クリスマス、いかがお過ごしでしょうか?
私はなんだかんだ毎年クリスマスはライヴをさせて頂いているので、ぼっち回避、とても楽しく過ごしています。
街が浮かれていて、イルミネーションに彩られた街並みを歩くと思わずワクワクしてしまいます。
クリスマスといえば、真っ先に『ホーム・アローン』が思い浮かびます。毎年何かしらテレビで放送されている気がしますが、ケビンのユニークな容赦なさすぎる泥棒退治に、何回観てもドキドキさせられる作品です。子どもの頃はこんな事してみたい! と、憧れを抱いていました。
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さて、今回はクリスマスにぼっちでも家族や恋人と一緒に過ごしている人でも、みんな幸せになれるハッピーな映画をご紹介します。
最高にキュートな花柄ランタンのぷきちゃんオススメ映画です!
Vol.6『ヘアスプレー』
https://www.youtube.com/watch?v=W_CFcRAumZc&feature=youtu.be
【以下、ネタバレを含みます。】
1962年、黒人差別の風潮がいまだ色濃く残るアメリカ合衆国ボルチモアに住むトレイシーは、ダンスとおしゃれが大好きなビッグサイズの女の子。夢はティーンに人気なダンステレビ番組『コーニー・コリンズ・ショー』に出演して憧れの人気ダンサー、リンクと踊るという、体形など気にしない天真爛漫ぶりであった。
ある日、番組メンバーの無期休暇による新メンバーのオーディションを聞いたトレイシーは一生のチャンスと思い、受けさせてほしいと両親にお願いする。母親のエドナは、体型のことを言われてトレイシーが傷つくのではないかと心配して反対する。しかし父親のウィルバーから「ビッグなのだからビッグになれ」と激励され、オーディションに挑戦する。結果は、番組プロデューサーのヴェルマから、太っているとの理由で一方的に落とされてしまう。
その日、オーディションのために遅刻したトレイシーは居残りをさせられることになる。居残り教室に向かうと、そこではシーウィードを始めとする黒人の生徒達が踊っていた。すぐに皆と打ち解け、教わったR&Bのステップを踏むトレイシーを、同じ高校の特別クラスに通うリンクが目撃。「君なら番組に出られる」と番組の司会者コーニー・コリンズ主催のダンスパーティーに招待し、トレイシーは有頂天。リンクに招待されたダンスパーティーに親友のペニーを連れ立って姿を現したトレイシーは、シーウィードから教わったダンスを披露。ボーカルのリンクを始め、パーティー会場は一気にヒートアップ。主催者のコーニーに気に入られ、コーニーからのスカウトにより遂に番組出演の夢が叶う。
トレイシーのおかげでヘアスプレーの売り上げが伸び、スポンサーは大喜び。また番組メンバーがトレイシーの髪型を真似しはじめたり、ウィルバーが販売したトレイシーグッズが大ヒットしたり、学校ではトレイシーに会うべくわざと居残りする生徒が大量発生するなど、トレイシーは一躍人気者になる。またトレイシーを通じて知り合ったペニーとシーウィードは恋に落ちる。初めは反対していたエドナもテレビで活躍する娘の姿にウィルバーと共に娘を応援するようになる。
ある日、ミスター・ピンキーが経営するオーダーメイド用品店のイメージキャラクターにトレイシーが起用されることになった。トレイシーはエドナにエージェント役を依頼するが、エドナは肥満を気にして外に出たがらない。しかし「今は1960代、昔とは違う」というトレイシーの必死の説得を受けようやく外出したエドナは、トレイシーの言う通り以前と大きく異なる街並に瞳を輝かせていく。そしてミスター・ピンキーと対面したところ、なんとエドナもイメージモデルに起用されることになった。これをきっかけに、今まで家事とクリーニングの仕事だけで家に引きこもりがちだった生活から、外の世界へと足を踏み出す変化を遂げるのだった。
一方で、今まで散々母親であるヴェルマを後ろ盾にしてメンバーに横柄な態度を取ってきたアンバーは番組から孤立していった。自分の番組の座と、3年連続で選ばれてきたミス・ヘアスプレーの座をトレイシーに追われるのを恐れるアンバーは、トレイシーの成功が面白くないヴェルマと2人で父親のウィルバーを誘惑しようとしたり、リンクを自分のものにしようとしたりとあの手この手でトレイシーを番組から追い出そうとしはじめるのだった。
『コーニー・コリンズ・ショー』には月に1回”ブラック・デー”という黒人のみが出演する日がある(逆に、この日以外は黒人は一切出演できない)。ブラック・デーの司会者はシーウィードの母親でもあるモーター。モーターはヴェルマからの嫌がらせに耐えつつ、起死回生のチャンスを待ち望んでいた。そんな中、トレイシーが番組初出演時に「すべての放送回を”ブラック・デー”にしたい!」と叫んだことに刺激され、コーニーは差別の廃止をヴェルマに提案。しかしヴェルマは聞く耳を持たず、それどころか”ブラック・デー”自体を廃止してしまう。気落ちしたモーターや、番組出演を目指していたシーウィードの妹のアイネスたちは、トレイシーの提案でテレビ局までデモ行進をすることにする。トレイシーはリンクにも参加を勧めるが、リンクは番組出演を降ろされるの恐れ拒否。気落ちしたトレイシーは一人でデモ参加を決意する。
当日、モーター率いるデモはつつがなく進行し多くの黒人たちを連れ立ち、娘の危険を案じたエドナまでも巻き込み、大きなデモ隊へと成長する。デモ隊がテレビ局の前までたどり着いた時、待ち構えていた警官ともみ合いになり、逃げたトレイシーは警察から追われる身となってしまい、前もって頼んであったペニーにかくまってもらう。しかしペニーは、敬虔なキリスト教徒である母親に逃走犯をかくまった悪い娘として軟禁される。それに気付いたシーウィードが自分の身を挺して助け出してくれたことで、ペニーはますますシーウィードの虜になっていく。その頃リンクは、トレイシーが警官に暴力をふるったなどという有らぬ疑いから追われる身となった事をテレビのニュースで知る。これを機にトレイシーの勇気ある行動に刺激され自分の無力さを恥じ、トレイシーへの愛情を確信する。
翌日、ミス・ヘアスプレーコンテスト当日。ヴェルマはテレビ局に大勢の警備員を配備し、トレイシーのテレビ局への侵入阻止を図る。そんな中トレイシーは、両親や黒人仲間の協力を得て、警備員の目をくぐりミス・ヘアスプレーの会場へと姿を現す。そしてトレイシーのダンスを皮切りに、生放送のスタジオにさまざまな奇跡が繰り広げられる。
完璧なハッピーになれるミュージカル映画。
もともとミュージカル映画が大好きなのですが、はち切れそうな程の幸せで胸いっぱいになります。
最近は思考を重ねて理解していく映画ばかり観ていたので、ふわっと心が軽くなりました。
この作品において素晴らしい点は、歌やダンスが満ち溢れた中にしっかりとしたストーリーやメッセージ性が込められていながらも、すんなり脳にハッピーが伝わってくるようなノリの良い、感覚的な作品であることです。
歌手、ダンサー、俳優と素晴らしいキャスト陣によって、コメディ要素も交えつつ音楽でみんなを幸せにしていきます。
“Good Morning Baltimore”から始まり、最後まで最高の音楽に包まれながら軽快に物語が進んでいきます。
日常的な物音まで音楽の一部として変えてしまう清々しい目覚め、こんな朝が来たら必然的にハッピーな1日を過ごせる気がします。
“Good Morning Baltimore”
朝にぴったりな曲、堂々の1位です。
鑑賞後すぐにサウンドトラックをダウンロードしてしまいました。一生聴いてます。
以前、コラムでもご紹介したミュージカル映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とは全く正反対の雰囲気ですが、どちらの作品でも揺るぎなく、音楽は人に幸せをもたらすと確信します。
『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』も合わせて観たくなりました。
そして歌やダンスはもちろんですが、服や髪型、メイクも滅茶苦茶にキュートで目が離せないポイントです。全てがどストライクに可愛くて、ファッションを真似してみたくなります。
ジョン・トラボルタが女装し演じているトレイシーのママ、エドナ。巨体を振り回し踊る姿は迫力がありつつも愛おしくキャッチーです。
作品内では人種差別や容姿に対する偏見を取り上げています。ひたすらに楽しいムードで進んでいきますが、純粋で真っ直ぐなトレイシーは差別に立ち向かい世界を動かし、最後には感動でほろりと涙しそうになります。
「人と違うことは素晴らしい」
そんなメッセージが込められていました。
人と違うことは長所になる。
みんな同じことに疑問を抱かず、はみ出すと非難を投げかけられる時代。
マジョリティを求められがちな今の社会に投げかけたい言葉です。
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来週は、同じく花柄ランタンの村上真平さんオススメの映画をご紹介します。
それでは、また来週!
※「それでも映画は、素晴らしい。」は毎週火曜日更新予定です。
【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
テラシマユウカ
2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。