ひょんなことから、ニューヨークとボストンに行ってきた。
この旅が決まったのは、数カ月前。
「恵子ちゃんの舞台を見に、ニューヨーク行かない?」
の一言がキッカケ。
誘ってくださったのは、羽佐間道夫さん(90歳)。いつ会っても品があり、とにかく話題が豊富。そのお肌のツヤを見ると驚いて言葉が出ない。
三谷幸喜さん作・演出、戸田恵子さんの一人舞台をニューヨークで観て、そのあとは電車に揺られて一緒にボストンに行くのはどう?と。
羽佐間さんご夫妻は今まで35カ国以上旅をしていて、お家に遊びに行ったときや国内旅行したときは、いつもお腹がよじれるくらい楽しいお話をしてくださる大好きなお二人。
夏のニューヨークは初めてだし、ボストン出身と言いながら1歳からはロサンゼルス、7歳からはずっと日本。心も胃袋も日本に染まってる私のルーツを知れたら、と慌てて飛行機のチケットを予約した。
行きたい場所はもちろん、何を食べるかも楽しみのひとつ。旅先での偶然の出会いを楽しめる余白を残しつつ、いくつかお店を予約。あとは体調や気分で決めることに。
そして、無事ニューヨーク到着。
ホテルのチェックインまで少し時間があったので、日本で言う東京駅に似てるらしい、グランドセントラル駅でお茶することに。
カフェから見えるガラスのアーチと、様々なファッションを纏った人たちが行き交う姿を見ながら、注文したときに想像した三倍の量のポテトと生ハムがテーブルに運ばれ、今さらながらここはアメリカだと実感する。
夜はニューヨークに住む素敵な日本人女性との出会いがあり、おすすめのレストランへ。プロフェッショナルなお店の方の動きや繊細な味に感動し、外に出ると、ものすごい人の数。どうやら公園で映画上映が行なわれている模様。
風になびかれて、みんな気持ちよさそうだった。
そのまま夜のタイムズスクエアへ。とにかくカラフルで賑やか。素敵なバーやたくさんの屋台に目移りしつつ、ほどほどにホテルへ。
翌日、何も予定を組んでいなかったが、ウィリアムズバーグに行こうと、ふと思い出した。
ここを知ったのは、約1カ月前。
散歩中にたまたま聞いてたラジオでゲストさんが
「最近ニューヨークに行って、ウィリアムズバーグというエリアが歩くだけでとっても素敵だった」
という話をしていたのだ。
昼過ぎに出かけ、現地についたのは15時ごろ。気になるオイスターバーをネットで調べると、予約は受け付けていなかった。
しかし、諦めきれなかった私、雰囲気だけでも見に行こうとお店の前まで近づくと、まるで映画に出てきそうな可愛らしい店員さんと目が合う。
「予約してないんですけど……」
「あら! 全然大丈夫! 入って入ってー!」
と案内してくれた。お昼ご飯なのか夜ご飯なのかわからない時間帯にやってるお店のありがたいこと(涙)。
店内にはキャンドルの温かい光が広がっていて、落ち着いた雰囲気。テラス席もあったが外は少し暑かったので店内で過ごすことに。
呪文のように見える英語のメニューをガン見しながら、どのお店も量が多いので「とにかく少食なんです!」という謎のアピールをし、その店で一番量が少ないものと店員さんのおすすめを聞き、いざ注文。
何を食べても美味しく、何時間でもいたい居心地の良さ。大好きなお店になった。
そして、楽しみにしていた、カーネギーホールへ。
戸田恵子さん、喋って歌って踊って喋って喋って、はけたとおもったら、一瞬で着替えて登場。とにかくプロフェッショナル。声を出して笑って、最後には号泣してしまった。
舞台おわり、日本から観に来た皆さんと、夜の街を通り抜け和食屋さんへ。楽しいお話と、美味しい日本食、久々に飲む熱いお茶に感動した夜だった。
そしてニューヨーク最終日は、この連載第一弾にも書くほど楽しみにしていた「ティファニーで朝食を」を実践。ザ・ブルー・ボックス・カフェで朝食をいただく。
1カ月前から予約がスタートし、世界中から沢山の人が集まるのが分かる魅力的なあの空間は忘れられない。
そして、もうひとつ楽しみにしていたブロードウェイ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観劇。
その迫力に大興奮で帰宅し、ホテルにあるレストランで少しつまみながら一杯だけ飲めたら、と思っていたら、まさかの営業終了。
明日もあるし、今日はもう寝るかと思ったが、興奮冷めやらず。そして小腹が空いたので走ってコンビニに向かうことに。
そこにあったとんでもなく大きいビール(しかなかった)、シーザーサラダ(ソース別添え)、ゆで卵(栄養欲しい)、クラッカーにハムとチーズ乗せて食べるもの(間違いない)を買ってみんなでお部屋で食べた。青春。
これがなんとも美味しく、思い出の味に。
深夜のコンビニに大感謝。
そして、珍道中はボストンへと続く。
岡田ロビン翔子(おかだ・ろびん・しょうこ)
1993年生まれ。2006年から2018年8月2日の解散まで、チャオ ベッラ チンクエッティ(THEポッシボーから改名)のリーダーとして活動。 頭の回転の良さからくるトーク力には定評があった。解散後はラジオDJを中心に、MC、モデル、自身のアコースティックライブ「ロン喫茶」など、マルチに活動中。 様々なジャンルに興味を持ち、多方面にアンテナを張りめぐらせ、スキルアップのために努力を欠かさない向上心の持ち主。
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