこと以上のものを出すことは難しいというか。普段からやってないと出せないと思うんですよ。普段からどれだけやっているか本質が見抜かれる合宿だと思っています。もちろん1週間で変わることもそうだし、試されている気持ちもあるので、ちょっと緊張しています。

──候補生の子たちとは、どんなことを意識して関わりたいと思いますか?

昨年の合宿後半の発表は、先輩とペアでやらせていただくことが多くて。ベルと2日目ぐらいで一緒になって「STUPiD」をやったときに1位をとれたんです。候補生の子たちはもちろん、WAggだったり、先輩方、グループのメンバーをどれだけ信頼し合ってグループとしてできるかが発表で1番出ると思うんですよ。例えば、全員が経験者で歌って踊れる子が集まって立ち位置なども完璧にやったとしても、グループとして信頼関係がないと、まとまっているようには見えない。なので候補生との信頼関係はすごく大事にしたいなと思っています。

──最後に、今年の合宿に向けて意気込みを訊かせてもらえますか?

私は今回の合宿で、絶対に昇格してデビューしたいと思っています。そのためにいろいろなものが必要になってくると思うんですけど、画面越しだろうがなんだろうが、目の前のお客さんの心を動かし続けていかないと、と思うし、ステージが私にとって生きがいだと強く感じています。ずっとここで歌って、踊って、みなさんと一緒にライヴし続けるためにも、この合宿で夢に近づく為のチャンスを掴みたいなと思っています。


■WACKオーディション合宿2022詳細

【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2022完全密着 6泊7日の死闘
2022年3月20日(日)14:30〜
URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv336022763

【後半】全て見せます!WACKオーディション合宿2022完全密着 6泊7日の死闘
2022年3月23日(水)12:00-
URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv336022816

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