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StoryWriter

新年早々、事件が起きた。

お正月。ネットで予約していた宿が、まさかの素泊まりだったのである(キャハ)。

それに気づいたのは、踊り子号に飛び乗り、贅沢にもお昼から缶ビールをぷしゅっと開けた直後。

「今日の夜ご飯はなにかな〜」

と、ニヤニヤしながら予約した情報を見ると

「素泊まり」の文字。

「ほえ!?」変な声が出た。

思い返してみると、年末に調べた時にはどこも満室。ひとつだけ空いてる部屋を発見し、予約ができたことにテンションが上がり、ご飯のことを確認するのをすっかり忘れていたのだ。

宿に電話しても「変更不可能」ということで、不安がつのる。

なんといっても1月1日。飲食店がやってる可能性は低い。

大晦日はおせち(フライング)を食べ、紅白が終わったら年越しそばをすすり、初日の出を見たらお餅いりのお雑煮とおしるこ頬張ったときのお腹いっぱい幸せいっぱいの気持ちはどこへやら。急にお腹が空いてきた。

目的の駅に到着し、送迎のバスに乗って事情を説明すると「近くにスーパーがあって、そこのお刺身も美味しいですよ!」と元気いっぱいな運転手さん。

よし、どこもやっていなかったら、スーパーでお刺身を買おう! それもなんだか楽しそうじゃないか!

気持ちを切り替えたその時、海鮮で有名な地元のご飯屋さんが営業している情報を聞きつけた。

電話をかけると予約はできないとのことで、5時のオープンと同時にお店に入る(必死)。

何も食べられないと思っていたところに、少し甘めの味付けの煮付けをはじめ、しゃぶしゃぶ、お刺身と贅沢なキンメづくし。涙が出そうになった。

そして翌朝。素泊まりなので、もちろん宿で朝ごはんは出ない。

噂によると徒歩20分の漁港で、朝市が開かれているらしく、たくさん着込んで向かうことに。

すると、入り口でおしるこを配っているという大サービス。

「今日はつぶあん。明日はこしあんだよー」とニコニコのおじちゃん。いやん。来たばかりなのに明日も来たくなっちゃう。

海産物の直売以外にもパン、おまんじゅう、煮込み、カレーうどんなど、いろいろあってワクワクしてきた。

まずは、地元の漁師さんにも大人気という釜飯(700円)を注文。

「固形燃料の火が消えてから食べてね」とのことだったので、その間は無料でついてくるというお味噌を飲んで待つことに。しかもおかわり自由。ここは天国なのか?

思いの外、火が消えるまで時間がかかったが「待ち切れないよー」というおじちゃんの声に癒されつつ「同じ気持ちです」と心の中で呟いた瞬間、火が消えた。

蓋を開けると、立ち上がる湯気。

しゃもじでキンメの身をほぐして、いただく。

「ん〜!」

これが絶品。

そして、釜飯を買った時にお釣りで貰った300円で、ちゃっかりアジのひらきを注文していた。

大胆に炭火で焼かれたアジ。身はふっくら、少し焦げたところはお煎餅みたいに。普段家で食べるものと全く違うものになっていて、焼き方でこんなにも味が変わるのかと深くうなずく。

おかわり自由のお味噌汁をしっかりおかわりし、帰りにおしるこを飲もうと思ったら、大人気で品切れしたのだろう。おじちゃんたちは嵐のように去っていった。

翌朝、すっかり朝市の魅力にハマり、また足を運ぶ。

昨日の反省を生かし、まっさきにおしるこを頂くことに(この日はこしあん)。

そして懲りずに釜飯を頼み、火が消えるまでお味噌汁を飲んで待っていたら「これ入れたら美味しいよ〜」と磯海苔をみんなに配る優しいおばちゃんが。

おすすめされるがままにお味噌汁にいれると、磯の香りがふわっと広がり、味に深みが増す。

デザートには、搾りたてのみかんジュースを青空の下でぐびぐびっと。

他にもいろんな人や味の出会いがあったが、この朝市は普段味わえない、私の中で格別な時間だった。

素泊まりだったからこそできた経験に、大感謝。

ただ、温泉上がりで浴衣を着たまま宿で食べるのもやっぱりいいよなぁと思ったことは、ここだけの話にしておこう。

岡田ロビン翔子(おかだ・ろびん・しょうこ)

1993年生まれ。2006年から2018年8月2日の解散まで、チャオ ベッラ チンクエッティ(THEポッシボーから改名)のリーダーとして活動。 頭の回転の良さからくるトーク力には定評があった。解散後はラジオDJを中心に、MC、モデル、自身のアコースティックライブ「ロン喫茶」など、マルチに活動中。 様々なジャンルに興味を持ち、多方面にアンテナを張りめぐらせ、スキルアップのために努力を欠かさない向上心の持ち主。

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