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StoryWriter

世の中には、音楽、映画、漫画、ファッション、アートなど、たくさんのカルチャーが溢れている。そして誰しもが何かしらの文化に触れて、影響を受けて成長をしていく。世の中で活躍する人たちは、どんなカルチャーに親しんできたのか?

様々な人のバックグラウンドに迫っていく不定期連載『あの人のカルチャー遍歴辿ってみた』、記念すべき第1回は、セクシー女優として活動する藤井いよなにロング・インタビュー。バンド、アイドル、漫画、クレヨンしんちゃんなどなど、多くの影響が垣間見える取材となった。

取材:上野拓朗
文構成:StoryWriter編集部
写真:西村満


小中学生の頃にハマったカルチャー

──藤井さんのカルチャー体験について伺っていきたいんですけど、小さい頃はどんな音楽を聴いていたんでしょう?

藤井いよな(以下、藤井):母親の影響で、小さい頃からX JAPANとかL’Arc〜en〜Cielを聴いていて。最初はなんとなく聴いていたんですけど、小学6年くらいから本格的にハマってよく聴いていました。

──ちなみに、音楽に目覚める前は、どんな子どもだったんですか?

藤井:アニメとか少女漫画がずっと好きでした。初恋は『RAVE』のジークハルト・シーザーというキャラクターで、少年漫画もよく読んでいました。

──『RAVE』の話はDMMのインタビューでも言っていましたね。推しの系統がクールで強い人で、ジークハルト・シーザーから全然ぶれていないと。それって何歳くらいですか?

藤井:小学校3、4年生くらいだと思います。1、2年生の頃は『金色のガッシュ‼︎』も読んでいました。

──藤井さんのカルチャー好きの下地は、小さい時のキャラクターへの恋だったんですね。

藤井:そうですね(笑)。

──小さい頃はアニメや二次元のキャラに恋していて、小学6年からバンドにハマったと。

藤井:当時はX JAPANのhideのソロを1番聴いていたかもしれないです。

──hideやX JAPANが好きって言われたら、お母さんは嬉しかったでしょうね。お母さんとはよくそういう話はしていたんですか?

藤井:しましたね。VAMPSのライヴも何回か行きました。

──VAMPSも昔から聴いていたみたいですね。

藤井:そうですね。中学校の頃からすごく聴いていました。

 

──hideさんもhydeさんもカリスマ性がすごいですし、ジークハルト・シーザーもクールなキャラクターじゃないですか。どういった部分に惹かれたんですか?

藤井:hideさんの曲は母親の車でよく流れていたんですけど、小6くらいの頃、お母さんに「この人はもう亡くなっているんだよ」って言われて。調べてみて初めて見た目とかもどういう人かも知って。それでさらにかっこいいなって思いました。動画とかも観たんですけど、20年以上前の映像なのに、今見てもかっこいいなって。

──hydeさんはどうですか?

藤井:お母さんの車の中でL’Arc〜en〜Cielの曲が流れていたんですけど、当時はかっこいい声の人だなという認識で聴いていて。たまたまMステにL’Arc~en~Cielが出ているのを見て、なんだこのかっこいい人は! と思ってお母さんに訊いたら、車でいつも流れているバンドだよって言われて。そのあとで、車で流れている作品以外のアルバムも聴いたらカッコよくて。

──見た目もそうですけど、曲もかっこいいですよね。好きな曲の傾向はあるんですか?

藤井:L’Arc~en~Cielだと、シングルのA面曲よりも、カップリングとかアルバム曲の方が好きです。お母さんの車で『Clicked Singles Best 13』をよく聴いていたんですけど、シングル曲ばかり流れていたんです。私はアルバムに入っている「Anemone」が1番好きで。マイナー調な曲が好きですね。

──VAMPSはどうですか? hydeさんとK.A.Zさんのユニットなので、L’Arc〜en〜Cielとはまた違うと思いますが。

藤井:私が本格的に好きになった時にはL’Arc~en~Cielがあまり活動をしていなかったんですけど、VAMPSの活動が盛んで。ふと聴いたらやっぱりカッコ良くてライヴに行きたいと思って観に行ったら、CDで聴くよりも何倍もカッコよくてさらに好きになりました。

──ライヴにたくさん足を運ぶ一方で、アニメもずっと好きだったんですよね?

藤井:中学生の頃は、アニメも漫画も好きでした。『銀魂』とかめっちゃ好きでしたね。

──推しキャラは誰なんですか?

藤井:桂です。

──ぶれてないね(笑)。高校の時は?

藤井:高校の時もずっと『銀魂』が好きでしたけど、バイトばかりしていてアニメはあまり見ていなかったですね。

──学生時代は部活をやったりしなかったんですか?

藤井:部活はバスケ部の幽霊部員でした(笑)。

──あははは。二次元好きな友達もいたんですか?

藤井:それがいなくて。その頃はオタクが恥ずかしいみたいな風潮があって。周りにそういう子がいなかったです。

乃木坂46、BiSHにのめりこんだきっかけ

──あまり表に出さずに、密かに楽しんでいたんですね。中学を卒業してからはどうされていたんですか?

藤井:18歳頃からアイドルを好きになり始めて。最初は乃木坂46が好きで、アイドルの握手会もよく行っていました。

──推しメンは誰だったんですか?

藤井:生駒ちゃんでした。握手も行っていました。緊張しすぎて「好きです」しか毎回言えなかったんですけど。

──(笑)。乃木坂46はどこが好きだったんですか?

藤井:最初は興味があまりなかったんですけど、ライヴDVDを貸りて観てみたら、生駒ちゃんに惹かれて。主人公みたい、こんなアイドルいるんだ! と思ったんです。

──乃木坂46も応援しつつ、他のアイドルも気になっていった?

藤井:地下アイドルも何回かライブに行ったりして。その中でBiSHも好きになりました。

──BiSHはなにきっかけで知ったの?

藤井:YouTubeのおすすめにたまたま出てきて、なんとなく出てきて観てみたらカッコよくて。L’Arc〜en〜Cielとかhideを初めて聴いた時くらい「なにこれ!」ってなりました。

 

──インスタにも清掃員って書いていますよね。

藤井:ファンクラブにも入っています(笑)。

──BiSHは誰推しなんですか?

藤井:アイナ(・ジ・エンド)さんです。

──他にどんな音楽を聴いたりするんですか?

藤井:BUMP OF CHICKENとかONE OK ROCKも結構聴いていました。

──洋楽はどうですか?

藤井:洋楽はシーアとか寝る時に流しているくらいですね。アヴリル・ラヴィーンとかモトリー・クルーもたまに聴いています。VAMPSがカバーしていたのがきっかけです(笑)。

──自分でアイドルになろうとは思わなかったんですか? 可愛いからそういう道も考えたりしてもおかしくないのかなと。

藤井:いや全く(笑)。推している方が楽しいだろうなと。

──アイドルじゃなくても自分で音楽活動しようと思ったりはしない?

藤井:高校生の時にエレキギターを買ったんですけど、すぐ挫折しました。コードは覚えたんですけど、第一関節だけ指が曲がるんですけど上手く押さえられなくて。

──何ヶ月間とかそれくらいで挫折した?

藤井:いや、三日くらいだと思います……(笑)。

久しぶりにできた二次元の推し

──はやっ(笑)。高校を出て以降、二次元は何かハマっていましたか?

藤井:しばらく何にもハマらない空白期間があって。その期間は昔から好きな『RAVE』とか『最遊記』とかを観ていましたね。ここ1年くらいで『僕のヒーローアカデミア』(以下、ヒロアカ)とか『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(以下、ヒプマイ)にハマって、久しぶりに二次元の推しができて。

 

──『ヒロアカ』とか『ヒプマイ』にハマったきっかけは?

藤井:毎週遊んでいる腐女子の友達から『ヒプマイ』のカップルの話をされて、気になって調べたら絵が好きで。なんとなくドラマCD聴いたらハマっちゃいました。

──誰推しなんですか?

藤井:シブヤ・ディヴィジョンの有栖川帝統です。最初に集合写真を見た時に、「あ、一目で私この人好きだと思う」って友達に言って。仮の推しになって色々聴いた上で「やっぱりこのキャラだな」となりました。

──『ヒプマイ』は、音楽もかっこいいですよね。『ヒロアカ』は?

藤井:『ヒロアカ』はなんで観たのかは忘れちゃったんですけど、たぶん友達に勧められて轟くんかっこいい! ってなったんだと思います。

──再びそういうモチベが盛り返してきたわけですね。そう考えると、今は推し的な意味で、充実していますね。最近は、他にどんなものが好きなんですか?

藤井:ジャンプ系だと『呪術廻戦』とか『チェンソーマン』、マガジン系だと『不滅のあなたへ』とかを読んでいます。

──今期のアニメとかもチェックするんですか?

藤井:サラッと見て気になったものはすぐチェックして。迷うなみたいなやつは周りにどうだった? って訊いてから見ます。

──SNSだと『クレヨンしんちゃん』の話もよく出てきますね。

藤井:しんちゃんを見ている時間が1番長いですね。昨日も映画3本観ました。

──3本!? 同じ作品を何回も観ているんですか?

藤井:1番好きな作品は100回、200回観ていると思います。

──なんでそこまでクレヨンしんちゃん好きなんでしょうね?

藤井:気づいたら見ちゃう感じですね。

──ある種の癒し的な?

藤井:癒しでもあるし。真剣に見たら泣けるし笑える。BGM代わりになんとなく流すこともあるし、飽きないですね。野原家の会話の声が流れているとすごく安心するんです。

──藤井さんにとって、好きなアニメ、音楽とかって欠かせないものですか?

藤井:たぶん、そういう趣味がなかったら働かなくなると思うので大切ですね。

──この仕事をする前はOLだったんですよね?

藤井:システムエンジニアのアシスタントでした。高卒でフリーターをやって、就職して。でもわりとすぐに辞めちゃいました。

──今のお仕事を始めて、デビュー7ヶ月くらいですが、実際どうですか?

藤井:周りの友達からは「今の仕事を始めてから明るくなった」「元気そうで安心した」って言われますね(笑)。撮影は大変だけど、これからも頑張りたいなと思っています。

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