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【現地レポ】WACK合同オーディション2026 7日目①ー合格者ゼロ、第1章WACKの合宿人生これにて終了「また会えるのを楽しみにしてます」

StoryWriter

取材&文:西澤裕郎
写真:外林健太

GANG PARADE、ASP、ExWHYZ、豆柴の大群などのマネジメントを行う株式会社WACKが、2025年3月22日(日)~3月28日(土)にかけて6泊7日わたり開催する合宿型合同オーディション「WACK合同オーディション2026」。

今回の合宿オーディションには、書類審査と2次オーディションを通過した21名に加え、ASPからナ前ナ以が参加する。

その様子は最終日までニコニコ生放送ですべて中継される。

StoryWriterでは合宿の様子を連日に渡り現地からレポートする。


「FiNAL DANCE」を巡る前夜の出来事

前日27日の夕方、候補生の4人は体育館で練習を続けていた。

夜の審査は2本立て。4人全員でBiSの「FiNAL DANCE」をパフォーマンスすること、そして1人1曲ずつ自分で選んだソロ曲を披露すること。19時半スタートに向けて、グループ練習とソロ練習を自分たちで配分しながら進める必要があった。

18時半頃、GANG PARADEのココ・パーティン・ココから候補生宛にビデオ通話が入った。「4人でやることの意味を考えて、4人でやれることに感謝して、後悔のないように全力を出すように」というエールだった。壱岐を去った後も、ココはこの合宿をずっと見ていた。

しかし、練習は思うように進んでいなかった。ソロ曲をそれぞれ新しく覚えなければならないという焦りからか、4人の意識がグループ練習に向きにくくなっていた。

本番30分前、それまで練習の様子を静かに見ていた渡辺が突然口を開いた。

「もう『FiNAL DANCE』はやらなくていいや。そんな状態のは観たくないから。大事な曲だから。個人の曲だけやってください」

19時半、ソロ審査が始まった。タテ・マエがGANG PARADE「FOUL」を、ゲンジツユアがBiS「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」を、RYUUSEiKOがCARRY LOOSE「にんげん」を、HANANOANAがBiSH「BiSH-星が瞬く夜に-」を披露した。

4人がパフォーマンスを終えると、渡辺はしばらく沈黙した後こう言った。

「感想がないです。やる気なくなっちゃった。なんもないんだよな、マジで」

渡辺はWACKスタッフの辻山に「もう一回見たい候補生はいるか?」と尋ねると、ゲンジツユアとHANANOANAの名前を挙げ、渡辺は「申し訳ないですけど、タテ・マエとRYUUSEiKOは脱落となります」と告げた。

帰りのバス車内はほぼ無言だった。夕食後、気持ちが整理できないまま4人は渡辺に話しかけようとしたが、合宿所のどこを探しても会えなかった。ある部屋のドアをノックすると、映画監督の岩淵弘樹が「渡辺さん、いないです」とだけ答えてドアを閉めた。渡辺は実はその部屋に隠れていた。

22時過ぎのニコ生放送の「JJタイム」に渡辺の姿を見つけた4人は、その部屋に向かい、「『FiNAL DANCE』をやらせてください」と伝えた。候補生たちは、自分たちの何が悪かったのかと問いかけるが、「理由がわからないなら、何も話すことがないよ」と渡辺に返され、再び4人で考えて渡辺の元を訪れるやりとりを経て、翌朝4人でパフォーマンスさせてもらえることとなった。

翌28日、朝4時50分。4人は練習を始めた。

WACK合同オーディション2026 最終審査

朝食を終えた後、4人での通し練習。そして10時になり、最終パフォーマンス審査として「FiNAL DANCE」が披露された。

脱落が決まっているタテ・マエとRYUUSEiKO、残留のゲンジツユアとHANANOANA。立場の違う4人が、WACK第1章最後の合宿の最後の朝に、「FiNAL DANCE」を歌い踊った。数時間しか眠れていないはずだ。それでも4人は、この1週間の最後のパフォーマンスをそれぞれ力いっぱい行った。

合格者発表の前に渡辺が口を開いた。

「最後に2分ずつくらい、この1週間の感想、改めてこの1週間を考えて出てきたあなたたちの言葉を、伝えたいこと、言いたいことをしゃべってもらいます。それをもって最終審査とさせてください」

10時45分、4人は最後のスピーチを行った。

ゲンジツユア「この合宿に来なければ、きっと自分の弱さと一度も向き合うことなく、ずっと逃げて生きていた、それが私の最大の反省です。同じ夢、同じ目標を持って一緒に行動できる仲間がいることは、決して当たり前ではない。まだ自分のすべてに自信を持てているわけではないけれど、今回はくよくよして泣いても気持ちを持ち直すことができた。それは確かな一歩だったと思っています」

タテ・マエ「一人では何もできない。パフォーマンスだってグループの方が心強くて、楽しくて。だからこそ、挨拶をすること、言われたことをやること、そういった当たり前のことは絶対にやらなければいけないと思ってやってきました。アーティストとして生きていく中で一度チャンスを失ったら、もうそれっきりかもしれない。だからこそ、考えに考えて、その時に自分がやるべきだと思ったことを後悔なくやりきらなければと思っています。私の目標は、その時伝えたいと思ったことをパフォーマンスで届けられる人になることです。苦しくて、でも幸せで。だから私は、WACKでこの目標のために走り続けたい」

RYUUSEiKO「3日目、自分に限界を決めて『できない』と言ってしまい、一度脱落しました。でも家に帰ってから、夢を持つきっかけになったBiSさんの『101回目のカーテンコール』をもう一度観て、お母さんの一声で『やらないと』という気持ちになり、もう一度挑戦させていただきました。再挑戦してからの自分の自信は、スタッフの皆さんの言葉と、隣で一緒に頑張っていた候補生のみんなの姿から生まれました」

HANANOANA「私は変わりたくて、この合宿に来ました。自分と向き合うことが苦しくて、今まで逃げてきて、そして途中でまた逃げました。それでもこのチャンスをいただいて、今自分はここにいます。まだまだ足りないことだらけです。でも、気持ちがあれば誰でも変われる。この合宿で学んだことを、これからは自分で考えながら実践していきたいです」

運命の合格者発表

そして、しばらくの塾講ののち、渡辺は「7日間、お疲れ様でした」という言葉のあと、合格者発表を行った。

「今回ですが……残念ながら合格者はいませんでした」

続けて渡辺が話したのは、候補生たちへの言葉であると同時に、自分自身についての話だった。

「みんなも知っての通り、今年でWACKの第1章と言われるほとんどのグループが解散します。みんなに言い続けてきた通り、具体的な目標を持っていなければ頑張れない。僕も同じです。そして、変わらなきゃいけない。この「変わらなきゃいけない」という言葉の中には、いろんな意味があって。なぜ変わらなきゃいけないのか。それってやっぱり、常に自分を疑い続けることなんですよね。僕の一番の敵は、本当に自分への甘えだと思っていて。「これぐらいでいいか」「こんなもんでいいかな」「これだったら納得してくれるかな」。どうしても僕もそう思って来ちゃってたんです。

正直な話をすると、BiSH解散の2年ぐらい前、今だから思い返せることでしかないんですけど、「このままでいいんだ」って思ってた部分があって。東京ドームっていうゴールがもう決まってたから、「ちゃんとやっていれば東京ドームぐらい埋まるんじゃないか」って。でも本当は、僕の人生はそこで終わるわけじゃないから、その先を考えなきゃいけなかった。何かをしなきゃいけなかった。でも、なんもなかったんです。そのツケが本当に今回ってきて、メンバーが一度終了せざるを得ないところまで来てしまいました。

自分もまだ今、疑っています。まだ俺にできること、何があるんだろう。自分がやらなきゃいけないことってどこにあるんだろう。それを探すための合宿でもありました。通常だったら合宿の1日目には、みんなでパフォーマンスの練習に入ったりするんですけど、今回は自分も同じ状態だったから、具体的な目標が持てていなかったから、最初の3日間、みんなと同じところにいた。それが自分の反省でもありました。だから何度でも言います。具体的な目標を考えてほしい。自分たちが頑張れる理由を考えてほしい。今はまだ、みんな見つかってないかもしれない。だから今回は合格者がいなかった。でも、きっといっぱい気づいた部分があったんじゃないかなって思っています。それは俺が気づいてほしいと思っていたことであって、みんな自身にはみんな自身なりのやらなきゃいけないこと、気づかなきゃいけないことがある。それは本当に自分にしかわからないから。

最後に一つだけ言いたいのは、本気でぶつかったら、本気で返してくれる人が必ずいるってこと。本気でいなければ、本気で返してくれる人は見つからない。僕はずっとその連続でした。一番最初に出会ったのは松隈ケンタという最高の作曲家で、彼の音楽をどうしても日本で広めたい、彼の存在を知ってほしいと思って、松隈さんに伝えました。その時の僕はバイトで、何の権限もない。でも「いつかレコード会社に入って、あなたがプロデュースして全部曲を作って、あなたの曲を広める仕事をするんで待っててください」って言った。

一応レコード会社には入りました。でも全然任せてもらえなくて、やっと最初に松隈ケンタにプロデュースしてもらえる仕事ができたのが、プー・ルイというソロシンガーのプロジェクトで、それはレコード会社に入ってから3年後のことでした。時間、めちゃくちゃかかるんですよね。あの時の僕が、みんなみたいに気づいて努力できていたら、今の半分ぐらいはできてたかもって思うんだけど。でも俺の目標は「松隈ケンタを売ること」だったから。すごく明確でしょ。そのために何をするかは、正直ちゃんと考えていたわけじゃなかった。だけど、その目標一つでここまで来ました。

だから改めて、みんなにも本当に明確な目標を、せっかく1週間一緒に向き合ってきたんだから、考えてほしいと思います。ここまで1週間やってきたわけだから、僕たちには何かしら縁があると思う。毎日の積み重ねと努力を続けていけるなら、きっとまたどんな形かで会えると思っています。また会えるのを楽しみにしています。

あと、はっきり言います。今の時代、狂ってると思う。無理しないやつに成功はないと俺は思っているので、存分に無理した方がいい。「無理しなくていい」「頑張らなくていい」「辛いなら逃げていい」、そういう人間が今の時代いっぱいいるから、むしろ君たちは勝ちやすいと思います。

改めて、また会えるのを楽しみにしています。ありがとうございました」

候補生たちが部屋を出た後、渡辺はニコ生に向けて最後の挨拶をした。

「ニコ生を見てくれた皆さん、1週間どれくらい見てくれたかはわからないけど、ありがとうございました。これにて、僕がずっと続けてきた合宿オーディションは最後になります。大きな学びがたくさんありました。いろんなことを言ってくる人もいたし、それはそれで全然いい。でも、何か皆さんの心に残る風景だったり、何かが残ってくれたらいいなと思っています。そして、もうね、こういう合宿をやるかどうかわかんない。でも別にやらないとも言わない。俺の答えを探して、改めて僕自身も努力をしていきたいと思ってます。とりあえずね、僕の第1章WACKの合宿人生はこれにて終了とさせていただきたいと思います。もうお前ら戻ってくるなよ。バイバイ」


■イベント情報

2026年3月22日(日)13:00~
【前半】全て見せます!WACKオーディション合宿2026完全密着6泊7日の死闘
https://live.nicovideo.jp/watch/lv350108688

2026年3月25日(水)12:00~
【後半】全て見せます!WACKオーディション合宿2026完全密着6泊7日の死闘
https://live.nicovideo.jp/watch/lv350108689

WACK 公式WEBサイト:https://www.wack.jp/

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