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StoryWriter

うぃっす、こんちゃっす。ウェ~イ。

これを書いている数時間前に就活の面接がありました。

グループ面接だったんですけど、明朗快活・イケメン・高身長・経験豊富(個人で輸入商やってたり)が揃ったバケモノと同じグループだったんです。しかもその人が1番最初にしゃべっていたもんで、2番手の僕は完全に気後れしてしまいました。「早く帰りて~」って思いながら、相手の琴線に触れてるんだか触れてないんだかよく分からないことをつらつらと喋ってて… グループ面接ってその場で他人と比較されちゃうのが嫌ですよね、まあ全部自分が弱いのが悪いのでありますが、それにしても惨めな気持ちになっちゃうんですよね。

中高の頃は割と他人と競うということが好きで、部活のレギュラーを争ったり定期テストの順位が出るのが楽しかったんですが… 大学入ってからはどうにもそういうのが苦手です。

マイペースに自分が望むことだけに生きたいのに、結局何かにつけて周りを気にして勝手に負けた気になりがちです。負け犬ゥ!

さて今回お話したいのはですね、また流行に則らない話にはなってしまうのですが、かの名作「めぞん一刻」です。

連載期間1980~1987年って… ホントに僕が精子にも刻まれていないような時期の作品です。この作品って最初は主人公の五代君が新潟から上京してきて一刻館というアパートで浪人生活をしているところから始まるんですけど、丁度僕がこの作品に出会ったのも浪人中だったんですよ。志望大学には落ちそのまま高校卒業、同時に初めて且つ長く付き合ってた彼女にもフラれ… 荒んだ日々にどっぷり沈み込んでいて、予備校行くって言って朝家を出て古本屋で立ち読みしたりゲーセンばっかり行ってましたね、予備校行ってもそんなもん高校で習ったわ! 知っとるわ! ってふて寝してるような毎日でした。

ホントに知ってんなら何でお前は予備校で浪人してんだ!! ガハハ!!!

そんなバカ丸出しで怠惰な日々の中で、たまたま地元のブック〇フで手に取ったのが今回の『めぞん一刻』でした。序盤は、同じ浪人生なのにこんなに楽しくて暖かい生活あるのか? って思いながら読んでたんですが、メインストーリーは大学に合格した後の恋愛が主軸の作品です。

東京の良い大学に行ったら年上の包容力に長けた2個上くらいのお姉さんと付き合ったろ! って思い馳せながらめぞん一刻を読んでワクワク、参考書読んでアセアセ…。

五代君は年上で爽やかイケメンの三鷹さんと、音無さんを巡って張り合っては勝手に負けた気になって落ち込んで、その度に音無さんに心配かけてばかりです。正直こんな男はダメダメですしモテっこないですよ。でも、こういうダメなところ、自分より優れている人と比べて勝手に必要以上に落ち込んでイライラしちゃうけど、結局周りの人に叱咤されて自分で頑張るしかないことに気付かされてとりあえずもがくところって自分に似ているなあ、と。同じくダメ人間なんです。

浪人して大学生活をエンジョイ、恋してみたり友達とくだらない遊びしてみたりと、僕は五代君と同じ性格で人生ルートを歩んでいるように思ってます。五代君は恋愛のみならず一刻館の住人たちと人情に溢れた日々を楽しんでいますが、そこも僕の大学生活と似ているなと思います。

そして何より、最近改めてめぞん一刻を読み直したのですが、五代君、やりたい仕事のために就活浪人している点まで僕の現状にそっくりなんです。五代君、アナタ何者?? これまでも読み直すたびに自分の現状と同じ状況に五代君もいて、その度に逃げたり頑張ってみたり助けてもらったりする五代君に凄く入り込んで読んでしまいます。これぞバイブル。もう30年も前に高橋留美子先生は僕の大学生活を描いていたんですか?? それとも、僕が古臭い人間だから、作品の舞台の時代も相まってシンパシーを強く感じやすいだけですかね?? 恐らく圧倒的に後者です。後はしっかり恋でもできたらもうちょっと五代君に近づけるんですかね、ガッハッハ。

今日はこんなところで。

五代君も結局やりたい仕事に就けたし恋も成就するので、僕ももうちょっと就活頑張ったらそれらが手に入りますかね… 頼むぜ高橋留美子先生。

ではまた来週~。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。
エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。
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