2019年6月にスタートした連載、ヨコザワカイト「digる男。」。大学生のヨコザワカイトが音楽を中心に、レコードやCD、カセットテープなど、様々なアイテムを古今東西digってきた。今回が最終回、ラストのdigで彼は何を買ったのか。
さらば、digる男。僕は普通の男に戻る。
そう決意した瞬間から、最後はレコファンで締めようと思っていた。
今回digる男が最後に訪れたのは、2020年10月末にオープンしたばかりのレコファンの新店舗「MEGAドン・キホーテ武蔵小金井駅前店」。惜しまれつつ閉店した渋谷店の生まれ変わりともなるお店だ。
武蔵小金井駅を降りると、目の前に大きなドン・キホーテが僕を見下ろしていた。パッと見たかぎりレコファンの看板はなく、本当にこの中に入っているのかと不安になりつつ店内へ。陽気なBGMが流れる普通のドン・キホーテである。特有の複雑なエスカレーター登り、3階へ。
紛れもないレコファンがそこにはあった。
エスカレーター上がってすぐ、一面の100円コーナー。向かいは100円ショップ。昔からそこにあったかのような佇まいで僕を迎えてくれた。100円コーナーはラインナップは、かなりお得な盤もおろしている印象。企画も忘れ貪るように掘り進めていく。オープン直後ということもあって100円コーナーなのにも関わらず、アーティスト名で整理されているところもあり、初心者にも優しい棚になっている。
広さは秋葉原店より少し広い程度か。渋谷店ほどの大きさはないのだが、それでも充実した棚が並ぶのはさすがレコファンである。
digる男が最後に買ったのは、1993年発表の森高千里『渡良瀬橋/ライター志望』。一眼見て、これしかないと思った。
RECOfan 武蔵小金井駅前店でDigった1枚 / 森高千里『渡良瀬橋/ライター志望』
森高千里『渡良瀬橋/ライター志望』
購入店舗:RECOfan MEGAドン・キホーテ武蔵小金井駅前店
購入価格:150円(350円から200円引き)
購入日:2020年11月3日(火)
レーベル:ZETIMA
フォーマット:シングル
発売日:1993年
ジャンル:J-POP
2019年6月10日(月)、ヨコザワの勉強不足を解消していくために始まった本企画「digる男。」。毎週どこかしらのレコード屋に訪れてdigるということを1年半続けてきた。
読んでくれた人数は「StoryWriter」の読者さんの中でも少なかったし、それに悩んだこともあったが、それでも仕事先で「digる男、読んだよ!」なんて言われる度に「やっていてよかったなあ」と思い、ここまで続けてくることができた。
ライター/diggerとして成長したかと聞かれれば、上には上がいることを知った1年半でもあったので簡単には言えないけれど、確実に言えるのは僕史上最高にdigを好きになって、その愛を言葉にする手段を手に入れたということ。
僕は株式会社SWを離れ、「MOZAIC MAGAZINE」というWEBメディアを先週立ち上げた。「digる男。」で学んだあれやこれを昇華させて「StoryWriter」の読者さんも楽しませられるようなメディアにしていきたいと思っている。
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
大変お世話になりました。
ヨコザワカイト
※「【連載】digる男。」は毎週月曜日更新予定です。
1997年生まれ、千葉県出身。株式会社SWインターンを経て、現在『MOZAIC MAGAZINE』編集長。