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【LIVE REPORT】BLUEGOATS、グループ史上最大のZepp Shinjukuワンマンで鳴らした、ライブハウスの地続き

StoryWriter

取材&文:西澤裕郎
写真:すずき大すけ

4人組アイドルグループ・BLUEGOATSが2026年10月5日(月)、東京・Zepp Shinjuku (TOKYO)にてワンマンライブ<BLUEGOATS ONEMAN LIVE “DAWN” -BAND SET->を開催した。グループ史上最大規模の会場、そして3度目のバンド編成で臨んだ同公演をレポートする。


グループ史上最大規模のZepp Shinjuku (TOKYO)ワンマン

前回、彼女たちが大きなワンマンライブに挑んだのは、6月22日の代官山UNIT公演だった。メンバーたちは「SOLD OUTさせたい」と公言して同ワンマンに臨み、その言葉どおりチケットを完売させた。その日のステージで、このZepp Shinjuku公演開催を発表した。

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それから約3ヶ月半。ダークヒーロー編と位置づけたEP『DAMN』をリリースし、ライブのオープニングSEとして使い続けてきた銀杏BOYZ「BABY BABY」のカバーを発表。ライブハウスでの数多くの対バンを重ね、横浜アリーナで開催された<AGESTOCK2026>ではオープニングアクトも務め、この日を迎えた。

19時、暗転。オープニングSEの「BABY BABY」が流れ、バンドメンバー(ISAKICK(175R/Ba)、香取真人(Gt)、キタムラチカラ(Gt)、諸石和馬(Dr)、西野恵未(Key))がステージに姿を見せると、観客たちは拳を上げて合唱する。曲の途中で真っ赤な新衣装に身を包んだダイナマイト・マリンが登場し歓声を浴びると、ソンソナ、チャンチーと続く。チャンチーはそのまま客席へダイブし、テンションは最高潮だ。最後に、ほんま・かいながゆったりと歩み出る。サビを歌い終えると4人はバンドメンバーと向かい合って肩を組んだ。

「ようこそ! BLUEGOATS始めようぜ!」。かいなの声を合図に演奏が始まり、「GOOD LUCK!!」へ。観客たちが一斉に客席前方へと押し寄せ、チャンチーは笑顔でステージを跳ね回る。「青春時代」のイントロが鳴るとメンバーも観客も跳びはね、フロアが波打った。ステージには裸足のマリン。アイドルらしい可愛らしい仕草を見せるソナ。会場の規模が変わっても、そこにあるのは、彼女たちが日々立ってきたライブハウスと同じ光景だ。

ほんま・かいな

「我々がBLUEGOATSです。どうぞよろしく」。かいなの挨拶から間を置かず、ショートチューン「春はあけぼの」へ。ドラムのリズムに観客の手拍子が重なると、かいなは「あなたが今日自分の足で選んできたことには変わりない」と語りかけ、「3、2、1、GO」の声とともに「あなたのためのロックスターになりにきました!」と告げ「英雄の歌」へ。途中、演奏を止め、初めて来た人、友達に連れてこられた人と、フロアにいるさまざまな観客に呼びかける。「私はあなた1人を抱きしめて、そして私のためにロックスターになりにきました。よろしくーー!」。演奏再開後、バンドの演奏は加速し、最後はかいなのロングトーンが響き渡る。床に向かって、息を吐き尽くすように声を伸ばした。

「今からもっと揺れてもらいます!」と「涙の海を越えて」へ。ギターリフに乗り、チャンチーからソナ、マリンへと歌い継がれ、サビで4人のユニゾンが力強く響く。「ガムシャラ」では、曲の途中でチャンチーがバンドメンバーに感想を求め、「最高だぜ!」の声が返ってきた。

チャンチー

そしてチャンチーは、ピアノ音の上で、「最近全然会えていないけど、本当は会いたいなって思ってる大切な人はいますか?」と問いかける。アイドルを始めて1年経っても、ファンはほとんどいなかった。そんな頃に毎回のようにライブに来て、「誰も見ていない私のことを見ていてくれた」友達がいたという。今は理由もなく連絡を取りづらくなり、この日の会場にもその姿はない。「大切な人だからこそ、ちゃんと目を合わせて、自分の思いを伝え続けていかなきゃいけないんだなって今日改めて思いました」。そう話すと、ピアノに乗せて「Remember you」を歌い始めた。バンドのアンサンブルが重なり、4人は横一列に並んでロックバラードを歌っていく。

一転、ギターのバッキングから「青春初期衝動」へ。マリンが歌う<狭い暗い怖いとこから でかいすごいやばい所まで 飛び出していこうぜ>の一節が、地下のライブハウスから始まったグループが、Zeppという彼女たちにとって現時点で最大キャパのステージに響く。

ダイナマイト・マリン

曲を終えてマイクを握ったマリンは、「正直、私はZepp Shinjukuに立っている人間の中で1番の出来損ないだと自分で思っています」と語り始めた。勉強も運動もできず、取り柄がないことがコンプレックスで、何か1番を見つけたくて始めたのがアイドルだったという。けれど、自分より可愛い子も、歌の上手い子もたくさんいる。「自分には何ができるんだろうって考え続けた8年間でした」。その中で見つけたのが、やり続けることだったという。「私は今日、この大きな舞台で、小さな希望をあなたに歌いに来ました」。

普段は人目を気にしてしまうけれど、ライブの時だけは嫌われてもいいくらいの気持ちで自由に表現している。UNIT公演前のインタビューで、マリンはそう話していた。ギターに乗せて「これが人生だ」を歌い始め、ワンコーラスを歌い上げたところで、もう一度言葉を足す。「私はあの時、勇気を出してアイドルになるっていう選択肢をとった自分のことを、本当に誇りに思っています」。そこから<最初で最後だ>とメロディを歌うと、バンドサウンドが立ち上がり、観客の合唱がマリンの歌声に重なっていった。続く「嘘ひとつ言えたなら」では、チャンチーがかいなに歩み寄り手を取り合い、抱き合いながら歌う。メンバーも観客も、手を左右に振っていた。

ほんま・かいな

すると、かいながアコースティックギターを手に取る。「今日この歌、どうしても自分で弾きたくてコソ練しました」。そう笑顔で語ったあと、弾き語りで「Not Friends」を歌い始めると、歌詞を<Zepp Shinjuku>に変え、「私の生まれた町、新宿へようこそ!」と叫ぶ。ワンコーラスを歌い終えたところでバンドが加わり、かいなはアコースティックギターを背中に回したまま歌い続けた。

ギターを下ろし、新曲「星に願いを」へ。巨大なミラーボールが回るなか、かいなは見上げるようにして歌う。一瞬の静寂と暗闇を挟み、再び光に包まれる、明るい曲調のナンバーだ。

その「星」を受け取るように、ソナが「みんな今日来るとき、星見た?」と話し始める。星が大好きで、毎日空を見上げているというソナは、この日も本番前に外に出てみたものの、新宿ではあまり星が見えなかったと話す。綺麗な星空を写真に撮っても上手には写らず、忘れないようにと思ったことすら忘れてしまうことの方が多い。それでも毎日見上げるのは、覚えておきたいと思える瞬間が特別だからだという。そして、同じくらい忘れたくない瞬間として挙げたのが、目の前の観客と顔を合わせているこのライブの空間だった。「正直ね、私の大好きな星より綺麗だなって思ってしまいます。今日はそんなあなたに送りに来たよ」。

ソンソナ

そのまま「Letter」をタイトルコール。ピアノの調べから始まり、深海のようなブルーの照明のなかで、スケールの大きなバラードが展開されていく。今回からマニピュレーターが加わったことで、生音の上に重なる音の広がりも増していた。最後にピアノの音だけが残り、”WE ARE HERE”のシーケンスが流れ「DAWN」へ。EP『DAMN』のラストに収められ、この日の公演タイトルと同じ名を持つ曲を、4人は重厚なバンドサウンドの上で歌い上げた。

ほんま・かいな

最後にマイクを取ったのは、かいなだった。誰に連れてこられたか、自分で来たかは関係ないと、観客1人1人に礼を言い、LIQUIDROOM、UNIT、そしてこの日のZepp Shinjuku、先日の横浜アリーナでのオープニングアクトと、ここまでの道のりを挙げていく。「私はBLUEGOATSで、この4人でどこまででも行きたいと思っています」。そのためには、メンバーに優しくできない時も、友達には言わないようなことを言わなければいけない時もある。「私は時々、もっと優しくしてあげたいなと思うことがあるんだけど、それはBLUEGOATSがでっかい夢を叶えてからだと思ってます」。

「今は、私の未来の友達に向けて」。そう言って「友よ」をラップで歌い始め、ステージ後ろを向いて一礼すると、「私の大事な未来の友達と、どこまでも」と「友よ」へ。かいながソナと肩を組み、ソナがマリンを引き寄せ、チャンチーも近づいて4人が身を寄せ合う。3ヶ月半前、UNITでこのZepp公演の開催が告げられたのも、この曲の途中だった。

「そこ、受け止められる?」。かいなは客席へダイブし、観客の上を渡ってフロア中央の柵の上に立つ。「1人で来たやつ、私の周りに全員集合」と呼びかけ、集まった観客1人1人とグータッチを交わした。「1人で来た人、今日からBLUEGOATSがいるから。私がいるから」。友達と来た観客にも「みんな見てるよ」と声をかけ、楽しい日も悲しい日も織り交ぜながら一緒に生きていけたら、と続ける。「今日がその悲しかった日の次の日だったら嬉しいし、これから先、悲しい日を乗り越えるための1日になったらいいなと思います」。

ほんま・かいな

9月の取材で、かいなは対バンを重ねてきた相手とも距離が縮まったことに触れ、「みんな、別に敵じゃなかったなって」と話していた。柵の上で、そのかいなが「東京タワー」をアカペラで歌い出す。観客も一緒に歌い、かいなはクラウドサーフで運ばれながらステージへ戻ると、4人そろって歌い上げ、そのままステージの床に倒れ込んだ。「君の唄で生きていたい」のイントロが鳴り、歌い出しと同時に勢いよく跳ね起きる。観客は跳びはね、もみくちゃになりながら声を上げる。後半にはマリンも観客の上に乗って歌った。

ダイナマイト・マリン

マリンがステージに戻ってきたところで、全員でピースを掲げて「解散」へ。観客は隣の人と肩を組み、左右に揺れる。かいなは脱いだマーチンをマリンに渡し、片足の靴が脱げたまま歌う。サビではメンバーがピースを掲げ、観客もピースで応えた。

チャンチー

ソンソナ

「ここにいる1人残らず、またどっかのライブハウスで一緒に歌いましょう。今日はありがとうございました」。かいなの言葉から「YOLO」へ。「以上、BLUEGOATSでした」と挨拶すると、ライブの最後に感情を一気に爆発させるようなショートチューン「TOMORROW」へ。観客が再び前方へと押し寄せ、約1時間半のライブは幕を閉じた。

登場と同時に客席へ飛び込み、笑顔で跳ね回っていたチャンチーは、5月にフルマラソンを走り切って以来、ステージでの振る舞いがひときわのびやかになった。裸足のまま歌い、ステージを駆け巡ったマリンは飾ることなく観客と向き合っていた。星の話を観客1人1人に語りかけ「Letter」へとつないだソナは、「王道アイドル」を名乗る自分のやり方でステージに立っていた。そしてかいなは、「あなたのためのロックスターになりにきました」と宣言し、観客の上を渡り、柵の上から1人で来た観客を集めてグータッチを交わし、その言葉を自分の体で引き受けた。

4人は同じ方向を向いて揃うのではなく、それぞれのやり方でフロアに向かい合い、その違いを互いに受け入れながら1つのライブを作っていた。「またどっかのライブハウスで」。最後にかいなが口にした言葉のとおり、グループ史上最大規模となったこの日のZepp Shinjukuもまた、彼女たちが日々立ち続けてきたライブハウスと地続きの場所だった。

セットリスト
<BLUEGOATS ONEMAN LIVE “DAWN” -BAND SET->
2026年10月5日(月)Zepp Shinjuku (TOKYO)

1. GOOD LUCK!!
2. 青春時代
3. 春はあけぼの
4. 英雄の歌
5. 涙の海を越えて
6. ガムシャラ
7. Remember you
8. 青春初期衝動
9. これが人生だ
10. 嘘ひとつ言えたなら
11. Not Friends
12. 星に願えば
13. Letter
14. DAWN
15. 友よ
16. 東京タワー
17. 君の唄で生きていたい
18. 解散
19. YOLO
20. TOMORROW

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