「みんなの遊び場」をコンセプトに活動するWACK所属の13人組アイドル・グループGANG PARADE(以下、ギャンパレ)の1人1人のパーソナルに迫る短期集中連載がスタート。毎回1人ずつ、どんなファッションを好み、どんな音楽や漫画やゲームなどに影響を受けてきたのか、ギャンパレでの歌詞や振り付けについてなど、これまでの単独インタビューとは違った切り口からメンバーに迫る。
第10回は、2021年3月のWACK合宿オーディションで合格し、PARADISESで活動をスタートさせたキャ・ノン。GO TO THE BEDSへグループごとのレンタルトレードをするなど、激動の1年を経て2022年1月1日よりGANG PARADEとしての活動を始めた彼女の好きな靴のことから、ハマっているサウナ、作詞のことなどざっくばらんに話を訊いた。
取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ
スニーカーを集めるのが好きで、服を着るときは靴から考えるんです
──StoryWriterではいつも私服で撮影をさせてもらっているので、今日の服装のこだわりや、どういうものを身につけていることが多いのか教えてもらえますか?
服はブランドで決めるというより、好きなものを着たいなと思っていて。私、スニーカーを集めるのが好きで、服を着るときは靴から考えるんです。スニーカーに合った服装をするのが好きです。
──いつ頃からスニーカーを好きになったんでしょう。
モアテン(Air More Uptempo)ってあるじゃないですか? 高校生のときに「AIR」って書いてある靴がどうしても欲しくて。そこからNIKEのスニーカーにどんどんハマっていって、SNKRSで張り付くようになりました(笑)。
──基本的にNIKEが好きなんですか?
基本NIKEが好きなんですけど、今日はPUMAのブーツを履いています。厚底とか、かわいい靴が多くて。最近はニューバランスを狙ってます。手広く好きです(笑)。
──靴の仕事とか増えるといいですよね。
以前、VANSのスナップのお仕事をいただいたときめっちゃ嬉しくて。靴に関するお仕事がもっとできたら嬉しいですね。
──髪の毛とか雰囲気も変わりましたよね。
私はすごく飽きっぽくて、自分の見た目に対してもすぐ飽きちゃうんですよ。髪だったら手っ取り早く変えられるので、衣装に合わせて変えたりします。GO TO THE BEDSのときは金髪にもしていて、衣装に合わせて着せ替え人形みたいな気持ちで自分も変えていたんです。何度も変えすぎて、そろそろイメージを固定しろって言われたので、しばらく黒髪ボブでいこうかなと思っています(笑)。
──髪の毛の色も衣装にあわせて考えていたんですね。
GO TO THE BEDSにレンタルトレードしていたときは衣装も結構はっきりした色だったので、それに合わせていたんですけど、ギャンパレは人数も多いし頭がカラフルな人も多いから、逆にそこで個性を出さなくてもいいんだなって思うようになりました。
サウナで失った塩分をラーメンで回収する循環ができている気がします(笑)
──いま、ギャンパレの活動が忙しいと思うんですけど、どんなに忙しくても好きで必ずチェックすることがあれば教えてもらえますか?
最近サウナにハマっていて。練習が終わったあと、サウナに行って帰ることが多いです。
──サウナにハマったきっかけはなんだったんでしょう?
YouTubeでサウナに入っている人の動画を見たら、すごく羨ましくなって、行ってみようと思ったのがきっかけです。すごいですね、あれは。ふふふ。キマりますね。
──“整う”じゃなく“キマる”っていうのがいいですね(笑)。
私のよく言ってるサウナは、ベランダみたいなところで外気浴ができるんです。近くの焼き鳥屋さんから焼鳥の匂いがするんですけど、ベンチに座って空を見ていると「生きててよかった」ってワードが自然と降ってきて、自分キモっ!てなります(笑)。
──(笑)。サウナに入ることで体力的にも回復するものですか?
回復はそこまでしないんですけど、リフレッシュになりますね。私、元々汗をかきやすい体質なんですけど、サウナに入ってなおさら汗かきやすくなった気がします。
──サウナ以外で好きなものはなにかありますか?
ラーメンが好きです。
──ドクソンさんもラーメン好きですよね。一緒に食べにいったりしますか?
私は家系ラーメン専門なので、ドクソンさんのラーメンコラムの取材について行こうとするたびに、家系じゃないと、じゃあいいやって行かないです(笑)。
──あははは。家系って、どういうラーメンのことなんでしょう?
豚骨ベースで、とても味の濃いラーメンですね。味の濃いものが好きなんですけど、その最上級が家系ラーメンだなって。体が塩分を求めると食べに行っています。サウナで失った塩分をラーメンで回収するっていういい循環ができている気がします(笑)。
──結構ギリギリを生きている感じがするというか。物事の際まで行った方が生きている心地がするみたいなところもあるんじゃないですか?
たしかにそうかもしれないです。基本がMなので、ギリギリまで行きたいと思うんです(笑)。
アイドル目線とファン目線を両方で書いた作詞曲「MELT」
──音楽や映画、漫画などのカルチャーの中で影響を受けたものはありますか?
音楽から一番影響を受けましたね。お父さんの影響でブルーハーツがすごく好きで、中学生ぐらいのときにELLEGARDENが好きになって。初めて歌詞で感動したっていうか、言葉で伝えられる職業はいいなってことはすごく思ったんです。
──ELLEGARDENは2018年に約10年ぶりとなる活動再開を発表してライヴも行いましたよね。実際ライヴにも行かれたりしたんですか?
再結成のZOZOマリンスタジアムのライブに行きました。上の方の席だったんですけど、まだコロナ前だったので人がゴロゴロ転がっていくベルトコンベアみたいな光景を見てすごいなと思って。私が初めて知ったときには活動休止をしていたので、こうやって生きがいにしてた音楽を生で聞ける機会はもうないと思っていて。なので復活する話を聞いてすごく嬉しかったし、見れて本当によかったです。
──同じようにキャ・ノンさんのことを見て生きがいにしている人たちもいるわけじゃないですか。自分も誰かの生きがいになっていることに対して、どういう気持ちで活動していますか?
嬉しい気持ちもあるし、そこに対しての責任もあると思っていて。少なからず影響がある立場になったからこそ伝える言葉は大切にしていて。自分がそうだったように、ライヴに来てよかったなとか、明日も頑張ろうと思ってもらえるようなライブにしたいなって、MCに関してもそこを考えて話しています。
──ギャンパレはメンバー自身も作詞することが多いですが、キャ・ノンさんはどういうプロセスで歌詞を書いているんでしょう?
今回のシングル『Priority』のカップリング曲「MELT」で歌詞を採用していただいているんですけど、テーマが「恋愛」って言われていて。恋愛の話は何もないやみたいな感じだったので、使われないと思ってすごく自由に書いちゃったんですよ。今までの歌詞は自分なりにすごく良い作品が出来たと思って出しても、使われないことがあったんですけど、今回は遊び心満載で書いて採用していただいたので、世に出るのがちょっと恥ずかしいです(笑)。いつもは歌詞を書く曲に似ている曲だったり、こういう雰囲気の言葉を入れたいなと思った曲のプレイリストを作って、それを聴いて浮かんだワードとかをワーッて並べて歌詞を書いていますね。入れたいワードをとにかく書き出して、そこからはめていくみたいな感じでやってます。
──アイドルとして活動しているキャ・ノンさんが「恋愛」をテーマに歌詞を書くっていうのはわりと難易度が高いのかなと思うのですが、そのあたりはいかがでしたか。
今回、推しに対しての愛をテーマに書いたんです。ガッツリ恋愛というよりは、アイドル目線とファン目線を両方で書いてみました。
ずっと憧れている野音のステージに立ちたい
──キャ・ノンさんはPARADISESで活動をスタートさせて、GO TO THE BEDSへのレンタルトレードを経て、今年元日にGANG PARADEのメンバーとして活動が始まりました。そのあたりの切り替えはうまくできたんでしょうか。
ギャンパレになるって聞いたのが突然だったこともあって、気づいたらギャンパレだったみたいなのが正直なところで。GO TO THE BEDSにレンタルトレードしたときの方が、どうしよう!? どうしよう!? と思っていて。1ヶ月間の準備期間があったからこそ、じわじわGO TO THE BEDSになっていった感じだったんですけど、ギャンパレは「はい、あなたは今日からGANG PARADEです」って言われてそのままステージに出ていったので、本当に気づいたらみたいな感じです(笑)。
──同期であるチャンベイビーさんは、キャ・ノンさんにとってどんな存在ですか?
PARADISESとGO TO THE BEDSでそれぞれ活動していたので、一緒には活動していなかったんですけど、ギャンパレで一緒に活動するようになってからは、いてくれることが心強いなって思うし、最近になって仲良くなった感じがします。
──仲良くなったきっかけがあったんですか?
一緒にいる時間が長いからこそお互いのことがわかったり、言わなくてもわかることみたいなところもやっぱ出てきたのかなって思いますね。同じグループにいてくれることが嬉しいですね。
──現在13人体制になって活動をしているわけですが、13人という人数に関してはどのように感じていますか?
難しいことも多いなと思うんですけど、その分できることが広がるなと思っていて。全員同じ意見になるってことは本当に難しいことなんですけど、みんなGANG PARADEが好きって気持ちは一緒だし、向く方向が一緒ならいいものになるなって思うので、できることがもっとあるだろうなと思うし、どんどん見つけていきたいなと思います。
──キャ・ノンさん個人的に活動を通して実現したいこととか、表現したいことがあれば教えていただけますか?
個人的にはラジオがやりたいです。「PARADISESの大事なラジオ」をNACK5さんでやらせてもらってたときに、レンタルトレードしたことによって出来なくちゃったんですよ。その期間めっちゃラジオを聞いて勉強してたんです。メンバー間でこの人のラジオいいから聞いてみてとか、誰が何担当でいくみたいな話をしていたので、すごくショックで。ラジオへの憧れみたいなのが消化しきれてなくて。なので、ラジオをやりたいですね。
──何かものごとに取り組むときは、準備したり、考えたり、しっかり正面から向かいあうんですね。
私が単純なのかもしれない。しゃべるのもあまり得意じゃないので、得意になろうと思って勉強し始めて。苦手なことをそのままにするから苦手なんだなっていうのを大人になってわかってきたから、だったらラジオを聞いて話し方とか勉強しようみたいな気持ちで聞くようになったら、すごく勉強になっていますね。
──特に好きな番組やパーソナリティの方を挙げるとしたら?
私がよく聞いているのは、パンサー向井さんのラジオと、空気階段の踊り場、あとフワちゃんのラジオで。空気階段はあの2人だからこそできるトークみたいなところがあって、向井さんはしゃべるのが上手、フワちゃんも裏回し力がすごいなと思っていて。「私はフワちゃんになりたいんだ!」ってドクに言ったら、「向き不向きがあるからやめな」って言われてすごいショックでした(笑)。
──(笑)。こんなグループにしていきたいという理想があれば教えてもらえますか?
グループ的にはやっぱり売れたいです。GANG PARADEは1回活動休止しているじゃないですか? そこで時計が止まっちゃったみたいなところが自分の中であって。自分は昔のギャンパレを見て今WACKにいるので、それを動かしたいし超えたいなと思うんです。何で私は売れたいんだろう?って考えたときに、自分がGANG PARADEが好きだからだなって思ったので、もっと大きなステージでライヴをやりたいですね。
──具体的に立ってみたい場所はありますか?
私はずっと日比谷野音でライブをやりたくて。過去にギャンパレは日比谷野音に立っているんですけど、改めてフルキャパで満員にしてやりたいなと思うし、ずっと憧れてるステージなので、私も立てたらいいなって思います。
GANG PARADE 短期集中連載 一覧
Vol.1 ヤママチミキ編「1人ぐらいは自分のことを必要としてくれる人がいるんだよ、って伝えたい」
Vol.2 ユメノユア編「自分を救ってくれた、支えてくれたのは音楽だった」
Vol.3 キャン・GP・マイカ編「常に憧れられる存在でありたい」
Vol.4 テラシマユウカ編「不安定だからこそ面白い」
Vol.5 ココ・パーティン・ココ編「私の職業はアイドル、って言えてるのが本当に幸せ」
Vol.6 月ノウサギ編「自分を通してキャンパレを好きになってもらえたら嬉しい」
Vol.7 キラ・メイ編「遊び場を大きくしていきたい」
Vol.8 ユイ・ガ・ドクソン編「今までたくさんの人からもらったものへ恩返しをしたい」
Vol.9 ナルハワールド編「積み重ねてきたものを全部良いものにして大きいステージに立つ夢を叶えたい」
Vol.10 チャンベイビー編「三つもグループを経験してるから大切なものがたくさんある」
■リリース情報
GANG PARADEメジャー4thシングル『Priority』
2022年11月16日(水)リリース
価格:1,100円(tax in)
品番:WPCL-13427
収録内容:
1. Priority
2. MELT
購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/4thSG
メジャー4thシングル「Priority」
9月19日(月)各配信サイトにて配信開始
https://gangparade.lnk.to/Priority
■ツアー情報
〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉
2022年11月10日(木)@東京 Zepp Haneda
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:KM MUSIC 045-201-9999
■イベント詳細
〈Even without BiSH, this is WACK〉
2022年11月23日(水祝)@千葉 幕張メッセイベントホール
時間:Open/Start 13:30/14:30
出演:ASP/BiS/ExWHYZ/GANG PARADE/豆柴の大群
[問] KM MUSIC 045-201-9999
料金:【通常チケット】全席指定 7,000円(税込)(入場時にドリンク代別途必要)
WACK 公式WEBサイト:https://www.wack.jp/
オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/