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天津飯放浪記第39回 烏山飯店「千歳烏山で見つけた1980年代ジャンプ風の看板が印象的な街中華の天津飯」

StoryWriter

おいっす。火鍋栄光です。

京王線沿いの天津飯のある中華料理屋で繋いだ「偉大なる航路(グランドライン)」を紡いでいくのが当面の目標であるこの連載。本日もやって参ったぜ、千歳烏山駅。駅周りのカフェで作業をしながら、飯屋でも探していると……。

Oh……。例えるなら80年代後期の週刊少年ジャンプ漫画のような店の看板。”街中華って新しいお店の開店率って、もしや年々減っているのだろうか?”という疑問が出てくるくらいの年季の入りよう。気になるので、詳しいデータをお持ちの方は是非ご連絡くださいませ。いざ参らん。

18時前頃に入店すると、客は僕1人。壁一面に所狭しと並べられたメニューたちよ。席に着くと、おばちゃんがメニューを持ってきてくれるけども、それよりもこの壁のメニューの方が気になって仕方ない。

「えっ、これラスコーの壁画?」

時代感を感じさせるこの景色に、人類最古の絵画と称される世界遺産:ラスコーの壁画を彷彿させられる……。このアートの中から、僕は天津丼(980円)を発掘することに成功。側には、”美味・かに“と添え書きが。”Bimi・Kani”……。視覚だけじゃなく、言葉という記号から脳内で再生される語感さえも、アートを形成する要素なのだネ。勉強になります!

店内は僕1人。嬉しそうに僕の入店を迎えてくれたおばちゃんも親父さんも忙しそうにしておる。写真真ん中の円卓は回せるタイプではないので、店としては本格中華とひとはの中間というところだろうか。うーん、ステキ。

18時前という事で、テレビではNHKの相撲中継の放送。東京で観たのは初めてかもしれない、懐かしい……。ガキの頃に通っていた、地元・青森の床屋で、スポーツ刈りにしに(されに)行くと、床屋のおっちゃんと近所のおじさんが相撲中継を観ながら、あーでもないこーでもないと喋っていたのを思い出す。あの人ももうおじいちゃん、店を閉じて東京の息子夫婦のところで面倒見てもらうようになったとか。果たして元気だろうか?

店のおじさんとおばさんも相撲中継を見ながら、相撲だのコロナだのとあれこれ話している。ふと気がついたら、猫と犬のどっちが好きかという話題になっている。猫はどこでもうんちするからいやらしい。いくつになっても、僕らが話す話題って変わらないのかもしれないな…… と思っていると、

\オマタセシマシター/

写真だとわかりづらいかもしれないが、かなりのボリューム。

最近の甘酢あんの連続引きに辟易していたものの、やっぱり目の前に出てくると闘志が湧き上がる。フンッ! いざ食さん。

へけっ(ハム太郎)

高級フレンチみたい?

ウーン! 甘酢の酸味で一瞬舌が悲鳴を上げる! かなり濃厚な甘酢あんですよコイツァ。

急いで白米と卵をかき込んでみると、卵の端っこがカリッと揚がっていることにテンションが上がる。ふわとろを美徳とされる卵界へのアンチテーゼともいえるその根性に敬服。旨いです! 米の粒立ちもよく、量も多い。ボリュームも満点であります。

カニカマ? かな? 先述の濃いめの甘酢あんの中でも、ほんのり蟹らしき味がする。とはいえ、微かなアクセントになっていて、米をもう一口。うん、食指が進む! 筍とか椎茸など入っていない、あんで食べさせるオーソドックスな天津飯ではあるけど、これはこれで良いもの! うーん、止まらん!

げぷーっ。

かなりのボリュームで食い切れないんじゃないかと思ったレベルでありんすが、なかなかのものでした。他のメニューも豊富なので、次は他のメニューにも期待してみたし。ごっつぁんでした!

今日の天津飯あるある:

グリンピースは甘酢あんとケチャップあんに乗せられがち。


⭐︎今日のお店⭐︎

「烏山飯店」

所在地: 〒157-0062 東京都世田谷区南烏山6丁目5−13
営業時間:11:30~22:00
定休日:水曜日
電話番号:03-3300-1027

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