2018年に結成された“ホラー・パンク・アイドル” XTEEN(クリスティーン)。姫草雛奈子、楔條詩苑、天月綺々奈の3人から成る彼女たちは、全ての楽曲において“叛逆”をテーマに活動を続けており、コロナ禍においてもその姿勢を崩さずにライヴ活動を貫き通した。結成5年目の2022年3月25日には3曲入りシングル『GLORIA』を発売し、初の東名阪ツアーも成功、X’ta(※ファンの総称)たちを熱狂の渦に包み込んだ。
StoryWriterではメンバー全員インタビューを行い、XTEENがなぜ“叛逆”をテーマに活動しているのか、根底にある哲学と姿勢を語ってもらった。それに続き、個別インタビューを敢行。メンバーがどのようなバックグラウンドの中、XTEENへ辿り着いたのかを探っていく。前回の天月綺々奈に続き、今回は、楔條詩苑のロングインタビューをお届けする。XTEEN結成初期からメンバーとして4年間活動を続けてきた彼女のバックグラウンドに迫った。
取材&文:西澤裕郎
写真:宇佐美亮
理不尽なことで落とされる学校という組織に失望した
──3人全員インタビューで、詩苑さんはクールな子と他のメンバーから言われていましたが、ご自身の認識ではどうですか?
楔條:ぼくはクールにふるまう事が一番格好いいと思っているので、その立ち位置を大切にしています。
──憧れている人や、理想とする人はいますか?
楔條:クールだけど、ちょっとナルシスティックな所もある様な人が好きです。実際、ぼくもそういうところがあるので(笑)。
──ナルシストって自分に自信がないとなれないと思うんです。世の中的に自己肯定感が低い人も多いと思うんですけど、詩苑さん自身は自己肯定感を高く持てているんでしょうか?
楔條:失敗をしたときに、なんで自分はこんなダメなんだ……と思ってしまうこともあるんですけど、それをバネに乗り越えたら、もっと格好いい人間になれるのではないか!と物事を捉えていて。そこで自信を持つというか、自分自身を肯定出来たら、とは思っています。
──それは、もともとの性格なんでしょうか?
楔條:学生時代に塞ぎ込んでしまった時期があって。すごく考える時間があったんです。
──学生時代というのは?
楔條:中学生のときです。その当時は、学校という組織があまり好きではなかったんです。学校っていろいろ決められたルールがあるじゃないですか? そこに対して納得いかない部分があって。
──全員インタビューのときも、大人や体制への疑問について語ってらっしゃいましたが、具体的になにがあったんでしょう。
楔條:中学3年生になる直前、委員会の委員長決めがあったんです。ぼくは風紀委員長になりたくて。なぜか分からないんですけど、昔から正すことがすごく好きで(笑)。それこそクールで格好いいと思っていて。風紀委員って、挨拶運動とかもするんですけど、みんな全然挨拶をしていなくて、とにかくそこを徹底したかったんです。朝の「おはようございます」という挨拶をしっかりしたら元気になるじゃないですか?
──かなりしっかりしていたんですね。その委員長決めで、なにがあったんでしょう?
楔條:委員長候補として、ぼくともう1人男の子がいて。生徒会メンバーの前で面接をして委員長を決めたんですけど、最終的に男の子の方が選ばれたんです。その男の子は、授業中にやってはいけないことをしていたり、ルール違反をしている子だったんですけど、面接で決められたのなら仕方がないし、自分が選ばれなかった理由があるんだろうと納得していたんです。でも後日、生徒会の仲良い子から突然、「詩苑ちゃんが選ばれなかった理由は、髪が長かったから」って言われて謝られたんです。そのとき本当に意味が分からなくて。しかも、「詩苑ちゃんは髪が長いから選ばないで」って先生が言ったらしいんです。それにすごく腹が立って。自分の行動で選ばれなかった、もしくは男の子がすごく秀でていて選ばれなかったなら分かるんですけど、髪が長いから選ばないってどういうこと?と思って。それにすごく腹が立って、中学2年生の終わりで学校に行くのを辞めて。どうでもよくなっちゃったんです。
──いろいろなことを良くしようと風紀委員長になりたかったのに、理不尽な理由で落とされてしまった。それはあまりにひどい出来事ですよね。
楔條:そんな理不尽なことで落とされる学校という組織に失望したのかもしれないです。勉強を学ぶ以外で、ここに通って得られるものってあるの?とまで思ってしまって。
──学校行っていない時期は、何をして過ごしていたんですか?
楔條:ファンタジーが好きだったので『ハリー・ポッター』とか本を読んだりしていました。中二病なので、ファンタジーの世界とかに憧れていて。空想がすっごい好きなんです。
──いまも、自分の中で想像を膨らませたりする?
楔條:外で雷が鳴っていたら、「ついにやつが来たか……」みたいな想像をするのがすごく好きです(笑)。あと、ぼくは雨女って言われるんですけど、ライヴの日に雨が降るとみんなにいじられるんですよ。最近は、本当に雨を操れるんじゃないかと思い始めて、楽しくなってきました。ぼくが遊びに行くとき必ず雨が降る。これは力なのではないか!と思い始めて(笑)。
──あははは。どれくらいの期間、学校へは行っていなかったんですか?
楔條:卒業するまで、1年近く行かなかったです。
──その1年間、どこで考え方がポジティブに考えられるようになったんでしょう?
楔條:本の中で読んだ、ふとしたセリフだと思うんですよね。何の本だったかって言われると出てこないんですけど、物語の主人公って意思が強いじゃないですか。そういう強さを目の当たりにして、こういう考え方もあるんだというところから切り替わっていったんだと思います。
──もともと、自分を変えたい願望はあったんですか?
楔條:どちらかと言うと自分に自信が持てない方だったので、自信を持ちたいと思っていて。
──実際、どうやって自信を積み重ねていったんでしょう?
楔條:最初は見た目から入りました。その頃は前髪がすごく長くて、分けていたんですけど、今くらいの長さに切ってみたら、それだけで一気に見違えたんです。一髪、二姿、三器量って言葉があるじゃないですか? その言葉に感銘を受けて、髪のお手入れをするようになって。年齢が上がっていくにつれ、今度はお化粧を覚えて。お化粧をするとまた違う自分になって、すごいイケてるじゃんってなりました。ちょっとずつ自信が出てきて、そこから自分の中身も自信を持ちたいと変わっていきました。
弱い部分を出すことは恥ずかしいことじゃない
──アイドル活動をはじめたきっかけはなんだったんですか?
楔條:高校のとき、ステージに立たせてもらう機会があって。そこで、人前で何かを表現することってすごく楽しいってことに気がついて。それまでは全くアイドルとか興味なかったんですけど、一気に興味が湧いてきたんです。
──最初のステージは、いまXTEENで今やっている感じとは違う?
楔條:真逆でしたね(笑)。笑顔キラキラ~、みんな手繋いで一緒に遊ぼうね~、って感じだったんですけど、それも楽しかったです。
──そうした活動から、XTEENにどのように繋がっていったんでしょう?
楔條:地元で所属した事務所では、アイドルだからこうしなさい!って抑えつけられる事が多かったんです。例えば、ぼくは肌を出すのがあまり好きじゃないんですけど、アイドルと言えば水着を着るでしょ、みたいな感じで、嫌なことがあっても運営の言うことを全部受け入れなさいってすごく言われて。ぼくはステージで表現をしたいのに、なんでそんなに抑えつけられなきゃいけないんだって。最終的には事務所を辞めたんですけど、そのとき、お客さんに対しての感謝もあるし、決まっていたライヴは最後までちゃんとやり通してから辞めさせてくださいって申し出たんです。でも今すぐ辞めろって言われて。なのに後々、事務所の人からも、所属していた先輩ユニットの方たちからも、なんで最後までちゃんとやり遂げないんだってSNSで書かれて。あまりに失望して、もう音楽を辞めようとまで思いました。
──それはきついですね。
楔條:こんなに汚い裏があるんだってこともショックでしたし、そんな世界にいたいわけじゃないと思いました。その後、一緒に辞めた仲間とユニットを作って、セルフプロデュースで活動を始めたんです。もう大人の力に頼るのは辞めようと思って。その頃、今のプロデューサーからのお誘いがあったんですけど、大人を信じられない時期だったので、セルフでやることにしたんです。でも、もっと本格的に活動をしたいと思うようになって。ぼくは新潟県出身なんですけど、地域的にもやれることの選択肢が少なくて。やりたいけど大人の力を借りるのは……と悩んでいたときに、今のプロデューサーから「音楽は本当に素敵なものだから、そんなことで絶望しないで、もっと音楽で楽しいことをしよう」って言われたことを思い出して。もしかしたらこの人となら一緒にできるかもしれないと思って連絡をとって、XTEENに加入しようと決意をしました。
──ちなみに、どんなことを表現したいと思っていたんでしょう。
楔條:人間、誰しもが弱い部分を持っているじゃないですか? 弱い部分を出すことは恥ずかしいことじゃない。人間は強くなれるから一緒に強く戦っていこうよってことを音楽で表現したかったんです。
──それまで大人不信もあった中、XTEENに加入するのに勇気は必要じゃなかったですか?
楔條:地元を離れるということが、1番勇気が必要でした。今までいた応援してくれていた人たちとも家族とも離れるし、行ったこともない東京に行って、自立してライヴとか活動をやっていけるのか不安はありました。
──そこで背中を押した決め手はなんだったんですか?
楔條:自分の音楽をやりたいという想いと、お母さんの「あんたならできるから、やってきな」って言葉ですね。
──そして上京するわけですが、環境も変わるじゃないですか。人間関係とか、やることも全部新しく始まるわけで、当時を振り返って、どんな日々でしたか?
楔條:とにかくがむしゃらでした。最初の頃は今よりライヴ本数も多かったので、とにかく必死で。XTEENに入って実力をつけて、グループをもっと大きくしていきたいという想いが強くて。今思い出すと、よく頑張っていたなってすごく思います。
──活動当初は、今ほど“叛逆”のコンセプトがしっかり定まっていなかったと全員インタビューで話してくれましたが、試行錯誤の日々だったんじゃないですか。
楔條:中学時代に“叛逆”的なことをしてきたとは思うんですけど、“叛逆”という意識を持っていたわけではなくて。XTEENに加入して活動していく上で、“叛逆”とは?という意識を持つ様になったんです。XTEENと一緒にいろいろ学んでいくというか。新たに考えを積み重ねていって、試行錯誤しました。XTEENの楔條詩苑として、どう立ち振る舞っていこうとも考えました。今までやってきたアイドルとは音楽性も全然違うので、どうやってこの熱さをステージ上で表現しようって。そういうところは試行錯誤しましたね。
──XTEENに加入して4年間の活動の中で、特にしんどかったエピソードを挙げるとしたら?
楔條:ライヴ中、ぼくがMCを担当しているんですけど、みんなの心を熱くさせる言葉やタイミングって難しくて、納得がいくようにできなかったとき、自分には向いてないんじゃないかって一時期すごく思って。ただ、うちのプロデューサーは鬼畜なので、ずっとぼくに「大丈夫、詩苑ちゃんならできる」って言い続けてくれて。最近になって、ちょっとイケてるんじゃないか?って思える瞬間があって、やり続けることってすごく大事だなと思えるようになりました。本当にしんどくてつらかったけど、積み重ねていったら自分でも「よくね?」 って思えるときが来たぞ!と。
──プロデューサーが鬼畜ってすごいワードですね(笑)。
楔條:どんな泣き言を言っても、「いや、できる!」としか言われなくて。何を根拠に!?と思っていました(笑)。「俺には詩苑ちゃんが大舞台ですごく堂々とMCをしている姿が見える」って言われ続けてきたので、頑張るしかなくて。結果、それくらい鬼畜でよかったです。
──XTEENのやっているロック的な音楽は、どれくらい馴染みのあるものだったんですか?
楔條:全然馴染みがなかったですね。初めて聴いたとき、ちょっとびっくりしました。こ、これをやるのか! と思って。ただ、聴き慣れない音楽って最初受け入れるのに時間がかかるものだと思うんですけど、XTEENは結構すっと入ってきました。全然聴き慣れなかったけど、めちゃくちゃ格好いいし、新しい音楽に出会えたと思っています。
──XTEENの転機になった出来事があるとしたら、なんでしょう?
楔條:XTEENって最初はダンスの振りがあったんですけど、あるときから一切振り付けを決めず、好きなように動いてみようって話をして。1番の転機はそこだと思います。アイドルと言えばダンス、みたいなところがあるじゃないですか? そこをまず払拭したくて。別にアイドルでもダンスしなくてもいいじゃんって、みんなの考えがまとまって、ダンスなしで1回やってみようかってやってみたらハマったというか。格好いいじゃん、こっちの方が全然イケてるじゃんってなって。
──振り付けがなくなると、逆に何していいか分からなくならないですか?
楔條:そう思ったときもあったんですけど、リズムに乗って好きなように動くのが楽しいし、それこそ表現に繋がるじゃないですか? 振り付けがあると、振りに必死になってしまって、ライブを俯瞰で見ることができなくなってしまうときもあるので、それが無くなった今の方が表現したいことができているなと思っています。
XTEENは、コロナ禍で1回も曲がってこなかった
──4年間の中でのメンバーの入れ替わりに関しては、どう感じてらっしゃいますか?
楔條:XTEENが2018年2月に結成して、ぼくはその3ヶ月後の5月に加入したんですね。それまで1人で頑張ってきた姫草雛奈子という主役がいて、ぼくは時期的には2期になるとは思うんですけど、気持ちの上ではオリジナルメンバーだという思いで活動してきました。ぼくと姫草がずっと一緒にいて、もう1人が入れ替わるみたいなことが多くて。なので、この子はどれくらい続くんだろう? って不安になったときもあるんですけど、姫草がいて、ぼくがいればXTEENは格好よくいれるから大丈夫だろうっていう自信。その自信とともに4年間続けてきました。
──それくらい姫草さんに対する信頼感があるんですね。
楔條:めちゃめちゃありますね。最初から一緒に戦ってきて何回も喧嘩しましたし、ステージのこととかでぶつかり合ってきたんですけど、XTEENを良くしたい、格好よくしていきたいという想いと熱量は一緒なので。だから、ぶつかっても仲違いすることなく4年間一緒に活動してきたし、とても信頼しています。
──綺々奈さんも、同じくグループの一員になった感覚もありますか?
楔條:綺々奈が入ったことによって、今までのXTEENの格好いいがまた1つ上の格好いいに行けたんじゃないかと思っていて。ビジュアル面も、ライヴパフォーマンスも。彼女は性格もすごく素直でいい子なんです。ステージのこととかで、これはダメだよ、あれはやっちゃいけないとかって話をしていても、自分もXTEENを良くしていきたいし、もっと自分を高めていきたいから頑張るよって言ってくれる素直な子なんです。今までそう言ってくれる子はいなかったので、すごくうれしいですね。綺々奈もとても信頼を置いています。
──3人の根底に共通しているのは、熱量と、理不尽なことに対しての“叛逆”心?
楔條:みんながむかつくことって大体同じなんですよ(笑)。何かに対してむかついたって声を上げると、「わかる!」ってみんな共感するんです。そもそもの考え方が似ている。
──XTEENはコロナにも“叛逆”してライヴを続けてきました。
楔條:コロナによって、いろいろなところが大打撃を受けたと思うんですけど、中でも音楽ってすごく標的にされたと思うんですよ。ぼくにとって、音楽は生きていくための力の1つだったので、その音楽が抑えつけられたり、音楽なんて必要ないでしょって言われることにすごくむかついて。まずそこに“叛逆”をしたいと思っていました。あと、コロナ禍で声出し禁止だったり、激しいライヴをしちゃダメですよと言われたり。XTEENにとって、それはすごく大切なパフォーマンスの1つなんです。なのに、それを変えてしまったらXTEENじゃなくなるよねってなって。そこでも“叛逆”ですよね。ぼくたちはXTEENなんだから変えないよって。これがXTEENなんだからっていう気持ちが強くありました。
──そこで自分たちを曲げるのではなく、どうやったら、そのスタンスを貫けるかを徹底してライヴを行ってきたわけですよね。
楔條:模索しましたね。感染対策もしっかりしましたし。だから、自分たちのスタンスを変えずにライヴをしてきたけど、誰一人コロナになってもいないんです。
──コロナ禍でも自分達のスタンスを曲げずに活動してきたことは、いまのXTEENに影響を与えていると思いますか?
楔條:めちゃくちゃ与えていると思いますね。スタンスを貫く力って大事じゃないですか。でも、簡単には貫けなくて、どこかで曲がっちゃったりすることの方が多いと思うんです。ただ、XTEENは、このコロナ禍で1回も曲がってこなかった。本当に貫き通してきたので、自分たちは間違ってない、これが正しいんだって自信と、XTEEN格好いいでしょ? って気持ちが持てましたね。
──ライヴ来てくれたり、応援してくれてたX’taに対してはどんな想いがありますか?
楔條:とにかく感謝ですね。誰にも抑えつけられないで、好きなように音楽を楽しんで欲しいと思っていましたし、これからも好きなように楽しんで欲しいって思います。
いいからおいで、絶対楽しませるから
──5月には初めての東名阪ワンマンツアーを行いました。手応えはいかがでしたか?
楔條:いつものギグも大事だし、楽しいんですけど、ワンマンって違いますね。ぼくたちとX’taしかいない空間。いつもとは違う熱を感じたし、実際に熱の上がり方も全然違って。記念すべき4年目で初めての瞬間に、しかも各地からも来てくれていて。ぼくたちが4年間、いろいろなところに遠征をしてきて、みんなその中で出会った人たちじゃないですか。そのみんなが集合したフロアを見たときにすっごい感動して。4年間やってきたものが今ここにあるんだと、強く感じました。
──さらに全国ツアーが発表されました。どんなツアーにしたいですか?
楔條:1stワンマンもめちゃくちゃ良かったんですけど、2ndの方がもっといいよねってツアーにしたいですね。東名阪ツアー、札幌、前回よりよくなかった?! って絶対言わせます。
──3人それぞれのソロパートもあるんですよね。
楔條:XTEENのメンバーってそれぞれ生誕祭に自分のオリジナルソロ曲を出すんです。そのオリジナルソロ曲をワンマンでもやっちゃおうって、東名阪ワンマンでも1曲づつやったんですけど、夏のツアーでももちろんやります。
──詩苑さんは現在、4曲のオリジナル楽曲を歌ってらっしゃいます。どんなことをテーマに歌詞を書いているんでしょう。
楔條:とにかく自分は強い、闇の部分もあるけどそんな所も格好よく、という風に表現しています。あとは、抑えつけてきたり、理不尽を押し付けてくるものはぶっ壊していこうって。自分の手で自分を縛る鎖を解き放っていこうっていうことを歌詞に込めています。
──4曲、それぞれについても聞かせてもらえますか?
楔條:1番最初にできた「あの詩、その空」は、XTEENに入る前からずっと投稿していた詩を歌詞にまとめたんです。その曲だけ他の曲とはちょっと毛色が違うんですけど、自分の弱さを全面に押し出していながら明るい未来に歩きだしていこう、みんなで一緒に頑張ろうみたいな曲になっています。2曲目が「DOMINA」優しく包み込み支配してあげるって感じの曲で。悪い意味の支配ではなくて、良い意味の支配。もっと君たちを楽しませてあげるよ、みたいな。3曲目は「ブレイカー」って曲で、自分の道を勝手に決めつけるやつらに“叛逆”してぶっ壊していこうぜっていう曲です。曲中でもずっと「BREAKERR」って叫んでいて、自分の目の前に立ちはだかる理不尽なものはたとえそれが運命だとしてもぶっ壊せって伝えたくて。4曲目が今年公開した一番新しい曲で、怪盗をモチーフにした「PHANTOM THIEF FOX」です。ぼくは昔からずっと自分のことを「FOX」って名乗っていて。二つ名的に使ってきたんですけど、今年の生誕で「怪盗」をテーマに自分を表現しようと思い立ったとき、その怪盗の名はこれしかないな、と。熱い想いをその心に、華麗に優雅に堂々と全てを盗み出す。君たちの視線も何もかもが僕のものだよ、って自信をクールに格好よく見せつける。より深く君を魅了してあげるって曲ですね。
──この先、XTEENの活動を通して、どんなことを表現していきたいですか?
楔條:前回のインタビューでも話したんですけど、ぼくは音楽に助けられて生きてきて。つらいときは音楽を聴いて強くなろうと思うことが多かった。XTEENがやっているのは、そういう音楽なんです。弱っている人とか偏見に抑えつけられている人たちに、立ち上がろうぜ! 一緒に戦っていこうぜ!って投げかけている。これからも、みんなの内に秘める弱さとか悩みに寄り添って、一緒に戦っていこうよって強く呼びかけたいです。より多くのステージに立って、悩んでいる人たちに想いを届けたいです。ぼくたちがいるから大丈夫、一緒に戦っていこうよって気持ちを届けたい。最初からその気持ちは持ち続けています。
──最後に、記事を読んでいくれている人に伝えたいことはありますか?
楔條:コロナでライヴに行く人って、とても減ったと思うんです。まだライヴが怖いって気持ちを持っている人もいると思うんですけど、早く遊びにおいでよって思いますね。楽しいよ!って。音楽を楽しんで、もっと盛り上げていこうよって思いますね。それは、すごく伝えたいですね。いいからおいでって。絶対楽しませるからって。
XTEEN 連載一覧
“ホラー・パンク・アイドル” XTEENは何に叛逆しているのか? メンバー3人が諦めず声を上げ続ける理由
Vol.1 天月綺々奈「好きなものは好きって発言できる世の中にしていきたい」
■ツアー情報
XTEEN † SUMMER ONEMAN TOUR
「GIRLS, SPEAK OUT LOUD」
今夏・2022年二度目のワンマン・ツアー開催決定!
2022年8月20日(土)@名古屋 RED DRAGON
2022年8月21日(日)@大阪 KING COBRA
2022年8月27日(土)@ 札幌 ESP HALL
2022年8月28日(日)@札幌 ESP HALL
2022年9月4日(日)@東京 CLUB SCIENCE
[GIG IN JULY]
2022年7月30日(土)@新宿CLUB SCIENCE
2022年7月30日(土)@新宿CLUB SCIENCE
2022年8月1日(月)@渋谷CHELSEA HOTEL
2022年8月5日(金)@下北沢ろくでもない夜
2022年8月7日(日)@新高円寺LOFT X
[XTEEN Official Website]
https://xteen.tokyo/