「みんなの遊び場」をコンセプトに活動するWACK所属の13人組アイドル・グループGANG PARADE(以下、ギャンパレ)の1人1人のパーソナルに迫る短期集中連載がスタート。毎回1人ずつ、どんなファッションを好み、どんな音楽や漫画やゲームなどに影響を受けてきたのか、ギャンパレでの歌詞や振り付けについてなど、これまでの単独インタビューとは違った切り口からメンバーに迫る。
第12回は、2022年3月のWACK合宿オーディションで合格、5月21日の神奈川・YOKOHAMA BAY HALL公演でお披露目ライヴを行いGANG PARADEで活動をスタートさせた、カ能セイ。髪の毛の色のように性格もとても明るくギャルとも言われることの多い彼女のパーソナルな部分から、大好きなダンスのこと、影響を受けてきたカルチャーなどざっくばらんに話を訊いた。
取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ
ちょっと落ち着いていると、逆に物足りない
──StoryWriterではいつも私服で撮影をさせてもらっているので、今日の服装のこだわりや、どういうものを身につけていることが多いのか教えてもらえますか?
意識しなくても、普段は短めのワンピースとか色物が好きで着ています。白黒も好きなんですけど、クセのある色とか、あまり見たことない色が入っている服に惹かれて買っちゃいますね。
──セイさんはギャルと言われることが多いですが、普段の服装はそういう要素はない?
どうなんだろう? 一つの系統ってことはあまり意識せず、いろいろな服を着るんですけど、夏だと露出が高い服も来たりします。そういう服を着てくとみんなにギャルだねって言われます(笑)。
──ネイルは他のメンバーは白黒が多かったですが、セイさんは赤が入っていますね。
黒の衣装ということでみんな白とかモノトーンにしていると思うんですけど、私はあえて赤にしていて。いつもは何色かにしちゃうんですけど、今回は衣装が真っ黒なので赤一色で映えさせようかなって思ってそうしています。前回の衣装は結構カラフルだったので、爪も結構遊んでいました(笑)。
──今年3月のWACK合宿オーディションで合格してギャンパレでの活動が始まったわけですが、毎日だいぶ忙しいんじゃないですか?
今まで生きてきた中と言ったらちょっと壮大なんですけど、人生で一番忙しいかなってぐらい8月は忙しくさせていただいて。今(※取材時の9月)はちょっと落ち着いているんですけど、逆に物足りないというか。スケジュールが詰まっている方が充実していると感じて、今はちょっと刺激が足りないなって思っちゃいます(笑)。
──活動が忙しい中でも絶対に欠かさずチェックするものとか、好きなものがあれば教えてもらえますか?
私はダンスが好きなので、普段からダンス動画はたくさん見ていて。ジャンル関わらず、アイドルの動画はもちろん、他のダンサーの方が踊っている動画とかをSNSで調べてみたり、自分の体力が余っているときは趣味で踊ったりしていますね。
──活動に活かすって目的もありつつ、好きだから見てしまう?
活動とは全く別物と思っていて。私が今までやってきたダンスとギャンパレのダンスは全然違うし、力の使い方とかも全然違うんです。趣味として見ているダンスとは、ちょっと違うところはありますね。
──本当に根っからダンスが好きなんですね。
ふふふ。自分が特別上手だとは思っていなくて、もっともっと上手な方を見るのがすごく好きで。私もこんなふうになりたいなって思ったりしますね。
──特によく見るアーティストやダンサーがいれば教えてください。
それこそ最近よく見ているのは、カミヤサキさんも所属している「DropShitQaos」の清水舞手さんとか、元TEMPURA KIDZのP→★さんのパフォーマンスで。DropShitQaosさんの動画も見るんですけど、本当に世界観がすごくて。サーカスみたいな感じで、その人たちにしかない雰囲気を出せるのはすごいなと思うし、ギャンパレでの活動にも活かせるものがあるんじゃないかなと思って見ていますね。
──コンテンポラリーダンスなどもよく観る?
見ますね。自分がずっとやってきたダンスや好きなダンスはジャズファンクってジャンルなんですけど、通っていたスクールのレッスンでも上手な人とか先生のダンスを見ると、すごい!ってなるんです。見ているとやっぱり踊りたくなっちゃって、自分でも踊るみたいなことはよくありますね(笑)。
──いろいろなダンスがある中で、ギャンパレのダンスの特徴とはどういうものなんでしょう?
ギャンパレは自分も歌う一員だし、歌詞も全部込み込みで伝えていかなきゃいけないものがたくさんあるんです。趣味でやっていたダンスも誰かに伝えることを考えたりしていましたけど、それ以上にギャンパレとして踊るってことは、もっとたくさんの人にいろんなものを伝えなきゃいけないし、歌でも表現していかなきゃいけないと思っています。
最初音楽にハマったきっかけはボカロ
──ダンス以外で好きなものとか、趣味はありますか?
アニメを結構見ます。あと、音楽も聞きます。
──アニメはどんな作品が好きなんでしょう。
私、異世界系がめっちゃ好きで。ちっちゃいときからアニメにはまっていて、 『ソードアート・オンライン』とか『Re:ゼロから始める異世界生活』とか。最近だと『盾の勇者の成り上がり』とか非現実的なアニメが好きです。
──転生系はしばらくブームが続いていますよね。
『無職転生』とか、すごい流行っていますよね。特に現実逃避したい方にはおすすめなんじゃないかと(笑)。
──アニメにハマったきっかけの作品は覚えていますか?
最初は『東京喰種』の漫画を読んでいて、何だこれ面白い!と思ってハマりましたね。
──日常とはちょっと違うものが好き?
主人公が強い系が好きなんですよね、多分。『東京喰種』も金木くんがちょっと弱く見えるんだけど最強になるみたいなところが好きで。
──音楽はどういうものが好きなんでしょう。
最初音楽にハマったきっかけはボカロで、カゲロウプロジェクトが入りでした。今聞き返してもめっちゃいい曲だなって。本当みんなにも聞いてほしいくらい、曲としての良さがあるっていうか。歌詞もすごいし、音楽もすごいし、あんなにワクワクさせられる歌詞が書けるのがすごいなって思う。メロディもめちゃめちゃかっこいいです。
──ちなみにアウトドア的なこともしますか?
アウトドアも好きです。そう考えると、なんでも好きなんですよ(笑)。前言ったかもしれないんですけど、縄跳びも好きで。あとは海に行ったりするのも好きですね。サーフィンとかもちらっとやっていました。全然できないんですけど(笑)。
──時間がなくても、寝る間も惜しんで遊ぶみたいな感じ?
結構その思考が強くて。8月とかすごく忙しかったんですけど、例えば3時間ぐらい時間が空くとするじゃないですか。みんなマッサージとかメンテナンスとか寝たりとかして使っていたと思うんですけど、私はその3時間プールとかに行っていました(笑)。
──隙間時間でプールに行こうっていう思考がすごいですね(笑)。
しかも、最近のプールって、みんな頭をつからないで泳いでいるんですよ。私は一発目に頭からバーンって入ってびっちょびちょで。でも周り見たらなんか誰も頭濡れてなくて。ああ、時代だと思いました。
──あははは。セイさんは、まさに今の世代を代表する感じがしますけど(笑)。
馴染めなきゃいけない世代なんですけど、ちょっと馴染めなかったですね(笑)。メイクとか取れた取れた!と思いながら泳いでいました。
WACKの次世代を担っていく看板ぐらい大きなグループになりたい
──ギャンパレでの活動が始まって、思っていたより大変だったことはありますか?
一つ一つの曲を練習する時間がもっとたくさんあると思っていたんですけど、よくよく考えたら確かにそんな時間取れるわけないなと思って。ライブ以外の仕事とかも考えると、練習の時間が少ないので、いかに集中してみんなで作り上げるかが大事で。そこに関しては想像していたよりも大変だなって感じました。
──団体で何か物を作り上げるみたいな経験は、これまでもありましたか?
昔、部活をやっていたときはみんなで作り上げることはあったんですけど、それなりに時間があったのと、それしかやってなかったので。ギャンパレは、それだけってわけにはいかないですし、時間が限られている中でっていうのは初めてですね。
──メンバーの中だと一番新人なのでキャリアの差も結構あると思いますが、そのあたりはどのように接していますか。
仕事に対しても一つ一つわからないことばかりなので、1から101まで全部教えてもらっています。挨拶の仕方から、ライブ前後とかに関わってくれたスタッフさんに挨拶するとか、衣装は大切にするとか、そういう当たり前のようなことが意外と抜けちゃうところがいっぱいあって。細かく一つ一つ教えてくれるので、すごいなっていつも思いながら勉強させていただいています。
──見た目もそうですし、話している感じも合宿でのイメージと全然違いますよね。
合宿では途中まで自分を出しきれず、こんなんじゃ駄目だって思っていたんです。もしかしたらこういう雰囲気とは別路線のキャラクターだと思って合格させてもらったかもしれないので、大丈夫ですかね……?
──新世代感があって、すごくグループにハマっていると思いますよ。セイさんの使っていた「涙涙涙」(読み方:るいるいるい)とかスタッフさんも使っていますし。
すごくないですか? こんなにみんな使ってくれると思ってなくて。みんなが「涙涙」言うたびにすごく嬉しくなっちゃいます。最近、FC の投稿で「こんちくわに」って使ったら、ざわついちゃって。特典会とかで「こんちくわにって何ですか?」「こんちくわにって……」みたいな(笑)。なんか自然に出てきちゃうんですよね。作ろうと思っているわけじゃなくて、たまたまぽんって出た言葉が意外とみんな面白いらしくて。
──ちなみに、「こんちくわに」ってどういう意味なんですか?
普通にこんにちはです(笑)。
──あははは。それは“カ能セイ語”?
自分でも初めて言いました、初めて聞きました。
──ぱっとひらめいた言葉というか。
自然に出ただけなんです、すいません(笑)。
──そういう部分が、グループに新しい風を吹かせていると思います。
いい風ならいいんですけど(笑)。
──ギャンパレでの活動を通して成し遂げたいこととか、表現したいことがあれば教えてもらえますか?
ギャンパレはWACKの中でも人数が一番多いグループなので、どのグループよりも大きいステージが似合うはずだと思うんです。BiSHさんも解散してしまうので、WACKの次世代を担っていく看板って言われるぐらい大きなグループになりたいです。いろんなフェスとかにも出てみたいし、テレビとかでもいろんな人に知ってもらいたいなって思います。
──自分のどんなところを見てほしいなと思いますか?
見た目とかでギャル怖いとか無理かもと思う人もいると思うんですけど、そんなことはないし、話すと意外といけると思ってもらえることが多くて。もし怖がっている人がいたら、いつでもウェルカムです! あと、みんなの顔をよく見たいタイプなので、ライブ中に遊び人に向けて小声でありがとうとか言っちゃうんですよ。ライブって音が大きいじゃないですか? だから私が人に向かってありがとうって言っていてもバレないかなと思って。口を見ていたらもしかしたらなにかしゃべっているかもしれないから、そこも見てほしいなって思います。はい!
GANG PARADE 短期集中連載 一覧
Vol.1 ヤママチミキ編「1人ぐらいは自分のことを必要としてくれる人がいるんだよ、って伝えたい」
Vol.2 ユメノユア編「自分を救ってくれた、支えてくれたのは音楽だった」
Vol.3 キャン・GP・マイカ編「常に憧れられる存在でありたい」
Vol.4 テラシマユウカ編「不安定だからこそ面白い」
Vol.5 ココ・パーティン・ココ編「私の職業はアイドル、って言えてるのが本当に幸せ」
Vol.6 月ノウサギ編「自分を通してキャンパレを好きになってもらえたら嬉しい」
Vol.7 キラ・メイ編「遊び場を大きくしていきたい」
Vol.8 ユイ・ガ・ドクソン編「今までたくさんの人からもらったものへ恩返しをしたい」
Vol.9 ナルハワールド編「積み重ねてきたものを全部良いものにして大きいステージに立つ夢を叶えたい」
Vol.10 チャンベイビー編「三つもグループを経験してるから大切なものがたくさんある」
Vol.11 キャ・ノン編「止まっていたギャンパレの時計を動かして、超えたい」
■リリース情報
GANG PARADEメジャー4thシングル『Priority』
2022年11月16日(水)リリース
価格:1,100円(tax in)
品番:WPCL-13427
収録内容:
1. Priority
2. MELT
購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/4thSG
メジャー4thシングル「Priority」
9月19日(月)各配信サイトにて配信開始
https://gangparade.lnk.to/Priority
■イベント詳細
〈Even without BiSH, this is WACK〉
2022年11月23日(水祝)@千葉 幕張メッセイベントホール
時間:Open/Start 13:30/14:30
出演:ASP/BiS/ExWHYZ/GANG PARADE/豆柴の大群
[問] KM MUSIC 045-201-9999
料金:【通常チケット】全席指定 7,000円(税込)(入場時にドリンク代別途必要)
WACK 公式WEBサイト:https://www.wack.jp/
オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/