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StoryWriter

今まで目に留まらなかったものが、急に見える時ってありませんか?

同じ道を歩いていても「このお花、前からここに咲いてたっけ?」と突然気になったり。

スーパーでもそういった現象がよくあります。

そのひとつが、いちじく。

一年中スーパーに並ぶ訳ではなく、突然現れて、突然いなくなるフルーツ、いちじく。

丸く、ぽってりとした、かわいらしいフォルムだけど、黒みがかった紫色から、ちょっと大人な雰囲気を感じたり。でも皮を剥いて食べると口当たりなめらかで、種の食感がプチプチと弾けるあの感じ。

その個性的な見た目も、味も、私なりに分かっていたつもりだけど、正直そこまで注目したことのない存在でした。

そういえば昔おばあちゃんに

「一番好きなフルーツはなに?」と聞いたら

「そうね~、いちじく」

と優しく微笑んで教えてくれた姿を思い出した(今も好きらしい)。

数あるフルーツの中で、なぜいちじくが好きなんだろう。

苺でも、桃でも、葡萄でもなく「いちじく」と答えたおばあちゃんが、中学生の私には知らない世界を知っているようで、なんだかすごく素敵に見えたのである。

家に帰って、このいちじくをどうやって食べようと悩んだ結果

「よし、3時のおやつになったら、皮を剥いてそのままかぶりつこう!」と、至ってシンプルな答えを出し、冷蔵庫で冷やすことにした。

少しまったりしようと、ソファにゴロン。YouTubeを見ることに(至福の時間)。

そこで、奇妙なことがおきた。

私の検索ワードや観覧履歴からおすすめされる動画をザッザッザッと見ていると、突然「いちじくトースト」の作り方が紹介されはじめたのだ。

あまりにもタイムリーすぎる内容に釘づけ。

私がチャンネル登録している、コーヒーについて日々投稿をしている方が

「トーストとコーヒーで朝ごはん」

というタイトルの動画で紹介していたのだった。

旬のいちじくを使ったトースト。作り方は簡単。

パンを焼く時に、皮を剥き、小さく切ったいちじくも横に添えて、一緒に焼く(甘さが足りない場合は少しお砂糖をかけてから焼くらしい)。

そして、いい感じに焼けたパンの上に温かいいちじくをのせ、フォークで潰したら、お好みでメイプルシロップをかけたり、クリームチーズをのせたり。

あまりに美味しそうなので、かぶりつく予定を変更し、早速真似してみることに。

食べてみると、サクッとしたパンに、とろとろいちじくのおいしさといったら、もう!!!!

ちょっと焼いただけなのに、まるで何時間もかけて作ったジャムみたいな甘さや食感になるのもうれしい。冷蔵庫に眠っていたメイプルシロップとの相性もぴったりで、それはそれは大活躍。

それ以来、いちじくトーストは私のお気に入りレシピとなりました。

調べたところ、いちじくの旬は夏と秋、年に2回。初夏から夏にかけて実がなるものと、秋に実がなるもの、そして初夏と秋両方に実がなるものがあるらしい。

去年の秋から見なくなったな~と思ったら、ここ最近またスーパーに並んでるのを見て、うれしくなってる今日この頃。

今好きなフルーツは?と聞かれたら

「そうね~、いちじく」

と、にんまり答えてしまいそう。

岡田ロビン翔子(おかだ・ろびん・しょうこ)

1993年生まれ。2006年から2018年8月2日の解散まで、チャオ ベッラ チンクエッティ(THEポッシボーから改名)のリーダーとして活動。 頭の回転の良さからくるトーク力には定評があった。解散後はラジオDJを中心に、MC、モデル、自身のアコースティックライブ「ロン喫茶」など、マルチに活動中。 様々なジャンルに興味を持ち、多方面にアンテナを張りめぐらせ、スキルアップのために努力を欠かさない向上心の持ち主。

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