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【LIVE REPORT】BLUEGOATS、満員の代官山UNITで掴んだ夜明け―― グループ史上最大のZepp新宿へ

StoryWriter

取材&文:西澤裕郎
写真:すずき大すけ

4人組アイドルグループ・BLUEGOATSが2026年6月22日(月)、東京・代官山UNITにて東名阪ツアー<DAMN>ファイナル公演を行った。チケットSOLD OUTのもと、2度目となるバンド編成で臨み、大歓声の中で新衣装で挑んだ同ライブをレポートする。

2月の新宿Marbleに始まり、新栄シャングリラ、心斎橋BRONZEと駆け抜けてきた東名阪ツアー<DAMN>。クソみたいな状況を乗り越えた先に夜明けがある――光が差し込む直前に立つBLUEGOATSが、そのすべてをぶつける場所として選んだのが、ツアーファイナルの代官山UNITだった。

「今回はSOLD OUTさせたい」。公演前のインタビューで、ソンソナは普段あまり口にしないという言葉を絞り出していた。横浜アリーナ満員を掲げるグループにとって、ひとつずつ越えるべき関門。そして彼女たちは有言実行、UNITのチケットをSOLD OUTさせた。

開演時間になり、オープニングSEの銀杏BOYZ「BABY BABY」にあわせて観客たちの合唱が湧き起こる。黒い新衣装に身を包んだメンバー4人が、笑顔で颯爽とステージへ。肩を組んで顔を見合わせ、かいなが「始めようぜ!」と声を上げると、観客は一斉にステージ前へと詰め寄った。

揃った振り付けも、整然とした隊列もない。あるのは、4人がその瞬間に感じたままに動き、歌い、客席へ手を伸ばす剥き出しのステージだ。それでも――いや、だからこそ彼女たちは「青春パンクアイドル」を名乗る。全員がアイドルになりたくてここに集まり、アイドルだからこそ晒せる人間性があると信じている。その誇りが、今夜のひとつひとつの所作に宿っていた。

「GOOD LUCK!!」「青春時代」とフロアをひとつにまとめあげ、3曲目「英雄の歌」へ。観客が一斉にかがみ込み、カウントとともに全員がジャンプした瞬間、会場の温度が跳ね上がる。かいなは客席へ身を乗り出し、観客の手を握りながら歌う。「BLUEGOATSはモラルはあるけど、やらなきゃいけないこと、ルールは何もない。あなたの心のままに歌ってください。踊りたかったら踊ってください。今日は私たちがあなたを、味わったことのないところまで、この翼でどこまでも連れていくぞ」。

日々に追われて忘れがちな自由を、ライブハウスで思い出してほしい。彼女がインタビューで語っていた言葉通りに、ライブは「夢で逢えたら」へとなだれ込む。

MCでかいなは「バンドセットも2回目だから、今日は楽しませてもらいます」と宣言し、自己紹介へ。ソナが「今日も世界で1番可愛いBLUEGOATSの王道アイドル、ソナちゃんことソンソナです」と挨拶し、客席から「ソナちゃん!」の声が返る。かいなが、同じように可愛らしく自己紹介してコール&レスポンスをしようとしたところで、マリンが「お前はいいよ」と笑顔で遮り、ショートチューン「春はあけぼの」へ。MCでメリハリを作り、肩の力を抜いて楽しむ。このツアーで掴んだ手応えが、軽やかな空気に表れていた。

チャンチー

中盤、チャンチーがマイクを取る。「今日あなた1人1人と歌えることは、これからもずっと抱きしめていたい宝物です」。代官山UNITのSOLD OUTについて、「私はアイドル10年やってるくせに、ソールドアウトは2度目」と明かし、「もっと早く来れたはずなのに、もっと早く来るべきだったのにってすごく思ってしまう。後悔したことは数えきれないほどある。それでも現実はそんな簡単に変わってくれない」。アカペラで「あたしの人生クソすぎる」を歌い出す。「でも私もうここしかないから、このBLUEGOATSに人生をかけてる」。演奏が立ち上がり、そのまま曲へ。

1か月前、彼女は一度リタイアした過去を払拭するために、自ら志願してフルマラソン42.195kmを走り切った。歌が苦手で、ステージでどう在るべきかを考えすぎてしまうと吐露していた彼女が、この日は目の前の一人ひとりに歌詞を届けるように前へ出る。走り抜けた末に掴んだ自信が、声になって表れていた。

続く「ガムシャラ」まで、感情がそのまま音になっていく。観客の手拍子が起こるなか、「誰もあなたを笑わない」へ。一生懸命に何かを伝えようとする人への応援歌として書かれたこの曲が、ドラマティックなバンドアレンジでフロアに迫る。

ソンソナ

「私が一番カワイイアイドル」を歌い終えると、ソナが「皆さん、誰が1番可愛いアイドルでしたか?」と問いかけ、再び「ソナちゃん!」の声が響き渡る。ソナはこの日に向けたインタビュー動画で、何年かぶりに「ソールドアウトしたい」と口にしたことに触れた。応援してくれる人に必要のない頑張りをさせてしまうのではと、なかなか言えずにいたという。

「人や生き物が亡くなった時、一番最初に忘れてしまうのが声らしい。それを聞いてから、人と喧嘩することが少し怖くなった。これが最後の言葉になっちゃったらどうしようって」。それでも、と彼女は言う。「今回のことで、言霊ってあるなって感じた。叶えたいことはちゃんと口にしようって改めて思った。今日ここに来てくれたあなたが抱えた感情を、絶対に忘れないでほしい。これが私が今日叶えたいことです」。SOLD OUTさせたいと口にした言葉が、この夜ひとつ現実になった。王道アイドルを貫くと決めた彼女の覚悟を受け取るように、「Remember you」が響いた。

ダイナマイト・マリン

事前のインタビューで、マリンは「ロック系アイドル史上最もいいライブをします」と宣言していた。そんな彼女が、楽器隊を背負ったステージで一段と熱を帯びる。

「私は今日あなたに来てもらうために、散々でかい口を叩いてここまで来たし、敵を作ってしまうようなことも言った。私がなりたいアイドル、BLUEGOATSがなりたいアイドルは、世間とのギャップが思ってる何倍も大きいのかもしれない」。

柵に登るパフォーマンスに懐疑的な声があがることもあった。それでも、嫌われてもいいくらいの気持ちで自由に表現する。そう語っていた通り、客席をまっすぐ見据えて言い切った。

「私は100人に嫌われても、目の前のあなた1人を救える、そんな人生を生きてみたい」。その宣言を体現するように、「これが人生だ」を4人は感情いっぱいに歌った。

ほんま・かいな

終盤、4人のユニゾンで歌う「友よ」を前に、かいなが2、3年前の話を始めた。「BLUEGOATSがワンマンやりますって言ってやった時、お客さんが9人だった時があって。それが今こうやって、こんなにたくさんの人が集まってくれるようになった。ほんとに嬉しいです」。そしてワンコーラスを歌い終えてから、発表が告げられる。

「BLUEGOATS、10月5日Zepp Shinjukuワンマンやります。これからもどうかBLUEGOATSをよろしくお願いします」。

9人だったあの日から地続きの、満員の代官山UNITワンマン。グループ史上最大のステージへの一歩が、観客と共有された。

ライブは佳境へ。「YOLO」ではピアノの音色に4声が重なり、静寂と昂揚が同居する。本編最後は「解散」「TOMORROW」の2曲。本媒体のインタビューで、チケット代3000円を人生で最も価値の高い3000円にすると言い切り、アンチにこそ来てほしいと挑発してみせたかいな。その大言を、SOLD OUTした代官山UNITで22曲を鳴らし切ることで回収してみせた。

スマートにこなすことだけが正解ではない。目の前の一夜に、目の前の一人に、持てるすべてを注ぎ込む。その全力さこそが、どうしようもなく人の心を動かす。互いに「無理しないで」とは言わず、横アリへ辿り着くまで友達にはならないと誓った4人。剥き出しのまま全力で在り続けるその美しさが、この夜、結実した。Zepp Shinjukuへと向かう確かな光が、そこには差していた。


■ライブ情報

<BLUEGOATS ONEMAN LIVE “DAWN” -BAND SET->
2026年10月5日(月)東京・Zepp Shinjuku (Tokyo)
OPEN/START 18:00/19:00
チケット 超VIP30,000円/VIP20,000円/一般A席3,000円/一般B席1,000円/各+1D
チケットURL https://t-dv.com/bluegoats_dawn

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