【連載】テラシマユウカ「それでも映画は、素晴らしい。」Vol.9『シカゴ』

どうも皆さん、こんにちは。

最近ミュージカルを観に行きたい欲が爆発しています。

コラム内でいくつかミュージカル映画を紹介させてもらっているのですが、そのせいか生で観たいという感情が溢れ出しています。

学校の行事で観に行ったり、父に連れて行って貰ったりと昔はあったのですが、最近は専ら観に行く機会がありません。

4年ほど前に観た城田優さん主演の「ファントム」。初めて自分でミュージカルを観に行きたいと思い、父に連れて行って貰いました。自分が今まで触れたことのない新しい世界に投げ込まれた様な、衝撃を受けた記憶があります。

生で凄まじい演技力と歌唱力を見た、その衝撃と刺激をもう一度味わいたくてしょうがないです。

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という事で、今週はミュージカル行きたい欲を更に掻き立てられた映画をご紹介します。

GANG PARADEのメンバー、ユイ・ガ・ドクソンのオススメ映画です。

Vol.9『シカゴ』

 

1924年頃のシカゴで、世間知らずのロキシー・ハートは地元で人気のケリー姉妹の一人であるヴェルマ・ケリーが舞台に立つナイトクラブを訪れる(『All That Jazz』)。彼女はヴェルマのように人気の踊り子になることをずっと夢見ている。しかしその夜、二人の運命が大きく変わり始める。ロキシーは自分をヴォードヴィルのスターにしてくれると信じるフレッド・ケイスリーと浮気をする。ショー(All that jazz)の前日、ヴェルマは夫と妹がベッドを共にしているのを目撃して殺害。ヴェルマがショーをしている最中に警察がヴェルマを逮捕しにやってくる。その後、夫と妹を殺害した罪で逮捕される。1カ月が経過し、ロキシーがケイスリーにクラブのマネージャーに会わせるよう急かしたため、ケイスリーは、コネは彼女と寝るための嘘であると語る。激怒したロキシーは彼を射殺し、夫のエイモスに強盗を殺害したのだと語り、正当防衛で釈放される可能性を考慮し責任を肩代わりするよう説得する。彼は刑事に嘘の自白をすると、ロキシーは彼に捧げる歌を心の中で歌う(『Funny Honey』)。しかし刑事がロキシーとケイスリーが知り合いで浮気をしていた証拠を見せると、エイモスは真実を話し、ロキシーはやけになって事件を認め、クック郡刑務所に送られる。野心的な地区検事長のハリソンはメディアの前で極刑にするつもりだと語る。

ロキシーが刑務所に到着すると、ロキシーは贈収賄を行なうマトロン”ママ”モートンが牛耳る殺人棟に入れられ(『When You’re Good to Mama』)、ロキシーはヴェルマに会い、この棟の他の女性受刑者がどうして収監されたのかを知る(『Cell Block Tango』)。彼女はアイドルであるヴェルマと仲良くなろうとするが、ヴェルマは無礼に拒絶する。モートンのアドバイスにより、ロキシーはヴェルマの敏腕弁護士ビリー・フリンに弁護を頼むが(『All I Care About』)、膨大な弁護費用が払えず、断られてしまう。しかし、酷いことをされたにもかかわらず何とか自分の妻を助けようとする夫のエイモスの情に絆されてか、ビリーはある妙案を思い付く。フリンとロキシーは記者会見でメディアを操作し、ロキシーの身の上を高潔な女性が都市での駆け足の人生により過ちを犯したという新たな作り話にでっち上げる。エイモスは多忙でロキシーはエイモスと家庭を再建したかったが、これに嫉妬したケイスリーと関係を持ってしまったというのだ。ビリーの思惑通りに、メディアはこの話を信じ、悲劇のヒロインに仕立て上げられたロキシーは民衆の人気を得る(『We Both Reached for the Gun』)。ロキシーは一夜にしてスターとなり(『Roxie』)、注目されなくなったヴェルマは激高する。ヴェルマはロキシーに、自分が殺害した妹の代わりに共にデュエットを組もうと説得を試みるが(『I Can’t Do It Alone』)、現在ヴェルマより人気のロキシーは、かつてヴェルマにされたのと同様に鼻であしらい、2人はライバル関係となる。

裕福なビジネスマンの娘キティ・バクスターが夫と愛人2人を殺害し逮捕されたため、メディアとフリンもロキシーよりキティに注目するようになる。しかしロキシーは妊娠していると嘘をつき、すぐに名声を復活させヴェルマは驚愕する。しかしメディアはエイモスに気付かず(『Mister Cellophane』)、フリンはロキシーに同情を集めるため、エイモスに子供の父親は他におり、窮地の最中にロキシーと離婚するようそそのかす。名声はロキシーをつけあがらせ、生意気になったロキシーはフリンが裁判の時に着せようとした地味なドレスを拒絶し、自分自身で無罪を勝ち取れると信じた彼女は彼を解雇する。しかしロキシーは無実と思われる同じ棟のハンガリー人女性殺人犯が絞首刑にかかることを知り、すぐにフリンを再び雇用する。

ロキシーの裁判が始まり、新聞記者でラジオ・パーソナリティのメアリー・サンシャインの感情的な記事が功を奏し、ビリーはメディアをスペクタクルに巻き込む(『Razzle Dazzle』)。ビリーは証言者たちおよび作り上げられた証拠の信用性を落とし、ロキシーが子供の父親はエイモスだと語ったことにより2人は公衆の面前で和解する。ヴェルマが司法取引で執行停止期間を得るためにママ・モートンから渡されたロキシーの日記を持って現れ、ロキシーに不利な日記を読み上げる。ビリーは検察官がこの日記を作り上げたのではないかとほのめかし、日記の証拠としての信用性を落とす(『A Tap Dance』)。ロキシーは無罪判決を受けたが、彼女の名声は数秒後に裁判所の目の前で夫を射殺した女性により奪われる。フリンは彼女にこれを受け入れるよう語り、検察官を訴え2人同時に釈放させる目的で自分が日記を改ざんしてママ・モートンに預けたことを明かす。エイモスは忠実にその場に残り、父親になることを喜ぶが、ロキシーは彼を冷たくあしらい、妊娠は嘘だと明かすと彼はとうとう彼女のもとから離れる。

ロキシーはヴォードヴィルの女優となるが、あまりうまくいっていない(『Nowadays』)。ヴェルマが彼女のもとに現れ、やはり自分もうまくいっていないことをほのめかし、有名になるため2人の殺人者としてヴォードヴィルに登場することを提案する。ロキシーは最初は断るが、お互い恨み続けるよりも共演した方が良いと気付きこれを受け入れる。2人による新しい見事なステージは観客やメディアから愛される(『Nowadays / Hot Honey Rag』)。ロキシーとヴェルマはフラッシュライトを浴び、熱狂的な観客たちからスタンディング・オベーションを受け、「私たちはあなた方がいなかったらなしえなかったわ」と語る。

今まで観たミュージカル映画の中で、圧倒的にダンスのレベルが高かったです。

オープニングから印象的。

「5-6-7-8!」

突然カウントから始まり、がっしりと心掴まれシカゴの街に引きずり込まれる。

どの曲も演出が素晴らしく、どこを切り取っても目に焼き付いて離れない。113分が一瞬で過ぎ去ってしまいます。

全てが当然のごとく良いのですが、ロキシーやヴェルマと同じ様に収監されている殺人犯6人による、男を殺した理由をセクシーで挑発的に歌い踊る”Cell Block Tango”

 

ロキシーを腹話術人形に見立て膝に乗せ、ビリーが操りながら歌う、ちょっと奇妙で不気味な”We Both Reached for the Gun”

 

特にこの2つは『シカゴ』ならではの特徴的シーンでした。

助演女優賞を見事受賞したヴェルマ・ケリー役キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。演技はもちろんのこと、美しく強い歌声と踊りはぶっちぎりに圧倒的。はやくヴェルマのターンが来ないかと心待ちにしてしまう程です。

一見華々しい最高のフィナーレで終わりますが、ふと顔がよぎるロキシーの旦那に視点を置くと、かわいそうでいたたまれない気持ちになってしまいました。

作品内に事あるごとに登場するマスコミは新しい話題に真っ先に飛びつき、過ぎ去ったものにはあからさまに食い付かない。世間の関心の移り変わりの早さを表現しています。

殺人さえもアクセサリーとして売り物にする女の執念深さ。面白可笑しく女の恐さを映し出していました。

この作品はストーリーの流れがしっかりしていますが、すっきりとまとまっており、引きずられないのでミュージカルを存分に味わえるオススメの一本です。

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来週は、T-Palette Recordsの古木智志さんオススメ映画をご紹介します。

また来週!

※「それでも映画は、素晴らしい。」は毎週火曜日更新予定です。

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
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【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
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テラシマユウカ


2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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