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StoryWriter

皆さんこんにちは。

今年も残すところ残り半月弱。卒業論文がやべえやべえ。

本当に天才、というか効率の良い人は何かを上手くやる術を身に付けているというのもあるけど、何よりも飽きずに継続して物事を行うのが上手いという話を何処かで聞きました。

なるほど、何もできない僕は色々な物事に追われてアレもコレもやらないといけない状況に追われて、ある程度やってみて飽きたり行き詰まったら息抜きも兼ねて他の物をやってみる、というスタンスで物事に取り組んできました。受験生の時とかよくありますよね、数学に飽きたら英語やってみる、英語に飽きたら理系科目やってみるみたいなやつ。

これは使う脳みその部分の問題で色んな脳の使い方をした方が休まずに色んなことができるという理論らしいのですが、世の中の全てが受験勉強じゃないんだし、もっと複合的な頭の使い方をしないといけないことがほとんどでありまして、このままじゃ何も効率的にこなせないなあと最近思っております。

このままじゃダメ、何やらしたって何もできないままじゃ良くないと思って焦っています。一体僕は何ができる人間、いや何ができるようになりたい人間なんだろう。器用貧乏みたいなのは、ホントダメだなあ自分。

さて、今回お話したいのはかの有名で流行ったドラマ「モテキ」

漫画原作からドラマ化、映画版まで製作された人気作品です。2008年に漫画の連載が講談社のイブニングで始まり、2010年の連載終了後に同年ドラマ化、翌年2011年には映画化というすごいスピード感で進んだ作品です。僕はブーム時にはあまり知らなくて、大学生活で彼女にフラれたりやりたい事もないボケーっとしていた時期にたまたまネットで見かけてちゃんと作品を見てみました。

 

作品を見始めた時はどうしても拗らせたほぼ童貞が突然のモテ期到来にあたふたする作品なんだと思って見ていました。まして僕も彼女と別れたばかり、俺にも早くモテ期来ねえかななんて、それこそ主人公のユキオくんくらいぼんやりと「何か上手いこといけよクソ!!」と思って観てたんです。

ところがどんどん話が進んでいくにつれて、この作品ってただの女の子でどうこうなるだけの作品なんじゃないかなと思い始めました。

僕が思ったのは「何でもかんでもウジウジして、いざチャンスがあっても何一つ成果を得られないダメ状態の人間の思考を描いているんじゃないかな?」と思い始めました。せっかくチャンスがあっても勝手に自分の中で色々深読みし始めて、結局自分本位の思考でどうやったら上手くいくかっていう冷静な思考も無く失敗、自分のせいで失敗しただけなのにウジウジして自己嫌悪で誰も助けてくれないだのとウダウダ言うタイプの人間。他人の目から見るとこんなにダサい、みっともない人間に映っているんだというのを分かりやすく童貞(ほぼ)という分かりやすいモデルに投影しているんじゃないかと思いました。

そして、それが僕という人間にもピッタリ当てはまっていると。この作品を見てから、他人から見られても恥ずかしくないような自分にならないといけないな、ダサいままじゃダメだと気づき始めたので今でも大事な作品だと思っております。

そんなこんなでこの作品を観て一人でフムフムと納得してみる、今考えるとこれ自体も端から見ると十分にダサいんですが…… でももう一点、この作品の終盤で心に残った言葉がありました。主人公ユキオ君を取り巻く女性の中の一人、童貞の敵みたいな意地悪な女の子「小宮山夏樹」の言葉。

自分の思ってもいない方向に 進む人生が好きなの

お酒に弱く、酔っ払っては物事がどうでもよくなり色んな人と寝たり誘惑したり…… という悪女キャラでユキオ君とも一件あったこの子、実は心に闇を抱えていてユキオ君に助けを求めていたのにユキオ君はそれが汲み取れずすれ違ってしまっていました。他の男性と同じくユキオ君も主観的な見方で夏樹ちゃんを傷つけてしまい、結局理解されないなら諦めて何一つ思い通りにいかない、だったらそのまま流れに任せて生きた方がいいんじゃないかなという考え方に至った夏樹ちゃんのこの言葉。

ユキオ君と同じく、夏樹さんも傷ついて落ち込んでは自分の世界に引き篭もっているだけかもしれないけど。

でもユキオ君はこの夏樹ちゃんの気持ちが詰まって詰まって溢れ出た言葉を初めて聞いて、自分の自己中で被害者意識全開の考え方が如何に他人に傷つけていたのか、如何に惨めなのかを悟ることができたと思います。このユキオ君の成長こそがこの作品の1番大事なポイントだったんじゃないかな。これで何も気付けなかったんじゃ救われなさすぎるじゃないですか。

自分の言葉や考え方、自分が悲しい・可哀想という気持ちだけに依らずに相手のことを考える事が大事なんじゃないかなと思いました。いい作品です。

こんな話になってしまいましたが、先日新しいMacBook Airを買ってウキウキしてる僕がお送りしました。ブルーハーツの甲本ヒロトも歌っていました、人に優しく。

今週はここら辺で。
また来週、よしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。
エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。

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