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StoryWriter

皆さんこんにちは。

梅雨です、毎日朝から晩までジッメジメ、身体はベットベトしております。僕は元々汗はかきやすいわ、汗をかくとすぐに全身が痒くなるわで本当に梅雨と夏が苦手なんですよ。夏の風景とかはすごい好きなんですけど、暑いのと湿度が高いのだけは本当に身体的に我慢ならずで……。それでも子供の頃とか夏が好きでしたし、自分の思春期を振り返ると夏の思い出が多い気がします。大人になってもいい思い出は夏にあるものなんでしょうかねえ……。

最近、7月6日に来年2020年に公開予定の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の冒頭10分40秒の映像がJAPAN EXPOで世界同時公開されたニュースがありました。エヴァンゲリオンという作品、僕の高校はオタクが多い学校だったのですが、クラスメイトの大半の男子が観ていて、観ていない人間は人でなしの烙印が押されたあのクラス。とりあえず僕も友達に勧められるままに観てみました。デカいロボット(エヴァは厳密には人造人間)が建物の倒壊などお構いなしに取っ組み合うし、主人公はウジウジしてる陰気臭い作品だなあと思って観始めたのですが、テレビアニメ版の終盤の方が急展開で不可解過ぎて理解できず、どういうこと??? と思って考察サイトなどを読んでいくうちになんという事でしょう、どっぷりハマっていた作品です。

こういう作風をセカイ系っていう事も学んで、最終兵器彼女とかも好きになりました。今となってはストーリーは理解できるようになったのですけど、主人公碇シンジくんは元々内気で内省的な性格であることに加え、親元ではない場所で育ったので家族の愛を知らず、自分を無価値だと強く思い込んでおり、一方で強烈に愛情に餓えているところもあります。そんなシンジ君が他人を受け入れるようことを覚えるまでのストーリー、という感じです。

この作品で一番僕が好きな概念が「ATフィールド」という概念です。エヴァと使徒(敵の怪獣みたいなやつ)にも、ひいては人間や全ての生命体にあるバリアーのことを指すのですが、実はこれは「誰もが持っている他者への心の壁」を具現化したものです。他者を拒絶し、自分の肉体や精神を保持するために無意識的に使用している能力だそうな。

作中のキーワードとなる黒幕的な組織が目論んでいる「人類補完計画」は自分と他人の境界線、つまり人の形をした「A.T.フィールド」を取り除き「L.C.L.」と言う生命のスープの状態に戻して一つになり、自分と他人の自我を共有する(意思を統一)って事なんです。究極の人類統一というか。作中ではそれは(一応?)防ぐことになるのですが、昨今の時勢に則って言うと、「他人は他人、自分は自分」というのが強く表れていると思います。物は言いようなんですけど、まあ道徳的に考えて他人の事だから知ったこっちゃないっていう極端な考え方までいっちゃったらダメですよね。

エヴァンゲリオンの作中でも、ドイツの哲学者ショーペンハウアーの寓話に出てくる「ヤマアラシのジレンマ」(寒い日に2匹のヤマアラシが、お互いに身を寄せ合って温め合おうとしたが、近づきすぎると全身の針が相手に刺さって傷つけてしまう。かといって、離れると今度は凍えてしまう。2匹は近づいたり離れたりを繰り返して、最後は互いに傷つけ合わず暖もとれる最適な距離を見つけた。距離感は大切だが、程よい距離感を探すのは難しいのことの比喩)が取り上げられますが、人間関係って本当に距離感が大切ですよね。拒絶されても悲しいし、近過ぎても鬱陶しい時や、すれ違った時のでは辛さがある。でも、これを出来るだけ避けて、色々な人と良好な関係を築ける人ってきっと相手の事をちゃんと観察して考えてあげられる人なんだろうなあ。誰が相手でも、良い関係を築ける人間になりたいものです。何にせよ、A.T.フィールドの張り方だけは間違えずに生きたいっすね……。人の心を察せられる人間になれたら、きっと色々なことが上手くいくのになあ。

今週はこの辺で。エヴァンゲリオン見直してえ。

また来週、一つよしなに。

※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。

エビナコウヘイ(えびな・こうへい)
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。

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