おいっす。
早速ですが、読者の皆さんは京王井の頭線をご利用になるだろうか? 一番若者の注目を引くのが下北沢から渋谷という若者カルチャーゾーン。その区間には、かの駒場東大前駅や高級住宅街の神泉駅などがあり、目が眩むばかり。
そのグランドラインの中でも、一番地味なのがこちら池ノ上駅。下北沢でもなければ、駒場東大前、渋谷でもない。謎の駅池ノ上。下北沢駅から徒歩600mと、なぜ作られたのか良くわからないけど、付近に学校も多いらしく、学生の利用駅らしい。ちょっと外も歩いてみようかの。
駅の南口を出ると、京王線沿いの駅ではよく見られる商店街の景色。決してガヤガヤしていることもなく、お店もたくさんあって生活に困らなさそうな住みよい街という感じがステキ。こういう街にはよい町中華があるもんなんだよな。
と思っていたら、駅から30秒ほどで早速小さな町中華「三友軒」を発見。ぽつんと佇むこちらのお店は、一度通った時には気付かず、何度も同じ場所を往復して発見。良心的な値段設定をできるお店は、きっと良心に溢れた店主と客がいる。今日はここに決まりや!
写真も排除した文字だけのシンプルなメニュー。写真があるメニューよりも、逆に想像力と食欲を掻き立てられるのは僕だけだろうか? 時刻は13時過ぎでお腹も鳴り始める。迷うことなく天津飯(770円)を注文させていただきやす。
店内は、カウンター5席ほど、テーブル3つほどの小さなお店。入り口付近の高い位置に設置されたテレビに皆の視線が集まっている。徹子の部屋のトークを聴きながら笑える客も集まる、ほっこりとしたお店。雨の中帰ろうとするお客さんに、傘を貸そうとする優しい店主がいるお店なのだ。厨房では、旦那さんも奥さんを気遣いながら、奥さんも旦那を気遣いながら仕事をパキパキ進める。人を大事にする精神は、まさしく梨泰院クラスのタンバム。ご主人の笑顔の裏には壮絶な過去があり、「三友軒」はここから外食企業トップ1の会社を潰しにかかるのかもしれない……。と、無粋な想像をしていると……。
\オマタセシマシター/
Wow、まさかのミニサラダと柴漬け付きセンキュー! 確かに天津飯は栄養バランスは偏りがち。少しでも野菜を摂りなさい、というお店の気配りが溢れたセットであることだなあ。ありがたや。早速その真心までいただきましょう。
毎度、このあんが煌めいている写真を撮るのが一番楽しいんですよね……。
このアングルはよろしくなかったですな……。反省。
一口目のインパクトはまず卵。まあ厚い。変に半熟思考じゃないところが王道の天津飯。半熟トロトロ卵が正義なんだなんて誰が作った流行なんだ! そんなもんオムライスだけで十分だ! と気付かされる。そして、舌当たりの良い甘酢醤油も米とうまく絡み合う。そして食べ進めて驚いたのは、具材が刻みネギとカニだけというストロングスタイル。最近は竹の子や椎茸など具沢山の天津飯に会うことが多かったので、これには意表を突かれた。そして、そんなシンプルな天津飯が確実に美味い。蟹の旨味が出ているとかそういうのではなく、全体の味の調合具合が絶妙。レンゲをバンバン口元へ運んでしまう。止まらん!
ものの10分でごちそうさま。
帰りがけにも傘を持ってるか尋ねてくれる優しい母ちゃん、ありがとう。
人柄は天津飯のうまさにも出るのであった。
今日の天津飯あるある:
日本生まれの天津飯。蟹肉入りの玉子焼き「芙蓉蟹」は中国にもあるが、天津ではなく広東料理。
⭐︎今日のお店⭐︎
「三友軒」
住所:東京都世田谷区代沢2-42-11
定休日:火曜日
電話番号:03-3419-6766