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【連載】Times O’ Youth Vol.8 Tō Yō──謎のトリップ感溢れるエキゾチック・サイケ

StoryWriter

音楽、アート、ファッションなど、様々なカルチャーの中で活躍する若きアーティスト・クリエイターを取り上げて紹介していく連載『Times O’ Youth〜次世代カルチャーの担い手〜』。第8回は、東京を拠点に活動する新世代サイケデリック・ロックバンド、Tō Yōを取り上げたいと思う。

Vol.8 Tō Yō

2018年に、Masami(Gt/Vo)とseven(Gt)によってThe Cabinsというバンド名で結成され、そこにVincent(Ba)、Hibiki(Dr)が加わり現体制に。2019年から東京を中心に本格的なライヴ活動を行っていき、Waater、NEHANN、Usといった、ルーツ・ミュージックを軸にハイブリッドな音を繰り出す新世代バンドらと共に注目されている。

2022年6月には、それまでのバンド名であるThe Cabinsから、Tō Yō(東羊)へと改名し話題を呼んだ。また、現在ニューアルバムを制作していることも発表しており、今後の躍進が期待されている。

彼らの音楽には、古き良き洋楽のクラシックな響きがある。また一方で、アジアンテイストな質感もあり、一言でジャンルを形容することが難しい。ルーツにあるのは、サイケ、プレグレ、グラム・ロック、ソウル、ポスト・パンクなどで、それらのジャンルを新世代ならではの感性で縦断しながら、独自の世界を生み出している。

2021年9月21日にリリースした「Tears of the Sun」は、異世界への没入感が存分に感じられる楽曲だ。

 

この曲からはビートルズやクリームを連想させる純度が高いサイケデリック・ロックからのテクスチャーを感じ取れる。一方で有機的な音像は、全体としてまとまりがあって、しっかりモダンに仕上げられた印象を受ける。また、レゲエやスカをリファレンスとしている感じもあり、エキゾチックな雰囲気がプンプン漂う。曲を聴いて浮かび上がってきたのは、夏の暑い日に湿度の高い密林を彷徨っている光景。もうろうとした意識の中で現れる謎のトリップ感のようなものを味わえる楽曲だ。


■リリース情報

Tō Yō『Tears of the Sun』
発売日 : 2021年9月21日
形態 : デジタル
収録曲 :
1. Tears of the Sun

https://ultravybe.lnk.to/tearsofthesun

北村蒼生(きたむらあおい)
2000年生まれ、東京出身。大学ではロシア語を専攻している。株式会社SWで学生インターンをしながら、就職活動をしている。好きなものは音楽、ファッションなどカルチャー全般。

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