皆さんこんにちは。
先日お兄さんがなぜかレコードプレイヤーを買ってくれました。時代に逆行しているものの、常に密かに一定の需要があり続けたレコード。人生で初めてレコードの音を再生してみたのですが、心なしか温かみとちょっとした臨場感のあるサウンドが鳴っています。ちなみに人生で初めて買ったLPは、台湾のバンド「I Mean Us」の『OST』という傑作になりました。部屋で傑作が鳴り続けるのってパーフェクトにサイッコーっすね。良いものゲットしました。中華圏のレコード掘りまくっていこ。朝起きて二胡の音聴きながら鉄観音茶を飲んでのんびりとかしてみたいですね〜憧れ! とりあえず引っ越ししたばかりなので、荷解きして諸々整えながらQOLを高めていくようにしたいです。
最近引っ越してきた新居、家の近くに中華料理屋がありました。晩御飯を求めてふらっと入ってみたのですが、店の雰囲気が中国のよくある小さな食堂と雰囲気が一緒でびっくらこきました。聞くと北京から来た夫婦が経営しているとのこと。注文を取る関連の言葉はあまり通じないウェイトレスの奥さん。でも、なんだかめちゃくちゃ応援したくなる愛想の良さもあって、何より味が中国本場の味! サイコー! しかも値段も他の中華料理屋さんに比べるとリーズナブル! 激リピート確定です。あのお店があるだけで好立地条件の一つに数えられるんじゃないでしょうか。愛くるしく暖かいお店です、誰にも教えたくないゾ!
そんなお店を切り盛りする夫婦の出身地、北京。北京といえば今年の夏、中国でものすごい人気になったバンドのオーディション番組「乐队的夏天(訳:バンドの夏)」に出演していたバンド「新裤子乐队(New pants)」の出身地ではございませんか。1996年に結成され、今年で活動23年を迎える大御所ポップロックバンドです。中国然り台湾然り、バンド文化っていうのは日本ほど盛んではなく、ましてここ数年はアイドル文化などが流行っているのもあり、中国では好きな人しかロックバンドを聴かない、情報もそんなに知らないっていう状況でした。その中で、今回の「乐队的夏天(訳:バンドの夏)」という番組がヒットしたのは、彼らのように苦節23年の活動を続けてきた彼らNew pantsにとっても一筋の光明なのかもしれません。実際、番組中でも恵まれな中国ロックシーンの中での彼らの苦労した経験が吐露されていたりします。そんな彼らの経験を知った上で楽曲「没有理想的人不伤心(訳:理想の人は皆傷ついている)」という曲を聴いてしまったら、僕のエモの琴線が爆発してしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=-91jUvfQuKk
明るいメロディの曲に定評がある彼らですが、この曲は歌詞も自分達の中にある感情をさらけ出したような歌詞で多くの人に感動を与えるのではないでしょうか。
我最爱去的唱片店 昨天是它的最后一天
僕が一番通っていたレコード屋 昨日が最後の1日だった曾经让我陶醉的碎片 全都散落在街边
僕が心を奪われたあのカケラが全部道に散らばってる我最爱去的书店 它也没撑过这个夏天
僕が一番通っていた本屋 あそこも今年の夏を越すことはなかった回忆文字流淌着怀念 可是已没什么好怀念
文字を思い返せば懐かしさが流れている でももう懐かしむ必要はないと、Aメロで物悲しく静かに歌っているのですが、サビで
我不要在失败孤独中死去 我不要一直活在地下里
失敗と孤独の中で死にたくない ずっと日の目を浴びずに生きていたくない物质的骗局 匆匆的蚂蚁 没有文化的人不伤心
物事の罠 慌ただしい蟻 民度の低い 人間は傷つかないよ
と声を張り上げます。ここのサビが一番感情が伝わってくる上に、彼らの23年の中国の恵まれた環境ではないロックシーンで活動してきた気持ちが爆発して一気に引き込まれます。
「乐队的夏天」でのこの歌唱シーンは本当に心が打たれました。言葉が分からなくても、感情が伝わってくる表現力のあるバンドでもあるの是非見てみて欲しいです。
この番組に出演したバンドはどんどん人気が高まってきていて、ライブ会場もどんどんキャパが広いところになっていうようです。台湾のインディシーンも素敵ですが、中国のバンドシーンでももしかしたら世界を股にかける物凄いバンドが生まれるかもしれませんよ。
レコードショップで中華圏の音楽とかどんどん漁りたいなあ。
深夜4時ですけど水餃子食べます。
今週はこの辺で。また来週、よしなに。
※「【連載】なにが好きかわからない」は毎週木曜日更新予定です。
1993年生まれ、青森県出身。進学を機に上京し、現在は大学で外国語を専攻している。中国での留学などを経て、現在では株式会社WACKで学生インターンをしながら就職活動中。趣味は音楽関係ならなんでも。