若くして表現活動をはじめる人は少なくないが、ある程度年齢を重ねてから表現をはじめ、世にインパクトを残していくアーティストは決して多くはない。このたび、酸いも甘いも噛み分けてから活動をはじめた2人の女性アーティストの対談が実現した。
1人は、2017年よりプロジェクトを始動して以来、“熟せば、ややこしくなるものなのよ女って”をキャッチコピーに妙齢女の劣情を歌い続けるシンガーの“近視のサエ子”。音楽だけでなく、自身でMVを手がけたり、普段は広告デザイナー、コピーライター、映像作家など幅広く活躍しているクリエイターでもある。
もう1人は、「昭和B級エロ自撮り写真家」として作品を発表し続けているマキエマキ。1966年生まれの彼女は、 93年よりフリーの商業写真家として活躍する一方、2015年秋に「愛とエロス」をテーマにしたグループ展に出展したことがきっかけで、自撮り写真の魅力に目覚めた。以後、ひなびた温泉、寂れた港町、旧赤線エリアなど、様々なロケ地やシチュエーションを模索しながら、エロスを内包した写真を発表し続けている。
独自の路線で表現をし続ける2人の対談からは、年齢を重ねたからこその哲学や想い、作品へ対するこだわりが伝わってきた。同時に、女性が表現をする中で生じる、男性の意識的・無意識的な性的加害性を強く感じるインタビューとなった。10月のとある平日に行われた対談をお届けする。
取材&文:西澤裕郎
一緒に仕事していた人がホタテビキニを見た時は本気で心配された(マキエ)
──最初に、サエ子さんから自己紹介からお願いします。
近視のサエ子(以下、サエ子):学生時代は京都造形芸術大学の映像学科でドキュメンタリーを専攻していて、同時にデザイナーとしても活動をしていました。卒業後はバラエティ番組のエディターとして上京したんですけど、いまはフリーランスの広告プランナー、デザイナー兼記者という形でマンガ雑誌の編集部や、映画や音楽の宣伝・制作に関わっています。自分の作品を作りたい気持ちがあったので、7年ぐらい前に「近視のサエ子」名義で音楽とビジュアル制作を始めて活動を続けています。
──「近視のサエ子」は、普段の制作業とは違うペルソナみたいな感じなんでしょうか?
サエ子:切っても切り離せないとは思っています。普段クライアントワークばかりなので、とにかく私がやりたいことをやりたいというのが根本にあります。エンタメ業界で培ってきた裏方の全てが近視のサエ子でも活きていると思うので、最近はそれを美味しく利用させていただこうぐらいに思っていて、どんどん両者の境目がなくなってきている感じです。
──続いて、マキエさんお願いいたします。
マキエマキ:私は27歳の時にフリーランスのカメラマンとして独立して、50歳まで普通に写真の仕事をしていました。自衛隊の広報誌や医療専門誌で学会、病院取材や先生方のインタビューを撮影したりなど、堅めの写真の仕事をずっとしてきたんです。ほかには企業PR用の印刷物用に建築や人物の撮影や、アパレルの撮影もしていたんですけど、49歳の時に自分のセーラー服の写真がSNSでバズって注目されたことをきっかけに、ホタテビキニの自撮をグループ展に出していたら都築響一さんの目に止まり。そこから広がって現在に至ります。
──ホタテビキニ以降の作品は、お堅い仕事への反動もあったんでしょうか?
マキエマキ:ものすごくあったと思いますね。それまで受けていた仕事は、「うちの仕事にふさわしくない」みたいに言われて契約を切られたりして全部なくなりました(笑)。当時一緒に仕事していた人がホタテビキニを見た時は「マキエさんどうしたんですか……」って本気で心配されて。「心療内科を紹介する」とか「ホルモン療法とかそういうのもありますから」って本気で勧められました。
サエ子:ちょうど悶々としていた時期にホタテビキニの前のセーラー服の写真を拝見したんですよ。生活のために仕事もしないといけないけど、本当にこれでいいのかな?と思っていた時期で。マキエさんの写真を見て、私は間違ってないなと思えたんです。
マキエマキ:間違っているとか間違っていないとかは人それぞれだと思うんですよ(笑)。安定した収入がある方には、はっきり言っておすすめしないです。私の場合はリーマンショックでフリーランスのギャランティがどんどん低くなっていった時期で。独立した頃に比べると1回あたりの仕事の手取りが低くなってきて、この仕事を続けていいのかなという不安もあったんです。そんな時期だったので、もういいやって開き直っちゃった部分もありました。
サエ子:それで言うと、私は普段の仕事仲間に近視のサエ子のことを隠していたんですよ。最近じわじわとバレてきて、これは隠せないってなったので、お世話になっている人とか所属している編集部の編集長に「こういう活動をしているんですけど、ご迷惑はかけないようにします」って伝えたら想像と真逆の反応が返ってきたんですよ。全部失うつもりだったんですけど、私の場合は恵まれていたのか、面白がられて逆にちょっと仕事が増えたりしました。
──今回、サエ子さんがマキエさんと対談されたかった一番の動機はなんだったんでしょう?
サエ子:セーラー服写真を見た時からずっとお会いしたいと思っていました。今年に入って文春オンラインのインタビューで、マキエさんが「(フリーでの仕事が)段々先細りしていくのが目に見えてる」という話をされていて。その心配が私にもあったんです。そのときのマキエさんのロングインタビューを見て勇気をもらって、やっぱりお近づきになりたいなと思って。私も胸を張って活動していると言える状態になってから対談のお声がけをしようと目標を決めていたんです。今年の春ぐらいから、私の曲がラジオで取り上げていただけるようになったので、今ならいけると思って意を決してお声がけさせていただきました。
私自身、面倒くさい人が好きだし、自分ももっと面倒くさくなりたい(サエ子)
──マキエさんの過去のインタビューを拝見すると、男性から性的に嫌な目に合うことが多かったそうですが、仕事の環境が変わったことでそこに変化はありましたか?
マキエマキ:性的なアプローチに関しては堅い仕事をしていた頃のほうがひどかったです。クライアントの男性から食事に誘われたり、ひどいと「月いくらで面倒見てあげるよ」みたいに言われたり。今も変わらず性的な目で見る人はいますが、そういう人たちは匿名性を利用したアプローチなので、リアル仕事相手からの性加害よりは受けるダメージが低いです。
──マキエマキとして活動を始めてからは、そうした嫌な想いに対してSNSやNOTEなどで明確に意思を表明されていますよね。
マキエマキ:以前の仕事をしていた時は内輪で「社長にこんなこと言われた」とか言う程度で済ませてしまっていたんですけど、堂々と発信できるようになった変化はあります。遡ると子どもの頃から男性嫌悪はあったので、そういう意味ではホタテビキニをやってよかったです。
サエ子:仕事をしていると、そういうことがめちゃくちゃ多くてすごく落ち込むんですけど、マキエさんは「No!」っておっしゃっているじゃないですか。気持ちいいなと思いながら見ています。私の場合、近視のサエ子を始めてから、強く見えるようになったらしくて。最近は「こいつはネタにするぞ」と思われたのかセクハラが減りました。ガードができてちょっと強くなれた気がします。
マキエマキ:私もマキエマキの知名度が上がるにつれ、表だってそういうことをする人が減ってきました。活動を始めた頃は、ギャラリーストーカーが現れたり、おかしなDMが送られてきたんですけど、最近になってかなり減りましたね。
──表現物をストレートに評価される前に、性的に見られてしまうことへのもどかしさもあったんじゃないでしょうか。
マキエマキ:最近は減ってきましたけど初期はありました。そういう方たちって、見たいようにしか見ないんですよね。脱いでいるからヤラせてくれるのかな、って見方をする人がすごく多かったんです。作品集を大手出版社から出したこと、そこから、ある程度写真家としてキャリアを積んできたことがはっきりしてきたこと、長年個人事業主として事業を続けてきたことを話題にしていたら、「何かこいつ面倒くさいやつだな」みたいな見方をされて(笑)。
サエ子:面倒くさいという話でいうと、私は目がめちゃくちゃ悪いんですけど「お前面倒くさいし自分のこと全然見えてないよね」って言われたことがあって。めちゃくちゃ好きなワードだなと思って、面倒くさい女「近視のサエ子」って名前をつけたんです。私自身、面倒くさい人が好きだし、自分も面倒くさいって言われたら、よく煮えているような気持ちになるというか。もっと面倒くさくなりたいんです。
──マキエさんも「面倒くさい」というワードに対してポジティブに捉えていますか?
マキエマキ:ポジティブですね。普段女性として生きていると、面倒くさくないって思われる方が、御しやすいと思われてネガティブな結果になることのほうが多いんです。仕事の面でも、面倒くさくないと思われると値切られたり余分な手間を追加されたりする。こいつ面倒くさいって思われた方が仕事もやりやすいんです。
「今、生で見ないと! 心のシャッター押せよ」(サエ子)
──マキエさんの写真はセルフポートレートですが、どのように撮られているんでしょう?
マキエマキ:インターバルタイマーという機能で撮っています。本来、鳥とか星を撮るときに使う機能なんですけど、ちょっと邪道な使い方をしているんですよ。たぶんこんな使い方する人はいません。
サエ子:確かに、それだったらブレとか気にしなくていいですね。
──1回の撮影で何枚ぐらい撮られるんですか?
マキエマキ:撮影によりますけど、スタジオを使った場合は、あまり周りを気にしなくて済むので2000枚ぐらい撮りますが、NGカットが多いです。それだけ無駄が出るんです。
サエ子:私は映像学科にいたのにカメラが致命的に下手なので、自分で撮影はせずにずっと同じ方と組んで写真を撮ってもらっていて。その方は元々金融業界で会社員をやっていたんですけど、カメラが好きで辞めたんです。そういうちぐはぐな状態で組んでいるので、最初の頃は無駄がすごく多かったんですけど、間違えた時に偶然いいものが生まれることもたまにあって。その発見が楽しかったりします。最近はトライ&エラーの甲斐あってだいぶ狙って作れるようになりましたけど、まだまだ試行錯誤。ただ、マキエさんの2000枚まで撮っていないので勉強になります。
マキエマキ:それは何をやってもそうですよ。2000枚撮ったからといって満足するわけじゃないし、エラーを繰り返すことで得るものがすごくいっぱいあると思うから、たくさん失敗した方がいいと思います。
──マキエさんは以前、インタビューで「カメラは別に好きじゃない」とおしゃっていましたが、どういう心境からの言葉なんでしょう。
マキエマキ:もともとカメラが好きで写真を始めたんで、写真を撮ること自体にあまり興味がないんです。首からカメラをぶらさげて、景色を見ない、カメラのファインダーしか見ていない人って気持ち悪いです。
サエ子:めっちゃわかります。観光に行って写真をずっと撮ってる人とか、ライヴに行ってずっと写真を撮ってる人とか、私も嫌いなんですよ。もちろんお客さんが撮ってくれるのは嬉しいので、ライヴでは撮影を呼びかけるコーナーを作ってます。「撮るなら今! 目線送るよ!」って。ライヴはライヴに集中してほしいので。「今、生で見ないと!心のシャッター押せよ」みたいな気持ち。
マキエマキ:そうなんですよ。あんたがやっていることは、ライヴを見ているんじゃなくて、ただ写真を撮ってるだけだよ!って突っ込みたくなりますよね。感じた方がいいのはその場の空気、景色であって、なんでファインダーばかり見てるの? って。
私はゲテモノ専門店で料理を出しているつもりなのに食べるからビックリする(マキエ)
──サエ子さんはマキエさんが撮られた作品物に対してどう思われていますか?
サエ子:キャッチコピーが大好きなんです。私もこういうことをしたかったんだよなと思って。学生時代にピンク映画をやっている京都の小劇場があって、そこで手書きのキャッチコピーを見るのがすごく好きだったんですよね。
マキエマキ:私も大好きです(笑)。日活ロマンポルノじゃないんです。もっと低予算で作られていたような、女の子がみんな幸薄げな感じのものがツボなんですよね。
サエ子:そうそう! 今のAVみたいにみんな元気な感じじゃないんですよ(笑)。
──エロスはエロスでも、ちょっと文学的といいますか。
サエ子:私、人生で一度もセクシーだとか言われたことがなかったのに、写真を撮って曲を出したら初めて「エロい」って言われて、びっくりしたんです。「めがねめがね」って曲は、コンタクトを取って眼鏡をつけると気持ちいいという部分にドラマを感じて曲を書いたんですけど、「エロい」って言われて。そんなふうに見られるんだ、思ってもいなかったなと思ったんです。聴いた人からは、やたらと性的な感想を言われて、今はそのギャップに時々がっかりしながらも、おもしろがっています。でも、自分の作品に関してセクシーさは狙ってないですね。セクシーなものは好きですし、地方のポルノ映画にあるキャッチコピーもデザインもすごく好きなんですけど、ずっとセクシーから遠いキャラクターだったので自分の作品にエロスはハマらないだろうなって思って作っています。
マキエマキ:「女、深夜の麺屋にて」のMVからは、河原に落ちてるエロ本の匂いがしましたよ(笑)。
サエ子:そうなんですよ(笑)。そんなつもりなかったんですけど、みんなから言われます。
マキエマキ:何回か聴くうちに、「これ、都はるみの「北の宿から」じゃん!」と思って。昭和の報われない女のドロドロを内包してらっしゃるんですよね。
サエ子:好きだから出ちゃうんでしょうね。私は違うと思いながら、あまりに好きすぎて出ちゃうのかな? 秘めて我慢しているみたいなのが好きなんですよね。
マキエマキ:そういうのは、やっぱり漏れちゃうんですよ。
──マキエさんは男性嫌悪があるとおっしゃっていましたが、そうした気持ちを持ちつつ、どうしてエロスを表現されているのでしょう。
マキエマキ:性的に嫌な思いをした女性って、逆に性的におかしな方向へ行く人が多いみたいなんです。レイプされたことを大したことじゃないことだと思いたくて、あえて風俗の仕事をしたり、不特定多数の男性と常に関係を持ち続けたり。私も性的なことでトラウマがあるので、そんなの大したことじゃないよと思いたくて、逆に向かっていっちゃった面があると思うんです。若くもないし、美しくもない50過ぎのババアが脱いでても、「ババアが脱ぎやがって気持ち悪いぞ」って言う人の方が圧倒的多数なわけですよね。オカズだったら若い女の子の方がいい人のほうが一般的ですから、そういう常識に対しておばはんになった今だからこそやれると思ったんです。
──歳を重ねて性を消費されないと思ったからこそ、エロスを表現できるようになったと。
マキエマキ:消費できるものならしてみろと思ってたんですけど、実際のところ、されているからびっくりしているんですよね(笑)。
サエ子:それ、めっちゃ思います! 歳を取れば取るほど消費できるもんならしてみろって気持ちになるんですけど、するやつがいるからびっくりしますよね(笑)。
マキエマキ:こんなもん食えねえだろ!と思って出しているのに、食いやがったこいつら! みたいな。私はゲテモノ専門店で料理を出しているつもりなのに(笑)。
シュールなところが感動ポイントだと思ってやっている(サエ子)
──サエ子さんの作品物からはシュールさを感じるんですけど、作品作りにおいて、どのようなことを意識されているんでしょう。
サエ子:シュールでおかしいことって一周回ると悲しくなって、めっちゃおかしくなると思っていて。その現象がすごく好きなんですね。伊丹監督の映画『お葬式』も、悲しい場なのに不倫を始めちゃったり、ゴタゴタがあって可笑しい。だけど、どこか物哀しいのが好きで。私はシュールなところが感動ポイントだと思ってやっています。自分の曲で、おじいちゃんが深夜にコンビニに行って震える手でパスタを買おうとしていたんだけど、気が変わっておでんにしたという曲があるんですよ。イートインコーナーでおでんを食べようと思ったら熱くてこぼしちゃったよって内容なんですけど、なんでおでんにしちゃったのかな、なんでこぼしちゃったかなって部分で、面白いんだけど、すごく悲しいみたいな。そういう物語が好きですね。そういうシュールさって、男女のいざこざにもたくさん潜んでいたりしますし。
──サエ子さんは、大学時代映像を学んでらっしゃったわけですが、アウトプットが音楽なのはなぜなんでしょう?
サエ子:単純に歌がすごく好きなんです。もともと父親がアマチュア劇団を主宰していたので、子どもの時に私も舞台で美空ひばりを歌ったりしていて。映像はやりたかったので勉強していたし、いまもMVを自分で作ったりもしていて。好きなので両方やりたいんです。ただ、自分の気持ちを歌に乗せて歌い上げる系はあまり好きじゃない。やってる人はかっこいいけど、自分は恥ずかしがり屋なので。物語があって、脚本があって、その中の主人公として曲を作るとか、それを映像にすることが好きですね。
──お2人ともDIYで活動をしているというのは共通点かなと思うんですけど、DIYであることに関してはどのように考えてらっしゃいますか?
マキエマキ:私は、自分の好きなことは自分1人でやりたいんですよね。
サエ子:うちは夫がギタリストなので、楽曲制作を手伝ってもらったり技術的なところで頼っている部分はあるんです。でも意思決定者が自分以外になったら、人から頼まれてやっているわけじゃないのになんで他人の言う通りにしなきゃいけないんだろうって思っちゃうかなって。
マキエマキ:仕事じゃないんだから好きにやらせてよ!って感じですよね。
──せっかくの機会なので、サエ子さんからマキエさんに聞いてみたいことはありますか?
サエ子:マキエさんの写真撮影のプロセスとして、ロケハンしていい場所をみつけてから画が思いつくのか、設定から思いつくのか。何をきっかけにやられているんでしょう?
マキエマキ:その時々なんですけど、ポスターシリーズだと設定を考えて、そこからロケ場所を探すことが多いです。逆に、場所を見てここで撮りたいと思ったら、それに合わせてストーリーを考えて、衣装を合わせるようなやり方もします。
サエ子:場所、光、服装に関してもしっかり決めて撮られているから下準備とか最初の構想がしっかりしているんだろうなと思って。私は割と適当な人間なので、行きあたりばったりでやってみて微調整することが多いんですけど、マキエさんもケースバイケースなんですね。
マキエマキ:でも割としっかり構築してから行くタイプですね。自分の撮影の仕方しか知らないんですけど、行きあたりばったりは絶対にやらないようにしてます。
サエ子:「女、深夜の麺屋にて」のMV制作で初めてスタッフをいっぱい入れたんですよ。その時に初めて企画書を書いて構成を練ってやったんですけど、「もしかしたら世の中の人たちはこれを当たり前にやっているのかもしれない」ってことに気づいて(笑)。もちろん、普段の仕事だったらやるんですけど。
マキエマキ:仕事でも作品でも結局やることは根本的には同じですからね(笑)。だから人に頼むときはそれなりに企画書を書きます。
サエ子:その当たり前のことを、今までノリでやってきてしまって。今規模が大きくなってきて、これじゃもうできないってところに立っていますね。
マキエマキ:規模が大きくなるまではノリでなんとかなっちゃう部分もありますからね。
──お2人の作品を見た人だったり、世の中に対して期待することはありますか?
サエ子:私は自分のためにやっているので、結果、誰かが楽しく聴いてくれているのは嬉しいです。でも、大前提として自分が楽しいのが一番だなと思ってこれからも作っていきます。
マキエマキ:私も、誰かのためとか、何かのためとか考えたことはないです。サエ子さんみたいに、結果として「元気をもらった」と言ってくれる方が増えてくれたら、やりがいはあるなと思っています。
マキエマキ
1966年大阪生まれ。1993年よりフリーランスの商業カメラマンとして雑誌、広告などでの活動を始める。
2016年より「昭和のエロ」をテーマに、旧遊郭、温泉、ラブホテルなど、さまざまなロケーションやシチュエーションを模索しながら「和製B級シンディーシャーマン」を自称し、セルフポートレート作品を発表し続けている。
著書
『マキエマキ』集英社インターナショナル
『くらべるエロ』玄光社
『似非』産学社
■イベント情報
マキエマキ写真展「マキエの叙景」
2022年11月8日(火)から13日(日)
11:00 – 19:00 まで(最終日は17:00 CLOSE)
場所:渋谷ギャラリールデコ
入場料500円(限定グッズプレゼント付き)
11月11日(金)18:00 CLOSE
19:00から山下裕二とのトークショー
近視のサエ子
「熟せば、ややこしくなるものなのよ女って」をキャッチコピーにオンラインで活動する日本のアーティスト。
2017年、夢を追いかける彼氏が結婚してくれない焦りを “めがね” の連呼で表現した代表曲『めがねめがね』を発表し活動開始。2022年は深夜の麺屋で号泣しながら麺を啜る女を描いた『女、深夜の麺屋にて』(ポセイドン・石川とコラボ)、「コンテンツには課金してほしい」という切実な気持ちを込めた『あなたが課金しないなら』(AATAとコラボ)などを続々発表。lute selection への選出や、「New Music Wednesday」「シティポップの今」「キラキラポップ:ジャパン」などへもキュレーションされる。
J-WAVE 平日夕方生放送ワイド番組 “GRAND MARQUEE” で火曜日レギュラー出演中。