時は令和3年。あけましておめでとうございます。
僕は今どこにいるのか……。終わりが見えないコロナ禍のようにどこを歩いているのか分からない。風は強く、冷たい。
僕はよく京王線・仙川駅に来る。仙川は以前にも紹介したようにクイーンズ伊勢丹みたいな主婦ウケの良さそうなお店が揃っており、駅周りとかオシャレだし飲食店やカフェも多く、来ればなにかと時間を潰せる。そんな仙川駅から30分近くは歩き続ける。歩く歩く。こんなに駅から離れたことはなく、どんどん僕の地元・青森を歩いているような錯覚に陥ってくる。画像のような風景が続く中で、
こんなお店があるのだろうか? まさかそんな名店が近くにあるなんて思わなんだし、そもそも町中華のコンクールってなんだ(?)。
ぽっと眼前に現れたオアシス。本日の目的店「龍亭」。
うーむ、風格のあるこの佇まい。まず店頭に食品サンプルが置いてあるお店はハズレがない。時刻は17時半。昼11時半にハンバーガーを食べただけの僕には、だいぶお腹がペコりっちな時間。うだうだしてる時間が惜しい! いざ店内へ。
店内に入ると客は僕だけ。おそらく親子? であろう、2人の親父さんの1人は厨房に、もう1人はテーブルで新聞を読んでいる。テーブル6席、と思ったよりこじんまりしたお店。席について、顔を上げた先にあるメニューは、銭湯の浴場にある大富士の壁画を見たかのように壮観。全体的に強気な値段設定に庶民は怯んではしまったが、臆することなくオムライs…もとい、天津丼(税込900円)を注文致す。
いやーーーー。とはいえ、こういう町中華では、やはりラーメンと半チャーハンの王道セットを頼みたくなるネ! お写真を撮るのは失念してしまったが、店内を見渡してどこか懐かしさのある雰囲気もよし。入って10秒もせず感じた、「あ、この店好きだ」と。
料理を待っている間、テレビの夕方の報道ではお偉いさんが緊急事態宣言を受けての報道が。居酒屋の倒産率が過去最高の20数%を記録、とのニュースを耳にする。ああ、こういう町中華も無くなってしまうのだろうか。こういった年季の入ったご年配の店主の心を折るには、このコロナ騒動は充分な打撃だろう。1日6万円の補償なんかでは、店の維持費や材料を揃えるだけでほとんど溶けてしまうだろうし、お客さんが少なく活気がないお店に1日中いるだけでも萎え切ってしまうでしょうな……。少しでもお店にお金を落としてあげたい、何より美味いものを食いたいと思って餃子(450円)も追加注文しやした。
\オマタセシマシター/
まず一味違うと思わせられる二房の青梗菜! 北京料理と看板では宣うていたけど、中華もとい中国料理に青梗菜は欠かせない。中国では、どんなにシンプルでノートッピングな麺料理でも青梗菜と刻んだ青ネギは欠かせない。これはできる中華料理人の所業。そして、それと対を成すように和風だしのモロヘイヤが入ったスープ! 飲み会の後のしじみスープのように嬉しい。すでに楽しませてくれてありがとう。いただきます!
あんの量、卵の焼き目、どれをとっても素晴らしい。
チューッス!
う、うんめえええええええ‼︎ なんじゃこりゃ!
あんはほんのり醤油ベース。とろみもいやらしくなく、ご飯に絡みやすい程よい粘度! そして、咀嚼し舌先で感じるほんのりとした甘さ。その秘密は未体験のとうもろこし! とうもろこしが入った中華料理って北海道の味噌ラーメンくらいしか馴染みながないかもしれないけど、まさか天津飯に入るとは! どうしても酸味やしょっぱさがの方が強く出てしまいがちな甘酢や醤油あんを、とうもろこしを加えることで甘さとのバランスを保っている。これは知識ですよ。その手があったか……。一本取られた。
そして、お布団とも言える卵には大量のカニカマ、ねぎ、チンゲンサイ、人参、とうもろこしと層の厚い選手陣。卵は割ると微かに半熟のとろみもあり。でもやっぱりクゥ〜〜!! 答えはとうもろこしだったのだ。こりゃ卓上調味料にとうもろこしが加わる日も近いっすね。ええ。
レンゲを置く暇もなく完食。いや、これはすごい天津飯を発見しましたぞ。たまにこういう出会いがあるから町中華、天津飯はやめられねえ。BRU●USやP●PEYEはシティーボーイの為の天津飯特集をやってくれ。そして僕の特集ページも組んでくれ! こんな時勢、皆さんもお気に入りのお店に意識的にお金を落としてみてね。
今日の天津飯あるある:
中国料理と中華料理は実は扱う料理が結構違う。天津飯は中華料理のお店に出現率高し(経験則)
⭐︎今日のお店⭐︎
「龍亭」
住所:〒182-0004 東京都調布市入間町1丁目23−19
営業時間:11時00分~14時30分、17時30分~21時00分
定休日:水曜日