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【連載】WAgg ソロ・インタビュー Vol.7──サアヤイト「8人の個性が伝わるようなグループにしたい」

StoryWriter

BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiREのマネジメントを行うWACKが手がけるアイドル育成プロジェクト『WAgg』。「その後の進路はBiSに行ったり、BiSHに行ったりとか色々考えます」とアナウンスされており、WACKの将来を担う可能性に満ちたグループとなっている。

9月9日にはTSUTAYA O-WESTにて、BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiRE各グループの楽曲をパフォーマンスし、デビューを果たした。その後、東名阪仙公演を開催し、現在はEMPiREとの2マンライヴツアーを開催中である。そんな8人のソロ・インタビュー連載がスタート。

第7回は、サアヤイト。そのハスキーで表現力豊かな歌声でグループを引っ張っている彼女。メンバーにすぐ抱きつくなどグループ内でのアクセントになっているが、学校では1人でいることや本を読むことが多いという。その人生について、WAggについて話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:外林健太


本当にすっごい影響を受けやすいタイプなんです

──今日サアヤイトさんは、インタビュアーが6人続けてインタビューをしていることを気遣って、のど飴とお茶を買ってきてくれました。10年くらいこの仕事やっていますが始めての経験でビックリしました(笑)。

サアヤイト:のど飴、ぜひ舐めてください。

──ありがとうございます(笑)。そんなサアヤイトさんがどんな人生を送ってきたのか訊いていきたいと思うんですけど、周りからどんな子どもだったと言われることが多いですか?

サアヤイト:全然泣かない子だったと言われることが多いです。転んだりしても泣かないし、スキーのソリに乗せられて高いところから滑っても、お姉ちゃんは泣いていたけど、私は泣かなくて。何をしてもあまり泣かない感じだったみたいです。

──習い事はしていましたか?

サアヤイト:ピアノとチアリーダーをやっていました。あまり覚えていないんですけど、チアリーダーではストレッチをしていた記憶しかなくて。踊っていた印象がないので、そんなにしっかりやっていなかったんだと思います。

──ピアノに関してはどれくらいやっていたんですか?

サアヤイト:7年間くらい習っていて、つい最近忙しくて辞めてしまいました。いまでも休みの日とかに弾いたりしています。クラシックを弾くのはあまり好きじゃなくて。ロック系の曲が好きで、ピアノバージョンで弾くと、また違う格好よさが出てくるんです。そういう変化を見つけるのが好きで、ピアノを弾いていたりしました。

──ちなみに、どんな音楽が好きだったんでしょう。

サアヤイト:ロックが特に好きなんですけど、バラードも好きで、ジャンル問わず好きです。影響を受けやすくて、音楽の授業でオペラを聴いたらオペラが気になるし、シューベルトの「魔王」を聴いてすごくいいと思ったり、影響を受けやすくて。体育でも柔道をやることになったら、私も柔道をやろうかなってぐらいめっちゃ調べたりして。本当にすっごい影響を受けやすいタイプなんです。

──ウタウウタさんはお姉ちゃんの影響でロックを聴くようになったみたいですけど、サアヤさんの身近でそういう影響を与えてくれた人はいますか?

サアヤイト:特にいないかな。私がこれをやりたいって言ったら、親もちゃんと協力してくれるような感じで、自分から自由に見つけて取り組む感じだったと思います。自分の人生だから好きなことをやりなって言ってくれて。

──飴を買ってきてくれる気遣いとか、しゃべり方とか、家庭方針とかを聞いていると、ものすごくしっかりしたご家庭なんじゃないかと思うんですけど。

サアヤイト:礼儀正しいかは分からないんですけど、小さい頃のことを思い出すと、怒られている記憶しかないです。床で物を食べていたりするとちゃんと机に座って食べなさいとか、テレビに近づいて観ているとテレビからもうちょっと離れなさいとか、本は明るいところで読みなさいとか、当たり前のことなんですけど、しっかり怒ってくれて。昔は歯をよく磨いてもらっていたので虫歯は1本もできたことがなくて。結構いい親なんじゃないかなって思います(笑)。

──すごくいいご両親だと思いますよ(笑)。ご兄弟はいますか?

サアヤイト:お姉ちゃんがいます。すごくしっかりしていて、親みたいな感じなんです。お姉ちゃんが5歳のとき私は3歳だったんですけど、「歳上の人を呼び捨てしちゃダメだよ」って言われて、お姉ちゃんのことも呼び捨てにしないで呼んでいて。

──名前に「さん」付けしているっていうこと?

サアヤイト:ちゃん付けで呼んでいました。

真の友人みたいなものを求めていたんじゃないかなって

──どんな小学校生活を送っていたんでしょう?

サアヤイト:けっこう活発だったと思います。中休みとかに、しょっちゅう廊下を走り回っていたり、体育館でよくドッチボールをしていたりしました。

──小さい頃ソリで滑ったり、チアリーダーをしたり、柔道とか……。

サアヤイト:柔道は実際やっていないです(笑)。影響をすごく受けちゃって、柔道をやろうかなと本気で思っていたけど、次の体育が始まった時にバレーボールがはじまって、バレーボールも楽しいなと思って。だから、本当に自分の興味がコロコロ変わっていくんです。

──身体を動かすことは好き?

サアヤイト:好きです。そんなに運動神経は良くないんですけど。

──勉強は?

サアヤイト:勉強は教科によります。国語は得意です。本を読むのが好きで、よく読んでいます。

──印象に残っていたり、好きな本はありますか?

サアヤイト:芥川龍之介さんの「河童」がすごく好きです。

──どんな話でしたっけ?

サアヤイト:「不思議の国のアリス」みたいな感じで、若い男の人が散歩中に河童を見つけて追いかけて行ったら、穴に落ちて河童の国に迷い込むんです。河童の国は人間の世界と真逆で、礼儀とかもそんなにしっかりしてなくて……。詳しく覚えていないんですけど、そこで過ごしていくうちに友だちができたんですけど、その友だちが死んじゃって。人間世界に戻った時に、人間世界の身の回りのこととかも忘れちゃって、頭のおかしい人みたいになっちゃって精神病院に連れて行かれていく。それが、すごく印象に残っていて。芥川龍之介さんも孤独の人って言われているんですけど、その話を呼んで、真の友人みたいなものを求めていたんじゃないかなってすごく考えました。

──サアヤさん自身は、そういう真の友達みたいな人はいたんですか?

サアヤイト:全然いなかったです。むしろ1人で動くのが好きでした。女の子ってグループに分かれることが多いんですけど、あまりそういうのが好きじゃなくて。いきなりその中に入る自信もないし、グループになると人の悪口を言うこともあるから、私はそういうのが好きじゃなくて。それをして何になるんだろうとか思ったり、あと私が仲良くする人を選んでいいのかなとか思ったりして、あまり交友関係みたいなものはなかったです。

──あえて踏み込まないようなポジションにいたんですね。「河童」を読んでそこまで深く考察したっていうのは、何かしら共鳴するところがあるのかなとも思ったんですけど。

サアヤイト:孤独という点は、一緒なのかなって。

──真の友だちみたいなのがほしいっていう気持ちはあったんですよね。

サアヤイト:ありました。

──小学校生活で、歌をうたうことに関して何かやっていたことはありますか。

サアヤイト:歌は何もやってなくて。たまに親にカラオケに連れて行ってもらっていて。カラオケに行くのはすごい好きでした。

──ライヴではサアヤさんの歌声が1番耳を引きますが、自分の歌声に関してはどういうふうに思っているんでしょう?

サアヤイト:自分の声じゃないみたいだなと思っていて。曲によって、こういう感じの声みたいなのを作って歌っています。例えば「Nerve」は、かわいく歌おうと思っているんですけど、思いっきりかわい子ぶって歌っても、思ったより全然かわいくなくて。自己紹介の時も、思いっきり高い感じの声で「サアヤイトです」って言ったのに、ライヴ映像を観ると意外と低いなと思って(笑)。なかなか思ったようにできないです。今は、もうちょっと感情を入れられるようにしたいなと思っていて。1曲1曲に歌詞の意味があるじゃないですか。「スパーク」の〈このまま消えてしまえ 愛のない罪のない言葉たち〉っていう歌詞を、渡辺(淳之介/WACK代表)さんはなんでこう思ったんだろうとかすごく考えて歌っています。そういう曲の歌詞を伝えられるようになりたいです。

──サアヤさんの歌声は才能というか、ハスキーっぽい部分もサアヤさんにしか出せない部分だと思いますよ。

サアヤイト:アイドルだから、もうちょっとかわいく歌った方がいいよって身内にも言われるし、自分もそうだなと思ってかわいく歌っているつもりなんですけど、最近はアイドルでも格好いい曲も増えているじゃないですか? GANG PARADEもそうですし、BiSの「I can’t say NO!!!!!!!」とかもすごく格好いい。だから、もっと自分を出していった方がいいんじゃないかなと思っています。

 

──ウルウ・ルさんもハスキーな感じの声で、サアヤさんと2人でWAggの歌のいいアクセントになっていると感じます。これからのWAggのパフォーマンスを引っ張っていくんだろうなと思いますよ。

サアヤイト:ウルウ・ルさんはハスキーなんですけど、歌声にぬくもりがすごくあっていいなと思います。ぬくもりがあって、強いけど、優しさがあって。いい意味で私とは違う感じになっているんじゃないかなって。

なんで自分は…… という気持ちもありました

──話を戻すと、小学校以降の学校生活は変化がありましたか?

サアヤイト:そんなに変わっていないです。最初のインタヴューでも言ったと思うんですけど、嫌がらせみたいなことを受けたときがあって、やっぱり1人の方が楽しいなと思って。本当は友だちを作ろうと思ったんですけど、1人の方がいいなと思って、どんどん孤独になっていった感じでした。

──アイドル・グループって集団活動じゃないですか。そういう生活を送る中で、どうしてWAggのオーディションを受けようと思ったんでしょう。

サアヤイト:音楽が好きなことと、EMPiREの影響がすごく強くて。「Buttocks beat! beat!」は〈おしりぺんぺん〉って歌っているのに、アイドル感がすごくあるじゃないですか? 「Black to the dreamlight」のMVでは人形が頭に刺さっていたりして、周りのアイドルとはなにか違うなと思って。こんなこと普通やらないでしょと思ったんです。私はあまり普通のことが好きじゃなかったのと、自分の中で何か焦っていたのもあります。お姉ちゃんがバレエで金賞をとっていたり、最近は留学しに行ったりとかしているんですけど、どうしてもお姉ちゃんとか比べられたりすることが多くて。周りはすごい人ばっかりなのに、なんで自分は…… という気持ちもありました。

 

──自分も人に誇れるものを持ったり、何かを成し遂げたりしたいっていう気持ちがあったのかもしれないですね。

サアヤイト:そうだと思います。

──とはいえ、日常生活と一気に世界が変わる訳で、そこに対する不安はありませんでしたか?

サアヤイト:これまで人と関わってこなかったせいか、WAggに入ってから、どうやってメンバーと関わればいいか分からなくて。最初、ウルウ・ルさんに会ったんですけど、どういう会話をしていいか分からなくて。2人でシーンっとなっているときに愛ちゃんが入ってきて、ちょっと穏やかな空気になった感じがしました。活動が始まって敬語を辞めようってなって、少しずつちゃんと話せるようにはなってきていると思います。

──学校生活では1人で過ごすことが多かったわけですけど、他の7人と毎日顔を合わせるのは、実際どんな気持ちですか?

サアヤイト:楽しい。

──学校と違う?

サアヤイト:早く学校が終わらないかなって感じでいつもいます。

──学校とWAggのメンバーは何が違うんでしょうね。同じ集団行動なのにWAggの場合は、早くやりたいなと思えるわけですもんね。

サアヤイト:この曲を完成させるとか、お客さんにライヴを楽しんでもらいたいとか、同じ目標を持って全員で本気になって取り組める場所だから楽しいんだと思います。

──最初のインタヴューのとき、まだ仲良くなれていないって言っていましたけど、そこから比べるとだいぶ関係も深まってきた感じはありそうですね。

サアヤイト:だいぶ仲良くなりました。最近、私がよくメンバーに抱きついているんですけど、それも習慣になってきちゃって。始めは抱きついてくるのが嫌だったメンバーも最近は何も言わなくなりました(笑)。

──あははは。孤独がよかった人からだいぶ変わりましたよね。

サアヤイト:変わりましたね。楽しいです。

少しずつ自分を出していきたい

──ドキュメンタリーにも収められていますけど、お披露目ライヴ前、渡辺さんから怒られた時はどういう気持ちで聞いていたんでしょう?

 

サアヤイト:自分はダンスとかが全然できていなかったし、自分からこうしようとか言う立場でも、まとめられる人でもなかったんですけど、もうちょっと自分から積極的に動いたりした方がよかったなとか、今怒られているのは自分のせいなのかなって。自分が何か言っていれば変わったかなって考えていました。

──ライヴをやらないで終わっちゃうんじゃないかって不安もあった?

サアヤイト:解散っていうのは嫌でした。

──あそこで怒られたことでメンバーの話し合いが増えて関係性も変わっていったと他のメンバーは言っていましたけど、サアヤさんはどう思いますか?

サアヤイト:結構変わったと思います。それまではバラバラだったと思うんですけど、そこでまとまることができたんじゃないかなって。

──毎日全員で集まって練習をしたり、週末はツアーで全国を回ったりしていますけど、喧嘩したりすることもあるんですか?

サアヤイト:喧嘩はなかったんですけど、私は人に物を発信するってことが苦手で。音楽を通してだったら少しずつは出来ているかなと思うんですけど、まだ言葉を使うことがあまり得意じゃなくて。BiSのトリアエズ・ハナさんから「ライヴ観に来る?」って聞かれた時、マネージャーさんに「行ってもいいですか?」って聞いたんです。そしたら「練習が足りているようなら行ってもいいよ」って言われて。それでWAggのLINEグループに「練習足りてますか?」とだけ送ったら誰からも返信が来なくて。返信がないから「あ、行けないんだ……」と思ってマネージャーさんに「行けません」って返事をしたんです。で、練習場に行ったら、メンバーから「どういう意味?」って聞かれて、こういう意味だよって教えたら「怒っているのかと思った」って言われて。

──たしかに、その言葉だけじゃ意味が変わってきちゃいますからね(笑)。

サアヤイト:これまで人と関わりがなかったから、人と会話するのが苦手になっていたり、ちゃんと伝わらなかったりすることがあるので、そこはうまく伝えられるようにしたいです。

──これから、WAggをどんなグループにしていきたいですか?

サアヤイト:WAggには8人とも個性がバラバラな子がいるので、それぞれが伝わるようなグループにしたいです。ナルハちゃんとかはかわいい系で、アンズピアちゃんはザ・アイドルって感じでキラキラしている、愛ちゃんは私と逆というか、ダンスがすごく上手で、でも性格は似ていたりする。ウタちゃんはモデルさんみたいな感じ。ハナエモンスターはモンスター! って感じ(笑)。ウルウ・ルさんは謎って感じがすごい。マリン・バさんはイケメン。今後、もし別のグループとかに行くことになったとしても、ちゃんとそこでもやっていけるような感じにしていけたら良いなと思います。

──サアヤさん自身の目標はありますか?

サアヤイト:もうちょっと自分を出したい。まだまだ言葉が不器用なので、いろいろ学んで少しずつ自分を出していきたいなって思っています。


WAggソロ・インタビューをあわせてチェック!
Vol.1──ナルハワールド「素直さや元気さを出していきたい」
Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」
Vol.3──ウルウ・ル「WAgg8人で、いいねって思われたい」
Vol.4──アンズピア「今の目標は、楽しむこと」
Vol.5──ウタウウタ「一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたい」
Vol.6──愛「もっともっと意識を高く持ちたい」


WAgg PROFILE

マリン・バ / ウルウ・ル / ウタウウタ / アンズピア /ナルハワールド / 愛 / サアヤイト / ハナエモンスター

■WAgg Official HP
http://www.wagg.tokyo/

・WAgg Official Twitter
WAggidol

・WAggメンバー Twitter
マリン・バ : @MARiN_WAgg
愛 : @L0VE_WAgg
アンズピア : @ANZU_WAgg
ウタウウタ : @UTA_WAgg
ハナエモンスター : @HANAEMON_WAgg
サアヤイト : @SAYA_WAgg
ナルハワールド : @NARUHA_WAgg
ウルウ・ル : @URUURU_WAgg

◼︎EMPiREとの2マンツアー「WAgg THE NEW RiCE with EMPiRE」
2018年12月9日(日)新潟県 柳都SHOW!CASE!!
2018年12月24日(月・振休)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
2018年12月28日(金)東京都 WWW X
[1回目]OPEN 13:00 / START 13:30
[2回目]OPEN 18:30 / START 19:00

チケット :
料金 : 4,000円(tax in.)(オールスタンディング / 入場整理番号付 / 入場時にドリンク代別途必要)
※未就学児童入場不可
※ダイブ / サーフ / モッシュ / リフト禁止
チケット : w.pia.jp/t/wagg/

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