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【GANG PARADE 短期集中連載 Vol.8】ユイ・ガ・ドクソン編「今までたくさんの人からもらったものへ恩返しをしたい」

StoryWriter

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動するWACK所属の13人組アイドル・グループGANG PARADE(以下、ギャンパレ)の1人1人のパーソナルに迫る短期集中連載がスタート。毎回1人ずつ、どんなファッションを好み、どんな音楽や漫画やゲームなどに影響を受けてきたのか、ギャンパレでの歌詞や振り付けについてなど、これまでの単独インタビューとは違った切り口からメンバーに迫る。

第8回は、2016年11月にGANG PARADEに加入したユイ・ガ・ドクソン。BiS公式ライバル・グループSiSで活動を始め、お披露目ライヴ翌日に活動休止という絶望のどん底に叩き落とされるも諦めず、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカとともにギャンパレに電撃加入。その独特な感性でグループにアクセントをもたらし、エンターテインメントであることを何より大切にする彼女に、愛するラーメンのことから考え方までじっくり話を聞いた。

取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ


364日間ある普通の日の方が好き

──StoryWriterではいつも私服で撮影をさせてもらっているので、今日の服装のこだわりや、どういうものを身につけていることが多いのか教えてもらえますか?

今日は撮影する用のお洋服を持ってきました(笑)。そうじゃないと白Tにスラックスばっかりなので。今年の夏は白Tだけで乗り切っちゃったんですよ。マジでやばいです。

──練習と家の往復が多いので、普段はラフな格好というメンバーも多かったですよ。

その中でも私は夏のファッションがNO.1ズボラです。今日はワンピースなんですけど、普段はあまり着ないですし、なんなら今日の服も買って初めて着ます(笑)。

──あははは。どんな服が好みとかありますか?

そういう話を載せてもらえるんですか?! お洋服で言うと秋が一番好きなので、これからはもうちょっとちゃんとします!

──秋が好きっていうのは、誕生日が10月というのは関係ある?

あるんですかね? でも、変な気持ちになるから、あまり誕生日は得意じゃないです。それよりもう何でもない日が好きです。

──誕生日は、そわそわしちゃうっていうことですか?

お祝いしてもらって嬉しいんですけど、慣れなくてそわそわしちゃう。それよりも、364日間ある普通の日の方が好きです。

らあめん花月嵐とコラボするのが一つの夢

──ドクソンさんといえば、ラーメンコラムの連載を続けてらっしゃいますが、ラーメンを好きになったのはいつぐらいのことか覚えていますか?

上京する前、地元にいた学生時代にラーメン屋さんでアルバイトをしていて。そのときは特別ラーメンが好きだからバイトを始めたわけじゃなかったんですけど、毎日まかないでラーメンを食べる感覚が普通になっちゃって。そのときはまだラーメンが好きって自覚はしていなかったです。

──ちなみに、そこは何系のラーメン屋さんですか?

結構いろいろあるチェーン系でした。

──どこで自分がラーメン好きだなって自覚し始めたんでしょう。

どこなんですかね? 東京で一人暮らしを始めて、お金がなかったときにたまに食べるラーメンがきっかけかもしれないです。私、本当にお金がなくて、それこそラーメンなんて週に1回も食べられないものだったんですよ。ご褒美にラーメンって感じだったから、その時はもう好きでしたね。

──ご褒美のラーメンは、決まったお店に食べにいっていたんですか?

その時は決まった店ばかりでした。私、あまり開拓するタイプでもなくて。いろんなことにそういう傾向があるんですけど、新しいやつより同じものばっかになるというか。

──お金がない過去を振り返ったときに思い出のあるラーメン屋さんは?

ずっと同じじゃないんですけど、東京に来てから思い出がいっぱいあるラーメン屋さんは、らあめん花月嵐です。2016年のBiSオーディションの第一次面接が終わってかららあめん花月嵐を食べてたんですよ。そのときも合宿参加への電話が来て。

──それは思い出深いですよね。らあめん花月嵐の中でも好きなラーメンは?

なんだかんだで、嵐げんこつらあめんが美味しいです。あと期間限定で人気店とコラボをすることも多くて。最近だったら金色不如帰とか札幌味噌ラーメン・けやきとかとコラボしているんですけど、そういうのも食べます。美味しいし、いろんなところにあるので手軽でいいんです。なんだかんだずっと好きなんですよね。有名店以外にも蝶野正洋さんとコラボしたりしていて、私もいつからあめん花月嵐とコラボするのが一つの夢です。

──ラーメンコラムで週1杯のラーメンを紹介をしているわけで、新しい店の開拓もしていると思うんですけど、実際やってみて感触はいかがでしょう。

もともと同じ店のラーメンばかりで食べるタイプの人間だったんですけど、初めて知る美味しい店がすごく増えました。でもたまに、今日あそこのラーメン屋さんの口だっていうときがあって、その気持ちを封じてそれを超えるラーメン屋さんを探すのが大変だったりしたこともありましたね(笑)。

──それだけ続けていることは素晴らしいですね。

楽しいです。週1以上食べてますし。

──それでもその体型を維持するのはすごいです。

まじデブなんですよ!

──まったくそうは見えないですけど(笑)。音楽とか映画とか漫画など、ラーメン以外で影響を受けたカルチャーも教えてもらえますか?

私は実家を出て上京するのが早かったので、1人の時間も多くて。映画を観たり、本を読んだり、インプットすることはすごく大好きなんです。影響を受けやすくて、夢がその都度変わったりしていました(笑)。本に影響を受けるときもあれば、映画に受けるときも、ドラマを見て影響を受けるときもあったり。音楽は、地元にいた頃より東京で生活し始めてからの方が影響受けていますね。

──それはライブを観るようになったり音楽の楽しみ方の幅が広がったからですか?

私、ライブを観にいくものだってことも知らなくて。音楽はCDで聞くしかないと思っていたんです。

──小さいライブハウスで毎日いろんなライブが行われているのは、きっかけがないとわからないですもんね。

大きなコンサートも、存在は知っていたけど雲の上の出来事みたいな感じで、まさか一般人がいけるとは思っていなかったんですよ。飛行機もパスポートがないと国内線も乗れないと思っていて。だから乗ったことがなかった。もう何も知らなかったんです(笑)。

──好奇心旺盛でいろんなことやっているイメージありますが、意外と保守的なところもある性格なんですか?

うーん。両極端ですね。自分が慣れ親しんだものをずっとやるって部分と、全く違うことを突拍子もなく衝動的にやることもあります。

──思い出す限り、衝動的にやった突飛なことってどんなことが思い浮かびます?

東京に行こうと思ったことです。

──東京も準備してじゃなく、思いついていきなり来ちゃったんですか?

そうです。本当は全国旅をして旅人になろうと思っていたんですよ。もっといろんなことを知らないとダメだと思って、放浪したいなと思っていて。あと福岡に憧れがあって、東京の次は福岡に住もうと思っていたんですよ。でも、貯金とかもないから、その日暮らしで、全部が成り行きで過ごしてきました(笑)。

──その話を聞くと、確かにたまに食べるラーメンは格別ですよね。

本当に皆さんが思う以上に、その時々で決めてやってきちゃったので、今こうやってデブを気にするぐらいラーメンを食べることができていたり、ギャンパレの活動をできている巡り合わせに本当に感謝しています。どの時期もそうなんですけど、周りにいる人たちに本当に恵まれているんです。奇跡ですよ。こんな私がこんなに出会いに恵まれているなんて。

東京で一人暮らしするのってこんなに大変なんだって

──いまギャンパレの活動がすごく忙しいと思うんですけど、どんなに忙しくてもプライベートで絶対に欠かさないことって何かありますか?

1日1本コーラを飲むこと。夜帰ってから500mlのコーラを1本まで飲むんです。朝はマウントレーニアのカフェラテを飲みます。ちょっとキモいんですよ、マジで本当に同じことをずっとやっているので。

──そのルーティーンをすることで気持ちが落ち着くとか?

いや、わからないし、何にも考えてないです(笑)。うまっ!てなる。逆に、ないと気持ちが大変です。

──ギャンパレの地方遠征のときとかはどうするんですか?

宿泊先に行く前に、コーラとマウントレーニアは絶対に買います。

──どうしても手に入らなくて欠かしてしまったときとかはないんですか。

あります。本当に耐えられないし我慢できないです。変なんです、そういうところが。

──それがないとペースが乱されてしまう?

そうですね。もうそれしか考えられなくなっちゃいます。

──欠かさず行うルーティーンと、突然東京に行ってしまう部分と、両極端な面は多そうですね。

そうなんですよ。それで、自分が困ってます。毎日同じことの繰り返しは結構些細な日常なんですけど、この先の未来を左右するようなこととかに限ってぱぱーんってやっちゃうんですよね。今はそうやって本当に良かったって思うけど、後悔したときもあります。

──後悔したときっていうのは?

東京で一人暮らしを始めたとき、本当にお金がなさすぎて。東京で一人暮らしするのってこんなに大変なんだって私わかっていなかったときですね。どうやったら東京にいるみんなみたいに普通に暮らせるのか毎日考えていました。たまに何か夢があってボロボロのTシャツでギターを背負っている人とかを見ると、自分と似た人もいるんだなって思って生きていました。

エンターテインメントには科学じゃ説明できない奇跡みたいなものを感じる

──その時期を経て、ギャンパレとして活動を始め、メジャーデビューをして忙しく活動しているわけですが、達成感みたいなものはあるんじゃないですか?

達成感はわからないです。なんならずっと焦っていて。もちろん今人生で一番やりたいことをやらせてもらえてるのは本当に間違いなくて。過去1楽しい日々を送らせていただいています。それを楽しいなで消費していくんじゃなくて、もっと広げたり、さらに先の未来に繋げるためにどうにか絶対にしないとって。もっともっと楽しくしていきたい。

──ドクソンさんは、WACKの中でもエンターテインメント性をすごく大切にされていますが、その原点になるようなものがあるんでしょうか。

あります。WACKのオーディションを受けた志望動機だったり、世に出て活動してみたいと思ったきっかけが「魔女の宅急便」を見たことで。ガチでもう駄目だみたいな時期に、それを見たら明日頑張ろうみたいに元気になったんですよ。人の手によって作られた作品で、人がそういう気持ちになるってすごいなと思って。それを実感したときに、自分もそういうものを作ることに携わりたいと思ったんです。あと、病気で余命わずかだったドラゴンボールが好きな少年が、悟空の声優さんから「オラ、劇場で待ってっからな。ぜってぇ来んだぞ! 劇場で会おうな」って返答をもらった記事を読んで。映画の公開日は余命の後だったんですけど公開日まで生きて、観て亡くなられたそうなんです。エンターテインメントには科学じゃ説明できない奇跡みたいなものを感じるんです。

──そういう意味でいうと、「柏木由紀なりのWACK」でドクソンさんが1位を獲ったときのスピーチはすごかったです。WACKメンバー全員が参加している中、最後に事務所社長の渡辺(淳之介)さんが1万枚CDを買って全票をドクソンさんに投票した。そんなハードルがあがっている中での突然のスピーチ。あれは、やろうと思ってもできないです。

1位になったら何をしゃべろうか決めていたんです。中間の順位を考えたら普通に不可能だと思ったけど、もしかしたら……ってところで諦めきれない自分がいて。前日の夜に、もし1位を獲ったらどういうスピーチをしようか考えていました。私は、順位がつく競争というか、誰かは嬉しいけど誰かは悲しいみたいなのが得意ではなくて。参加した人も、投票した人も、みんなで一緒にお祭りにしたいんだと思っていたから、もし自分がスピーチをするとしたら、みんながチャンピオンだと歌うぞ!って決めていたんです(※アカペラでQueen「We Are the Champions」を歌った)。

──前日の夜に自分が1位だったときのことをシミュレーションしていたんですね。

まじ馬鹿ですよね(笑)。

──でも実際、渡辺さんの1万票という出来事が起こって、スピーチをすることになったわけで。ドクソンさんの想像力と準備に現実が追いついたってことだと思うんです。

いや、ただ厚かましいだけですよ(笑)。でも、人の曲を歌ったので、中継でその部分は放送できなかったと聞きました……(笑)。

──あははは。ギャンパレで6年間活動してきているわけですが、これから先どんなことを達成していきたいと思いますか。

まだ、成し遂げられたことが何一つもなくて。まずは売れたいです。私たちのことを見て、ちょっとでも楽しかったという気持ちになってほしくて。今までたくさんの人からもらったものへの恩返しをしたい。そのためには売れなきゃ何もできないと思っていて。ギャンパレのことをどうやったら好きになってもらえるかを日々考えて、売れなきゃ駄目だって思ってます。

──具体的な目標みたいなものはありますか?

絶対に叶えたい目標はミュージックステーションへの出演と大きなステージに立つことです。例えば、横浜アリーナとか、幕張メッセとか今までWACKでやったことがある場所には絶対に全部行きたいし、行ったことないとこにも行ってみたい。そうなることが目標です。ギャンパレはWACKの中で一番人数の多いグループだから、楽しんでもらえるものがもっと作れるんじゃないかって可能性をすごい感じていて。そこをどんどん考えていろいろチャレンジしていきたいです。


GANG PARADE 短期集中連載 一覧

Vol.1 ヤママチミキ編「1人ぐらいは自分のことを必要としてくれる人がいるんだよ、って伝えたい」
Vol.2 ユメノユア編「自分を救ってくれた、支えてくれたのは音楽だった」
Vol.3 キャン・GP・マイカ編「常に憧れられる存在でありたい」
Vol.4 テラシマユウカ編「不安定だからこそ面白い」
Vol.5 ココ・パーティン・ココ編「私の職業はアイドル、って言えてるのが本当に幸せ」
Vol.6 月ノウサギ編「自分を通してキャンパレを好きになってもらえたら嬉しい」
Vol.7 キラ・メイ編「遊び場を大きくしていきたい」


■リリース情報

GANG PARADEメジャー4thシングル『Priority』
2022年11月16日(水)リリース
価格:1,100円(tax in)
品番:WPCL-13427
収録内容:
1. Priority
2. MELT

購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/4thSG

メジャー4thシングル「Priority」
9月19日(月)各配信サイトにて配信開始
https://gangparade.lnk.to/Priority

■ツアー情報

〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉

2022年11月2日(水)@宮城 Rensa
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:G/I/P https://www.gip-web.co.jp/t/info

2022年11月10日(木)@東京 Zepp Haneda
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:KM MUSIC 045-201-9999

■イベント詳細

〈Even without BiSH, this is WACK〉
2022年11月23日(水祝)@千葉 幕張メッセイベントホール
時間:Open/Start 13:30/14:30
出演:ASP/BiS/ExWHYZ/GANG PARADE/豆柴の大群
[問] KM MUSIC 045-201-9999

料金:【通常チケット】全席指定 7,000円(税込)(入場時にドリンク代別途必要)

WACK 公式WEBサイト:https://www.wack.jp/

オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/

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